どうも笹師範です。
また急に寒くなってきましたね。
発売中の『サイゾー』3月号の連載「念力事報」で、
15年来の恩師である楳図かずお先生を援護射撃した連作を発表しています。
ひさびさに怒りのこもった作品となりました。
「楳図短歌コンテスト」も懐かしいですね。
「佳作」
「優秀作品」
「最優秀作品」
優秀作品のみにごんさんは、
いまや「未来」の彗星集で活躍中です。
もしも『念力短歌トレーニング2』が出ることになったら、
ぜひ収録させて頂きたいと思っています。
パート2が出せるかどうかは、みなさんの歌にかかっています。
がんばりましょう!!
東郷雄二先生が、
短歌コラム「橄欖追放」で
笹井くんの『ひとさらい』を評論されています。
笹井短歌の本質を見抜いていて流石です。ぜひご覧ください。
「偲ぶ会」で言おうとしていたことをほとんど書かれてしまい、
困ってしまいましたが……。
がんばります。
では、「お題」を発表します!!
伊藤夏人さんの提案を採用して、
「建物」
です!!
_____________________
笹公人師範による模範短歌
真夜中の旧校舎には何かある。そう想いつつ寝れば華やぐ
ゲラゲラと笑いころげる真夜中も東京タワーは涼しく炎(も)えて
人攫いのうわさが少女を暗くして真っ赤に燃える東京タワー
白い布オバケに見える春の夜はトキワ荘にも灯りがともる
ゆうぐれの極真会館駐車場角なき牛の霊(みたま)集えり
マスターの心の奥に揺れている浅間山荘の錆びた鉄球
ゴミ屋敷のゴミの隙間から立ちのぼるひかりの底に座(いま)す重千代
一度きりの十五歳(じゅうご)の夏よ 体育館の裏に積まれし南極2号
______________________
短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、
安心して記入して下さい。)
では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。
【笹流の理想短歌基準】
単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、
人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、
良い「短歌」です。
あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、
以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。
1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか
_____________________
投稿数は1人につき5首までとさせて頂きます。
締め切りは、
3月8日(日)いっぱいまでとさせて頂きます。
____________________
東京タワー、エッフェル塔、サグラダ・ファミリアといった国を代表する建築物から、
話題の楳図ハウス、浅草のうんちビルまで、
おもしろい建物歌を期待してます!!
よろしく哀愁☆
今日のBGM:「Tokyo Tower/角松敏生」
<br />
・画の中で完成間近となりし哉ブリューゲルの描くバベルの塔は
トイレで服流し<br />
交番前に<br />
起ったまま立つ
して<br />
す・する・すれ・せよ<br />
「うん、わかったよ」
穴<br />
石ころが<br />
落ちてきました
男は立って放尿し<br />
男は降りた<br />
ホワイトハウス
三島の恩恵を<br />
受けた御霊の<br />
直腸力で
<br />
* 公団の小さな部屋を汚しつつ刀傷痕育った証し <br />
<br />
* 直ぐに建つ東京タワーや大橋もあやとり紐で一瞬のうち<br />
<br />
* 建物だいや置物と争そってダンボール箱は以外と強い<br />
<br />
* 異人館坂の途中の教会で花嫁に成り海風と消え<br />
