ところで、キン肉バスターって「傘」の字に似てない?
うーん、言われてみれば・・・。でも、なんですかいきなり?
真伸さんの真似をしてアニメの話でも・・・と思ったんだけど、「キン肉マン」あたりでとまっている自分に気づきました。
まぁ無理しないでもよろしいんじゃないでしょうか。それより師範お疲れのご様子ですが・・・。
うん。この時期はいつも選歌疲れしてます。
では、今度の「お題」は、そんな選歌疲れの師範を癒すようなものにしましょう。読んでるだけで癒されるような・・・。
選歌疲れには選歌をって・・・荒療治ですな。じゃあ、お言葉に甘えて、
「温泉に行きたい」という気分を反映させて、
次のお題は、
湯・風呂・温泉
とさせていただきます!
「入浴」という言葉もOKとします。
___________________
<笹公人師範による模範短歌>
知らぬ人と浸かる湯舟に浮いている業(カルマ)のような垢を避(よ)けたり
ラーメンの湯気の中にはいつだってシャワーを浴びるメーテルがいた
大きなる毬藻が湯舟に浮いている「道産子銭湯」二度と行くまい
菖蒲湯の尚武の香り鋭利なれば郷ひろみの眉剃り落としけり
ふるさとの温泉宿の宿帳に有栖川の名あやしく滲む
幼な子がわたあめだよと指を差す どうやら温泉に浸かる霊魂
____________________
短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、安心して記入して下さい。)
では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。
【笹流の理想短歌基準】
単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、良い「短歌」です。
あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。
1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか
________________________
投稿数は、1人につき10首までとさせて頂きます。
締め切りは、
12月24日(月) いっぱいまでとさせて頂きます。
__________________________
Blogに湯気が立ちこめるくらいの歌をお願いします!お知らせです。
12月8日(土)21:05〜21:55
NHKラジオ第一
「土曜の夜はケータイ短歌」
に出演します!
司会・魚喃キリコさん 歌人・笹公人 ゲスト・安藤裕子さん
おっ、ゲストはアンドリューか。
お知り合いですか?
いや・・・。
コラッ!12月16日(日)10:30〜11:00
文化放送(AM1134)
「浜美枝のいつかあなたと」
もよろしく☆
12月21日(金) PM6:30開場 7:00開演
「第6回 名物かいぶつ祭り」
場所:神楽坂セッションハウス(03-3266-0461)
入場料 3500円(軽食+フリードリンク+かいぶつ句集)
お問い合わせ・予約:03−5453−2911(アタマトテ・インターナショナル)
に出演します!
<出演>
榎本了壱(アーティスト)、萩原朔美(エッセイスト)、白石冬美(声優)、蜷川有紀(女優)、阿部知代(フジテレビアナウンサー)、金原亭世之介(落語家)、サエキけんぞう(ミュージシャン)、MICABOXfeat高遠彩子、笹公人(歌人)、ほか
蜷川有紀さんと阿部知代さんによるスーパー熟女ユニットがこの日歌う曲を、「宇宙ヤング」(笹公人&HIDE−AKI)が
プロデュースさせていただきました。
それと、僕個人では、
永六輔さんと滝口順平さんのモノマネを駆使した
「永六輔のぶらり途中下車の旅」
という新ネタを披露します!
新ネタって・・・そんなことばかりやってるから文化人として呼ばれた時も楽屋が個室じゃなくて新人芸人がごった返す大部屋に案内されるんですよ!
それは言わないって約束だろ・・・。
前売りチケットの取り置きもします。直接僕にメールをください。
kimihitosasa@yahoo.co.jp
神楽坂で(永六輔に扮した)ボクと握手!そして、大往生!
