


待たせちゃってすみません。


「刑事物語」のDVD化。
これでベータのビデオデッキを使う必要もなくなるよ。

師範、そこまで好きだったんですか……!?

まったくもってイリュージョンだよ。
よかったら見てくださいね。

アンティークを扱う骨董屋の世界で、
弟子を育てる一番良い方法は
良い品だけを見せ続けることだそうです。
本物だけに触れ続けさせるというのが大事で、
どれが偽者かを覚えさせても審美眼は育たないのだそうです。
短歌の選歌眼を養う方法においても
同じことがいえるのではないかと思います。
たいていの短歌入門書では、
名歌秀歌をたくさん読むことを勧めていますが、
その理由はつまりそういうことなのだと思います。
こういう流れになると
決まって斎藤茂吉の歌を紹介したがる人が多いのですが、
いつまでも茂吉に頼っていてはいけないと思うので、
今回は比較的若い世代で、
安心してお勧めできる歌人の作品をご紹介します。
吉川宏志さんです。
先日発売された吉川さんの歌集
『西行の肺』(角川短歌叢書)
から、今回のお題でもある「海」の歌を何首かご紹介します。
・海底より引き揚げられしビール壜「キリンだった」と子どもが言えり
(吉川宏志)
・海はすぐ近くといえど何も見えぬ闇夜のなかに焼香をせり
・海風に錆びたる螺子は灯台の白き扉を汚していたり
流石の表現力に唸ります。
『西行の肺』には、こういった渋い歌だけではなく、
いろんなタイプの歌が収録されています。
たとえばこんな歌も。
・チェロ抱いて自動改札抜けむとする女人のありて列のとまりぬ
・旅先に見るみのもんた元気なり紙を剥がせば「虐待」の文字
・「父さんにおみやげ」と言い金色の原爆ドームを子は取り出しぬ
・ベランダの上にもだれか話しおり白い切手のような雪ふる
・夕立に影深くなる部屋のなか「どうするルパン」と聞く男たち
いい歌がたくさんあって刺激的な歌集でした。
『西行の肺』、お勧めです。

朱川湊人×笹公人
「遊星ハグルマ装置」
更新されました!
今回は僕の短歌
「真剣白刃取失敗之図」
です。
ぜひご覧ください!
発売中の
『短歌』9月号(角川学芸出版)
に、「妄想惑星」というタイトルの7首を発表しています。
8月30日(日)
「毎日新聞」
に、「ネットと短歌の未来」というお題の
エッセイを寄せています。
やすたけまりさんと笹井くんのことも書いています。
やすたけさんへのささやかなお祝いです。
9月6日(日)20時〜
NHKラジオ第1
「夜はぷちぷちケータイ短歌」
ゲスト:髭男爵 歌人:笹 公人
9月のテーマは、「残」です。
この日の企画は、
「言い訳」です。
締め切りは9月4日(金)正午です。
日にちもあるので、ぜひチャレンジしてみてください!

