2009年04月16日

かんなのうた 第6回

夏の螺旋階段

作・かんな


夏の日のビッグエッグを飛び跳ねるオレンジ色のスーパーボール


巻き貝のなかをたどってゆくような古灯台の螺旋階段


たんぽぽの綿毛ほわんと六本木ヒルズの上に花を咲かせる


コンパスを優雅にまわす丸ビルの設計技師の細い指先


取り壊し期限が迫るアパートの外階段に腰掛け眠る


少年は太陽の塔の影の下、時限爆弾胸に抱えて


ポッキーを並べたような影が消え高層ビルは闇へと溶ける


はりぼてのケーキのような教会で確かめられる「真実の愛」


「その昔、耐震偽装があったとさ」古い厨で蓮根を切る



タイトルと選・笹公人

お題「建物」
posted by www.sasatanka.com at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | かんなのうた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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