よろしく哀愁☆





唯一人霧積の湯に浸り居り麦藁帽の翔ぶさま想う<br />
夫と妻ならび語らう満月夜つつみ隠さぬ法師のいで湯<br />
大丸(おおまる)の流るる湯かな嘗て斯く乃木希典の潔き微笑み<br />
彩りの天城は仕舞い湯ヶ島の湯屋に秘するか踊り子の影
<br />
摩天楼眺める目して真夜中の入浴して背中なでなで<br />
<br />
殿方の般若の如き体毛が阿波の秘湯でほどけはじめる<br />
<br />
流れゆく湯の値段より価値のない重さを悟るメタボの原理<br />
<br />
千年の修行を終えた仙人も歩みを落す女湯の前
<br />
阿波の湯で般若の如き体毛がよいよいよいとほどけはじめる
<br />
微笑する天女がつかる男湯に張りつめている空気冷たし<br />
<br />
琺瑯をぼこっと鳴らす真夜中のぺヤングの湯に力石想う
露(じょろ)などがあり<br />
湯に浸かりあがるまで父と姉と我いっしょに数えた遠い日の十(とお)
<br />
脱衣所にイオンの袋を下げて来たおばちゃんもいるスーパー銭湯<br />
<br />
名湯に幾度もひとは訪れて未だ寂れぬ茂吉温泉<br />
<br />
レシートとスタンプカードと温泉の回数券でふくらむ財布
<br />
・頭(ず)の上にたわむ光の思い出は風呂で溺れたときの風景<br />
<br />
・バスクリンの波をチャプチャプかき分けてゼンマイ仕掛けの船は漕ぎ出す<br />
<br />
・石鹸でスケートしたる子供らに教えるなかれイナバウアーを
<br />
風呂の栓抜けばあらわる腹黒いキングギドラは我が内に棲む
<br />
露天風呂BGMに『映像の世紀』流れて血河を思う<br />
<br />
サウナ発 汗満載のカミカゼで攻撃されるミズブロの海<br />
<br />
切り崩す貯金止まらず雪崩打つ末は下水のブクブクの泡<br />
<br />
独り住む学生街の楽しみは銭湯で飲むビンの牛乳<br />
<br />
温泉でとろとろ眠るそのままに海に還ってしまえたらよい
<br />
笹浴場番台のした 鉢巻をした作業員が下りていく穴
<br />
湯もみする音頭の中で閃いた草津湯けむり殺人の謎
<br />
頑なにボディーソープを使わない女の禿びて薄き胸板<br />
<br />
番台に45年と4ヶ月君臨したる<湯弥呼>身罷る<br />
<br />
銭湯の暖簾の文字の「ゆ」をほどきマフラーにして君を待つ夜<br />
<br />
召集令状(アカガミ)を2000万枚焼べて焚く大浴場で唄う<イマジン><br />
<br />
・闘いにのぞむ草津のゴール裏に湯もみ娘の姿は見えず
<br />
マフラーとボディソープで武装してあなたの優しさはこわくない
<br />
温泉に浸かるわたしを赤ちゃんはじっと見ている子猿のように<br />
<br />
ほかほかの湯たんぽまだかと猫が鳴くすこし湿ったマットの上で
<br />
鈍き音たてて震える「昭和湯」のマッサージ機は時間旅行機<br />
<br />
馬鹿でかい木札の下足錠失せて途方に暮れる夢ばかり見る<br />
<br />
濃緑のバスクリン湯に草臥れた身体浸してする光合成<br />
<br />
足の無い幽霊たちに囲まれて足湯にひたすかじかんだ足<br />
<br />
路地奥の松ノ湯の光(かげ)燦燦と若き阿修羅がずんと湯浴みす<br />
<br />
電気湯に浸かれるウナギ犬もゐて青き憤怒の今凪ぎはじむ<br />
<br />
泉にて沐浴しゐる水精(ニンフ)らの淡き壁画の白樺の湯<br />
<br />
鉱泉宿に泊まれば流離の断ちがたく 小庭に灯る侘助椿<br />
<br />
白骨の出湯に浸かれば匕首(ひしゆ)のごとき山稜視えて零(ふ)りくる雪<br />
<br />
浅間温泉街をもとほる乞食(こつじき)の白きはだへの基督羞(やさ)し<br />
<br />
柚子の湯の浴槽(ゆぶね)に泛かぶわが身体 股間に黒き夜漂はせ<br />
<br />
菖蒲湯に芯まで熱く沈みをり 五月の燕の描(か)く自由(フリーダム)<br />
<br />
