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2009年02月13日

かんなのうた 第5回

かんな商店街

作・かんな


もう君は待っていないと知っている吉田書房をまた覗き込む


「どうしても欲しい物」などない事をドンキホーテへ確かめに行く


あの人を射止めたいのと小間物屋「秀」で少女は簪を買う


KIOSKで一緒に買った溶けかけのポッキー君はどこにいますか


一月の果物店に溢れだす春の香りをひとつください


メールさえ返してこない人を待つオープンカフェに北風が吹く


もう誰も立ち止まらないマハラジャのネオンがかつて輝いた場所


ハイヒール脱いで夜明けのファミレスの濃くなりすぎたコーヒーを飲む


横丁の風呂屋を探しに父は行く四十年の時遡り


小料理屋「さだ」にあかりが灯る夜男が一人町から消える


廃業の薬局の床に正露丸数珠玉のごと転がってゆく


極寒のネイルサロンを包み込むダイアモンドダストのま白き光


午前五時メイド喫茶の壁際に充電中の少女が並ぶ



タイトルと選・笹公人

お題「店屋・店名」


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posted by www.sasatanka.com at 20:22 | かんなのうた

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