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まずは、
たみさんです。
・殻の内に秘めた想いを遂げる日もあらん磯辺のあわびでさえも
(たみ)
哀愁が漂っています。
・月うさぎ海亀綱を引き合えば潮満ち引けど勝負はつかず
・砂浜に打ち上げられた木の人形もうすぐ君は良い坊やになる
・その船の海賊船でありしこと小さき鸚鵡の骨は示せり
おもしろい。
・見えぬ線ベーリング海に越えながら魚(うお)は小さく時遡る
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岡本雅哉さんです。
・突堤の先で秘密を告げられて脊椎にうごめいたフナムシ
・更新の絶えたブログの難破船にフジツボみたいな卑猥コメント
・海風を裂いて岬に立つことに迷いなどなく白い灯台
・あいまいでいたいふたりにカモメまで「白か黒か」と鳴いた桟橋
・月のない夜の浜辺に押し寄せる波だか闇だかわからない音
好調ですね。
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魚虎さんです。
・骨のないビニール傘がゆらゆらと波間ただよう海月のごとく
(魚虎)
・今日もまたあの娘は岩場へ向かうのかイソギンチャクと戯れたくて
・居酒屋で海鞘(ほや)を肴に呑みながら心臓移植の話はよせよ
・物言わぬ海鼠の口を切り裂いてしまう刃を誰もが持てり
3首目など鋭い感性を感じました。
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小野伊都子
・偽物の海に沈めたアサリからしぶとく生きろと飛んでくる水
(小野伊都子)
・あのひとの心に波が起きるたび淡く輝く夜光虫になる
・貝殻は14のとき投げ捨てたあたしのひみつの恋を知ってる
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空山くも太郎さんです。
・海沿いのポストはまるで灯台のように赤々漁港にともる
(空山くも太郎)
・黒い海上からながめ夜行便 危篤の知らせに覚悟しながら
・足ひたす波には青く夜光虫 対岸の灯は原発施設
・夜になりよけい波の音(ね)だけになる きみの答えをきくのが怖い
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てこなさんです。
・夏休みの諸注意プリント 幼稚園も小学校もイラストは海
・最澄と空海の声色を変え夫が子らに読む偉人伝
信玄と謙信とかではなく、
最澄と空海を選んだところもおもしろかったです。
・海綿状血管腫という子の額のあくまをクマの帽子で隠す
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めぐみさんです。
・灰色の日本海だけを海として18年を過ごした我ら
・海色に灰色をつかう日本海で生まれ育った子どもの性分
・清潔なプールに足をさし入れて汗と温度で生きものにする
なるほど。
・潮の匂い嗅ぎつつ思う少女の日一番最初の流血のこと
・海の底でひとを食べたかもしれない魚の肉をほぐす箸先
日本海へのトラウマを詠んだ最初の2首が
迫力があってよかったです。
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深森未青さんです。
・海を見る白衣の老女車椅子押す美少女とときに接吻(くちづ)く
(深森未青)
謎めいた、映画のワンシーンのようです。
・骨なべて集まるといふ海洞に波はピヤノを組み立てをらむ
・小説家衰えけるも輝ける海の小舟はつねに影曳く
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やましろひでゆきさんです。
・いづくより流れ来るか大量の医療廃棄物とひとりの女
(やましろひでゆき)
この取り合わせはおもしろい。
・波の音のきこえぬ夜に啜り泣く女に増えるワカメ食わせん
・月の夜にやうやく浜に出てみれば島までの道現れてをり
なるほど。
・魚臭き納屋より聞こえくる声は人には発音できぬ音霊(おとだま)
・臓物(はらわた)をむさぼられつつ海原より旧き神々の勝ち鬨を聞け
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加藤サイさんです。
・マスカラを溶かしたオイルのような海 嫌われ慣れた22の夏
(加藤サイ)
「嫌われ慣れた」がよかった。
・真っ白い砂浜なんて見たこと無い 見たこと無いから無いのと一緒
・ぐわぐわと浮き輪を揺らす波の上 さよならをいう練習をする
・べたついた潮の匂いが全身にまとわりついて泣けやしない
どの歌も気持ちがこもっていて、よかったです。