三軒隣ロココ調なる銭湯の煙突のぼれど杳(とほ)きアトランティス
<br />
熱湯の霧吹きがぼくの慰めだ虹に熱さも冷たさもない<br />
<br />
狭い湯舟に体育座りで浸かつてるOLにしか見えぬ彫像<br />
<br />
君の目が団栗ぢやないと気付いたら湯冷めのやうに風邪をひいたさ<br />
<br />
ほんとのこと何も言へずに恋人をユニット・バスに閉ぢ込めてゐた
<br />
電柱にぺたり人妻風俗のチラシの裏に秘湯の地図が<br />
<br />
風呂嫌いでもそれなりの大枚を払いて行くはあれのある個室<br />
<br />
バイト君の実家秘伝の温泉の素を大さじ二杯分もらう<br />
<br />
早風呂のボクが急いで出たときは別れの手紙書き終えていた
<br />
太ももに大きく残れる日本地図湯治と称して沈没させる<br />
<br />
霜焼の足先浸す瞬間の痛みに似たるや君との逢瀬は<br />
<br />
君ん家のせっけん、シャンプー何使ってる?同じの揃えて待っててあげるよ<br />
<br />
ミルキーウェイが溶け落つ露天湯 カフェオレに例えて誘うあなたが好きよ<br />
<br />
ドリカムの「すき」を聴きし夜バスタブに溶けゆく涙は肯定される
<br />
風呂の湯はバケツに汲んで洗濯へ地球に優しく筋力アップ<br />
<br />
銭湯に初めて行った十代の恥ずかしがり屋はおばさんになり
<br />
同級生の裸の背が列ぶ修学旅行 シャワーが足りない<br />
<br />
普段喋ることなきクラスメイトと露天風呂に出る 星を見ている<br />
<br />
「先生を誘惑しよう!」洗い髪そのままにして点呼待つ部屋<br />
<br />
シャンプーは別々になりしそれぞれの香り漂わせている家族
<br />
いい湯だなハハハンという鼻歌を口ずさむ昭和の小学生、我<br />
<br />
効能を蘊蓄顔に語りおる君にウサギの耳をつけてやる
<br />
幾つまで娘は僕に黒髪を洗う権利を許すのだろう<br />
<br />
シャンプーの髪を鉄腕アトムにし十万馬力になれてたあの日<br />
<br />
洗い髪初めて見せた真夜中の君の瞳に映るま緑<br />
<br />
傷ついた心を癒すかのように少女は髪を洗いつづけた<br />
<br />
シャワー浴びるわたしは産まれたてのはだか 手首の傷ももう目立たない
<br />
沸かし湯を忽ち効能あらたかに変えるケロリンたらいの魔法<br />
<br />
何時の間に伸びたか百粍ほどの毛が乳首にあり湯にそよそよと<br />
<br />
玉の毛は魚卵の如き幾千の気泡を抱いてぬる湯に揺れる<br />
<br />
泡立てた髪撫でつけてリーゼント湯殿に銀蠅こだまさせつつ<br />
<br />
くしゃくしゃとじゃれあった後のバスタブで拳に泡のせカンパイカンパイ<br />
<br />
源泉に玉子こぷこぷ温められ湯守りの背中を冷やす星空<br />
<br />
六月の雨を泳いで湯屋めぐり涙温めてざぶりと流す<br />
<br />
きちきちに縮むきゃんたま湯にもどし背中に抜ける震えを愉しむ<br />
<br />
大中小あわせて六つのきゃんたまを温めてぬるり白濁の湯
<br />
風呂上りオールバックの髪型でマルフォイのマネする娘あり<br />
<br />
帰り道カップアイスのフタを舐め木の匙を舐め湯冷めした夜<br />
<br />
ワタクシの喫水線はここですと小さな声でエコーをかけて<br />
<br />
以上で10首、よろしくお願いします。
<br />
風呂上がり迷った末にカレンダー二枚の日付をめくる深更<br />
<br />
浮き沈みするものはみな愛しくて柚子の黄色を指で弾いた<br />
<br />
呼び鈴をシャワーカーテンごし聞けばホラー映画の響き帯びたり<br />
<br />
猫足のバスタブに似合う鼻歌のレパートリーを考えている<br />
<br />
むかし語りの増えたる母と並びいて露天湯の上はひたすらに星
<br />
真裸のままで送信するメール湯冷める手前の私はぬるい<br />
