遅れちゃってゴメンナサ〜イ!!
遅いっ!! 何してたんですか!
アンドロメダ行きのパスを落としちゃって・・・。
鉄郎か!
なんとか「短歌鉄道999」には間に合ったようだけど・・・。
別にウマくもなんともなんともないんですけど。
それは言わないって約束でしょ、車掌。
車掌って・・・ボクが?!じゃ、メーテルは誰・・・?
メーテルは・・・・・・
キミだ!
ということで、2周年に向けての奇妙な冒険がはじまりました。
前回、「総評」で載った歌よりも、
むしろ落とされた歌に注目してほしいと書きましたが、
それは載った歌と載らなかった歌の違いをよく考えて頂きたいからです。
そこには「無言の批評」がこめられているのです。
自力でもダメな部分ってわかるものでしょうか?
そんな意見もあろうかと、どのへんをチェックすべきか、
チェックポイントを思いつくままに書いてみました。
さすがは師範! 用意周到!
では、いきます。・文法を間違えていないか。
・リズムは整っているか。
・旧カナと現代カナが混ざっていないか(文語と口語が混じるのはOKです)。
・旧カナ使いが間違っていないか
(「なんちゃって旧カナ」の人が多いけど、旧カナで書こうと思う人はそれなりの勉強が必要です)。
・「うれしい」とか「悲しい」とかいう感情を表す形容詞に頼っていないか。
(一言で済んでしまう形容詞を使ってしまっては、かえってその思いは伝わらないものです。)
・安易な比喩を使っていないか(「海のように広い」、「風のようにさわやか」etc・・・)
・あまりにもひとりよがりな比喩を使っていないか。
・同じ意味の言葉を重複させていないか(省略できるところは省略する)。
・単なる状況説明や報告に終わっていないか。
・発想があまりにも陳腐ではないか。
・歌謡曲的なわかりやすさにおさまっていないか(これ、非常に多いです)。
・「ナウい」「C調」などという死語を現代の若者用語と勘違いして堂々と使っていないか(お年寄りがやってしまいがち)。
・内容があまりにも不道徳ではないか。
・盗作していないか。
・俳句になっていないか。
・過激すぎる下ネタはないか。
・男なのに女性のペンネームを使って、乙女チックまたはエロチックな歌を書いてひとりで興奮していないか。
・亡くなった身内の辞世の歌を自分のオリジナル作品として投稿していないか。
・2・26事件で無念の死を遂げた青年将校の霊に自動書記で歌を書かされていないか。
コラっ! 最後のチェックポイント、晩年のMISHIMAか!
BLOGに投稿する暇があったら除霊しに行け!
じゃあ、僕の美輪明宏さんのモノマネで・・・。
あのー、いちおう短歌BLOGなんですから、そういうオーラの泉チックなこと書くのはやめてください。まったく油断も隙もありゃしないんだから・・・。
まぁでも自分の作品を客観的に見るということは非常に難しいことなので、なるべく講座に参加して頂きたいと思っています。
どうしても自分の歌は贔屓目に見てしまう傾向があるからです。
ということで、−僕らのメルヘンをとりもどせ!−
朝日カルチャーセンター講座
「念力短歌のつくり方 〜入門編〜」
鑑賞と実作(歌会もやります) 笹 公人
5/26、 6/9
土 18:30〜20:00
受講者募集中です!
これが終わると、しばらく短歌講座はやらない予定なので
(対談講座は定期的にやらせて頂きます)、
ぜひご参加ください!!
