2009年04月16日

鶴太屋劇場 第21回

鶴太屋の館

作・鶴太屋


校舎ごと時空を漂流するならばぼくは噛みくだく白き錠剤(タブレット)


グワシして指攣(つ)る日本は花冷えの楳図ハウスを訪なふ神神


あめーばの分裂してゆく夜のシャーレ旧館奥のピアノは透きつつ


東京タワー裡(うら)に鎮座せしUFO覗けばDEVOのさてぃすふぁくしょん


マチュ・ピチュの遺跡しづかに炎えやすく乾季待つこころの花まつり


エッフェル塔離陸する刻(とき)百人の吟遊詩人の黒焦げのギター


世界貿易センターのかけら刃のごときを握りて奔る新聞少年


ジョン・ベリマン詩集にうすく凍りたる雪を払ひて図書館の冬


アラミーダ・ホテルの微塵の空焼けてエリオット・スミスは翳を歌ひき


千枚の翅の顫へる蝶の吻(くち)、塔に縊(くび)れし屍(し)に群がりて


ピサの斜塔きぬぎぬのごとかたむくを裸のままに剥きゐる林檎


夏の港の倉庫に犇く貘たちの夢は凛(さむ)くて一屯(トン)の氷塊


後架わきの早咲きの薔薇 枯草熱のぼくは洟かむ春の館に


大理石にうるはしき接吻(キス)刻みたるタージ・マハルは熱く冷えゐる


麗(うらら)かなるパルテノン神殿の朝焼けは青く燃えつつ眠れる水夫


玉葱齧るごとし眸(ひとみ)に沁みとほる甘き曇天のサグラダ・ファミリア


春は痩せ犬、夏片眼猫 億万の涙(なんだ)を歌ひて万里の長城


素寒貧、胃の底までも風沁みれば皇居の堀の鳰(にほ)裂き啖(くら)へ



タイトルと選・笹公人

お題「建物」
posted by www.sasatanka.com at 13:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 鶴太屋劇場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とてもおひさしぶり<br />
連絡を取りたくなり 検索してみました<br />
いかがお過ごしでしょうか<br />
僕はなんとか生きています<br />
メアドは20世紀から変わっていません<br />
もし連絡を頂戴できたら幸いです<br />
では.....
Posted by ふくしましゅん at 2009年05月22日 02:20
ふくちゃん、久しぶり。返事遅れて済まぬ。今晩メールするよ。
Posted by 鶴太屋 at 2009年07月24日 17:48
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。