
「SF」
の優秀作品を発表いたします!!
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公園に電話ボックス舞い降りてひそひそ声の母のはつ恋
【異能兄弟】

ボックスの中には若き日の母がいたという歌意のSFファンタジー短歌だと思います。
アイディア的には赤川次郎の『告別』(大林映画版しか見てないけど)に近いかも。
電話ボックスはタイムスリップしてきたのだと思いますが、
煙とともに突然あらわれるといったベタなものではなく、
宇宙船のように静かに舞い降りてくるという設定にオリジナリティーを感じました。

満を持して異能兄弟さんにコーナーを差し上げます。
これからもおもしろい作品をたくさんつくってください!

★賞品★
『いっぺんさん』朱川湊人・著(たぶん、直筆サイン入り)
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転居先不明で戻りし郵便のさみしさ纏うスペースデブリ
【瑞紀】

そんなスペースデブリを転居先不明で戻った郵便と喩えたところが冴えています。
そしてまた、「纏う」という言葉が、スペースデブリだけではなく地球にもかかっているところが巧いと思いました。
★賞品★
「笹短歌色紙」1点
(書く歌は、リクエストにお答えします。もちろん直筆(かなり下手)です。)
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無重力気分になるのキッチンを散らかしながらつくるチャーハン
【てこな】

さよならも言わずに消えた 髷ゆらしペダル漕いでた時の旅びと
【水野加奈】

ジュブナイルSFぽさが出ていて良いです。
おかえりと我を迎えるワレがおり我とワレとが煙となりぬ
【かわら】

キスマーク代わりにおとすミステリーサークル青い瞳に恋した
【はせがわゆづ】
変えられない過去ならせめて見たくない 時間旅行の切符を破る
【宮田ふゆこ】
鉄筋にリサイクルされるUFOという身も蓋もなさもSFとして
【松木 秀】
俺たちが飛ばすちちんぷいぷいの痛みで光る星がどこかに
【川鉄ネオン】
地球儀に手と手と触手 この星と五年二組を忘れないでね
【宮川邦恵】

有明の冷凍倉庫借り切つてさあ語らうぢやないか未來を
【酒井景二郎】
かんなさんは次回入選したらコーナー獲得です。
焦らず、力まずにがんばってください。
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NHKラジオ第一
「土曜の夜はケータイ短歌」
に出演します!

【関連する記事】
復帰早々の最優秀作品とコーナーの獲得、ありがとうございます。<br />
(昨年の12月に最優秀作品に選んでいただいた歌も<br />
初恋を詠んだ歌だったので、なんだか不思議な気持ちです。)<br />
<br />
この歌は、公園に舞い降りてきた電話ボックスの受話器を取ったら<br />
初恋の相手と話す少女時代の母親の声が聞こえてきたという<br />
最初に浮かんだイメージを歌にしようといろいろ悩んだ末の最終形で、<br />
さすがに31音に何もかも詰め込むのは無理でこういう形になりました。<br />
<br />
「笹短歌ドットコム」で、みなさんの作品から刺激を受けながら<br />
僕にしか詠めない歌をこれからも作っていきたいと思います。<br />
今後ともどうぞよろしくお願いします。
これからも、こつこつ、がんばります。
コーナーがんばってください!<br />
楽しみにしております。<br />
<br />
>酒井景二郎さま<br />
ぜひがんばってください!