前回の穂村さんとの公開講座に出て、「俺はもうダメだ・・・」
と落ち込んでいる人が何人かいるという噂を聞きましたが、
穂村さんの「イン・アウト論」は、本格的な歌人を目指す人に向けての話なので、
そんなに気にする必要はありません。
本格派歌人になりたいならば、伝統とつながる覚悟も必要ですし、
短歌史も必須科目でありますが、
そうではなく趣味で短歌を詠む場合には、特に必要ないと思います。
それはなぜかというと、
なまじ勉強をしたがために、何も書けなくなってしまった人や、
ある種の自由さ、無謀さがなくなって、
急に歌がおとなしく、つまらなくなってしまった人を
いままでに(この15年間で)何人も見てきているからです。
なるほど。
ただ、短歌というジャンルは作歌力と読解力はほぼイコールと考えてよいので、他人の作品(伝統短歌を含む)をたくさん読まないと上手にはならないのです。
だから「勉強するな」とも言えず、そこにジレンマを感じています。
自分を含め最近の20代・30代は勉強嫌いが多いから、そのへんは安心だという話もあるけど・・・。
難しいですねぇ・・・。師範自体が伝統と断絶のボーダーラインに立っているから、
そのへんのことがよく見えているのでしょうね。
伝統の良さと、それを維持する大切さもわかっているし、そこから切れたおもしろさも知っている。
そのへんのことをわかりすぎている自分が
よりによって教える側に立ってしまったから、よけいに葛藤が大きいのです。
それでたまに爆発してゴーマンかましちゃうと。
まぁ、そんなとこかな・・・。最近の僕は(短歌観が)右寄り・保守的などと言われてますけど、
本当は左の気持ちもよくわかる。
だんだん話が逸れてきましたが、要するに講座に出てほしいと。
そうだね。とりあえず講座に出て「歌会」を体験してほしい。うまい具合に成長しようと思ったら、歌会に出るのが一番。
独学は罠が多くて危険ということであります。
あと、BLOGには限界がある。
更新も遅いし。
うぅ・・・。それとあとひとつ言っておきたいのは、
創作の本質は、伝統うんぬんより、
もっとほかのところにあると思っています。
インスピレーションが湧き起こる瞬間の快感や、
歌を詠む喜び、これらを忘れてしまったら元も子もないと思っています。
短歌を詠むこと自体は修行でも苦行でもないんだから、
どうかそこを忘れないで頂きたい。
了解!
朱川湊人(小説)×笹公人(短歌)
「遊星ハグルマ装置」
第三回が公開されました!
ぜひご覧ください!
ということで、「総評」にいきます!
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まずは、
かんな(旧 佐田やよい)さんです。
・思春期のぬるい水面を泳ぎだす足を生やしたオタマジャクシが (かんな)
・窓際の制服にうつる陽の光 4月9日君をみつける
「入学式」とか「始業式の日」とはせずに、
具体的な数字を出したのが効果的でした。
・春雷をふりきるようにオレンジのレインハットで駆け上る坂
・簡単にはなした右手 春風のぬくもりをまだ探し続ける
・思い出はもらったボタンとしまいこみ一番バスのタラップを踏む
・君が住む街を探せば春霞こくなっていく午後の屋上
・泣きながら切った電話を思いつつ噛みしめている桜餅の葉
・毛根がざわついている体から春が蠢きはいだしていく
・改札を迷うことなくすり抜ける働きアリの列にくわわる
現代批判が込められています。
・できたてのイチゴジャムからでる湯気のように消え去る初めての恋
今回もとてもよかったです。
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正統派の
瑞紀さんです。
・春の夜の時計屋が言うさあどうぞ好きな時間をお持ちください
(瑞紀)
・夕暮れがゆっくりと来る春だからたゆたっているブランコの上
・『春の雪』返せないまま色褪せてゆく背表紙をときどき撫でる
・海からの風おさまりし春の午後とびら開けばみずの匂いす
・「降参」のメールに笑みはひろがりて春の勝鬨橋を渡りぬ
・制服の肩にひとひら春をつけ子は地下鉄の一駅を乗る
・長身を時に反らして<春>を弾くヴァイオリニストの美(は)しき指先
・青年の腰で揺れたる鍵束のやわき音聞く春のサロンに
お上手です。
瑞紀さんは、ふつうに短歌結社でも活躍できますよ。
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小野伊都子さんです。
・割れそうな恋の卵を温めていちから育ててみたい春です
(小野伊都子)
・フルーツのにおいの風が吹き抜ける 春休みには恋が宿題
・上着など持たず出かける 春風は優しく甘い指を持ってる
・蝶々に案内されて公園の特等席にきみと座った
・ここからは裸足になって歩きましょ たんぽぽの国 風のふりして