「神戸異人館」の事<br />
宜しくお願い申し上げます。
<br />
学校へ行くたび人がいなくなるすすんで行くのか人さらいなのか<br />
<br />
気が向けば時おり顔をみせる人笑いもせずに廃墟の長屋<br />
<br />
入り口はあっても出口見当たらぬ13階の音楽室は<br />
<br />
ウフィッツイで絵をなめる気はなかったが誤解させたねミスター監視
<br />
・びわ湖タワー跡地に立ちてあの夏の逆バンジーに想いを馳せる<br />
<br />
・宇宙へと羽ばたくためのエネルギー蓄えし豊田スタジアムの屋根<br />
<br />
<br />
以上で5首です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。<br />
<br />
<br />
枇杷の実のごとく明るき太陽の塔の瞳に男の影あり
<br />
建物と建物の隙間くらがりのその先にあるもの視えるかい<br />
<br />
街寺のつくばい満たす一雫水面の響き喧騒に吠え<br />
<br />
<br />
すいません。一首目を改作します。<br />
よろしくお願いします。
<br />
よせあつめ形づくった威容の府夜毎まばらに声がきこえる<br />
<br />
煙吐くコンビナートに立ち尽くし息白ければはあぁっとする<br />
<br />
五年前畑であったアパートの隅にごぼうの種をころがす<br />
<br />
太陽の塔が夜中に動くとき岡本太郎は復活をする
<br />
アキハバラ遺跡出土のフィギュアなど教科書に載る数億年後
如月(きさらぎ)の白き都に影さして玻璃(はり)の館は立ったまま眠る
<br />
あめーばの分裂してゆく夜のシャーレ旧館奥のピアノは透きつつ<br />
<br />
東京タワー裡(うら)に鎮座せしUFO覗けばDEVOのさてぃすふぁくしょん<br />
<br />
凱旋門に流しのギター弾き死ねば焼き栗かをる隘路の初冬<br />
<br />
マチュ・ピチュの遺跡しづかに炎えやすく乾季待つこころの花まつり<br />
<br />
エッフェル塔離陸する刻(とき)百人の吟遊詩人の黒焦げのギター<br />
<br />
世界貿易センターのかけら刃のごときを握りて奔る新聞少年<br />
<br />
ジョン・ベリマン詩集にうすく凍りたる雪を払ひて図書館の冬<br />
<br />
アラミーダ・ホテルの微塵の空焼けてエリオット・スミスは翳を歌ひき<br />
<br />
千枚の翅の顫へる蝶の吻(くち)、塔に縊(くび)れし屍(し)に群がりて<br />
<br />
ウナギイヌ宮殿は春 卵生の街のけものが塩舐めに還る<br />
<br />
ピサの斜塔きぬぎぬのごとかたむくを裸のままに剥きゐる林檎<br />
<br />
夏の港の倉庫に犇く貘たちの夢は凛(さむ)くて一屯(トン)の氷塊<br />
<br />
後架わきの早咲きの薔薇 枯草熱のぼくは洟かむ春の館に<br />
<br />
大理石にうるはしき接吻(キス)刻みたるタージ・マハルは熱く冷えゐる<br />
<br />
麗(うらら)かなるパルテノン神殿の朝焼けは青く燃えつつ眠れる水夫<br />
<br />
玉葱齧るごとし眸(ひとみ)に沁みとほる甘き曇天のサグラダ・ファミリア<br />
<br />
春は痩せ犬、夏片眼猫 億万の涙(なんだ)を歌ひて万里の長城<br />
<br />
グワシして指攣(つ)る日本は花冷えの楳図ハウスを訪なふ精霊<br />
<br />
素寒貧、胃の底までも風沁みれば皇居の堀の鳰(にほ)裂き啖(くら)へ
迎え二人に雪吹き荒ぶ<br />
<br />
巨大なる宇宙クラゲの空に居て東京都庁の影淡々し<br />
<br />
頓挫せしリゾートホテル屋上の錆ゆく重機に鳥憩いけり<br />
<br />
星月夜 蟻塚あまた並び立ち人類はもう滅亡しました<br />
<br />
