プロフィール
名前:笹師範
ウェブサイトURL:
http://www.uchu-young.net/sasa/
笹 公人(ささ・きみひと) 歌人。
1975年7月8日東京生まれ。蟹座のA型。
17歳の頃、寺山修司の短歌を読んだことがきっかけで作歌を始める。
1999年、未来短歌会に入会。岡井隆氏に師事。
2003年、第一歌集『念力家族』を刊行。
歌集に『念力図鑑』『抒情の奇妙な冒険』
他に『念力姫』『笹公人の念力短歌トレーニング』
絵本『ヘンなあさ』本秀康・絵
和田誠氏と共著『連句遊戯』
朱川湊人氏との共著『遊星ハグルマ装置』
などがある。
映画「その日のまえに」(大林宣彦・監督)に出演。
NHK学園講師。現代歌人協会会員。
笹師範キャラクター
By 杉木ヤスコ
カテゴリ&殿堂入りコーナー
笹公人著作目録
朱川湊人 笹公人・著
『遊星ハグルマ装置』
定価 1,680円(税込)
刊行 2011/06/01
発売 (株)日本経済新聞出版社
ISBN 13: 978-4532171063
装画:諸星大二郎
装丁:鈴木成一デザイン室
笹公人 和田誠・著
『連句遊戯』
定価 1,890円(税込)
刊行 2010/07/30
発売 (株)白水社
ISBN 978-4-560-08079-5
装丁:和田誠
笹公
人・作 本秀康・絵
『ヘンなあさ』
定価 本体1,365円(税込)
刊行 2008/10/20
発売 (株)岩崎書店
ISBN 978-4-265-06997-2
笹公
人・著
『笹公人の念力短歌トレーニング』
定価 1,365円(税込)
刊行 2008/04/10
発売 (株)扶桑社
ISBN 978-4-594-05631-5
イラストレーション:杉木ヤスコ
帯文&イラスト:吾妻ひでお
デザイン:中川まり(SINN graphic)
笹公人
第三歌集
『抒情の奇妙な冒険』
定価 1,365円(税込)
刊行 2008/03/20
発売 (株)早川書房
ISBN 978-4-15-208907-6
イラストレーション:とり・みき
デザイン:岩郷重力+Y.S
帯文:山田太一
解説:栗木京子
笹公人
第ニ歌集
『念力図鑑』
定価 本体1200円+税
刊行 2005/07/25
発売 (株)幻冬舎
ISBN 4344010132
イラストレーション:田中英樹
デザイン:鈴木成一デザイン室
帯文:糸井重里
跋文:小池光
笹公人
バラエティ作品集
『念力姫』
定価 本体1600円+税
刊行 2005/04/06
発売 (株)KKベストセラーズ
ISBN 4-584-18847-5
帯文:久世光彦/和田誠
カバー写真:沢渡朔
装丁:木庭貴信
笹公人
第一歌集
『念力家族』
定価 本体1600円+税
刊行 2003/06/24
新装版2004/09/17
発行 宝珍
発売 (株)インフォバーン
ISBN 4-901873-25-3
イラストレーション:田中英樹
デザイン:鈴木成一デザイン室
帯文:蜷川幸雄
跋文:岡井隆
<br />
玉葱の粒子の海で溺れないゴーグルしっかりつけて犬かき<br />
<br />
こんにゃくは君の体にとてもよいおばちゃんが焼く下町もんじゃ<br />
<br />
穴倉の食堂どこか曖昧で花火の下でアイス溶けてく<br />
<br />
エスカルゴ求めて歩く巡礼の旅に出てから喉がからから
<br />
*うわさ聞き病院食の豪華さに一流ホテルシェフ入院<br />
<br />
*知り尽くすはずの名人キノコ採り山に入って音沙汰も無く<br />
<br />
*栄養も必要も無いナタデココ異常な響き額関節が<br />
<br />
*朝バナナ一本食べる昼も食べ晩も食べてる長生きしてる<br />
<br />
宜しくお願い致します。
<br />
宇都宮餃子の店にきみと行く五月雨の日の午後の約束<br />
<br />
そよ風にゆらりふうわり誘われて春のおすすめ手長えび食う<br />
<br />
春雨にぬれて闇夜をおちていくわさび色したあなたの下着<br />
<br />
網棚に置き忘れられ食べ掛けの幕の内弁当は干からぶ
<br />
放課後のポテトチップの黒胡椒舌に感じてキスをためらう<br />
<br />
おでん屋のコンニャクはんぺん大根で幾何を教えし老教師あり<br />
<br />