<br />
浴槽に沈む男と口づけをかわす愛していたかは知らない
<br />
<br />
*すみません。1首、差し替えお願いします。<br />
<br />
湯上がりの肌の湿気に触れたくて炬燵の中で手を差し伸べる<br />
<br />
お前ではないと告げられ湯気の中俺かも知れぬと思うかわたれ<br />
<br />
塩辛い涙の風呂に身を沈め私のいない世界を思う<br />
<br />
打ち寄せる波に向かって立ち上がる露天の風呂に降る雪の中<br />
<br />
湯の街に住む母いかにいませりと問われしたびに答ふあたはず<br />
<br />
五右衛門の煮られしといふ鉄の風呂我が姫のためミルク満たさん<br />
<br />
紅き燈のアムステルダム風呂のない窓辺に立って身体誇示する<br />
<br />
真夜中に風呂にひたれば凍てつきし路面に固き靴音聞ゆ<br />
<br />
湯の街の神にも母がいるという 母よわたしは神になれない
<br />
消える魔球の理論考察する湯船 吾も確かに無色透明<br />
<br />
泡立ちの悪き思いを持ち込みて冬至の夜は長風呂になる<br />
<br />
人肌の心地よき湯の天割れて忽ち消ゆる羊水温泉<br />
<br />
ぬばたまの髪の女がお湯割のリンス頼めり場末の酒場
<br />
消える魔球の理論考察する湯船 吾も確かに無色透明<br />
<br />
泡立ちの悪き思いを持ち込みて冬至の夜は長風呂になる<br />
<br />
人肌の心地よき湯の天割れて忽ち消ゆる羊水温泉<br />
<br />
ぬばたまの髪の女がお湯割のリンス頼めり場末の酒場
<br />
・水面に浮かぶ月でも捕らえたか湯舟に顔を浸した死体<br />
<br />
・移動手段なくした僕らの眼前で「湯〜とぴあ」の文字踊っていたり<br />
<br />
・そしてまた何処へも行けぬ冬が来て“登別カルルス”のお出まし<br />
<br />
以上十首です。<br />
今回は(も?)いまいちパワー不足ですが宜しくお願いします。
<br />
自分へのプレゼントなり凍えたるトナカイと混浴で見る朝焼け
<br />
山間の温泉街で翼竜の姿うかべし少年の目よ<br />
<br />
弟とじゃれあう声が風呂場から聞こえるような、そんな夕ぐれ<br />
<br />
しゃきしゃきとユニットバスに浮かばせて肩までつかる菖蒲湯ぬるし<br />
<br />
浴槽のうずまきごぼと吸いこんでくれ今のいま気づいたから<br />
<br />
ふるさとの母に送りし名湯の入浴剤を棺にいれた<br />
<br />
「湯けむりを五線譜にした」と書きだして すべてを選択そしてデリート<br />
<br />
とりあえずそれも源泉かけながしってことにしておけばいいだろ<br />
<br />
<メリークリスマス><br />
雪の夜の足湯にふたつ靴下を並べて星を見上げていよう
<br />
湯面は眞つ平らなりそに寒き爪先入るる朝こそ良けれ<br />
<br />
木の間より吹き來る風に身を晒す山の出湯の湯上がりの良さ<br />
<br />
鄙の湯の岩拔き垂るに身を浸し獸の聲を遠く聞くなり<br />
<br />
鐵湯を啖ふ天狗の苦しみか戀の焔のあらあらしさは<br />
<br />
恥ぢらひを全て振り捨て君はまた直方體の光の中へ<br />
<br />
手拭ひは湯に入れるなよ 男ならどんなものでも恥ぢることはない<br />
<br />
かうなれば荒療治だと言ひ乍ら煮詰め草津の湯を飮み下す<br />
<br />
夏はもう夢でしかない大船の重曹泉にどつぷりつかれ<br />
<br />
毆られて氣がつくこともあるだらう 華嚴の瀧よ打たせ湯になれ
<br />
巨いなる欅の裸身の父の背を湯に矚(み)し記憶も模糊たる冬<br />
<br />
青きカランの噴く寒のみづ 隣家(となりや)の老ひの謡ひもいつしか絶えにし<br />
<br />
湯煙りに曇る祖父(おほぢ)の眼鏡置く夜光に耀(て)りてそのままにあれ<br />
<br />
