もうほとんど隔月刊の雑誌状態ですね……。
師範もボランティアでやっているので、
みなさん勘弁してあげてください。
おっカンタくん、
たまにはいいこと言うじゃん!
廃刊にならないように踏ん張ります。
今回も5首投稿したのに1首もとられなかったという人がけっこういます。
その中から代表で、地球人くんの短歌についてアドバイスしたいと思います。
・野球部のフライ聴きつつ屋上でしらすにちりめんじゃこの手繋ぎ
(地球人)
まず、「野球部のフライ聴きつつ」
が漠然としすぎていて、表現になっていません。
フライの球が落ちてゆく音を聴くということなのでしょうか。
違いますね。
おそらく、
「練習中の野球部の金属バットの打撃音を聴きつつ」
という意味でしょう。
省略が強引すぎて意味不明になってしまっています。
これを省略して定型にするならば、
「野球部の打撃(練習)の音をききながら」
とかになるでしょうか。
オノマトペを使って
「カキーンって音ききながら屋上で」
「校庭のカキーンって音をききながら」
というのもありだと思います。
この上の句の案を歌の核とするのであれば、
下の句はあっさりと「弁当を食べてる」
くらいの内容にしたいところです。
下の句の
「しらすにちりめんじゃこの手繋ぎ」も意味不明です。
シラスやちりめんじゃこに手があるのですか?
おそらく、
しらすとちりめんじゃこが隣り合っていた、
あるいは混ざっていたという意味でしょう。
でもそれだと、下の句の重量がオーバーしてしまい、
読者は上の句をイメージすればいいのか、
下の句をイメージすればいいのかで、
混乱してしまいます。
弁当の話が出たからいいますが、
短歌は、あれもこれもと詰め込んだ
「幕の内弁当」ではいけません。
「日の丸弁当」でいいのです。
一点豪華主義で見せ場を一つに絞ってつくりましょう。
試しに添削してみます。
・カキーンって音ききながら屋上で弁当箱のじゃこ均(なら)してる
「弁当を食べてる」じゃ芸がないので、
弁当箱のなかのご飯にじゃこをまんべんなく散らしている描写を入れてみました。
「散らしてる」でもよいのですが、
「均(なら)してる」にして
校庭の砂を均す野球部員のイメージに重ねてみました。
地球人くんの意図するところとはかけ離れてしまったかもしれませんが、
このくらいでようやく佳作レベルの歌になります。
今回1首も採られなかった人は、
今後、投稿する前に家族や周囲の人に一度読んでもらって
歌意が伝わるかどうかを試すことをお勧めします。
そして、めげずに投稿し続けてください!
何度も言ってますが、
短歌上達の秘訣は、
良い歌をたくさん読むということです。
そこで、
最近読んだ歌集のなかで、
自分の中でヒットしたものをご紹介します。
『アスタリスク』大松達知歌集(六花書林)
学ランの中の真っ赤なTシャツをちらりと見せて反抗期なり
裏山の秘密基地そこにあるごとしケイタイ電話ひとつ置かれて
誤植あり。中野駅徒歩十二年。それでいいかもしれないけれど
サッカー部員。
五分刈りにして反省す青春はかくきらきらと簡潔にして
ラーメンには宇宙があると店主言へりかく言ふ人の強さ羨しも
携帯電話を携帯と呼ぶ人々は太平洋戦争を太平洋と呼ぶか
下痢止めの<ストッパ>といふ名づけにも長き会議のありにけんかも
高校の英語の先生でもある大松さんの第三歌集です。
僕好みの実におもしろい歌集でした。
この短歌サイズの発想とバランスのとれた文体には、
みなさんが学ぶべき点がたくさんあると思います。
1首目の歌は、
思わず「金八先生」での沖田浩之のファッションを思い出してしまいましたが、いまでも同じなんですねぇ。
反抗期の伝統ファッションになっているのでしょうか。
昭和の残り香が漂う風景です。
ストッパは、尾美としのりさんのCMでおなじみですね。
尾美さんといえば「大林映画の人」というイメージだったのですが、
最近では「ストッパの人」という印象に変わりつつあります。
どうでもいいですよ、そんなことは!