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貝柱ひとみさんです。
・サメ肝油噛むその口元で老人と海だのヘミングウェイだの
(貝柱ひとみ)
・フェラガモに残りし砂よ 玄関の隅 夏を忘れる儀式憶える
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暮夜 宴さんです。
・ぺしゃんこの鞄と赤い靴下と海とキャロルとクリームソーダ
(暮夜 宴)
・目指すのは11月の海 雨にテールランプの赤を滲ませ
・3月の海を描けば画用紙のなかで静かに打ち寄せる波
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はせがわゆづさんです。
・もう帰れない深海に似た空を見上げるふたりはいつかのくらげ
(はせがわゆづ)
・泡沫の海月を思う朝靄にとけたあなたのやさしいまぶた
・あたたかい海月に包まれたままでこぼれる笑みを掬いきれない
・ビル風にたゆたう街で真夜中を泳ぐ海月に恋をしている
ゆづさんワールド全開でした。
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はづき生さんです。
・海沿ひを車でゆけば大きなる鳶すれ違ひ影を落としぬ
(はづき生)
・ふりあふぐ水面(みなも)に波は銀いろのひかりの綾となりて耀よふ
・ひむかしの水平線の向かうよりうねりとともに夜は来にけり
・弓なりの浜の向かうに大輪の花火あがりてうつすらと消ゆ
・暁の波止場みおろせば昨日より粘りし人は竿を仕舞ひぬ
玄人っぽい歌ですね。
結社歌人なのかな。
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酒井景二朗さんです。
・怪獸が泣く泣く歸る荒海は土筆の煮汁色に染まつて
(酒井景二朗)
・辛すぎるアジア 海に數多の雜菌がはびこるアジア 我らのアジア
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文月育葉さんです。
・水田に風が走ればくっきりとみどりの海に波がうまれる
(文月育葉)
<2002年11月・石川県千里浜海岸にテレビ300台が漂着>
・どんぶらこどんぶらこっこと流されしテレビに映る東映のロゴ
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伊藤ミナさんです。
・夏果ての海にこころを置き来ればカラカラと風吹き抜けにけり
(伊藤ミナ)
・文芸のない町に生れ少年は列車のレールの先に海見ゆ
どこか寺山っぽい。
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蜂谷希一さんです。
・海原に打ち勝つごとき誤植かな 君の勧める「ファイティング・ニモ」は
(蜂谷希一)
・晩秋の海 晩秋の海の家 晩秋の海の家の静寂
・海渡るモーゼの杖を燃やしたき夢に駆られる教徒もありし
「モーゼの杖」に注目したところが
よかったと思います。
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わかたけさんです。
・我が海の満ちて打ち上げられし子よいかなる旅路を辿るのだろう
(わかたけ)
・千代大海柔らかい胸に触りたいおしめ取り込む夏の夕暮れ
「千代大海の」と
「の」を入れたほうがいいです。
・剥き出しの肌に焼け付く夏の痛み日が沈んでも微熱は続き
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「羽うさぎ」改め
高羽佐兎子さんです。
・耳の奥パルスの群れを走らせて蝸牛は波の音をあつめる
(高羽佐兎子)
・海賊はロマンのかけらを散骨し高速艇でマシンガン撃つ
・つまさきで触れただけなら何もかも知ってるように語るな海を
・手をひろげ君がおしえる海の中そこにわたしを入れてください
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キタパラアサメさんです。
・人生が二時間ドラマだったならそろそろ海へ飛び込むシーン
(キタパラアサメ)
・清潔なプール育ちの僕たちは消毒槽の子宮でねむる
・海のない街で生まれた悲しみを知るため青い絵の具を舐めた
1字空けの必要はないので、
くっつけてみました。
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佐々一竹さんです。
・序破急のリズムで波が押し寄せる関屋海岸にぎわいの夏
(佐々一竹)
・海沿いの村に住もうと決意せり石灰岩が崩れるまでに
・海鳴りが灯台守を目覚めさせ帰り支度をはじめる鴎