ロコモコのとろりふるえる黄身の上ハネムーンの空ひたすら青し<br />
<br />
子供らを育てたものは崩れない父の背中と母の肉じゃが<br />
<br />
今回が初投稿です。どうぞよろしくお願いします。
<br />
キャラメルのおまけの箱に詰まってる夢を落としてしまったのです<br />
<br />
暗号を送る相手を探しつつパスタを食べる窓際の席<br />
<br />
ステーキが食べたいなぁと呟いて後は静かな午後の病室<br />
<br />
夕暮れのローカル線に乗り込んで一人で食べる冷凍みかん<br />
<br />
僕たちの指が触れ合う場所としてキャラメルポップコーンを買おう
<br />
大路は雨 筍を焼く 葬列が窓の向こうを通り過ぎてく<br />
<br />
爆音のコーラン 戦士一万がカレー貪る聖堂の地下<br />
<br />
明日までの命の桶に眠り居て鰻屋聖母のように微笑む
<br />
・ラーメンのスープの油つなげつつキミの話を聞いていますよ<br />
<br />
・漫研の部室の隅でひっそりと炭化してゆく唐揚げ弁当<br />
<br />
・今はまだ打ち明けられぬことがありニラ抜きの具を餃子に詰める<br />
<br />
以上で5首になります。よろしくお願いします。
<br />
一時間ごとにきっちりあの客はビッグマックを頬張りにくる<br />
<br />
焼きすぎのミートパティを少し噛み「今日はちょっぴり苦味がきつい」<br />
<br />
マックフライポテトはラセットバーバンク ミートパティはオージービーフ<br />
<br />
変わらないメニューと値段スマイルは今日も0円でした、さよなら。
ステンレスシンクが我にかえるようなペヤングソースやきそばのお湯の奔流<br />
<br />
長江に身を清め一気呵成に書き上げる【冷やし中華はじめました】の張り紙<br />
<br />
あんかけスパゲティくるくる巻き上げねっとり絡み付くような愛に溺れたい<br />
<br />
とても美味しそうに出来たチャーハンを「いただきます」の前に味見する蠅<br />
<br />
芝公園教会ウエディングケーキ山盛り積み上げ大食い女王からの求婚を待つ<br />
<br />
宜しくお願いします。<br />
<br />
2:今着てるスーツの内のポケットに赤いハバネロ入れております<br />
<br />
3:公園のベンチの上に一組の赤いりんごを置いて消え去る<br />
<br />
4:香川県 うどんのせいで狭くなる日本一の小さい県よ<br />
<br />
5:楽園でアダムとイブに食べられた甘い林檎の栽培工場<br />
<br />
以上五首です。前回の悔しさをばねにして詠み、推敲もしましたけれど、まだまだですかね…。よろしくお願いします。
<br />
「チ、チ、チーズ」「ズッキーニ」「ニラ」「ライス」「スライスチーズ」「ずっと一緒にいようぜ」<br />
<br />
溶けるチーズを乗せたらチンしてくれ、今日は言う人がいない終日<br />
<br />
鼻くそほじった手でごめん。割けるチーズをあげながら思うよ<br />
<br />
特に好きなわけではないけどあれば食べるよね。握るよ君の手も<br />
<br />
<br />
以上主にチーズ五首でした。
<br />
極左のA氏が天皇御用達の饅頭を売る店の暖簾をくぐるを見たり
<br />
・廃屋の壁に貼られたポスターの深みを増したカレーの色合い<br />
<br />
<br />
・常春のこの日本では生きられぬアイスクリームの悲痛な叫び<br />
<br />
・「うっかりと卵切らしてゴメンね」と店主が詫びるソースカツ丼<br />
<br />
・キャラ弁に凝ってる妻はにっこりとタコウインナーに吸盤つける<br />
<br />
以上です。今年度もよろしくお願いいたします。
ラーメンの美(は)しき螺旋をテロメアの滅しゆくわれ雑にほぐせり<br />
スパイスをゲームの中で買い占めるセポイの乱など起こりはせぬか<br />
ガザ地区で豚を炙らば紛争がなくなるやうな予感がするの<br />
美少女のまなこ押し出す白き束もやしを漢字で書いたら萌やし<br />
<br />
よろしくでございます。
<br />