桜湯上がり珈琲牛乳父と飲む稚(わか)き日のわれ、若き日の父<br />
<br />
草津の湯にて或る日魂魄ただよふを湯揉みむすめの襷(たすき)が憎し<br />
<br />
髪洗ふ妻の哀しみ 一瞬の風の奔流に黒蝶乱(みだ)る<br />
<br />
湯屋を出て十字路の夜 洗ひ髪冷えゆくままに蛮歌に泣かゆ<br />
<br />
防水ラジオのバロック聴きゐる朝風呂に百年前の春呼びかへす<br />
<br />
家風呂に浸かりてこぢんまりとゐし弟(おと)を憶へば西瓜のかをり
<br />
湯気の中ふわりと今日を脱ぎ捨てて私をゼロに戻す儀式を<br />
<br />
100までは数えなかった のぼせてはいけない恋と知っていたから<br />
<br />
いちにいさんまのしっぽ お風呂にはこどもの声のしゃぼんが飛んで<br />
<br />
海のいろ独り占めして深呼吸 オフィスのグレイ洗い流そう<br />
<br />
こわれても何度でもやり直せるとタオルのあぶくたちに教わる<br />
<br />
午後6時いつもの10階風呂場にてこどもと今日もリサイタルです
<br />
一年で一番長い夜なのにゆず湯を理由に帰っていくきみ<br />
<br />
お湯に身をほどいてふやかし温める 少しでもきみが食べやすいよう<br />
<br />
現実はいつもわたしの上をゆく 傷口ピリピリゆず湯がしみる
<br />
首に巻く豹柄タオル 湯あがりのピノを分けあうをんなとおとこ<br />
<br />
骨太の手足を伸ばすこともなく液晶の湯に浮かぶゴシック<br />
<br />
ゴンチチの湯にいるきみは昼寝する犬のようだとあなたは笑う<br />
<br />
<br />
すみません、投稿3首目(茂吉温泉)をやめて以上10首とさせて下さい。よろしくお願いいたします。
温もりはかすかにのこるバスタブにあすの僕たくしてもたれかかる<br />
<br />
ゆうぐれの湯花の匂い手をつなぎカランコロン下駄の音シンクロ<br />
<br />
かぎられた湯船のなかの適温にぜつめつ種たちのなきごえをきく<br />
<br />
わたしから離れていった水滴が風呂場の窓をこじあけて逃げる<br />
<br />
ゆるゆると怠惰はつのる街角に斗出せよ間欠泉のごときさけび<br />
<br />
ゆきさきはエデンの園へひたひたと痺れた足であゆむバスタブ<br />
<br />
こころにもないことを言う泡風呂にぶくぶくわいた気泡が爆ぜる<br />
<br />
ゆっくりと足をのばせるバスタブを暖色のショーウインドーに探す<br />
<br />
ぬるまゆの理由しらないでいま僕は喜々としてバスクリンしている<br />
<br />
あわとあわあわせてみたらあわいろの君はばぶるとなってあわわわ<br />
あ、すみません。改名した訳ではありません。<br />
変換する途中でエンター押したようで投稿されてしまいました……。
<br />
小太りの坊主頭が吾(あ)の父の湯浴(あ)むる姿を見つめておりぬ<br />
<br />
湯気のぼるわれの裸をうしろから抱く老人(おいびと)よいつまで待たす<br />
<br />
紅葉(もみじ)うく家族風呂にて浮かびいる結婚指輪をはずさぬおゆび<br />
<br />
ゆっくりと陰(ほと)しずめゆく雄(おす)の湯にぬるいお湯だとつぶやきながら<br />
<br />
けむりわく温泉街の射的場 「一発だけ○○」と書かれてあり<br />
<br />
しろみからきみがあふれるさまをみる温泉卵が裂かれるごとし<br />
<br />
今宵また温泉街の雪の上(え)に赤菊ちらす湯守(ゆもり)の親子<br />
<br />
スケスケの硝子のかなた湯船にて少女のようなおとこ歌えり<br />
<br />
人肌の湯タンポを胸に抱きしめる元アイドルの大晦日過ぐ
<br />
銭湯へ行くたび父が持っていた古びてあせた手ぬぐいの赤<br />
<br />
浴室の割れたタイルに残された五歳の僕の手形を探す<br />
<br />
ミステリーツアーで向かう温泉は湯けむりだけを残して消える<br />