最後になりましたが、
過去のメールの整理をしていたら、
笹井宏之くんの
「高須賞 〜日本美容短歌大賞〜」
への投稿作品が出てきました。
この3首です。
・くちべにを試す少女は紅葉をむかえるまえの山野のように
(笹井宏之)
・マスカラが涙のすじを下るときあなたはどうしようもなく素顔
・銀の湯をひろがってゆく黒髪がかすかに月のひかりを奪う
なかなかいいですね。
「笹井宏之ポエジー図鑑」
に追加しておきます。
「笹井宏之メディア掲載情報」
も、引き続きよろしくお願いいたします!
ということで「総評」にいきます!
_____________________
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まずは、
小野伊都子さんです。
・肉じゃがに味がしみこむ要領であなたと歩く二十一年目
(小野伊都子)
・ねえ早く元気になっておばあちゃん ちらし寿司さえ教わってない
泣けます。
・ささくれた息子の心を包むようにロールキャベツをきっちりと巻く
親心を感じます。
・祈りにも似ているものをこめながら弁当箱に詰めるおにぎり
・三歳の小さな口に吸いこまれスパゲッティは旅を終えます
どの歌にも心がこもっていてよかったです。
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めぐみさんです。
・千歳飴を切りわけている千年を生きるのはすこしたいへんだから
(めぐみ)
なるほど。
・砂を噛む思いをするのが嫌だから口をつけないあさりの味噌汁
・ほっぺたに苺一粒押しこんでつぶさないよう過ごす初夏
こどもの無意味な行動を
とらえています。
・リクルートスーツで揺られる山手線あと三周でバターになれる
・いちご飴の紐を口から垂らしつつ足元だけを見ながら歩く
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深森未青さんです。
・砂抜きのさ中あさりがことり落つその方角のまぎれなき海
(深森未青)
・ラーメンの美(は)しき螺旋をテロメアの滅しゆくわれ雑にほぐせり
・スパイスをゲームの中で買い占めるセポイの乱など起こりはせぬか
おそらくドラクエのようなRPGでしょう。
おもしろい。
・ガザ地区で豚を炙らば紛争がなくなるやうな予感がするの
今回も深森ワールドを楽しませて頂きました。
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羽うさぎさんです。
・放課後のポテトチップの黒胡椒舌に感じてキスをためらう
(羽うさぎ)
うまい。
・おでん屋のコンニャクはんぺん大根で幾何を教えし老教師あり
・ロコモコのとろりふるえる黄身の上ハネムーンの空ひたすら青し
・子供らを育てたものは崩れない父の背中と母の肉じゃが
___________________
ももや ままこさんです。
・明日には戻ってくる気がしてるから用意しておくね、エサもご飯も
(ももや ままこ)
猫と旦那が一緒に家出したのでしょうか。
・散らかった部屋を飛び出し真夜中へカップ焼きそばの真白き残骸
・午後三時ソフトクリームのてっぺんの穴の向こうに幼き誰か
細部に注目したところが
よかったと思います。
_________________
富田林薫さんです。
・ステンレスシンクが我にかえるようなペヤングソースやきそばのお湯の奔流
(富田林薫)
僕だったら「ペヤング」をはずして
字数を合わせますが、
きっと「ペヤング」にこだわりがあるのでしょう。
・長江に身を清め一気呵成に書き上げる【冷やし中華はじめました】の張り紙
これはおもしろい。
・とても美味しそうに出来たチャーハンを「いただきます」の前に味見する蠅
「とても美味しそうに」を
他の言葉でどう表現するかが
短歌の基本だと思いますが……。
_________________
伊藤真也さんです。
・三日月に腰掛けながらマンガ肉にむしゃぶりつけば 降る流れ星
(伊藤真也)
マンガ肉……
「ギャートルズ」とかに出てくる
アノ肉(骨付き肉)のことでしょう。
アニメ「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングを思い出しました。
・やむを得ない局面なんだそのやわい手のひらでプリンすすらせてくれ
・マスターがなにも聞かずに差し出した力うどんを泣きながらすする
