2007年07月25日

天久聖一×笹公人「短歌実験室」 実験報告


先日の朝日カルチャーセンター
天久聖一×笹公人「短歌実験室」
に来てくださったみなさん、ありがとうございました!
おかげさまで過去最高の盛り上がりを見せました。

二日酔いで赤い顔をしたままやってきた天久さんでしたが
(松尾スズキさんと朝まで飲んでいたらしい)、
爆笑トークを繰り広げてくれました。
未公開の「味写」まで披露していただいて、ラッキーでしたね。

講座の内容ですが、
まずは、「獄中短歌の世界」と題し、
郷隼人『LONESOM隼人』(幻冬舎)をテキストにして、
漫画家になる前は神戸留置所で看守をされていたという天久さんに塀の中での懲りない面々の因果ロマンあふれる壮絶エピソードの数々を披露していただきました。
内容が凄すぎてここでは一つもご紹介できないのがもどかしいです。

そして、天久さんが編著の一人を務めた『バカサイ』(太田出版)のコーナー「奇語575」に寄せられた句を僕が短歌にするという実験をしました。
一部ご紹介します。


「小学生」

・轢き逃げもマキロンで復活小学生 (神奈川県・鈴木工)

轢き逃げをされたる近所の小学生 マキロン塗れば生き返りたり



・肩ぐるまされて火事見る小学生 (豊島区・山野健磁)

肩ぐるまされてヨシオは燃えさかる民家をじっと見つめていたり


どこか啄木っぽい。



「警官」

・暴走族!? 見たい見たい!と 新米警官  (目黒区・竹下ひろし)

「暴走族?見たい!見たい!」とはしゃぎいる新米巡査を照らす月光


「ブリーフ」

・夢精したブリーフ洗う四万十川 (板橋区・山崎宏一)

夢精にて汚した白きブリーフを四万十川にひたしておりぬ


 「野グソ」

・極道ステーキ ケンカラーメン 野グソカレー (大阪府・トップベビー5)

極道ステーキ ケンカラーメン 野グソカレー 十九歳の俺のメニューぞ


短歌にすると、抒情が滲み出たり、名詞が暗喩として深読みされる可能性が高くなるので、
結果的にそれが足をひっぱることになって、
俳句や川柳に比べて短歌で破壊力を出すのは難しいという話になりました。
逆にそういった部分がなければ短歌として成立しないわけで、
これは僕が長年のテーマにしてきた問題でもあります。

次に、それでも作者本人がイっちゃってる場合は意外と破壊力が出るというテーマで、 新興宗教盲信系の人の歌とか、いわゆるトンデモ系短歌の数々を鑑賞しました。

小生は雑誌のインタビューなどで
「笑える短歌をつくるコツは?」
と聞かれることがありますが、そんなとき小生は、
「どんなにくだらないことも大真面目に詠むこと」
と答えています。
ようするに「どや、おもろいやろ?」みたいな部分が
ちょっとでもあったら読者は一気に冷めてしまうのです。

明治時代や昭和初期ならともかく、松本人志や吉田戦車やバカドリルの笑いをも通過したわれわれには、その手のいわゆる「諧謔の歌」ではちっとも笑えないわけであります。

「大真面目に詠む」ということを
もっと具体的に言っていただけませんか?

短歌にはボケに対するツッコミまで入れるスペースがないので、ボケだけで笑わすことを考えるのが基本です。
しかもボケをボケと思わせないような狂信的、盲信的な
態度で臨まなくては、その少ない情報量で破壊力を出すことは難しいのです。

なるほど。

だから、「この作者ヤバいんじゃないの?」
と思われるくらいでちょうどいいかもしれません。

では、師範が理想とするのはどんな作品でしょうか?

いい線いってるなと思うのはたとえばこの歌です。


・粘土子という名の女この国にふたりくらいはいないだろうか  (大滝和子)


大滝さんの場合、本気でこういうことを考えてそうだから怖いんだけどね・・・。


そして今回の講座のメインともいえる「和歌ドリル」では、
俵万智さんの『サラダ記念日』の短歌の穴空き問題を出し、
受講者とともに珍回答に明け暮れました。
(輝かしい名歌の数々をこんなくだらないことに使ってしまって、俵さんごめんなさい。)

中でも盛り上がったのは、この問題。


・この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「[      ]」  (俵万智)

                正解・ホテルカルフォリニア

受講者の回答で個人的にヒットしたのは、
石黒謙吾さん(『盲導犬クイール』原作者)の
君が世」。


嫌だなぁそれ・・・。
師範の回答は?