信成が叫ぶ「安土の城再び!」 ディアゴスティーニ1巻を手に
<br />
如月(きさらぎ)の真白き都に影さして玻璃(はり)の柱は立ったまま眠る<br />
<br />
血と汗と涙、曙(あけぼの)に溶けてゆく 昔語りの霞ヶ関ビル
二首目、改作というか、表記を訂正します。<br />
<br />
改めてあわせて二首。<br />
<br />
如月(きさらぎ)の真白き都に影さして玻璃(はり)の柱は立ったまま眠る<br />
<br />
血と汗と涙あけぼのに溶けてゆく 昔語りの霞が関ビル
<br />
?真下からエッフェル塔を覗き見るカメラ片手にタシロのキモチ<br />
<br />
?父のいた古アパートが壊されて青空増えた景色ただ見る
<br />
UFOのようなドームにイチローが姿を見せればふわりと浮いた<br />
<br />
「みぃちゃんは大きくなったら王子様とお城へ行くの」とラブホ指さす
<br />
校舎ごと時空を漂流するならばぼくは噛みくだく白き錠剤(タブレット)<br />
<br />
グワシして指攣(つ)る日本は花冷えの楳図ハウスを訪なふ神神
<br />
生真面目なサトルは今も廃校の廊下で校内放送を聞いてる<br />
<br />
あの局の古い社屋に迷ひこみ姿を消した仕出し屋を探せ<br />
<br />
社会科の授業は工場見学です。いろんな卵を産むのださうです。<br />
<br />
閉鎖したサナトリウムの院長は膨脹し続け破裂したとか<br />
<br />
以上、5首です。よろしくお願いします。
<br />
足元に頭を置かれそういえば2人だっけ、と思うアパート<br />
<br />
団地にはカレーの匂いが良く似合い「母さん」なんて呼びたくもなる<br />
<br />
夢だった家だったのに幸せは何処へ消えたの?冷えた食卓<br />
<br />
死んでいく声ばっかりを聞いていた白さが目立つ病院の中<br />
<br />
<br />
<br />
宜しくお願いします。
<br />
先立ちし者も後追う者たちも集いてホテル・カリフォルニア燃ゆ<br />
<br />
白抜きのワールドトレードセンターに突っ込んでいく零戦の群れ<br />
<br />
日本語が滅びる音とともに揺れバベルの塔の蜃気楼崩ゆ<br />
<br />
赤鬼と成り果てた母さがす子は羅生門にて夜毎笛吹く
火の消えし窯の煙突見上げたり或る若者の死を悼むため<br />
雨けむり人まばらなる天主堂被爆マリアの像は黙しぬ<br />
清正公の築きしあげにし石垣を蟻一匹が登りつめたり<br />
いにしえの島津を知りし館かな桜島をも借景として
フジテレビとTBSのビルはなぜUFOを呼んでいるのかわかる<br />
函館の近くと炭鉱の近く巨大仏像の残骸はあり
<br />
あこがれのお菓子の家の現実は暑さに弱く雨には溶ける<br />
<br />
真っ直ぐに建ってる塔は邪道だと斜めの塔の管理者の声<br />
<br />
たくましく成長したね子供たち 不敵に笑う太陽の塔<br />
<br />
セスナ機がラピュタの城を目指すように乱気流の中雲に飛び込む<br />
<br />
よろしくお願いします。
どうぞ宜しくお願い致します。<br />
<br />
ことごとく壊されてゆく清廉がベイシェラトンの夕陽と落ちる<br />
<br />
純然たる愛語りつつふたりして窓越しに見る遥かな地上<br />
<br />
ぼくたちはどうせちぎれてしまうからエッフェル搭の風はいらない<br />
<br />
聖堂に貼り付いた膝が動かない 眩しきマリア遠すぎる道<br />
<br />
ひとつぶのこんぺいとうの愛しさよ夜のとばりに浮かぶわが窓
<br />
何も惡いことしてないので「聖家族贖罪?會」と謂ってみる<br />
<br />
エコ風の便座そなえつMY HOME日に幾たびも水ながるらむ<br />
<br />
花粉日の東京タワー霞みいてついぞわが網膜(め)に幼虫(むし)うごめきぬ<br />