・「リラの花はもう咲いたかい?」 ムーミンのもとにギターの彼が戻って
・春にだけ通じる暗号みたいだね ピクニックとかハイキングとか
おもしろい。
・海へ行く赤い電車はすいていてレンゲ畑を置き去りにする
・あたらしい場所に行くのも悪くない 猫のしっぽの方角に花
・ドロップの缶から続けていちご味出てくるような日曜日です
歌謡曲調ではありますが、
色彩感があってよかったです。
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砺波湊さんです。
・曲がり角で食パンくわえた美少女とぶつかることなく春は過ぎ行く
(砺波湊)
ベタンカでました。
・頬杖の君が降らせるグラニュー糖 春の雪として紅茶と混じる
うまいねぇ。
・飛行船を見上げるためにあおのいた 嵐なんてない春の真昼に
・期待どおりの日々は来ないね 春一番なんかに負けず靴をおろした
・つま先で綿毛をみんな蹴散らせば春の陽の中にほどかれてゆく
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水野加奈さんです。
・また会えたつくしタンポポ菜の花を映す川面に迷子のアザラシ
(水野加奈)
・春の夜にマツモトキヨシを訪れてシャンプーのほか買うものはなし
・「中学の同級生に似ている」とまたも云われむ知らないひとに
・アカペラで校歌うたえばぬばたまのオタマジャクシに足生えはじむ
・「花を見に行きます 母より」残されし金魚の餌と携帯電話
・なんとなく右の肩だけ重いんだ首塚前の花見の日から
・窓ぎわのケシゴム香る参観日チョークを折ってばかりの教師
・愛なんて考えなくてもかまわない小動物になりたい夜明け
・明日のこと想えば出ずるさびしさを分け合う春の回転木馬と
この調子でがんばってください。
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ヤマダワタルさんです。
・めぐりくるはるはしずかでちっぽけでロボット兵士の掃除の季節
(ヤマダワタル)
・ここにいる全員の首がすぽぽぽぽんと飛ぶ空想する春の朝礼
・天井の照明すべてがっちゃんと落ちる空想する春の朝礼
・春風にくすぐったそうに揺れているたんぽぽよ聞け 親父が癌だ
・1チーム1機限りのロボットがヒット 春日部共栄先制
・名残り雪窓辺を白く染め上げて二人のために枯れるサボテン
・「今年の春はたちが悪いです気をつけて」確かに。会いたくてたまんない
・雪解けの曲がり角にて錆びきったロボット兵士の腕を拾った
ひさびさの純粋妄想短歌。
2首目にはどこかモダニズム短歌の匂いも感じます。
4首目もショック度高し。
次回はもっといろんなバリエーションの妄想で楽しませてください。
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今宵の宴は何色?
暮夜 宴さんです。
・元気よく弾む音符になれなくて春のよき日に全面休符 (暮夜 宴)
・背中から抱きしめられて今わたし羽化をはじめる蛹のように
・一面のシロツメグサにくすぐられ泣き笑いした春のあぜ道
・3月の風に揺らめく影ありて後ろの正面あなたを発見
・確率は1/1000000らしい親ゆび姫の棲むチューリップ
5首目が特におもしろい。
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好調な
はせがわゆづさんです。
・始まりの確かな予感 春先のひなたで恋は発見される (はせがわゆづ)
・時間のない桜の海に立ち尽くす君への視線もうごまかせない
・芽吹くその瞬間にただ焦がれつつ雪を静かに静かに融かす
・のぞき穴からたんぽぽが咲き乱れ告白せよと急かされている
・今はまだまどろみにいるようなまま春のうららに笑い合えれば
・ポケットには春がつまっているのです 初めて指を絡めあった日
どれも良かったです。
いまの文学少女的な感性を大切にしてください。
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ラブタイタイさんです。
・おーいお茶買ってひとりの夜桜に二十歳の窓から風が吹きくる
(ラブタイタイ)
・春キャベツ一枚はがす指先に(罪じゃないよ)と教えてあげる
・ゆですぎた菜の花のような身をひとつ畳にあずける湯上りの女
・ハタ坊の旗の横から新芽出てぐんぐん伸びる春がきました
お上手です。
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やっと男性がでました。
酒井景二郎さんです。
・腹を出し巧みに媚びる野良猫とはつかずはなれず歩む春の日
(酒井景二郎)
・隱し事だらけの手帳破り捨て春の眞中に墜落しよう
・ピューと吹く!ジャガーな氣分 青春のけものみちからまだ出られない
・櫻菓子竝ぶデパ地下くぐりぬけ春のふところ淋しくなりぬ
