まずは、お知らせから。
朱川湊人(小説)×笹公人(短歌)
「遊星ハグルマ装置」
遅ればせながら更新しました!
今回は僕の短歌
「悪夢の証明」
です。
森村誠一か!
風邪をひいて熱にうなされている時に書いたので、
作品がいつも以上に病んでいます。
たしかに病んでるし、壊れてる……。
久世さんみたいに「美しく壊れてる」と言ってくれ。
映画「その日のまえに」
大好評のようで、喜んでいます。
観てくれた方、ぜひ感想を書き込んでください。
次の「お題」ですが、
今回はみなさんのリクエストでやってみようかなと思います。
こんな「お題」で書いてみたいというのがありましたら、
どんどん書き込んでください!
なるべく、つくりやすく、創作意欲が刺激されるものにしてほしいです。
マニアックなものでもかまいません。
これぞというのがありましたら、採用します。
なければ、自分で考えます。
締め切りは9日(日)いっぱいまでとさせて頂きます。
楽しい「お題」を期待してます!
斉藤真伸さんの「秀歌鑑賞」が届きました。
今回は、島田修三さんの歌です。
お楽しみください!
よろしく哀愁☆
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「道交法違反のうた」
斉藤真伸です。
・なよたけの美少女乗せてボロ自転車こぐ痩せぎすは俺の倅ぞ
「自転車」という主題で現代短歌を一首あげてみろ、と言われたら、僕なんかがまっさきに思い浮かぶのはこの一首です。また、「息子」というお題でも、たぶん何番目かにこの歌が来ますね。
この歌の作者は島田修三さん(一九五〇年生まれ 神奈川県出身)といいまして、大学の国文学の先生です。普通、国文学の先生というと地味なおとなしい紳士、といったイメージがあるんですが、島田さんにはまったくそんな印象はなく、露悪的かつ過激な作風の作者として知られています。
・巨きなる睾丸は垂れハスキー犬楚楚たる少女にしたがひ往くも
(『離騒放吟集』より)
まあ、この一首を引くだけでご理解いただけたかと思います。ちなみにこの人には他にも『晴朗悲歌集』『東海憑曲集』『シジフォスの朝』『東洋の秋』といった歌集があります。最初の三冊(『離騒放吟集』『晴朗悲歌集』『東海憑曲集』)は仰々しいのに、そのあとに出た二冊(『シジフォスの朝』『東洋の秋』)は思いっきりシンプルですね。それはさておき、「なよたけの〜」の歌は『東海憑曲集』に収録されています。
そんな作風のなかで、「なよたけの〜」の一首は一見さわやかな印象を与えます。だから多くの人に愛される歌となっているんですが。
素直に読めば、「はははあれをみろ、あんなきれいな女の子を後ろにのせてうちの倅が必死にボロ自転車をこいでやがる。あいつもなかなかやるもんだねぇ」という解釈になるでしょう。つまりかわいい女の子と仲良くなった(かに見える)自分の息子を自慢したい気持ちがテーマです。
でもこの歌はそんなに単純でしょうか。その一方で、「あ、あんなかわいいコをひっかけやがって。生意気だぞ倅のヤロー」という気持ちも見え隠れする気がします。「父と息子」ってのはもう永遠のライバル関係ですからね。その辺りが「ボロ自転車」「痩せぎす」という言葉の選択に見え隠れするような気がします。
単純な「息子自慢」だったら、多くの人の心を捕らえるはずがないんですよ。この歌にごくわずかに含まれている「負の感情」に、
みんな本能的に気づいているんだと思います。
歌が描いているビジュアル自体は単純明快。しかし込められた感情はけっこう複雑。このふたつの要素がこの歌を秀歌たらしめています。
「なよたけ」は漢字だと「弱竹」。「旺文社古語辞典』によれば、「細くしなやかな竹。わか竹。」のこと。「なよたけの」は、「とをよる」(撓み曲がること。寄り添うこと)にかかる枕詞です。まあ、この歌の場合、「ものすごく繊細そうな」ぐらいの意味で捉えておけばいいでしょう。「美少女」なんて言葉、歌にそのまま使うとものすごく「俗っぽい」んですが、「なよたけ」という古語と組み合わせることによって、その「俗っぽさ」からかろうじて免れています。このあたりは作者の古語に関する造詣の深さがなせる業でしょう。
そんな島田さんにも最近、お孫さんが生まれたそうですが、その母親がこの「なよたけの美少女」かどうかは、まあ、詮索する方が野暮というものでしょう。
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お題募集ですが「お店の名前」というのはいかがでしょうか?<br />
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「ローソン」や「マクドナルド」から、地元の「山本商店」まで、いろいろな店名を織り込むというのはどうでしょうか?<br />
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ご検討お願いします!
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蜂谷さんの提案されてる「お店の名前」はなかなか面白そうですね。
自分で勝手に作っちゃうというのもありかな。<br />
塚本邦雄の「山川呉服店」の例もあることですしね。<br />
魚虎さんの「遊園地・テーマパーク」はちょっと気が乗らないかな。そういうところにはほとんど行ったことのない悲しい人生を送っているもので。<br />
ぼくの考えたお題は数秒の思索ののちに「料理」にしました。カレー、パスタ、寿司、天ぷらといったポピュラーなところから、小泉武夫氏の本くらいにしか出てこない究極のエスニック料理などを詠み込むのはいかがでしょうか。<br />
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「遊星ハグルマ装置」についてはいつも楽しみにしていますが(朱川さんの小説は読んでません…すみません)、今回は特に面白かったです。「ファービー」と「ねずみ」の二首が特に気に入りました。「ファービー」の一首は笑える短歌にも仕上がっていて、今回斉藤さんが取り上げた島田修三氏くらいしか笑える短歌をつくる歌人を思いつかないので、貴重だと思います。次回作も楽しみにしています。
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「道交法違反のうた」にちなんで
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今までのお題をふり返ってみて、(ぼくが投稿した回では)まだ出ていないようですが、「乗り物」というのはいかがでしょうか。<br />
自動車、自転車、オートバイ、鉄道、飛行機、カーフェリー、スペースシャトル、UFOと、いろいろ想像を拡げられるお題かと思います。<br />
ちょうど斉藤さんが自転車の歌を紹介してくださってますし。
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地元紙で良寛さまの短歌が連載されているんですが、<br />
今日はこんなテーマだったような……
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自分も島田修三さんの歌にちなんで……<br />
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“植物”←なよたけ<br />
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その他、自分が詠んでみたいテーマとしては、“服・靴”とかどうでしょう?
師範の映画ご出演を記念して、<br />
「映画」はどうでしょうか?<br />
ほとんど映画を見ないので、お題になると<br />
苦戦しそうですが・・・・・・。
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おもしろい「お題」をありがとうございました!<br />
どれも捨て難いのですが、決めました。<br />
では、のちほど発表いたします!