2010年10月17日

鶴太屋劇場 第29回

薔薇色の電話機

作・鶴太屋


電話ボックス暮春の街に立ちたるを開けば異土への扉めき冷ゆ


大霊界の赤電話一基飛びたるを夏の憶ひ出のよすがとすらむ


逝ける友への電話 ふるへる受話器から洩るる『中国の不思議な役人』


電話線蔓草のごと繁れるを視てこの夢の果て踵(くびす)かへさむ


電話機に残るささやかな通話録永遠(とは)の一部とし珈琲飲めり


薔薇色の電話機夢に溶けてゆくわが日日を恥ぢアイロンかける


電話線かじるねずみの脳点(とも)る紫の夜明けにつつまれぼくら 


ラムネ飲めば身ぬちを透かす夏が来る昔は携帯電話を運んだ


晩夏光カットグラスに響きあふこの室内楽も電話がやぶる


恋人たちの街角の電話鎮座して『冬の散歩道』聴きゐし70's



タイトルと選・笹公人

お題「電話」
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