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てこなさんです。
・ゆで上がる白玉だんごをすくいおり負の感情に向き合えぬ子と
(てこな)
・レジ通過したときニラは香を放つあなたを越えて吾も香りたし
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魚虎さんです。
・最後まで売れ残りたるつぼ焼きのさざえの底に溜る哀しみ
(魚虎)
・ラーメンに浮かんだ油つなげつつキミの話を聞いていますよ
_________________
はづき生さんです。
・一時間ごとにきっちりあの客はビッグマックを頬張りにくる
(はづき生)
・変わらないメニューと値段スマイルは今日も0円でした、さよなら。
_________________
暮夜 宴さんです。
・反省はしても後悔などしない春のパスタをくるくる巻いて
(暮夜 宴)
・パルメザンチーズが粉雪みたいって南国生まれのあなたがはしゃぐ
・そのままでいいよと春のキャベツよりやさしく包んでくれるあのひと
・揺れるのはきっと今夜の三日月がライチみたいな色してるせい
__________________
酒井景二朗さんです。
・今年もまた桃を剥く日がおとづれて不埒な夢がくすぶりだした
(酒井景二朗)
・葛切りのプールで泳ぐ惡徳をティーンエイジの君にあげよう
中年の悶々とした情念が伝わってきました。
________________
はせがわゆづさんです。
・舌先の薄荷どろっぷが消えた夜ゆっくり雨は透きとおってく
(はせがわゆづ)
・手のひらをすべるひかりはとめどなくほどけてくライスボールのように
・晴れた朝でしたあなたが砂糖菓子みたいに笑んでた春のはじまり
・ふわふわのオムライスの中で君がみる夢の続きをきかせてほしい
ゆづさんの歌には、
日曜の朝のホンワカ感がありますね。
その個性を大切にしていってほしいです。
_________________
伊藤夏人さんです。
・もしサマータイムが導入されたって立ち食いそば屋で済ませるだろう
(伊藤夏人)
・くいしん坊!万才彼はくいしん坊!万才見ながら私を食べる
___________________
ひいらぎさんです。
・食べ過ぎてもういらないとから揚げは皿に残って未練残って
(ひいらぎ)
・にんにくの入っていない手作りの餃子は君との会話のようで
・締めくくりイチゴパフェでしょ二人ではもうファミレスも行けないんだし
・声掛けていいのかどうかわからずに背中見つめるたこ焼き屋前
・真夜中のキッチンに立つ夫へとアドバイスする明日の弁当
__________________
たみさんです。
・ひねた眼のあの子がいつも舐めていた逆渦巻きのソフトクリーム
(たみ)
むかしの漫画によくある風景。
・保守的な私と冒険するあなたカップの麺を選ぶときにも
・あかさたな占い最下位だった朝 かさかさ音をたてるシリアル
__________________
星野ぐりこさんです。
・香ばしい音でソースがジュッと鳴きビールが美味い夜が始まる
(星野ぐりこ)
・潤ってふえるワカメは艶々と海を日差しをウフフと語る
・熱を持つ舌にマシュマロ乗せあって大事な場所をとろとろ溶かす
・温かいプディング崩す唇の柔さを思うキスしたくなる
_________________
滝沢勇一さんです。
・コンビニのキュウリサンドが床に落ちた何だか俺はもう疲れたよ
(滝沢勇一)
・いつかもう何でもない日のただ甘い甘いショートケーキになるかな
________________
イマイさんです。
・ずいぶんと遠い地点にきたようで今日も朝からうどを食べている
(イマイ)
・鮭の身をほぐしつつ聞く夕方の天気予報は大雨ばかり
・戻れないことは知っているただ今日も水菜とじゃこのサラダを作る
________________
月下燕さんです。
・「唾液を出してはいけません。さあ、梅干を思い浮かべないでください」
(月下燕)
・はじめから分かっていたという顔で摘み過ぎ苺ジャムにしている
_________________
水野加奈さんです。
・前掛けの蝶々結びがうごき出しあずき色した祖母がふり向く
(水野加奈)
「あずき色」が良いと思いました。
あずき色は、おばあちゃんの色なんですね。
・さくら咲く山の焼き場へつづく道ピザ屋のバイクが音たてて来る
__________________
わだたかしさんです。
・牛丼か豚丼かすら悩むのにミホかアキかは決められないよ