ヨイトマケの唄


テンション下がるよ!


笹公人の対談シリーズ、
次回も豪華ゲストに来ていただこうと思っています。
楽しみにしていてください!
var_20070725071114.JPG 僕と常連投稿者の104heroさんと天久先生。
僕のうしろに写っている男は常連投稿者の酒井景二郎さん。いい味出してます。
懇親会のあとのスナップ。


何の賞品も出ませんし、批評もしないかもしれませんとが、
「和歌ドリル」ここでもやってみましょう。
思いついたらコメント欄に投稿してみてください。


この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「[      ]」  
(俵万智)

「      」の中に入る曲名を答えなさい。

posted by www.sasatanka.com at 06:31| Comment(78) | TrackBack(1) | 特別企画・レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

高須賞 〜日本美容短歌大賞〜 入賞者発表!!

sasa-4.gifyes!高須クリニック

ついにこの日がやってまいりました!
「高須賞 〜日本美容短歌大賞〜」
の発表です!!

kanta_02.gif待ってました!

sasa-7.gif今回、応募期間が短かった上に一人3首までという制限があったにも
かかわらず200首以上の応募がありました!
たくさんのご応募ありがとうございました!

kanta_05.gifなかなか力作揃いだったようですね。

そうだね。
高須先生も「面白い短歌が多くて迷った」とおっしゃってました。
今回、全応募作品の中から僕が30首まで厳選しまして、
その中から
高須クリニック院長・高須克弥先生
に、「最優秀賞」「優秀賞」「佳作」
の計7首を選んで頂きました。
さすが、教養豊かな高須先生だけあって、
選歌眼もしっかりしてらっしゃるなぁと思いました。

では、入賞作品を発表いたします!!

__________________________

最優秀作品


熟れすぎた洋梨 秋の脱衣所の鏡に映す腰のラインは 
【椿さん】


var_20070920095803.jpg

☆高須克弥先生のコメント☆

そうだ! レンブラントもドラクロアもヘレニズムもみな美しい!


「賞品」

50万円分美容整形(本人のみ有効)

西原理恵子先生と高須克弥先生のサイン入りウチワ

__________________________


優秀作品 


肌質とプロポーションを整えてブスは美人に勝てる日を待つ 
【あきえもん】


☆高須克弥先生のコメント☆

若いブスは老いたる美人に必ず勝利します。
きれいな肌とプロポーションを保ちましょう。

var_20070124003515.jpg
「賞品」
30万円分美容整形(本人のみ有効)


西原理恵子先生と高須克弥先生のサイン入り『ブスの壁』(高須克弥・著)
var_20061218111352.jpg

__________________________

佳作


それ以上綺麗になってどうするのなんて言葉は我が辞書にない 
【林ゆみ】


☆高須克弥先生のコメント☆

ドン底からは這い上がるぐらいやりがいのある仕事はないよ。
がんばろうぜ。


「賞品」
10万円分美容整形(本人のみ有効)

var_20070920100143.jpg

高須先生のサイン入り『バカにつける薬』(高須克弥・著)
var_20061218111635.jpg

__________________________


授乳して断乳をして貧乳が無乳になった 海へ行きたい 
【手児奈】


☆高須克弥先生のコメント☆

ボーイッシュな胸の好きな人も多いんです。ギリシアでは貧乳が美人の条件でしたよ。
ミロのビーナスも貧乳ですぜ。高須クリニックで巨乳にもできますよ。


「賞品」
10万円分美容整形(本人のみ有効)

高須先生のサイン入り『バカにつける薬』(高須克弥・著)

__________________________


実の子ら突然変異と騒がれて遺伝子だけが過去の語りべ 
【張替裕子】


☆高須克弥先生のコメント☆

もしかして先祖が美容整形マニアかな?ブスは特異な遺伝子の持ち主。
ブスが交配をくりかえせば、必ず美人が誕生します。


「賞品」
10万円分美容整形(本人のみ有効)

高須先生のサイン入り『バカにつける薬』(高須克弥・著)

__________________________


人間は中身が大事という奴の奥さんは元ミスなんちゃらで 
【並子】

☆高須克弥先生のコメント☆

内面に満足すると外見が気になるようになるものです。


「賞品」
10万円分美容整形(本人のみ有効)