<br />
ツインタワー、ツインピークス、茉奈と佳奈、ザ・ピーナッツ いずれか選べ
<br />
・火炎瓶を投げてたひとが壇上で文学を説く900番教室<br />
<br />
・時計台から見下ろせばキャンパスは外の世界と地続きだった<br />
<br />
・闘わない我等を非難する大人は安田講堂に立ち入り禁止<br />
<br />
・白黒の写真でかつて見たよりもぼやけて見える安田講堂<br />
<br />
先日は色紙をありがとうございました!今回もよろしくお願いします。
一首だけ改作させてください。<br />
<br />
聖堂に貼り付いた膝が動かない 眩しきマリア遠すぎる道<br />
↓<br />
聖堂に張り付く膝が動かない 眩しきマリア遠すぎる道<br />
<br />
宜しくお願い致します。
<br />
就活の学生スタバのガラス越しラクダレースの乗り手値踏みて<br />
<br />
これで5首です。宜しくお願いします。
<br />
教室の真冬の少女に口づけり東京タワーから堕ちるスピードで僕は<br />
<br />
僕のび太君は道造僕は君愛を歌いて犬小屋に棲む<br />
<br />
闇の小官吏奏でる永劫挽歌上がりても下がりても古文書館に至る
<br />
定年前家出た父を探してます 旧シンデレラ城跡地にて<br />
<br />
君がためマッチョになるとジム通い 田無タワーの灯はキャベツ色<br />
<br />
教室が2階にあがりパニックの天才少女に土ふまずなし<br />
<br />
空の木と言っても鉄筋なんだべと隅田で高村さんは言へり
<br />
燃えて落つ ばら星雲の先っぽをメテオプラザの屋上で待つ<br />
<br />
喫茶去と清(すが)しギャルソン微笑めばCOCON KARASUMA瑞雲なびく<br />
<br />
二区走る兄肉離れその先「納豆会館」見えてくるかも<br />
<br />
常照寺暗月覆う丸窓の薄ら氷に沁む太夫の嘆き<br />
<br />
<br />
以上 5首です。
<br />
午前九時開館告げる美術館『種まく人』は背筋を伸ばす<br />
<br />
海沿いのホテル『エーゲ海』で処女を捨てシーツの海に溺れる人魚<br />
<br />
ほろほろと鱗を落とし教会のバージンロードを人魚は歩く<br />
<br />
<br />
とりあえず、四首です。よろしくお願いします。
<br />
登るより下りるが難しいのよとフエイ・レイ言ひて王(わう)は哭きたり<br />
<br />
茫洋と万里の果てを示しつつ「WC」の看板ゆらぎ止まざり<br />
<br />
狂王の湖(うみ)にしづみて白鳥(はくてう)の城はくづれつなほくづれつつ<br />
<br />
島となり軍艦となり島となる千年生くる魚(いを)は知らずも
<br />
捨て犬を拾うがごとく鉄屑を集めてゴミの屋敷は賑やか<br />
<br />
「半田健人」<br />
いつの日か打出の小槌を探し出し京王プラザと添い遂げるのだ<br />
<br />
「天地無用」悟りのように貼り付けて命を包む段ボールハウス<br />
<br />
私なら屋上に居ます大丈夫最短距離で降りませんから
前回(UMA)では有難いコメントを頂戴して感謝の言葉もありません!お礼に今回は早めの投稿をさせて頂きます!<br />
<br />
1.足元に伸びる巨大なギロチンの影をたどれば凱旋門が<br />
<br />
2.量るなら 東京ドームで大きさを 原爆ドームで何を あなたは<br />
<br />
3.たわむれる親子のあいだ石垣もお堀も消えるこどもの城で<br />
<br />
4.常磐の温泉テーマパークにはフラのリズムで粉雪が降る<br />
<br />
5.玉ねぎが泣かされている屋根の上泣かせるはずのPerfumeを聴き<br />
<br />
(Perfumeにも)何卒よろしくお願いいたします!