(わだたかし)
・東京のソウルフードでおなじみのウイダーinゼリーを飲み込み走れ
なるほど。
・最高級イベリコ豚で作られた豚まん「ブタマネーゼ」の値段
・肉じゃがの魔法は解けたようだけど今ではポテトサラダに弱い
__________________
空山くも太郎さんです。
・ひとんちのカレーを食べてまわる娘のリスカを止めてやれないでいる
(空山くも太郎)
・ぐりとぐら焼いてもらったカステラがしぼんじゃったね 午後はキャンセル
意表をついた結句が鮮やかです。
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柚木 良さんです。
・フルーチェを二人でわけるスプーンのひかりがすこし夢に似ていた
(柚木 良)
・におわない納豆などがほしいならAg+でもぶっかけろ
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船山登さんです。
・電話機でポップコーンを調理する未来に着いてしまったぼくら
(船山登)
あるかも。
・なぜだろう焼きそばだけは父ちゃんが作った方がうまかったなあ
_________________
そう蛸さんです。
・おにわそと鬼は外って念じつつ齧る混ぜもせぬ納豆
(そう蛸)
・今晩はビーフシチューよ美輪さんが三島由紀夫に作った風よ
おもしろい。
・たんじょうびにじぶんでケーキを買わないと自分で決めた世界のルール
・紙皿に「君も食べな」とバーベキューおそらく雄の乳牛の肉
__________________
憂太郎さんです。
・万能の先割れスプーンにつつかれてやんちゃ男子のコッペパン無残
(憂太郎)
「やんちゃ」はいらないです。
・納豆は誰も食べない給食の献立は町の納豆屋のため
_________________
都季さんです。
・ざっくりとキャベツにナイフ入れる時浮かんだ黒い気持ちに戸惑う
(都季)
・おっとっとのヒトデは全部あげるから星が微睡むまでそばにいて
いいんじゃないでしょうか。
_______________
Perfume大好き
岡本雅哉さんです。
・母さんのいびつな手作りドーナツがぼくの家族の理想形です
(岡本雅哉)
・かなしみの土手は破れてあふれ出すもんじゃは固まらないまま焦げる
・わたがしの匂いに釣られて集まった浴衣の金魚にぼくが釣られる
・Perfumeと同じ ひとつを選ぶのはムリさ 3つのスウィートドーナッツ
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あげはたさんです。
・ナポリタンミートスパしか知らなくて都会の光はまぶしく痛い
(あげはた)
・忘れないきっと一生覚えてる食べたことないポリンキーのうた
わかる。
・定食の漬物の下隠れてたエビのしっぽはいつからここに
__________________
日野 寛子さんです。
・小鳥さんあなた専用綿菓子です 違ったあれは木蓮だった
(日野 寛子)
・死神のはやにえか誰のたましいだ? 違ったあれは木蓮だった
__________________
新井蜜さんです。
・そよ風にゆらりふうわり誘われて春のおすすめ手長えび食う
(新井蜜)
・春雨にぬれて闇夜をおちていくわさび色したあなたの下着
_________________
ユーリーボさんです。
・小刻みにコーヒーゼリーがふるえてる君がこの部屋出て行った夜
(ユーリーボ)
・廃屋の壁に貼られたポスターの深みを増したカレーの色合い
松山容子のボンカレーのホーロー看板は
廃屋での遭遇率が高そうです。
_________________
真風さんです。
・生卵としょうゆとごはんに含まれる幸せという見えない滋養
(真風)
・見習っしゃい 粘り強かよ納豆は 掻き回し喰う母は鬼の目
________________
葉理さんです。
・大路は雨 筍を焼く 葬列が窓の向こうを通り過ぎてく
(葉理)
・爆音のコーラン 戦士一万がカレー貪る聖堂の地下
・衛星はアマゾン源流を写す 三浦キャベツの甘き葉脈
________________
チェンジアッパーさんです。
・ドラフトで一位指名をされそうな大根今日も食べ進めてく
(チェンジアッパー)
・香川県 うどんのせいで狭くなる日本一の小さい県よ
_________________
キタパラアサメさんです。
・満月がホットケーキに見えたので君に電話をしようと思う
(キタパラアサメ)