高須先生のサイン入り『バカにつける薬』(高須克弥・著)

__________________________


うす皮を剥いできれいな玉葱になってあなたを泣かせてみたい 
【松陽】

☆高須克弥先生のコメント☆

玉ねぎは目にしみますねー。玉の肌も目がくらみますなー。


「賞品」
10万円分美容整形(本人のみ有効)

高須先生のサイン入り『バカにつける薬』(高須克弥・著)

__________________________


笹公人賞


ブスというたった2文字のトラウマがコロンブスさえ嫌いにさせる 
【麻宮サキ】

☆笹公人師範のコメント☆

中学の歴史の授業中も光GENJIの「パラダイス銀河」が
流れた時もドキッとしていたのでしょうか。
笹賞でごめんなさい。


「賞品」
笹公人短歌額装3点(本人以外も有効)
(「地球スコープ展」で使われたものです)

__________________________


※賞品「美容整形」となっていますが、
ドクターズコスメ、お顔全般の美顔(レーザー類、イオン導入等)
高須クリニックで出来ることなら何でもOKです。


「笹公人の念力ポッド倶楽部」8回&9回
http://nenriki.jp/top/top.php?date=2006-12-18
で、入賞作品の解説をしております。
ぜひお聴きください!

第8回:「佳作」の紹介。
第9回:「優秀作品」「最優秀作品」「笹公人賞」の紹介。

__________________________




sasa-7.gifみなさんおめでとうございます!!

高須先生と笹師範からのちょっと早いクリスマスプレゼントでした!

高須先生と俺とスタッフのみなさんに感謝してほしい。

おいしい思いをしているのはいつも投稿者ばかりですね。

そうなんだよね。俺も投稿者になりたい!
入賞したみなさんには、
ますます美しくなって短歌にも磨きかけていただきたい。

今回、尊い文化事業をなされた
高須先生にもう一度大きな拍手をお願い致します。

パチパチパチパチパチパチ!!!
var_20061218031636.jpg yes!高須クリニック

よろしく哀愁☆
posted by www.sasatanka.com at 09:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 特別企画・レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月21日

撮ったどー!

「地球(テラ)スコープ展」無事おわりました!
来てくれたみなさん、ありがとうございました!


そんな中で臨んだ

「現代歌人協会公開講座 第5回」
馬場あき子氏に聞く/古典と現代との往還
聞き手:俵 万智・笹 公人 司会:穂村 弘

はどうでしたか?


馬場先生のオーラと客席(200人以上の超満員)の年齢層の高さに圧倒されて、
やろうと思っていたネタ(トーク)の3分の1もできなかった・・・。
しかし、古典の知識が圧倒的に足りないことをつくづく思い知らされましたね。 今回の恥をバネにしてがんばりたいです。br />
穂村さんの名司会もあり、馬場先生も俵さんもノリが良く、
とても有意義な公開講座になったと思います。


var_20060921161520.jpg 講座のあと、穂村さん、俵さんらとバーで飲むの図。
良き先輩たちです。
写真タイトル:「おもしろ三銃士」


今週の土曜日(23日)、
凄くひさしぶり(8ヶ月ぶり)に

NHKラジオ第1(594AM)
「土曜の夜はケータイ短歌」
に生出演します!

今回は推敲のコーナーもあるそうなので、
どんどん送ってください!
お題は、「冥王星」と「生」です。

「アニメ短歌」の締め切りは、
25日(月)までとさせて頂きます!


「総評」までまたちょっと時間がかかりそうなので、
いろいろお知らせしておきます。


9月27日(水) 19:00〜20:30
朝日カルチャーセンター 特別講座
唐沢俊一×笹公人
「トンデモ短歌の世界」

まだ席があります!
お早めにどうぞ!


「笹公人の念力ポッド倶楽部」

第3回
ゲスト・大林千茱萸さん

配信スタートしました!
ぜひお聴きください!


以下は、サービスショット。


var_20060921162247.jpg 「撮ったどー!」


var_20060921162303.jpg 「よゐこのKIDSぱらだいす」というスカパーの番組にゲスト出演した時のもの。

これは11月放送予定です。
お楽しみに!!


遅ればせながら、
「新・あきえもんアワー」「鶴太屋劇場」「仄明るい沼の底から」
更新しました。ご覧ください!

よろしく哀愁☆
posted by www.sasatanka.com at 16:10| Comment(3) | TrackBack(0) | 特別企画・レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。