2010年10月17日

鶴太屋劇場 第30回

天金の書

作・鶴太屋


紙魚奔れるを天金の書に封じこめ怠(だる)き安息日なにもて遊ぶ



小春日和のひとつ雀蛾ただよへる天金の書は神のあそび場



くろがねの爆撃機去り蝉にぎり潰しし香の青くさき香なるや



蟋蟀の肢冷えてゐる夜の秋あふるれとこそ水楢の実零(ふ)れ



虻逐へる牛のしつぽの夏来たり干し草の香のスカラベ・サクレ



夏蝶は墓標を越えて翔びゆけば森の扉(と)に凭る胸痛きまで



黒揚羽谿深くこそ揺らめけれ銃(つつ)の音鳴れば木霊は速く



タイトルと選・笹公人

お題「虫」
posted by www.sasatanka.com at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 鶴太屋劇場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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