・味のないフーセンガムをふくらます そうだあなたはもういないんだ
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__________________
☆1首劇場☆
・知り尽くすはずの名人キノコ採り山に入って音沙汰も無く
(おはぎ)
・割りそこねた卵のような心して月がゆくのを待つだけの夜
(西野明日香)
・噛むほどに漁師でありし亡き父のにおい広がるサキイカなり
(かわら)
・お寝坊のあなたにつくる小野リサの音も煮込んだセロリのスープ
(ぽっちり)
・鼻くそほじった手でごめん。割けるチーズをあげながら思うよ
(千のナイフと餞)
・スキヤキの肉に視線が釘づけで上を向けない5人兄弟
(ウクレレ)
・駅そばはひとりで食べます立ち呑みもひとりでいける大人ですから
(山口ヤスヨ)
・ガトー・ショコラフォークの先で傷つける甘すぎた夜を葬る儀式
(穂ノ木芽央)
_______________________
_______________________
あきえもんさんです。
・肝吸いの熱さが喉を通りすぎ飲み込んでしまう言葉がひとつ
(あきえもん)
・納豆の容器を洗う 未練とはこんな形をしているのだろう
・マーメイドの踊り食いです胸にある貝は始めにお取りください
・銀杏を踏みながら行く 君もまた失業中だったのかニュートン
失業中とニュートンの取り合わせが
なんだかわからないけど良いと思いました。
・手渡しの手紙読まずに食べた後まだ居たんだと黒山羊は言う
・「おふくろの味」のコースは人参と牛蒡をアルデンテにいたします
・給食の三角食べは今もなお会社の新人−妻−愛人と
__________________
鶴太屋さんです。
・はまぐりのしぐれ煮舌を過ぐるとき未生のわれをたまらなく恋ひき
(鶴太屋)
・たけのこの木の芽和へ食ふゆふまぐれ昔のごとく蝌蚪生(あ)れにける
下の句が見事だと思いました。
・うちむらさき割く一閃の断崖(きりぎし)をけふは離(か)れたりこころの夏
・茜濃き夏ゆふぐれの冷めゆきて煙霧のごとき胃のところてん
・冬の海あんこう鍋を惜しみてはまた注(つ)ぐ酒の杯の青菊
・春菊のほろ苦かるを食ひにけり青鈍(あをにび)色のさやけき弥勒
・蕗味噌の香にぞ噎(むせ)ぶは我ならずふるさととは杳(とほ)き煉獄
・若き日の山椒もみづる晩秋(をそあき)をうな丼熱き舌に崩るる
匂いたつような歌ばかりで、飲み屋にいるような気分になりました。
これも鶴太屋さんの歌が持つ力でしょう。
_________________
かんなさんです。
・キャラメルのおまけの箱に詰まってる夢を落としてしまったのです
(かんな)
・暗号を送る相手を探しつつパスタを食べる窓際の席
・夕暮れのローカル線に乗り込んで一人で食べる冷凍みかん
夏っぽい風景。
・腹立ちをセロリにかえて混ぜあわす野菜ジュースをさあ召し上がれ
・ミルフィーユみたいに重ねてきた時は真冬のカフェでほろほろ崩れ
・くっついたセイロの隅の蕎麦のよう私を放っておいてください
・どうしてもわかりあえない事はある、静岡人はイルカを食べる
今回はこの歌が一番おもしろかったです。
・とけていくソフトクリーム後ろにも前にも進めぬ僕たちがいる
・迷う事ばかり多くて はじかみはどこまでかじればいいのだろうか
今回、ちょっとあたりまえで、
なおかつ説明的なモノローグが多かったように思います。
かんなさんの武器でもある「歌謡曲っぽさ」が裏目に出てしまったような。
そういう歌は、まだ発想の段階にあると思います。
短歌は31文字しかありません。
だからこそ選び抜いた言葉、
練りに練った表現で詠みたいものです。
___________________
___________________
お疲れ様です!
やっぱり5首投稿してくれた人には、
なんとかして1首は採りたいと思って、
がんばって良いところを見つけようとするんですが、
それが一番疲れるね。
自分の精神状態も影響しているかもしれないと思って、
日にちを変えて読み直したりする場合もあるから。
そんな苦労もあったんですね……。
できれば全員のすべての歌を載せたい気持ちで選歌しています。
いつかそんな日を夢見て、がんばっていきましょう!
今日か明日あたり、
朱川湊人×笹公人
「遊星ハグルマ装置」
が更新されます!
今回は僕の短歌で、
タイトルは
「絶食書簡」
です。
ぜひご覧ください!
優秀作品もお楽しみに!