「ルースゥ!」とチンジャオロースの発音を直す唇見ながら決めた<br />
<br />
ウエハース剥がしクリームこそげ取る前歯使いの靴底の減り<br />
<br />
「明(あきら)には伏せておいて」と花の精 和名つぶやく「豚の饅頭」<br />
<br />
トーストも卵も鍋もパパったら「まっくろけ節」でごまかさないで!<br />
<br />
以上、5首です。
<br />
納豆の容器を洗う 未練とはこんな形をしているのだろう<br />
<br />
マーメイドの踊り食いです胸にある貝は始めにお取りください<br />
<br />
闇鍋に刻んだ写真を放り込む唇よ鍋の彩りとなれ<br />
<br />
壊れそう 囁くガラスの林檎たち直径三メートルのくせして<br />
<br />
牡丹でも釦でもないことを知る 鍋を囲んで私ボタンちゃん<br />
<br />
寒い夜ミネストローネで温まる目玉オヤジのオレンジの顔<br />
<br />
<br />
日曜までもう少し頑張ります!よろしくお願い致します。
<br />
包まれた餃子シュウマイ好きと言うあなたを噛んで泣きじゃくりたい<br />
<br />
割りそこねた卵のような心して月がゆくのを待つだけの夜<br />
<br />
<br />
まずは三首、宜しく尾根会゙致します。
<br />
まずは三首、宜しく尾根会゙致します。改め まずは三首宜しくお願い致します。
<br />
本当は歌ってほしい横顔にクールミントのガムを差し出す<br />
<br />
祭にはあなたをきっと越えていてリンゴ飴より綿菓子を買う<br />
<br />
「食べ物の歌」私にとっては難しかったです(泣)<br />
今回はこの五首でお願い致します。
<br />
反省はしても後悔などしない春のパスタをくるくる巻いて<br />
<br />
パルメザンチーズが粉雪みたいって南国生まれのあなたがはしゃぐ<br />
<br />
そのままでいいよと春のキャベツよりやさしく包んでくれるあのひと<br />
<br />
揺れるのはきっと今夜の三日月がライチみたいな色してるせい<br />
<br />
<br />
よろしくお願いします。
<br />
・北風の なかで待つ指かじかんで 焼き芋3つ おまけがバナナ<br />
<br />
・すき焼きを つくれば味の違い出る ぐつぐつ煮える 鍋が戦場<br />
<br />
・はじめての 離乳食食べ 全部出す ちっちゃい口で ごはんはまだと<br />
<br />
・キャラ弁で 顔作ったら 目が取れた あわてふためき 海苔探す朝<br />
<br />
昼下がり、失礼いたしました・・・
<br />
三日月に腰掛けながらマンガ肉にむしゃぶりつけば 降る流れ星<br />
<br />
やむを得ない局面なんだそのやわい手のひらでプリンすすらせてくれ<br />
<br />
泥つきの一万円札 すみませんカロリーゼロはもう売り切れです<br />
<br />
マスターがなにも聞かずに差し出した力うどんを泣きながらすする<br />
<br />
***<br />
<br />
今回もよろしくお願いします。
<br />
クリームの甘き拳にかぶりつく少年を乗せ電車は走る<br />
<br />
軍隊の兵士のように身構える防護ガラスのチョコレート隊<br />
<br />
早春のうぶなスミレをしたたらせ琥珀に光るシュガートースト<br />
<br />
本物の王子に今すぐ逢いたくてカレーコーナー求めたる君<br />
<br />
----------<br />
はじめて投稿させていただきます。<br />
よろしくお願い申し上げます。
<br />
手のひらをすべるひかりはとめどなくほどけてくライスボールのように<br />
<br />
晴れた朝でしたあなたが砂糖菓子みたいに笑んでた春のはじまり<br />
<br />
ふわふわのオムライスの中で君がみる夢の続きをきかせてほしい<br />
<br />
<br />
よろしくお願いいたします
先日のケータイ短歌では私の歌を読みあげていただきありがとうございました。とても励みになりました。<br />
<br />
・もしサマータイムが導入されたって立ち食いそば屋で済ませるだろう<br />