<br />
今朝ぼくを濡らした雨が薄暗い風呂の中まで追いかけてくる<br />
<br />
もう同じ湯船に浸かることのない人へと返す錆びた合鍵<br />
<br />
本棚の温泉雑誌の背表紙は色あせ君は戻ってこない<br />
<br />
冷えきったユニットバスの床を踏む、夜の長さを確かめている<br />
<br />
君からの電話を待ちたくない夜は暗い湯船に何度も潜る<br />
<br />
ジャグジーの泡になりたい金曜の夜パンプスを脱ぎ捨ててゆく<br />
<br />
<br />
以上10首です。よろしくお願いします。
<br />
私だけのぼせていたのねこの恋も冷めれば洗濯できるのかしら<br />
<br />
トリートメントの減りのスピード遅くなりこんなとこにも別れの予感が<br />
<br />
生放送温泉リポートする女(ひと)のポロリよりもあたしを見ててよ<br />
<br />
<br />
いまいち感が拭えぬままですが<br />
前のと合わせて10首お願いいたします。
<br />
ぽっかりと湯船に浮かぶ柚子そして今夜の月もあたしもいびつ<br />
<br />
男湯と女湯の壁とびこえてリンダリンダを熱唱した日<br />
<br />
湯上りに飲む牛乳はコーヒーと決めて腰には手を携えて<br />
<br />
草津にて謎解きをする探偵の耳にこだます湯もみの歌よ<br />
<br />
湯けむりの伊香保の街の石段に稚児が並べば春もう間近<br />
<br />
湯船には薔薇の花びら浮かばせてイヴに黄色いアヒルとふたり<br />
<br />
はじめてのジェットバスにてうたた寝をすれば目覚めは宇宙の彼方<br />
<br />
世の塵を四万温泉で流したら天使になれるかもしれないよ<br />
<br />
絶景の混浴露天風呂深夜野生の猿と向き合っており
<br />
一晩で覚えねばならぬ英文のごとく老婆は効能の前<br />
<br />
温泉の匂いの消えた洗濯はいつものようにベランダで揺れる<br />
<br />
吾のなかの子らが叫びし「うしろうしろ」を宥めて深夜シャワーを浴びる<br />
<br />
職人の顔に変わりて二杯目の六一〇ハップを入れる父あり<br />
<br />
イカロスの火の粉の落ちる夕暮れの秘湯に集う羽根の無き人<br />
<br />
温泉にて全裸になりて殺されるためだけに居るAV女優<br />
<br />
充血の目玉おやじの風呂として美女の鎖骨に美酒を垂らせり<br />
<br />
右手から洗う男の肩越しに見えるタイルで阿弥陀くじをする<br />
<br />
赤飯にまぶした塩は浴槽の清めに祖母が撒き散らす塩
<br />
ひたひたと疑心暗鬼がおしよせてかたまりしバス・ルームの石鹸
<br />
「これくらゐしかやるものねえ」と従兄弟が指す温泉宿の初代ボンバーマン<br />
<br />
栓抜けばぐるぐると湯は吸ひ込まれ吸ひ込まれやがて空つぽになる<br />
<br />
銃弾で穴ぼこだらけの屍を蜂の巣といふがシャワーとはいはず<br />
<br />
ラブホテル「緑魔」の浴槽掃除夫は異様に長き舌を持つらし
<br />
生まれ落ち湯に浸かりつつ目を醒ます全てが見えた湯気越しの世界
<br />
温泉地には地獄が多い あれだけ天国気分になれるのに<br />
<br />
それじゃあお先にドボンします ハモンをのこしてアイツは消えてく<br />
<br />
遠い街 温泉宿に着くなりに あらやだいつものお隣さん<br />
<br />
溢れ出すお湯をリズムでかきまわす アイツは風呂場でヒップホップ<br />
<br />
富士山の麓(ふもと)でつかる湯の熱さに 思わず叫ぶ「番頭さん!」
<br />
露天湯で「心のこり」をくちずさみ円天の舞う空を見上げる<br />
<br />
裸にはならないように生きてきて湯船に息をひそめて浸かる<br />
<br />
*<br />
<br />
笹師範、みなさま、メリークリスマス☆<br />
来年もどうぞよいお年を!