よろしく哀愁☆
緊張の初投稿作を4首も載せていただいて本当にうれしく思いました。<br />
ありがとうございます!<br />
でも正直なところ自分の採用作と不採用作の違いもよくわからなくて・・(汗)勉強不足ですね。<br />
短歌を始めて3か月、今までは自分の歌を詠むことに精一杯でした。<br />
これからは世の中のよい歌をたくさん読んで学んでいきたいと思います。<br />
今後ともよろしくお願いいたします。<br />
今回は本当にありがとうございました。
>「とても美味しそうに」を<br />
>他の言葉でどう表現するかが<br />
>短歌の基本だと思いますが……。<br />
どうも「味見する蠅」という言葉が思いついた時点で、<br />
前半部分はあまり考えずに作っちゃったような気がします。<br />
よく考えてみると、チャーハンでなくてもよくて、その辺も含めて考える部分があるのだと思いました。<br />
もっとがんばります。ありがとうございました。
<br />
食べ物短歌はなんだか詠んでいるうちに自分でも???な感じになってしまいました。<br />
あまりに身近な題材だったので、気軽に詠んでしまったようです。<br />
師範の的確なご指摘で自分の入り込んだ袋小路がわかったような気がしますので、次回お題は、丁寧に詠む事を心がけたいと思います。<br />
また、ご指導よろしくお願いいたします!
食べ物というとても身近なものがテーマだと、広がる部分やクローズアップすることが出来る反面、独りよがりな表現も多々出てきてしまいました。<br />
毎度仕上がりにばらつきがありますが、今後も自分の表現で楽しく歌を詠めるようにしていきたいです。
<br />
なによりうれしいキャッチフレーズをいただき、感激しております。このご好意に甘えることなく、さらにがんばりたいと思います。<br />
<br />
今回、けっこう思い入れがあった“モスバーガー”の歌が選外となり、“やはり歌謡曲調”であったか……と振り返っています。初恋の一シーンであっただけに、ベタになってしまいました……。
<br />
「しらすとちりめんじゃこ」は、自分では比喩として使ったつもりでしたが、<br />
今回添削とともに読んでいると確かに本人にしか分からない表現になっているなと感じました。<br />
僕の場合、自分のなかに思い浮かぶ光景に負け、分かりやすく書くことも、クローズアップすることもできていず、<br />
どっちつかずでいつも自己満足に陥りがちのようです。<br />
<br />
まだ他の方の作品を読んでいるとはいえないのでそこから勉強して、<br />
時間はかなりかかるかとは思いますが、<br />
まずは一首から、徐々に他の投稿者の方に追いつけるように詠んでいきます。<br />
<br />
これからもよろしくお願いします。
ごぶさたしております。ご紹介ありがとうございます。うれしいです。<br />
とりいそぎ。お礼まで。
(あと、お疲れのところ申し訳ないのですが、月下燕さんの歌が重複して紹介されているようですのでお手すきの時にでも修正されると宜しいかと。今ならまだバレない…かな?)<br />
「遊星ハグルマ装置」楽しませて貰ってますよ。そのまま読んでも面白いですし、お二方が互いの作品のどの部分からインスピレーションを得たのか推測しながら読むのも面白いですね。早く一冊に纏まって欲しい気持ちもあるのですが、一方でこのままいつまでも連載が続いたらいいのに…とも思ってしまいます(師範が似たようなシチュエーションの夢をご覧になったという「僕らの移動教室」では、何となく筋肉少女帯のアルバム曲を思い出してしまいました/笑)
総評お疲れ様です。毎回毎回本当にありがとうございます。期待に応えられるように丁寧に詠んでいきたいと思います。<br />
今回は2首も採っていただいてありがとうございます。不採用の方は、心がこもってないような気もしますし、歌意がうまく伝わらなかったのかもしれませんが、よくわかっていない面もあります。ここらへんはまだまだ勉強不足です。<br />
本当にありがとうございました!
「不採用の方」じゃ、語弊がありますね(汗)。「僕の不採用の歌」という意味です。<br />
すみません、なんだかばたばたしちゃって…。本当に誤解しないで下さいね!