・その直後イチゴ味とか現れる事は知らずに一目で決める<br />
・鯛刺しを食べて最後に鯛茶漬け思わず頼むくらいに抱くね<br />
・くいしん坊!万才彼はくいしん坊!万才見ながら私を食べる<br />
・一粒で月の果てまで満腹な新製品も返品の山<br />
<br />
宜しくお願い致します
<br />
・にんにくの入っていない手作りの餃子は君との会話のようで<br />
<br />
・締めくくりイチゴパフェでしょ二人ではもうファミレスも行けないんだし<br />
<br />
・声掛けていいのかどうかわからずに背中見つめるたこ焼き屋前<br />
<br />
・真夜中のキッチンに立つ夫へとアドバイスする明日の弁当<br />
<br />
よろしくお願い致します。
<br />
保守的な私と冒険するあなたカップの麺を選ぶときにも<br />
<br />
このバター偽装表示はありません原料はトラ100パーセント<br />
<br />
自由すぎる彼の生き方止められない前世は皮蛋だったと言うから<br />
<br />
あかさたな占い最下位だった朝 かさかさ音をたてるシリアル<br />
<br />
以上、よろしくお願いします。
<br />
おむすびを若葉が芽吹く公園で赤く息吐きハローワークへ<br />
<br />
湯豆腐の一番おいしい食べ方は丸呑みですと主張するO氏<br />
<br />
空豆の豆腐掬う手悩ましく匙の蒼さを朱く染めあげ<br />
<br />
どうしても5首目が満足できるものにならなかったので、<br />
この4首でお願いします。
<br />
食らわばノムラサチヨを無性に抱きたくなるというお好み焼き<br />
<br />
冷たくて甘くてちょうどはつなつのみぞれアイスのようなる肌(はだえ)<br />
<br />
噛むほどに漁師でありし亡き父のにおい広がるサキイカなり<br />
<br />
カレー、シチュー、ハヤシライスの三択に悩むはらたいらを見つめて女
<br />
潤ってふえるワカメは艶々と海を日差しをウフフと語る<br />
<br />
熱を持つ舌にマシュマロ乗せあって大事な場所をとろとろ溶かす<br />
<br />
「最後まで食して欲しい」残されたパセリは徐々に干からびてゆく<br />
<br />
温かいプディング崩す唇の柔さを思うキスしたくなる<br />
<br />
――――――――――<br />
<br />
前回はありがとうございました!<br />
総評、とても参考になりました!<br />
<br />
食べ物短歌5首、よろしくお願いします!
<br />
コンビニのキュウリサンドが床に落ちた何だか俺はもう疲れたよ<br />
<br />
チョコレート食べるの見逃して下さい明日も笑顔で関わり合うから<br />
<br />
いつかもう何でもない日のただ甘い甘いショートケーキになるかな<br />
<br />
天国のひやしあめ甘いからいまた一緒に飲むからどっかに行くな<br />
<br />
以上です、よろしくお願いいたします。
・自らを守ることには敏感で何も言わずにそうめんをすする<br />
・ずいぶんと遠い地点にきたようで今日も朝からうどを食べている<br />
・鮭の身をほぐしつつ聞く夕方の天気予報は大雨ばかり<br />
・戻れないことは知っているただ今日も水菜とじゃこのサラダを作る
<br />
・砂を噛む思いをするのが嫌だから口をつけないあさりの味噌汁<br />
<br />
・ほっぺたに苺一粒押しこんでつぶさないよう過ごす初夏<br />
<br />
・リクルートスーツで揺られる山手線あと三周でバターになれる<br />
<br />
・いちご飴の紐を口から垂らしつつ足元だけを見ながら歩く
<br />
・昨日したことは言えない内巻きでフォークに絡めて食べるナポリタン<br />
<br />
・散らかった部屋を飛び出し真夜中へカップ焼きそばの真白き残骸<br />
<br />
・午後三時ソフトクリームのてっぺんの穴の向こうに幼き誰か<br />
<br />
・クルトンを二個転がして同じ面がでればやろうか(でるわけないし)<br />
<br />
<br />
以上5首です。宜しくお願いします!!
