2010年03月18日

かんなのうた 第12回

あの夏の紙石鹸

作・かんな


あの夏の匂いを放つ引き出しの紙石鹸のケースを開く


錆びついた線路に石を置いたこと咎めるような風に吹かれて


靴底の小石と共に言いたくて言えないことを振り落とす朝


川底の石踏みしめて歩くごと十五の君の揺らぐ六月


失ってゆく事をしるポスターの石野真子には八重歯があって


十月の野原が見える忘れ物みたいな形の石を拾えば



タイトルと選・笹 公人

お題「石」
posted by www.sasatanka.com at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | かんなのうた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック