2010年10月17日

かんなのうた 第13回

黒い螺旋

作・かんな


夕立に溶けたのだろう公園の緑電話は姿を消した


秋の夜の雨音を聴くためにある酒屋の脇の公衆電話


下宿屋のピンク電話は知っている守れなかった約束のこと


受話器から伸びる螺旋は電話魔のDNAに繋がっている


子が巣立ち一人になって電話機の親機と子機を並べて暮らす


受話器からこぼれ続けるクレイジーソルトのような声に埋もれて


廃校の内線1番あの春の卒業式の歌が聞こえる


鳴りかけて鳴り止む電話まっ黒なショールが肩にふわりとかかる


無言電話をかけたいほどの夜がありウォッカの瓶を凍らせておく


夏空に吸い込まれたい午後があり携帯電話の電源を切る


霧雨につつまれながらネコ達が集会をする電話ボックス


誰でもいい声を聞きたい夜がありリカちゃん電話の3番を押す



タイトルと選・笹公人

お題「電話」


posted by www.sasatanka.com at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | かんなのうた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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