<br />
・ラーメンに浮かんだ油つなげつつキミの話を聞いていますよ
・見習っしゃい 粘り強かよ納豆は 掻き回し喰う母は鬼の目<br />
・この星の食物連鎖のてっぺんにいると思うな か弱きヒトよ<br />
・ヘンゼルを真似て仔牛がそっと出す小枝にいつまで騙されようか<br />
・ぶちまけて流しに散らばる焼きそばの絶望こそが青春の痛み<br />
<br />
あと提出歌外ですが、↑見てて一首<br />
<br />
尾根会は山岳会かと思ったよ、変換笑うあなたをお願い
<br />
・ハッピーもアンハッピーもまんなかではんぶんこしてドーナツたべよう<br />
<br />
・味のないフーセンガムをふくらます そうだあなたはもういないんだ<br />
<br />
・ゴミ箱にピザを捨てたら逃避行 トマトまみれのバイクで海へ<br />
<br />
・人生は長い 食べられないものもたまにはあっていいと思うよ<br />
<br />
<br />
はじめて投稿させていただきます。<br />
緊張します!<br />
どうぞよろしくお願いします。
<br />
旧姓で吾を呼ぶ人の食べさせる雪の熱さにひらかれてゆく<br />
<br />
はじめから分かっていたという顔で摘み過ぎ苺ジャムにしている<br />
<br />
<br />
ひとまず三首投稿させていただきます。よろしくお願いします。
<br />
たけのこの木の芽和へ食ふゆふまぐれ昔のごとく蝌蚪生(あ)れにける<br />
<br />
うちむらさき割く一閃の断崖(きりぎし)をけふは離(か)れたりこころの夏<br />
<br />
茜濃き夏ゆふぐれの冷めゆきて煙霧のごとき胃のところてん<br />
<br />
冬の海あんこう鍋を惜しみてはまた注(つ)ぐ酒の杯の青菊<br />
<br />
冷やつこ茗荷を添へて卓にあれば銀河香りて鮎子さばしる<br />
<br />
春菊のほろ苦かるを食ひにけり青鈍(あをにび)色のさやけき弥勒<br />
<br />
烏賊天蕎麦まひるの駅に食ひをればかそかな汽笛にくるめく耳<br />
<br />
蕗味噌の香にぞ噎(むせ)ぶは我ならずふるさととは杳(とほ)き煉獄<br />
<br />
若き日の山椒もみづる晩秋(をそあき)をうな丼熱き舌に崩るる<br />
<br />
ねぎま鍋つつく忘我の舌透けば“えくとぷらずま”吐き出しゐたり
<br />
ねえ早く元気になっておばあちゃん ちらし寿司さえ教わってない<br />
<br />
ささくれた息子の心を包むようにロールキャベツをきっちりと巻く<br />
<br />
祈りにも似ているものをこめながら弁当箱に詰めるおにぎり<br />
<br />
三歳の小さな口に吸いこまれスパゲッティは旅を終えます<br />
<br />
<br />
「食べ物」短歌、意外と難しくて最後まで悩みました。<br />
どうぞよろしくお願いします。
<br />
前掛けの蝶々結びがうごき出しあずき色した祖母がふり向く<br />
<br />
柴いぬのきみはクッキーいちまいで何回しっぽを振りつづけるの<br />
<br />
いつか見た映画みたいなチョコレート色のお池に沈めてあげる<br />
<br />
さくら咲く山の焼き場へつづく道ピザ屋のバイクが音たてて来る<br />
<br />
以上、今回もよろしくお願いします。
<br />
東京のソウルフードでおなじみのウイダーinゼリーを飲み込み走れ<br />
<br />
最高級イベリコ豚で作られた豚まん「ブタマネーゼ」の値段<br />
<br />
春巻きを春色にする方法でキミを笑顔に染めてしまおう<br />
<br />
肉じゃがの魔法は解けたようだけど今ではポテトサラダに弱い<br />
<br />
<br />
よろしくお願いします。
<br />
大陸を見つけたようにほうれんそうボクが切ったと立つ椅子の上<br />
<br />
犯人は母親でした 卵から二つの黄身を見つけた朝に<br />
<br />
手渡しの手紙読まずに食べた後まだ居たんだと黒山羊は言う<br />
<br />
「おふくろの味」のコースは人参と牛蒡をアルデンテにいたします<br />
<br />
給食の三角食べは今もなお会社の新人−妻−愛人と<br />
<br />
弁当の蓋に押されてこぼれ出たケチャップで描くいびつなハート<br />
<br />
<br />
以上です。宜しくお願いします。
<br />
はじめて投稿させていただきます。<br />