・この海は荒れねえ方が恐えんだ老潜水夫つぶやきにけり
今回は、この歌が一番好きです。
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水野加奈さんです。
・海岸であつめた貝と星砂がお金なんですキティのお店
(水野加奈)

キティちゃんの身長はリンゴ5個分、
体重はリンゴ3個分です。
・海ゆきのバス待ちをれば会釈してとなりに座る老人と犬
・海風の見えやすき午後 民宿の柵に結んだ黄色いタオル
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小林ちいさんです。
・逃げ出した後はこっそりここに来る「母なる海」って誰かが言ってた
・すべりこみセーフで踏み出す夏の砂 9月初旬の浜は貸し切り
さわやかな青春短歌です。
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猫丘ひこ乃さんです。
・「食べたい」に「食べさせたい」も連れてゆく手にいっぱいの海の朝市
(猫丘ひこ乃)
・白き手のイソギンチャクの一群に山海塾の舞台を想う
なるほど。
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ユーリーボさんです。
・海水にポカリスエット混ぜてみた あまじょっぱさが癖になるかも
(ユーリーボ)
味を想像したくないなぁ。
・マイケルの死を悼みつつ海の底スリラーみたいに昆布が踊る
・マグロから一目散に飛び逃げるトビウオたちが空に近づく
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虫武一俊さんです。
・行き先を伝えないまま降り立った駅のどっちを見ても潮風
(虫武一俊)
・なにもかも許せなかったひと夏の水平線に湧きあがる雲
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山口ヤスヨさんです。
・今日もまた夢の続きの母を追いとうに廃れた海の家まで
(山口ヤスヨ)
・会社には行ってないんだ先月から海にいたんだ言えなくて、その
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乙女座☆星子さんです。
・海岸をあなたと歩く 鼓膜にはあずきを揺する音が聞こえる
(乙女座☆星子)
・知らぬ間に水着のなかに入り込む砂はあなただシャワー浴びよう
歌の世界がペンネームに合っていますね。
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ももや ままこ
・コーヒーが二層になった汗かきのグラスの海で溺れた言葉
(ももや ままこ)
アイスコーヒーの氷が溶けて水になった部分と
コーヒーの部分を「二層」と表現しています。
・海岸に磯の香りの少女おり 太ももについた鱗をはらう
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ひいらぎさんです。
・水平線の向こうも水平線だって知った頃にはもう戻れない
(ひいらぎ)
うまい。
・悲しみは海に流せば海底で深海魚たちのえさになるでしょう
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イマイさんです。
・夢のなか海はどろりとしていたと退社を決めた女の黒目
(イマイ)
・高台より眺める海は薄暗く誰も言葉を交わさないまま
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都季さんです。
・海のある町に生まれて潮風が吹かない街で方向音痴
(都季)
・足元をさらわれてゆく感覚で波打ち際に立ち尽くしてる
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伊藤真也さんです。
・エビアサリタコイカホタテカニワカメヒラメアジ塩味にたゆたう
(伊藤真也)
・ほの暗い大陸棚で細目して皆既日食仰のくアンコウ
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伊藤夏人さんです。
・海までの距離を密かに測っても光子の胸のサイズは不明
(伊藤夏人)
・開く時、相当苦労をするだろう二人は貝のように合わさる
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みうらしんじさんです。
・曇天の〈クルスの海〉をおとずれて手を合わせずにぼくらは帰る
http://www.city.hyuga.miyazaki.jp/sightseeing/nature_cruz.html
昨年、テレビのロケで宮崎に行った時、