・韻を踏む餘力もなしとたふれこむ春の布團の生ぬるきかな
・オロナミンCのハフラウ看板が昭和の春から微笑みつ放し
旧カナ使いがいい味出してます。
この調子でがんばってください。
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着実に成長されている
嶋田電気さんです。
・新緑の萌える県営球場にすくと浮きたつ白線の白
(嶋田電気)
・芽吹く青避けて始める草野球ひとりふたりと駆け出してゆく
・新しい歯車になる春が来て時計の鳩は巣にひきこもる
・今夜こそ炬燵をしまうつもりだがさかりのついたネコがうるさい
・手のひらに花びらが舞い落ちてきて手つかずのまま春はすぎゆく
・ハマグリのように背中に貼りついた花びらだからそのままにして
・花吹雪舞う公園であの人はくノ一みたく消えてしまった
・春に似た季節のようで春でなく恋だったのだ もう戻れない
・ブラウスのボタンとボタンのすきまからお花畑が見えた ピンクの
春らしくポカポカしてます。
努力のあとも窺えて、よかったです。
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てこなさんです。
・撮影用「入学式」の看板が5つはほしい 行列長し (てこな)
・「うんちしてきましたかあ」と元気よく聞かれはじまる入園式は
・ライオンバスではありません ようちえんバスです 入園1日目です
・投げつけた夫婦茶碗のひとひらの桜であなたは小指を切った
・白無垢を着る禊かな春疾風 忘れなさいと吹く突き刺さる
5首目が良いです。
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おなじみ
新井蜜さんです。
・席に着きベルトを締めよジェット機は春の嵐に突っ込んで行く (新井蜜)
・宙吊りの心のように春風に吹かれ揺れてる午後のブランコ
・花びらの降るなか女がふたり来てインターフォンに告げる福音
3首目、とても良いです。
____________________
穂ノ木芽央さんです。
・生煮えの春菊食みて君からのさいごの手紙ひらかんとす (穂ノ木芽央)
・床下の老いたる蛇が絡みあふ春画愛好家(マニア)の寄合座敷
上の句と下の句を逆にしたほうが良いと思います。
・ボッティチェリを模写(うつ)す学生 恋人に捧ぐ花探しあぐむ 今日も
・きつとあの店からなんだね君の声のうしろで鳴つてゐるヴィヴァルディ
5首目も春っぽくていい感じです。
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秋野道子さんです。
・蒸しあがる新玉ねぎは透きとおり春のとばりの降りるキッチン (秋野道子)
・忽然と菜花の色のインコ居り種や仕掛けを探すベランダ
・唄う吾の写真一葉春うらら蘇りくるムンクの「叫び」
・蝶々は羽根を閉じます眠るとき 赤ずきんちゃん膝閉じなさい
4首目が良いです。
_____________________
富田林薫さんです。
・ねがわくばうまれかわって花びらをあなたのあなたの窓辺に散らす
(富田林薫)
・がむしゃらに歩道をいそぐ人々にささやくようによびとめて花
・菜の花にほほをうずめてわたくしは春のはたけの風景である
謎めいているところがよかったです。
・ふりそそぐ芝生のうえの陽光をオオイヌフグリとしてあじわう
_____________________
しらぬいまちこさんです。
・黄砂の夜まとわりついて眠れないタクラマカンの駱駝の吐息
(しらぬいまちこ)
下の句がリズミカルで魅力的。
・春の野で毒と見まごう草ばかり摘みし乙女に求婚すべきか
____________________
イマカコさんです。
・好きな花 伝えておけばよかったな 春を待ってるふりもできるし
(イマカコ)
・真冬から握ってた手をひらいたらオタマジャクシが泳いでました
いい感じです。
_____________________
長田絵理子さんです。
・終わるからこんなに綺麗なのかもね失恋話桜を見つつ (長田絵理子)
・瑕のない玉には皆が飽き飽きで桜の下には死体の噂
・記念写真怒った顔して写ってたセーラー服の似合わぬ彼女
・「性欲を信じれるなら幸せよ」春の盛りの猫になりたい
・空青く花咲き乱れ鳥が鳴き僕らは静かに狂ってゆくよ
この調子でがんばってください。
___________________
水面走さんです。
・君の目に映る世界の眩しさににょきり顔出すつくしん坊主
(水面走)
・新しき帽子の先に散り桜パチリと残す未来の君へ
・うまい酒入ったからと兄の声故郷の桜満開を知る
・春のように優しい人と言われてた借金だけを残した父は
____________________
魚虎さんです。
・加茂川の水あざやかに映したる空一面に散る桜花 (魚虎)
