作・沼尻つた子
<旭鷲山関引退に寄せて>
鬢付けの油おとして飛びたてば両国の空はモンゴルの青 (沼尻つた子)
いじめの待つ校舎へ通った 下敷きにクラッシュギャルズの切り抜き秘めて
WWWA世界王座の赤ベルト腹帯にするジャガー横田よ
最強の遺伝子なんかいりません グレイシーよりあなたを落とす
柔道着の匂い嗅ぐ時つくづくと息子を産んだと思うのでしょう
高架下に咲いたちいさな菫だろうダンプ松本の二重瞼は
神聖なる女人禁制の土俵へと牝牛を百頭放ちてみたし
クリスマス相撲部の彼が受け取らぬ手編みのモヘアのピンクのまわし
縁日で掬い残された水風船 故郷の海に浮かぶKONISHIKI
血まみれのマウスピースのように吐く噛みしめ続けた最後のことば
タイトルと選・笹 公人
お題:「格闘技」
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