
さっきテレビで
ひさしぶりに志茂田景樹を見たと思ったら
トシちゃんでした。

やめなさい!

ついでに先ほど入ったこのニュース
「高校生の上を列車通過」
おまえはジャッキー・チェンか!
と言いたい。

たしかに……。
無事でなによりでしたが。

ということで、笹師範です。
朱川湊人×笹公人
「遊星ハグルマ装置」
今回の僕の短歌
「絶食書簡」
の1首目は、
朱川さんの
「弟と鳥」の世界を受けて
寺山修司になりきってつくりました。
最初は5首すべてを寺山のパロディにしようかと思ったのですが、
それでは自分の作品ではなくなってしまうので1首にとどめました。
寺山っぽい歌をつくれと言われたら
いくらでもつくれる自信があります。
もちろん本家よりも完成度は劣りますが。
それは僕が寺山修司の短歌から「型」を学んだからです。
最初に相性の良い寺山さんの短歌から徹底的に学んだことは
大正解だったな、といまになって思います。
「型」を身につけるのはかなり大変ですが、
一度身につけたら、あとは比較的楽に短歌をつくれるようになります。
そのへんは自転車に乗ることと似ているかもしれません。
そこで、「型」についての話をひさしぶりに書こうと思いました。

なるほど!
で、型を身につけるにはどうしたらいいんですか?

「型」を身につけるための一番てっとり早い方法として、
『笹公人の念力短歌トレーニング』(扶桑社)の「あとがき」で
故・上野久雄先生の文章を紹介していますが、
ここでもまた引用させて頂きます。
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短歌は生涯作り続けてゆく文芸である。
当初の二年や三年人真似に凝り固まっていて何が悪いものか。
広い歌壇から相性のよさそうな歌人を見つけて読み、
理解し、真似て多少嘘っぽくてもぴかぴか光る歌をつくろうじゃないか。
何のおもしろさもないみすぼらしい歌などをこつこつつくっていても、短歌は遠くへ行ってしまうばかりである。
真似上手はつまり得がたい才能であるのだ。
取り敢えず、人真似でいい歌を作ろうよ。
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どんな歌集を読めばいいのかわからないという人は、
アンソロジーを読むことをお勧めいたします。
ちなみに僕がよく読むアンソロジーは、
『現代の短歌』高野公彦・編(講談社学術文庫)
『現代短歌の鑑賞101』小高賢・編著(新書館)
の2冊です。
どちらもいまは入手困難のようなので、
図書館で借りても良いでしょう。

では、「優秀作品」を発表します!!
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最優秀作品
該当作品なし。
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優秀作品
さくら咲く山の焼き場へつづく道ピザ屋のバイクが音たてて来る
【水野加奈】

焼き場とは火葬場のことでしょう。
人間を焼く火葬場へとつづく道に、
焼きたてのピザを配達するバイクが来る。
さりげなく現代文明批評がこめられています。
★賞品★
「笹短歌色紙」1点
(書く歌は、リクエストにお答えします。もちろん直筆(かなり下手)です。)
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佳作
ねえ早く元気になっておばあちゃん ちらし寿司さえ教わってない
【小野伊都子】

ゆるい口語文体でほとんど散文詩ですが、心を打たれました。
下の句により相当深刻な病気だということが伝わってきます。
「ちらし寿司」という固有名詞も、
これしかないというくらいに効いています。
これがもしジュニアの部の歌であれば、
文句なしに「大賞」にするところですが、
小野さんなら、レトリックを使って上の句の密度を濃くして
さらに良い歌に仕上げることができると思います。
そんな期待をこめて「佳作」にしました。
かなしみの土手は破れてあふれ出すもんじゃは固まらないまま焦げる
【岡本雅哉】

失恋した時の光景ととりました。
「土手」は涙腺、「もんじゃ」は心の暗喩としても読めます。
放課後のポテトチップの黒胡椒舌に感じてキスをためらう
【羽うさぎ】
電話機でポップコーンを調理する未来に着いてしまったぼくら
【船山登】

下の句が惜しい。
スパイスをゲームの中で買い占めるセポイの乱など起こりはせぬか
【深森未青】
ぐりとぐら焼いてもらったカステラがしぼんじゃったね 午後はキャンセル
【空山くも太郎】

改良の余地あり。
今晩はビーフシチューよ美輪さんが三島由紀夫に作った風よ
【そう蛸】

これも改良の余地あり。
葛切りのプールで泳ぐ惡徳をティーンエイジの君にあげよう
【酒井景二朗】

酒井さんのこの変態性は捨てがたい。
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ということで、
次回もがんばりましょう!

次の「お題」も楽しみにしていてください!

よろしく哀愁☆
posted by www.sasatanka.com at 13:53|
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