2010年10月17日

かんなのうた 第14回

蛹のふりして

作・かんな


デクレッシェンドマークを9月に書き込んで蝉の最終楽章を聴く


ナナフシのようなる君を見失う炎天下の歩行者天国


駅舎にはみの虫だけがぶら下がり何処かへ行ける切符を探す


蜩の羽が舗道に落ちてきてその向こうには秋風が吹く


6才の記憶の中にはさまれた紋白蝶のちぎられた羽


本当は伝えたくない事だから伝書でんでん虫に託して


窮屈な制服を着てもう少し蛹のふりをしたい三月


おもいでを思い出せなくなり冬の虫取り網で真水を掬う


そこだけに時は流れる蟻たちに夏の骸がはこばれてゆく


虫かごを空っぽにした夕暮れにまだ夏の陽の匂いがのこる


くもの糸で繋いだ電話 伝えたいはずの言葉がこぼれてしまう


一緒にはもう歩けない行列の蟻を一匹だけ捕まえる



タイトルと選・笹公人

お題「虫」


posted by www.sasatanka.com at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | かんなのうた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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