<br />
どれほどに湯につかろうとさびしめば温まらないわたしの真中<br />
<br />
ゆるさぬと言いたるわれの醜さを曇りながらも鏡は映す<br />
<br />
浴槽に膝を抱えて沈みたり生まれなおせるかもしれぬ今日
<br />
胴長の犬にシャワーを浴びせつつ「今の話は忘れといてね」
<br />
息つぎに20秒ごと湯から出る妊婦は禁忌という秘湯にて<br />
<br />
お腹から足も頭もでてくるよ お風呂で君に見せた胎動<br />
<br />
破水したあとは入浴できません アップの髪で陣痛を待つ<br />
<br />
産湯すら浴びれず入った保育器の中で赤子よ赤い子になれ<br />
<br />
点滴をはずしてもらい沐浴をさせた再々手術前日<br />
<br />
お風呂場はレストランですトイレです いつでもどこでも赤ちゃんは生きる<br />
<br />
洗い桶に浸けられたカレー皿のごと母性を浮かせ浸る浴槽<br />
<br />
胴体の中の空洞部分からああカビてゆくお風呂のメルちゃん<br />
<br />
一年に二度しか逢えない二人だから流血の日はお風呂でしよう
<br />
*一首訂正させてください。<br />
<br />
女湯で伝授しているシャンプーのコツと男子のあしらい方と<br />
<br />
よろしくお願いいたします。
<br />
目をあけてぼくと向き合いなさいって二十四時間シャンプーハット <br />
<br />
のびているたしかにくびがのびている 効能書きはヒエログリフで <br />
<br />
銭湯の煙突としてこの町を守り続ける古代の兵器 <br />
<br />
音のない大浴場で白鳥に生まれ変わったアヒルのおもちゃ <br />
<br />
煮え切らない彼は夜な夜な恋をする 五右衛門風呂に氷を浮かべ <br />
<br />
湯の中に溶けてしまった体温を取り戻すため栓を引き抜く <br />
<br />
凶暴化促進されて恋人と別れるためのギズモ温泉 <br />
<br />
未来劇水戸黄門の湯舟には光る鎖骨の由美かおるロボ <br />
<br />
ライオンの口から熱い湯が落ちて風呂の底には砕かれた骨<br />
<br />
(遅れてしまい申し訳ありません。宜しくお願い致します。)
<br />
・冬だからとてカルピスのお湯割りの紅色したる裏切りの味<br />
<br />
・打ち上げはお開きである 手土産として持ち帰る湯冷めの心<br />
<br />
・痩せぎすとはち切れそうな幼なにて底板を踏む五右衛門風呂の<br />
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10時間以上の遅刻です。すみません。どうかよろしくお願いします。
温泉に沈んだままの男たち……宿で高価な石鹸を買う<br />
セックスを風呂でしていた音楽が卯月の蝶の羽ばたきに似る<br />
若すぎる女の湯立つ聖水を飲みながら言う皐月の虹を<br />
瑪瑙にも似て湯上りの女から放尿の音羽化するさなぎ<br />
弥生の湯卯月皐月の湯にもまた男の精子クロールしてる<br />
風呂場にておしっこしたい眉間からストロー伸ばし君に届ける<br />
温泉は混浴じゃなきゃイヤだった春はもうすぐ化石化します<br />
男から男へ贈る情念は温泉卵口移しする<br />
女から温泉卵落ちるとき海が聴覚機能を奪う<br />
温泉で空手練習する人に勝負を挑む全裸の亮子<br />
湯舟にてまずはハミガキイソジンの後はローション緑化の墓石<br />
ガラクタで作った風呂に入っては夜空見ながら放尿してた<br />
若い子のおしっこ集め風呂に入れ糖尿病を絶対治す
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入浴はおまけだったあの頃を酒に語る温泉旅行
シャンプーの短く切った髪泡がしみてももう泣かないで