送信ボタン押すのに緊張してます汗<br />
どうぞよろしくお願いします。
<br />
カステラの工場裏の公園で並んで歩いた サヨナラの前<br />
<br />
冷しゃぶの脂身みたいな白目して被害届けを出すも加害者<br />
<br />
重湯からきざみ食へとなりし朝 わざと噛みのこす事もできて<br />
<br />
ぐりとぐら焼いてもらったカステラがしぼんじゃったね 午後はキャンセル<br />
<br />
以上5首になります。よろしくお願いいたします。
<br />
野球部のフライ聴きつつ屋上でしらすにちりめんじゃこの手繋ぎ<br />
<br />
惑う僕の口を塞ぐはマシュマロと君のひとさし指の触れ方<br />
<br />
タクシーを降りばらけゆくかつ丼に上弦の月のあまいほうこう<br />
<br />
素数なる土曜は多めの白飯と二九三円で越す<br />
<br />
以上です。今回もよろしくお願いします。
<br />
潮時の彼女が作るみそ汁の浅利のなかにピリオドを噛む<br />
<br />
これ以上進めばつらくなる恋のセロファンひねりハッピーターン<br />
<br />
スキヤキの肉に視線が釘づけで上を向けない5人兄弟<br />
<br />
ふりだしに戻るサイコロステーキはミディアムレアな嘘を見抜かれ<br />
<br />
以上5首です。よろしくお願いします。
<br />
チョコレートのギアで組まれた時計臺が融けない緯度に住む人、あなた<br />
<br />
「あの肉」の骨の部分のやうな手でねだるお前は天使ぢやないな<br />
<br />
今年もまた桃を剥く日がおとづれて不埒な夢がくすぶりだした<br />
<br />
葛切りのプールで泳ぐ惡徳をティーンエイジの君にあげよう
<br />
冷しゃぶの脂肪みたいな白目して被害届を出すも加害者
<br />
芽キャベツが色を忘れて浮いている 違ったあれは木蓮だった<br />
<br />
純白のミニオムライスのあわせ技 違ったあれは木蓮だった<br />
<br />
死神のはやにえか誰のたましいだ? 違ったあれは木蓮だった<br />
<br />
たまねぎは外でむいても散らかすな 違ったあれは木蓮だった(枯れた)
初めて投稿します。よろしくお願いします
今回は以下5首です。どうぞよろしくおねがいします。<br />
<br />
フルーチェを二人でわけるスプーンのひかりがすこし夢に似ていた<br />
うさぎにはもうしないでと叫んだ日からすこしづつ生えた毛いくつか<br />
チャーメンとチャーシューメンを呼ぶバイト娘に頼めザーサイラーメン<br />
この部屋は西日がきつい 牛乳のコップの底に崩れるオレオ<br />
におわない納豆などがほしいならAg+でもぶっかけろ
<br />
牛丼の並をつゆだくネギだくでお願いします肉は入れずに<br />
<br />
ブタ喰わぬ人ウシ喰わぬ人がいてクジラを喰わぬ人もまたあり<br />
<br />
なぜだろう焼きそばだけは父ちゃんが作った方がうまかったなあ<br />
<br />
食べないの、もらっていい?とわが問えば妻の返事は「プリン泥棒!」
<br />
熱々のおでんと交わしたるキスに帽子がくるりと飛びにけるかも<br />
<br />
コンビニのはちみつゆずは割引きの憂き目にあってなおあたたかい<br />
<br />
炊けるだけ炊いたちくわのうちがわに舌先を伸ばすように「……好きです」<br />
<br />
めろんぱんまにあの少女に左から右から斬りきざまれてめろめろ<br />
<br />
-----<br />
以上5首です。よろしくおねがいします。
<br />
死ぬ前に何が食べたいか問われれば祭礼の晩のお煮染めおこわ<br />
<br />
幸せは尾頭付きの鯛でなくタタミイワシをあぶった風味<br />
<br />
駅そばはひとりで食べます立ち呑みもひとりでいける大人ですから<br />
<br />
ぬか床にキュウリうずめる夜明け前秘密の恋のあきらめ時か<br />
__________<br />
<br />
どうぞよろしくお願いします。
<br />
今晩はビーフシチューよ美輪さんが三島由紀夫に作った風よ<br />
<br />
たんじょうびにじぶんでケーキを買わないと自分で決めた世界のルール<br />
<br />
紙皿に「君も食べな」とバーベキューおそらく雄の乳牛の肉
<br />
万能の先割れスプーンにつつかれてやんちゃ男子のコッペパン無残<br />
<br />