<br />
建てられて、爆破をされて、建てられて、爆破をされて、建てられて、…つづく<br />
<br />
ガリレオはピサの斜塔を見て気づき整骨院の常連になる<br />
<br />
京都タワー、東京タワーの立ち姿よりも小さく春日のポーズ<br />
<br />
エッフェル塔、スカイツリーに嫉妬する 巻き添えくらい沢尻さんも<br />
<br />
以上、五首です。子供の事情でメールアドレスは打ち込めませんでした。詠んで、楽しんでもられれば結構です。
<br />
その森に甘い匂いの家はあり宮崎某に似た婆が棲む<br />
<br />
ハチミツをもらいに行けばプーさんの家は春までCloseのまま<br />
<br />
しあわせは竜宮城に眠らせていつかあなたもロマンスグレー<br />
<br />
信念と書かれた額が燃え上がる極真空手道場の夜
<br />
巻き貝のなかをたどってゆくような古灯台の螺旋階段<br />
<br />
たんぽぽの綿毛ほわんと六本木ヒルズの上に花を咲かせる<br />
<br />
コンパスを優雅にまわす丸ビルの設計技師の細い指先<br />
<br />
取り壊し期限が迫るアパートの外階段に腰掛け眠る<br />
<br />
少年は太陽の塔の影の下、時限爆弾胸に抱えて<br />
<br />
零戦の着陸許可を求められ管制塔は氷雨に濡れる
<br />
「あの月もオリオンも僕に首ったけ」二月の都庁は少し強がり<br />
<br />
神々のシエスタルームは蛇腹式 寝息 九十九折 嵐となる<br />
<br />
木の積み木 城は風雨に負けるとも守ると思っていたよ 心は<br />
<br />
雨上がり 他に客なき廃寺で雲が巣に落つ虹を愛でてた
<br />
発酵す言葉を投げし用具庫で女子バレー部員胸潰したり<br />
<br />
ホルマリン少女浸しつる西校舎 我が喉仏溶けし踊り場<br />
<br />
ホルマリン少女渇けば西校舎 理科室の水が時歌い出づ<br />
<br />
ため息のように流した秘め物を渡辺篤史が愛しトイレで<br />
<br />
<br />
急に文語調のようになったのは、<br />
恐らく、最近古典文法を毎日見ているせいのようです。<br />
今回もよろしくお願いします。
?『非常時は合体ロボの一部と化す』仰天機能!都庁に発見!?
<br />
風呂場のペンキをはがしてみる 湯舟に降り積もる築30年<br />
<br />
<br />
<br />
初めましてです。<br />
よろしくお願いします。
<br />
(大日本天狗党絵詞より)
この度は、私のお題を採用していただきありがとうございます。嬉しく驚きました。<br />
本来であれば、真っ先に馳せ参じ御礼を申し上げるのが筋だったかと思いますが、<br />
自分のお題に苦しめられ、登場が遅れました事をお詫び申し上げます。<br />
何はともあれ結果的には、楽しく詠めました。ありがとうございます!<br />
<br />
・西本願寺御影堂の瓦の裏に君の名をそっと書きます<br />
<br />
・「宇治橋は渡るべからず」<br />
(神宮はとんちなしでも参拝できます)<br />
<br />
・僕たちの高層ビルは丘の上 学び舎からは海が見えます<br />
<br />
・絶妙なねじれで国を支えてる次は国会議事堂前です<br />
<br />
・柱にはちょうどいいのでガチガチのままでお席でお待ち下さい<br />
<br />
宜しくお願いします。
<br />
外は雨 博物館で縄文人成人男子とする背くらべ<br />
<br />
ご自慢の南仏風のいえの床突き抜けてゆくつよきたけのこ<br />
<br />
織姫の彦星の目に留めたくばこの短冊は東京タワーに<br />
<br />
以上4首です。よろしくお願いします。
<br />
びしょ濡れの服を乾かしに行こうよ 手は繋がないままで山小屋へ<br />
<br />
そしたら残り一個を見つけたらいっしょに平屋建てに住もうよ<br />
<br />
足音に耳をそばだて唇でリコーダーに触れた旧校舎<br />
<br />
時計台のどこまでも長いシルエット もう少し好きでもいいですか<br />
<br />
<br />
以上5首、よろしくお願い致します。
<br />
高楼の叢林の底にある光ヘプバーン忌の緑の舘
・見ないふりしてあげるから屋上の鍵を盗んで告白しなさい<br />
・病院は白いし寒いし祖母の手が震えてるから好きじゃないです<br />
・さよならを言ったあの日の公園で君の知らない誰かとキスする<br />
・制服でもう学校に来ないでよが最後の言葉の卒業式<br />
<br />
以上5首です。よろしくお願いします。
<br />
教会の鐘を遠くに聞きながらキスした甘いバニラみたいな<br />
<br />
海の家で愛を誓ったばかりです 雪どけはまだ遠いねほら貝<br />
<br />
飛行機雲追いかけていく梅田スカイビルから君まで一直線に<br />
<br />
<br />
よろしくお願いいたします。
・これからはここが日常 一軒家の瓦の屋根は白光りする<br />
・一日で気配の消えたアパートは空き家のにおい溢れ出てくる<br />
・吹き荒ぶ風に途方に暮れている寄り添うだけのショッピングモール<br />
・図書館の閲覧室の大人たち行く充てのない平日にいる<br />
<br />
大変遅くなりましたが「UMA」では佳作ありがとうございました!