・葉桜になるより早く書き終えよ「春めきまして」で始めた手紙
・はつ潮は物憂きうねり伴いて少女に青き春の訪れ
・名鉄の赤い車輌に乗って行こう このホームから始まるシーズン
・唐突に『杉と檜のスパゲッティ』思いついてはクシャミ一つする
おもしろい。
・久方の光のどけき公園でクラスメイトはシンナー吸えり
_____________________
ももや ままこさんです。
・先生の後ろから来た春小僧 これから飛び交う声に構える
(ももや ままこ)
・春風に乗って来るから火曜日のゴミに丸めたティッシュが増える
・真夜中に戯れ春売る紫のスイートピーは背伸びしている
・頬かすめ木々の緑を吹き抜けた春一番が「元気ですか」と
・肩寄せるラッパ水仙お互いを求め合うかのような口づけ
・たんぽぽが地面を割って育つから私も咲いてみたいの、多分
______________________
帯一 鐘信さんです。
・だんだんと白くなりゆく生え際を少し光らす春のあけぼの
(帯一 鐘信)
・春色の列車がどれかわからない負け犬探す俺に木漏れ日
・春という言葉になぜか敏感になってる俺の洞穴住居
_____________________
104heroさんです。
・凩に肩すぼませて歩けどもキミのよこなら「春」とよびたい
(104hero)
・春凪がボクにヒトコトいわそうときらりきらりとせなかをつつく
_____________________
かわらさんです。
・春場所の最前列に見つけたり紅葉(もみじ)みに行きて帰らぬ妻を
(かわら)
・春一番が街を吹き抜け静脈の透けしふとももをさらってゆけり
______________________
タイラー&トマソンさんです。
・男塾 校門前の桜木の根元に眠る業の亡骸
(タイラー&トマソン)
・花の席 会場包む熱気あり 桜の中のペー・パー探し
・うたた寝で時間を搾取する彼の日めくりはまだ1月のまま
意味不明の1字空けが気になったので、
勝手に直しておきました。
______________________
周之さんです。
・艶めかしい嘘を残して去ったんだ 植樹した木と僕との関係
(周之)
・いままではそんなつもりじゃなかったがワンピースから息吹漂う
______________________
蝶ちゃんさんです。
・さくら散る悲しまなくていいんだよゴージャスに咲くきみ八重桜
(蝶ちゃん)
・菜種梅雨いつまで寒く降り続く熱き酒肴と胸板恋し
・ほろろんと誰弾くとなく響く弦春の河原にひとりレッスン
・猫サマが夜な夜なデート騒がしく乳飲み子に声似てて起こされ
________________________
カー・イーブンさんです。
・一年後「現役アイドル」の肩書きでアダルトビデオを出すためのデビュー
(カー・イーブン)
・きんいろの薄いスプーンで掬われた心地がしてる 恋なんだろう
・しめやかな春雨だけが涸れ井戸の底にこごった冬をほどける
______________________
かぶともしさんです。
・ふきのとういっぱい踏んだ?まだ時差が面白くて仕方ない彼方より
(かぶともし)
・初春の寿司職人の名札に光る『趣味はパン作り』ごちそうさまです
・シュノーケル越しに新入りうぐいすと洗濯物をななめ見る春
______________________
末松さくやさんです。
・腹痛を訴えたいがあのひとの今年の春は東京の春
(末松さくや)
・卓上がピンクに浸食されていくとてもただしい少女の春だ
2首目、おもしろいです。
______________________
下北佐古さんです。
・目印のパンを私が食べたからスナフキンのいない春です
(下北佐古)
・一年中買える春もあるんだと知らない頃の桜がきれい
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そうがわさやこさんです。
・モトカレの消息を知る知りたくはなかったはずの春一番です
(そうがわさやこ)
・ぽんぽぽぽん たんぽぽぽんぽん しちゃったら 綿毛ふうわり私もふわり
・なんとなく思いつくまま君にキス 桃色に染まる頬にまたキス
・ひらひらと花から花へ舞う蝶々 春ねあなたも蝶々のようね
・お花見に二人で行った お別れをしてたのは誰も気付かなかった
この明るさを大事にしてほしい作者です。
_______________________
タイラー&トマソンさんです。
・青々と葉桜薫る緑道の片隅の山 花弁の亡骸
(タイラー&トマソン)
・暖かい微笑み浮かべ毒をつく春の夜風のようなあなたよ
・夏になり秋冬来ても暖かに そうですわたしゃ今田ハルです
______________________
游 ききあさんです。
・アロマ水・氷・炭酸 透明な殺意にも似た春の夕方
(游 ききあ)
鋭い感性を感じます。
・午睡する貴方の頸に春の日が真綿のようににじり寄ってく
______________________
歌乱亭カラスさんです。
