2008年10月01日

かんなのうた 第3回

オレンジ電車

作・かんな


はじけなくなってしまったソーダ水 夏の終わりが近づいている

西陽さす卓袱台の上に置いてある水蜜桃は明子の香り

夏の日に水平線を見に行ったオレンジ色の電車をさがす

かき氷溶けてしまって紅色の水だけ残る祭りの終わり

真夜中に姉が見つめる水鏡 楳図の描く少女をうつす

オール漕ぐ音しかしない初デート暗い水面を見つめるばかり

上向きに蛇口をひねり水を飲むあの日の君の残像を追う

水上の花火を見つつ繋いでた右手の熱さを忘れられない

溶けだした水性ペンの青い文字君の気持ちは見えなくなって

夕立の初めの一粒落ちてくる麦藁帽のほつれたつばに

鏡台の香水瓶を開けるとき祖母の秘密は風の中へと



タイトルと選・笹公人

お題「水」


posted by www.sasatanka.com at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | かんなのうた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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