<br />
・京都タワー見えなくなると不安だしやっぱり結婚取りやめようか<br />
<br />
・京都タワー目印にして右左進めばいつかあなたの心<br />
<br />
・この街に京都タワーが見当たらない一泊二日で終わった理由<br />
<br />
・愛される為にはいっそパステルに塗り替えるとか京都タワーも<br />
<br />
<br />
なかなか建物が思い浮かばず、<br />
京都タワーのみで考えてみました…。<br />
よろしくお願い致します。
・休館の美術館ではルノワールの少女の少女が雨と踊っている<br />
・ほしいもの集め並べていた廊下 卒業生の札つけて踏む<br />
・理想、嘘、そらまめ、目眩、 教授棟てかるおでことすれ違う春<br />
・かみさまがいるかどうかもわからずにうたっていたましろいおみどう<br />
<br />
<br />
よろしくお願いします。
<br />
です。間違えてしまいました。<br />
すみません!
頑張っても3号までと知りながら買ってしまった『週刊 安土城をつくる』<br />
<br />
永遠に船出する望み叶わないまま職安通り立ちつくすだけの軍艦ビル<br />
<br />
金融の神の怒りをかったブルジェドバイ崩れ落ち結局はもとの砂漠<br />
<br />
東京スカイツリー立ち上がりつつ隅田三丁目あたり現れるALWAYSの少年<br />
<br />
ぎりぎりに追い詰められたキングコングは諦めて登るエンパイアステートビル<br />
<br />
よろしくおねがいします。<br />
<br />
キシキシの髪からがさがさの踵まで褒めて「建物探訪」の人<br />
<br />
泣きながら濡れながらただ噛みしめろ我が家に屋根のある幸せを<br />
<br />
懐かしき和式の型を保ちつつアサヒビールのオブジェ輝く<br />
<br />
<br />
今回は以上でよろしくお願い致します。
<br />
エボラ熱大感染を省みず宇宙へ去つて行つた都廳舍<br />
<br />
オペラ座の怪人からの付け屆けのワインの澱が搖れて嚴冬<br />
<br />
死ぬのなら昆蟲館と決めてゐるこの身全てを蛆にあづけて<br />
<br />
天空に一瞬見えた樓閣が崩れた 夏を拂ふ夕立
<br />
学食にみちみちていたハムカツをハムカツ足らしめているなにか<br />
<br />
故郷が近づく ホテル皇帝の閲兵を受け踏み入れる町<br />
<br />
銅臭き数多の指紋経ね巡り鳳凰堂はやや丸く在り<br />
<br />
鐘が鳴る鐘が鳴るはかいしに空のひろさをつたえるために
<br />
午前二時渋谷の巨大液晶が光ってテストテストテスト<br />
<br />
東京のビルビル伸びて溶けてって青空ずうっと遠くて、夏です。<br />
<br />
電車から見える送電鉄塔が怖いからもう、どこにも行けない<br />
<br />
純粋な気持ちで廃墟を見に行って卑猥なことを少ししようよ<br />
<br />
以上、よろしくお願いします。
<br />
あぶく行け 玉座のように独り入る京都タワーの底の湯船を<br />
<br />
駅名でつぎ住む町を決めようか 読めない駅を読む きれんうりやぶり<br />
<br />
星の下つめたいひざが笑うとき生きたい人のだれもが家だ
<br />
書庫深くブーツを磨く老司書の階級章のごとき目のしわ<br />
<br />
厚塗りの壁一つあり出るという大きな耳のネズミのお化け<br />
<br />
はじめての跳躍のとき手をついた跳び箱深く倉庫に眠れ<br />
<br />
城みたいな家というから金髪に染めてきたのに大天守閣<br />
<br />
朝の日がやかんのあった棚照らし眠ったままのさとなか歯科
<br />
SHIBUYAが風雲!たけし城に変わる麻生さんちの見学ツアー<br />
<br />
境内にキャッシュコーナーある寺で金色堂は輝きやまず<br />
<br />
人の世の新陳代謝(メタボリズム)か「建て替え」で消える中銀カプセルタワー<br />
<br />
すばらしい眺めだ君のバルコニーこのまま下で見上げていよう
<br />
おっぱいとちんぽとまんこを侍らせて花園神社は伊勢丹の裏<br />
<br />
摩天楼空に浮かびしへリポート ルパンの影が夕日に消える<br />
<br />
東京を鍋にぶち込みおでん煮るドームのはんぺん、タワーの蛸足
<br />
・パフュームを東京タワーのてっぺんで操縦してる中田ヤスタカ<br />
<br />
・アカサカのアカサカサカスまえのサカ アカサカサカスサカで差す傘<br />
<br />
・ジュリアナの地下に隠れたボディコンがアラフォーになりまた扇子ふる<br />
<br />
・例えれば東京ドーム十個ぶん愛しているよ からっぽだけど<br />
<br />
<br />
よろしくお願いします。
<br />
シネコンにポップコーンの香は満ちて哀しきばいおれんすむーびー<br />
<br />
カーラジオ眠りつつ聞く海沿いのドライブインの破れたひさし<br />
<br />
〈太陽の塔〉なる記憶スケッチにクリオネですかとナンシーの声<br />
<br />
さようなら北風小僧の寒太郎 ビルの谷間をひらり風花<br />
<br />
どうぞよろしくお願いします。
<br />
バリアフリーになってしまえり大阪城 諸人こぞりて攻め落とされる<br />
<br />
見らるるに肌火照らせる美少女のV字開脚東京タワー<br />
<br />
ピサの斜塔よりも傾く本社ビル派遣社員がころがり落ちる<br />
<br />
白黒をはっきりつけた判決の目出度さ目立つ楳図ハウスの<br />
<br />
<br />
最後の1首を改作し以上5首とさせていただきます。<br />
よろしくお願いします。
<br />