鯨肉とパイナップルを生臭いメラミン製の食器に盛りぬ<br />
<br />
納豆は誰も食べない給食の献立は町の納豆屋のため<br />
<br />
今週は世界の料理食管を開ければボルシチ赤い液体<br />
<br />
よろしくお願いします
<br />
のこされるものは哀しい亡き父がコレクションしたくさやをかじる<br />
<br />
腹立ちをセロリにかえて混ぜあわす野菜ジュースをさあ召し上がれ<br />
<br />
ミルフィーユみたいに重ねてきた時は真冬のカフェでほろほろ崩れ<br />
<br />
放課後に二人で飲んだプラッシー淡い甘さを覚えてますか<br />
<br />
テーブルに離婚届を置いたまま夜が明けるまでシチューを煮込む<br />
<br />
カツ丼をお願いします本当の事をあなたに打ち明けるため<br />
<br />
くっついたセイロの隅の蕎麦のよう私を放っておいてください<br />
<br />
どうしてもわかりあえない事はある、静岡人はイルカを食べる <br />
<br />
とけていくソフトクリーム後ろにも前にも進めぬ僕たちがいる<br />
<br />
迷う事ばかり多くて はじかみはどこまでかじればいいのだろうか<br />
<br />
<br />
よろしくお願いします。
<br />
おっとっとのヒトデは全部あげるから星が微睡むまでそばにいて
改作して以下の3首の投稿とさせてください。<br />
<br />
<br />
「唾液を出してはいけません。さあ、梅干を思い浮かべないでください」<br />
<br />
旧姓で吾を呼ぶ人の食べさせる雪の熱さにひらかれてゆく<br />
<br />
はじめから分かっていたという顔でつみすぎたいちごジャムにしている
<br />
正直に生きればいいよ無塩せきハムをはさんだパンを子に出す<br />
※「無塩せき」…発色剤・着色料などを使用していないもの<br />
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スプリット・タンもつ君を受け入れたあとで分け合う生ウニのパスタ<br />
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もう彼を憎んでいない 棒ぬいたフランクフルトをひなたにて食む<br />
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レジ通過したときニラは香を放つあなたを越えて吾も香りたし<br />
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よろしくお願いいたします。<br />
今日はわたしの誕生日でした!
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ガトー・ショコラフォークの先で傷つける甘すぎた夜を葬る儀式
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1.母さんのいびつな手作りドーナツがぼくの家族の理想形です<br />
2.かなしみの土手は破れてあふれ出すもんじゃは固まらないまま焦げる<br />
3.わたがしの匂いに釣られて集まった浴衣の金魚にぼくが釣られる<br />
4.モスバーガーのミートソースがはみ出してキミが笑ってボクの負けです<br />
5.Perfumeと同じ ひとつを選ぶのはムリさ 3つのスウィートドーナッツ
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ビール飲み楽しくわらう夢を見て足指の節いたいと感ず<br />
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忘れないきっと一生覚えてる食べたことないポリンキーのうた<br />
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定食の漬物の下隠れてたエビのしっぽはいつからここに<br />
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純米と大吟醸を語り尽きフリーズしては再起動する<br />
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今回も締め切りすぎの投稿になってしまいました。<br />
申し訳ありませんが、よろしくお願いします。