・去年見た枝垂れ桜が咲いているそうです君は帰ってきますか
(歌乱亭カラス)
・遠方の山の緑が萌える朝 寄り添うような陽射しあります
・ブカブカの学生服の中にいる中一に春一番よ吹け
______________________
そう蛸さんです。
・我が膝で愛犬腰を使いおりオレとオマエは散らない桜
(そう蛸)
・どうすれば花見に誘われられるだろう立ち止まり見上げる花見
______________________
おとくにすぎなさんです。
・「春用の切手いちまい。」窓口で言えたらこんな手紙も出せる
(おとくにすぎな)
・キイテクレテウレシカッタヨ春風にぺんぺん草のうなずく速さ
・貝殻はすみれの香り せっけんの箱からひとつあの子がくれた
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にんじんさんです。
・三角がやわらかくなって膨らんで丸になったら春なんだって
(にんじん)
・ほうぼうに散らばっていった仲間からふいに電話のある四月末
・見上げれば青に溶けゆくさくら色くしゃみをひとつ桜がひらり
・自転車で夕暮れの坂駆け上るまだ沈むなよ桜見るまで
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・いつまでも待ってるからね渡り鳥鶯谷の駅のホームで (regimantas)
・今春より廃校になりし小学校にオバケの子らの入学式始まる (紫塚れを)
・新しい靴下買ってきた夜に正しい暮らしをしようと思う (村本百足)
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あきえもんさんです。
・風に乗り桜の花が舞うたびにヘンゼルはまた元の道行く
(あきえもん)
・質問をされて質問で返した園長先生の春一年目
・春キャベツ新たまねぎを買いに行く毛玉の付いたセーターのまま
・バス停のたびに両目を泳がせる女生徒が一人 また春が来る
・幸せを祝うツバメの巣を落とし乙女のようにはしゃぐ雀よ
・前輪をもがれて二度と動かない車に桜の花びらが落ちる
・米を研ぐ水道水の冷たさに気付かぬ朝は春の始まり
・お散歩の列から離れ泣きじゃくる園児がひとり(去年はふたり)
・春菜という少女が来ます 花見では軍歌をうたうような顔した
3首目、7首目、8首目が良いと思いました。
だんだん正統派っぽくなってきてますね。
うまい具合に伸びていってほしいものです。
本来の「おもしろ短歌」路線もやめませんように。
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鶴太屋さんです。
・春光の街を闊歩し靴鳴らすこの歓びの桜いろなる
(鶴太屋)
・春の扉(と)を押して風吹く日曜日土筆(つくし)摘みけりこのほろ苦き
・陽だまりに春の生まるる一日を無為に過ごせり土龍(モグラ)鳴けるも
・春塵の道を行き交ふ旅人の永遠のゆふべ背(せな)に残れる
・夜の水に散るさくら花金泥の影をば曳きて春惜しむなる
・春雪の飛騨望みおく窓際にランプ玉そつと研(みが)くたそがれ
・歳月はまばゆいばかり蕗味噌の苦みを愛(を)しみ酒を酌むかな
・花街をたもとほる日々燕待つ五月の想ひに澄みわたる空
・春雷に銀碗の光(て)り鈍く浮く箸さへ持てぬだるき熱の身
明治時代の春という感じでよかったです。
このレトロっぽさが鶴太屋さんの武器です。
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松本響さんです。
・桜まで天に向かって散るなんて無重力にもほどがあります
(松本響)
・世界には光があふれストロベリーシェイクで君を汚したい春
・もう嘘はやめてください 舌のない四月生まれの鳥が啼いてる
・花びらと目が合ったなら逃げなさい 僕らを襲う春のピラニア
シュールな漫画みたいな世界で、
おもしろいです。
・制服を脱がせないまま春色のルージュに僕がほどかれている
・逆立ちで歩き続けて自販機の闇をのぞけば落ちていた春
こういう詩的な歌があるところも頼もしいです。
・すこしだけピンクを足して姉さんが春限定の呪文をさけぶ
_____________________
どうでしたか今回は?
あいかわらず女性が元気だけど、全体的に悪くないんじゃないかな。
読み応えがありました。
このBLOGの常連投稿者に関してはもう「ネット短歌」とか揶揄されるようなレベルではないです。
たった1年(J−WAVE時代を含めると2年)でよくぞここまできたと感慨深いものがあります。
ほんと、読んでいるだけのボクも楽しいです。
今回1首も選ばれなかったという人もめげずにどんどん投稿してください!
チェックリストも出たことですしね!
ということで、よろしく哀愁☆
笹 師範 2007-05-20