あけびのごときあいじんでしたアネックスビルで重役秘書してたころ<br />
<br />
プルタブの穴より太い神経で時に男は社屋を倒す<br />
<br />
議事録を届けた本社ビルよりも近くに師匠のハイムありけり<br />
<br />
この日々に飾り包丁いれるごと裂いてホテル ザ・マンハッタンで
<br />
青空に一番近い場所だったジャングルジムは小さくなって<br />
<br />
廃墟にも夏の影濃く足元でいつかの光が音高く散る<br />
<br />
紫に一瞬光る電波塔 都市伝説が配信される<br />
<br />
博物館地下収蔵庫の梟の瞳に流れ星は瞬く<br />
<br />
以上5首、よろしくお願いします。
<br />
・鐘のない寺から僧がいなくなりひっそり死んでゆく僕の村<br />
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・陸橋で仁王立ちした人と朝目が合いました あ、落ちました<br />
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・鉄塔のようねと言ってほほえんだ水着の白を思い出せない<br />
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・思い出せ 血みどろの校舎裏の俺 今よりたぶんマシだった俺<br />
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・校舎には必ずピンクの部屋がある少女のの汗を彩るための
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踊り場のコンクリートのつめたさを知ることもなく大人になりて<br />
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さいごだよグラビア真似て赤煉瓦もたれて笑ふ液晶画面
・急階段昇れ唐破風越えてなお芝居の神が棲む幕見へと<br />
・歌舞伎座を裏の路地から眺めれば太き電線はらわたのごと<br />
・揚げ幕のちゃりんという音(ね)忘れずに新歌舞伎座へ連れて行ってね<br />
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・もう誰も通って来ない学び舎のちりがみの花を濡らす春雨<br />
・学校が解体されても消えないで黒板のすみ君の告白
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シャベルカーが壊す学生会館に今はゲバ棒持つものおらず
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農機具の倉庫の壁に錆びついた鶏がいて静かなる夏<br />
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ゆうぐれに隅のソテツがざわめいて校舎の影は人を襲えり<br />
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夜の果てにスターハウスが沈むとき肩からほどけ落ちるふろしき<br />
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耳をすませば坂のむこうに群がれるビルとビルとが睦みあう春<br />
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以上5首、よろしくおねがいします。<br />
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余談ですが、団地ファンのひとりとしてみなさまに「スターハウス」を一度は見ていただくことをオススメしたいです。<br />
現在各地で建て替えが進んでいるので……<br />
あの、どの角度から見ても飽きないフォルムは必見です。
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地下深くゆるゆると降り別れ際互いに触れずこれからのこと<br />
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あのビルの三十二階の階段の「非常口」が点滅している<br />
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沈む日を半ばさえぎる窓の外ウスバカゲロウ羽ばたこうとす<br />
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平日の昼間の晴れた屋上で竹馬に乗る練習をする
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午後9時の横浜駅の構内で違ふ制服着てゐたA子<br />
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12階より飛び降つ男にモザイクをかけてもあれはオレだとわかる<br />
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三本のオバケ煙突一本に重なる路地にポン引きが立つ<br />
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第4期造成されしニュータウンに往時のままの団地妻をり<br />
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よろしくお願いします。
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東大寺の巨大な微笑みふくらみて今宵ひとつの死は成就せり<br />