歌人の奥田亡羊さんと一緒にここにきました。
たしかに「叶」の文字に見えました。
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☆晩夏の1首劇場☆
・かなしいのいたいのみんな捨てたくてわたしごと流されていく日本海
(ふみこ)
・海岸の砂浜掘れば遠い日のさびたナイフと裕ちゃんうかぶ
(おはぎ)
・海はひろいなおおきいな あなたが帰ってくるまで遠いわ
(ムラサキ・ピープル)
・飲み込んだすべての夢を消さぬようバクは静かに海へ潜った
(中森つん)
・「ふるさとの海のいろです」小包はビリジアン・ブルーのタイル一枚
(穂ノ木芽央)
・なにもかもやめた夏の夜公園で波のおとがした、東京なのに。
(滝沢 勇一)
・歌舞伎町の店のマットを持ち出して遅番のミユが日光浴する
(憂太郎)
・海の辺で「芝浜」演(や)りし明け暗(あけぐれ)の羽織姿の男見つめつ(かわら)
・われらえら呼吸したときの記憶をたどり深海に沈む都に住まふ
(富田林薫)
・喪いしふる里訪ね海に来ぬ海鮮丼は献立になし
(関根 忠幹)
・あの夏の海のなごりを灰皿に住まわせるほどまだすきがある
(佐伯杳明)
・「逢えない」が「逢わない」に変わる17時 海中道路は流れなくなる
(みつこ)
・かき氷のスプーンですくえる海こぼす君の後ろで僕は黙りぬ
(地球人)
・海までの距離15キロ 助手席の君までの距離17センチ
(佐々木優)
・あなたには知らない事が多すぎるフローネの猿の名前とか
(そう蛸)
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あきえもんさんです。
・まだ今日も女のようだジャニーズに内海光司を見つけたように
(あきえもん)
名前に海が入っています。
・シャブの波でサーフィンをするアイドルが海の深さを教えてくれた
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鶴太屋さんです。
・鬱血のリング泡だち韻(ひび)きたれボクサー倒るればまなかひの海
(鶴太屋)
・黒き楽譜にくるむトカレフ砂に埋め青年の眸(め)の冬の海荒る
ピストルを砂に埋めず、
黒い楽譜にくるむだけでも
十分魅力的な詩になると思いますが。
・象亀の眸(まみ)に古代の海映るごときゆふやけ拳(けん)かたく矚(み)る
・信天翁(あはうどり)白き羽搏つ泥濘や海鳴りくらきおほき曇り日
・冬の霓(にじ)たつ楡の天辺(てつぺん)吹かれゐつ遠景に鳴る荒海あをき
・星満ちて水甕あふる百日紅(さるすべり)白き花噴き海が呼んでる
・俯きて莨火つける 激浪の海鳴り聴きつつ男の背中
・海昏れてうつせみのわが繋ぎゐる漁船は涙(なんだ)と汗に饐えをり
・昏れて雪 鮟鱇ぶつ切る刃に触れて海辺の焚火のひとり視てゐる
・鷹の眸(まみ)くれなゐ走る 碧天は死に満ちたれば海の夏なり
・うつくしき溺死者海をさまよふを金貨に刻むウンディーネ恋ふ
・太古の素甕に棲みたる蛸のたこやきなり海の底まで流涕したり
・石榴狂へる天(あま)つ光に風生まれギリシャの海の夕凪澄めり
・絶海にひとり浮きゐる夢を見て露のヴァイオリン弾けば露の音(ね)
・音叉鳴る暮春のころは笛吹きて海の上ゆき鯊(はぜ)も釣りたり
・春の潮(うしほ)鬱鬱と荒れ船長は阿片に溺れゐき海の泡
・むらさきに海鼠(なまこ)暮れゆく冬の日は海の底吹く木枯しの音
・白き海光窓辺にうるむ海葡萄噛めば壊れし古時計鳴れり
・青銀河は雛罌粟(ひなげし)の束てのひらに海王星はしづかに炎ゆる
・渤海より使者来(きた)れりと古文書の紙魚の食ひ跡日本いつ滅ぶ
物語を詰め込みすぎていてどうかと思う部分もあるのですが、
それでも力技で読ませてしまう歌のオーラがあります。
詩の核となる部分は一つあれば良いと思うのですが、
そうしたら鶴太屋さんの歌ではなくなってしまうのかもしれません。
これまでのやりとりからも、そのへんの譲れない信念や美学を感じ取り、
毎回ほとんどの歌を採らせて頂いてます。
故・塚本邦雄先生が鶴太屋さんの歌を読んだら、
どう評価しただろうかと気になるところ。
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かんなさんです。
・砂浜にビキニの花を咲かすためイヴは真っ赤な林檎をかじる
(かんな)
・海からのバスのシートに思い出のように砂粒こぼれていたり
うまい。
・バスクリンマリンブルーの湯の中にビキニなど着ぬ身を沈めゆく
・ただ海を見ていただけの百年を古灯台は静かに語る
・防波堤離れて歩くいつまでも梅雨の明けない海の灰色
・海の家停車時間は五分ですバナナボートの通過待ちです
・地下ラボの液体クロマトグラフィーで正しく海であるか調べる
・海行きの最終電車は走りゆく電気クラゲの光を集め