総評お疲れ様でした。とても楽しみにしていました。<br />
<br />
今回、五首載せて頂いて、何かの間違いかと何回も見直しました。<br />
間違いでなかったら、嬉しい限りです。<br />
まだまだ勉強不足で他の方の作品を詠んでは、感心するばかりです。<br />
笹師範の総評を繰り返し読んでは勉強しています…。<br />
<br />
お忙しい中、ありがとうございました。<br />
どうぞお体にお気を付け下さい。<br />
これからもよろしくお願い致します。
玉石混交状態の言葉ひとつひとつを受け止め、さらに評を書くという作業には相当なエネルギーが要ることと思われ、感謝の念に堪えません。<br />
<br />
今回の総評の他の方々の歌にもしっかりと目を通し、ヒントにしたいと思います。ありがとうございました。
次回までに今回の総評をかみ締め、次へとつなげていけるようにしたいと思います。この度は本当にありがとうございました。
<br />
短歌歴3か月にしては上手すぎます。<br />
コツがわかっている感じです。凄いなぁ。<br />
ぜひこれからも投稿してください。<br />
期待してます!
<br />
最近ますます独自性が出てきてますね。<br />
次回作も期待してます!
<br />
油断すると誰でもそうなってしまうところが<br />
短歌のおそろしいところです。<br />
そのために定期的な歌会が必要になるのだと思います。<br />
と書きつつ、もう何年も歌会を休んでしまってますが……。<br />
次回作も楽しみにしてます!
<br />
二首目は「真白き」ではなく<br />
「白き」にした方がよいのではないかと思いました。<br />
<br />
「真夜中」と「カップ焼きそば」の間を<br />
1字空けにしてもよいと思います。<br />
<br />
次回作も期待してます!
<br />
今回は、「もんじゃ」の歌がずば抜けてよかったと思います。<br />
<br />
<4.モスバーガーのミートソースがはみ出してキミが笑ってボクの負けです><br />
は、<br />
「ボクの負けです」を他の言葉で表現してほしかったです。
<br />
地球人くんは投稿者の中で最年少だと思うので、<br />
全然大丈夫です。<br />
好きな歌人、好きな歌集を見つけて徹底的に読むことをお勧めします。
<br />
コメントありがとうございます!<br />
<br />
『アスタリスク』愛読しています。<br />
付箋だらけになりました。<br />
1首1首に「なんとなく」ではない<br />
しっかりとした詩想があって素晴らしいと思いました。<br />
<br />
投稿者のみなさんにもぜひ読んでほしいです。
<br />
誰にでもスランプはあります。<br />
がんばりましょう!<br />
<br />
「遊星ハグルマ装置」の件ありがとうございます!<br />
朱川さんについていくのがやっとです。<br />
この連載は来年単行本として出版される予定です。<br />
この出版不況なので、どうなるかわかりませんが……。<br />
<br />
この本の出版のためにも<br />
上原美優ちゃんの自叙伝<br />
『10人兄弟貧乏アイドル☆―私、イケナイ少女だったんでしょうか?』(ポプラ社)<br />
http://www.poplarbeech.com/sp_pickup/binbo/<br />
がバカ売れしますように。
<br />
うどんの歌はいろいろ深読みできますね。<br />
次回作も期待してます!
<br />
今回は、ぎりぎり採れる歌が5首という感じでした。<br />
ちょっと普通すぎるので、もうちょっと暴れてもいいかなと思います。<br />
次回作も期待してます!
<br />
ありがとうございます!<br />
<br />
次回作も期待してます!
<br />
「ぐりとぐら」の歌、とてもよかったです。<br />
次回作も期待してます!
こねくりまわして出しましたが、なんとか締め切りまでに<br />
提出できたという感じでした。<br />
消極的かもしれませんが、継続を目標に頑張りたいと思います。<br />
ありがとうございました。
<br />
最近は沢山とっていただけるようになり、本当に感謝しています。<br />
その反面、なんだか面白さに向かうあまりに、深さの無い歌になってしまっているように思い、悩んでいます。。。<br />
<br />
これからも楽しみにしていますので、よろしくお願いします!!
<br />
継続は力なり。<br />
毎回投稿するということが大事です。<br />
がんばりましょう!
<br />
この調子でがんばってください!<br />
次回作も楽しみにしてます。
はじめての投稿で、無茶苦茶悩みましたが、<br />
2首採っていただき、ありがとうございました。<br />
また、他の方の歌や、笹師範の評を読んでいると<br />
とても勉強になります。<br />
次回も頑張ってみたいと思います。
<br />
はじめまして!<br />
次回もぜひがんばってください!