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水筒の黄金水を返したまえ 清水寺から飛び降りし友<br />
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どしゃぶりの金閣寺からの慟哭にニヤリと笑うひとりの坊主<br />
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あの夜の妻の臭いを知りし時ピサの斜塔が直立(すぐだ)つニュース
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病院は紙ひこうきを飛ばす場所 ハロー神様お元気ですか<br />
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二年前までシュークリーム屋だった場所 掘れば溢れるカスタードたち<br />
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こんなにも揺れるだなんて あのひとのひと言だけでワラのおうちだ<br />
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あのひとのビルを支えるたくさんのネジのひとつになれますように<br />
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なかなか思い浮かばす、締切間際に、ようやく形になりました。<br />
どうぞよろしくお願いします。
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のりしろのしろは白だと思ってた 住友童話館は虹だった<br />
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石壁にアンモナイトを眠らせた建物ばかりの地図をひろげる<br />
…すみません。時間切れで3首のみです…。
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魔女の居ぬお菓子の家のその後などだれが気にしてくれるのだろう<br />
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泣きもせず笑いもせずに七色にかがやくタージマハールのきもち
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文集に記した僕らの十年後プレハブ校舎の瓦礫に埋もれて<br />
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平日のミラーハウスが写しだす後頭部には円形脱毛<br />
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日の射さぬ静けさへ沈むサンシャイン地下六十階へのエレベーター<br />
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ディズニーがノートルダムから追い出したせむし男の撞く除夜の鐘
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日の射さぬ静けさに沈むサンシャイン地下六十階へのエレベーター<br />
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<br />
で、お願いします。
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永遠に幸せに暮らしましたとさ、ろう人形の館の中で<br />
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ポッキーを並べたような影が消え高層ビルは闇へと溶ける<br />
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はりぼてのケーキのような教会で確かめられる「真実の愛」<br />
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「その昔、耐震偽装があったとさ」古い厨で蓮根を切る<br />
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〆切に間に合いませんでした、申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
一首目、「Zeep Tokyo」じゃなくて、 「Zepp Tokyo」の間違いです。<br />
訂正させください。<br />
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●フライパンに入れたあさりのように泣く余熱のZeppTokyoを背に
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江ノ電はお化け屋敷をすり抜けて<br />
舞姫の夢かき消してゆく<br />
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1DK新婚時代の僕達は夢だけ溢れていたんだっけね<br />
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すみません、締切日過ぎてしまいましたが取り合えず三首だけ…<br />
二首目のお化け屋敷は鎌倉にある<br />
パブロワ記念館がモチーフです。<br />
私が若い頃は荒れ果てた廃屋だったのですよ。