・海からの風が吹く時えころじぃえころじぃって風車は廻る
・帆船のゆるい航跡追いかけて消えてしまった白いクレヨン
・あの海が忘れられないアラフォーの赤名リカから便りが届く
懐かしの「東京ラブストーリー」
・七月の笹舟きらら流れだす天の川から続く海へと
・星砂は硝子の壜を棺とし海に還れる日を待ち続け
これもうまい。
上の句が良かった。
・海の歌うたい続けて男らの皮膚の一部は短パンになる
・夕立の海の家にて寝転べば水音ばかり吾にのしかかる
・灼熱の砂を踏みしめあの夏は恋する人魚であったと思う
・夏空に遊泳禁止サイレンが空襲警報みたいに響く
ほとんどの歌を採ってしまいました。
盛り上がりにかける部分もありますが、
これはこれでツボをおさえていて、良くできています。
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今回もおもしろい歌が多かったですね。

やっぱりつくりやすいからかな。





総評お疲れ様でした。<br />
いつもなら、かなり画面をスクロールしないと現れない自分の歌が突然出てきて驚きました。初めて五首採っていただけたことにも感激しました。<br />
お題が出てから何日間も何も浮かんで来ず、情けない思いもしましたが、諦めなくてよかったです。ありがとうございました。
以前から拝見しておりましたが、<br />
〆切当日のケータイ短歌で 放送外で1首選んでいただけたことに勇気をいただいて、今回初めて投稿させていただきました。<br />
師範に読んでいただけただけで幸せなのに、2首取り上げていただき本当に嬉しいです。<br />
また投稿させてください。ありがとうございました。
一首コーナーから抜け出して、初の三首選んでいただいてありがとうございます!<br />
また、受験勉強の合間に投稿します。
<br />
長年(?)投稿させていただいておりますが、今回初めて5首すべて採っていただけました。こうしてみるとすべて体言止めになっていたり、コミカルな歌がなかったのがアレレな感じですが、それはこれからの課題でしょうか……。<br />
とにかく、これを励みにしてこれからもがんばっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
お忙しいところ評をありがとうございます。<br />
「海」というお題をいただいた瞬間に赤名リカの生霊がおりてきてしまい(笑)自分的にどうしても東京ラブストーリーを詠まなければいけない状況に陥ってしまいました。おかげで最初の1週間は1首も詠む事ができませんでした。<br />
もう少しポップな海を詠みたかったのですがどうしても歌謡曲チックになってしまったり色々と課題の多いお題でした。自分なりに復習をしつつ、次回のお題を楽しみにしています。
来月も自信が無いながら、提出は必ずしたいと思っております。ひどい内容で本当にお恥ずかしいですが、来月もなんとか頑張ります。お忙しい中、ありがとうございました。
初投稿一首をとっていただき、ありがとうございました。。<br />
たくさん詠めるよう頑張ります。
<br />
はじめて2首選んでいただけたこと、そして、ケータイ短歌のほうでもお選びくださったこと、とても感激でいっぱいでした!そしてますますやる気が出ました!<br />
<br />
あしたも短歌を考えてたら、あっという間に夜になっちゃってたような一日になったらいいな、と思っています。<br />
<br />
そして次回のお題を楽しみにしつつ気分転換にハンガーヌンチャクをやってみようと思います!<br />
<br />
これからもがんばりますので、よろしくお願い致します。
日本海で育ったものとして、これは投稿せにゃ!と詠んだのですがまさか二首選んでいただけるとは思っておらず、嬉しかったです。<br />
年末までは投稿を頑張りますのでよろしくお願いします☆
またぜひ投稿してください!<br />
<br />
>小林ちい様<br />
次回作も楽しみにしてます!<br />
<br />
>蜂谷希一さま<br />
受験勉強がんばってください!<br />
<br />
>岡本雅哉さま<br />
初の5首採用おめでとうございます!<br />
<br />
>かんな様<br />
今回も打率が高かったですね。<br />
<br />
>あきえもん様<br />
次回作も楽しみにしてます!<br />
<br />
>みつこ様<br />
次回作も楽しみにしてます!<br />
<br />
>猫丘ひこ乃さま<br />
急成長ですね。この調子でがんばってください!<br />
<br />
>文月育葉さま<br />
東映の歌、よかったです!