どうも笹師範です。夏休みも近づいてまいりました!
夏休みといえば、帰郷!
帰郷といえば、ふるさと!
ふるさとといえば、田舎!
ということで、次のお題は
「田舎・ふるさと」
です!!
田圃や合掌造りの民家が浮かんでくるような
田舎力を感じさせる作品を待ってます!
_______________________________________________________
<笹公人師範による模範短歌>
寝不足の少女が飛んだ水溜り台風一過の村の静けさ
重石としゃべる老婆のこゑ響くふるさとくらーい厨の奥に
神木に登りし兄を見つめいる村人たちの農具光れり
色褪せたアースの琺瑯看板の水原弘がとどめる時空
桃色のワンピース着た案山子いてへの字の口も少女めくなり
駄菓子屋の冷蔵庫には製造年昭和五十六年の宝石箱(アイス)もありき
ふるさとの温泉宿の宿帳に有栖川の名あやしく滲む
幼な子がわたあめだよと指を差す どうやら温泉に浸かる霊魂
宿にある太宰の文庫めくるときヌード写真がすべり落ちたり
ブランコも田んぼも家も昏(くら)くなる だいだらぼっちの影に塗られて
__________________________
短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、安心して記入して下さい。)
では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。
【笹流の理想短歌基準】
単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、良い「短歌」です。
あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。
1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか
________________________
投稿数は、1人につき10首までとさせて頂きます。
締め切りは、
7月22日(日) いっぱいまでとさせて頂きます。
__________________________
お知らせです。本日発売の
『TV Bros』20周年記念特大号
「ブロス読者だヨ!全員集合!」に登場してます。
鈴木宗男氏の下にいます。なめ子さんや細野さん(!)までいらっしゃる。
7月7日(土)21:05〜
NHKラジオ第一
「土曜の夜はケータイ短歌」に出演!
七夕だけに笹というわけです。
「平成19年度NHK全国短歌大会 ジュニアの部」
の選者を務めさせていただくことになりました。
予選選者を5年間やらせて頂いていたので、感慨深いものがあります。
たくさんのご応募をお待ちしてます!
小・中学生のお子さんがいらっしゃる投稿者のみなさんは、ぜひ投稿を勧めてあげてください。
『バカドリル』や「味写入門」でおなじみの
鬼才漫画家・天久聖一さんと対談講座をやります!
朝日カルチャーセンター新宿教室
笹公人の対談シリーズ?
「短歌実験室」
期間・曜日・時間: 7/21 土 18:30〜20:00
受講料(税込み): 1回 会員 3,360円
一般 3,990円 ACC学生会員 1,500円
ぜひご参加ください!
8月4日(土)松山市立子規記念博物館
新・道後寄席〜歌のちから〜
会場でお会いしましょう!
朱川湊人×笹公人
「遊星ハグルマ装置」
更新されています!
ぜひご覧ください!
ということで、
よろしく哀愁☆





<br />
ふるさとに子供を産みに帰るという 産婦人科医はかろうじて居る
<br />
軽トラの荷台に乗って寝転べば夏雲僕を追いかけてくる<br />
<br />
家出した少年納屋で水田の田螺のように息をひそめる<br />
<br />
東京行きの切符を買いに来た駅舎だるまストーブ赤々燃える
<br />
暗闇の光の乱舞追いかけてあくがれいずる我が魂(たま)いずこ<br />
<br />
終点の猫駅長が待つ駅へのんびり歩むイチゴの列車<br />
<br />
あぜ道を踏み分け歩くその脚のフリルとレースは露に濡れつつ <br />
<br />
ふるさとに久方ぶりに還り来て華奢なミュールは泥にまみれつ<br />
<br />
ふるさとに久方ぶりに還り来て変わった旧友(とも)と変われぬ我(われ)と
<br />
・工場の裏へ朝顔摘みにゆくリトマス試験紙作らんがため<br />
<br />
・干き潮の岩場にありて束の間のアクアリウムとなる潮溜まり<br />
<br />
・背後からあの子を押した掌に宿る魔物を知る滑り台<br />
<br />
・山田奉行跡に建ちたるスーパーのセールチラシは捨ててしまった<br />
<br />
・じりじりと後ずさりしてゆく虹を追いかけながら走る畦道
<br />
複雑に絡む悩みを背負いつつ月の砂漠へ単線の旅<br />
<br />
目の奥にマトリックスな幻想の螺旋模様の蝿取り紙が<br />
<br />
この匂い最高だねと夏空に深呼吸した田舎記念日<br />
<br />
夕立におはぎにスイカ縁側で足をのばして甘い酢の物
<br />
都会にて消防団を希望する熱い男にプレスリー臭<br />
<br />
もし君がカルタ名人になりたけりゃ田舎の郵便局員になれ<br />
<br />
雪国でどこのマダムと振り向けば冷麺すする色白美人 <br />
<br />
六本木ヒルズにいてもパソコンでローカル接続してるトラウマ
<br />
県道に初めてついた信号の渡り初めする我が老人会<br />
<br />
電線の終端に俺の家があるという小川のいつもの自慢<br />
<br />
法事だと電話してきた教頭がなぜか御輿を先導している<br />
<br />
日の暮れに県庁堀の緋鯉釣り卑弥呼先生に貢ぐ少年<br />
<br />
少年は泳ぎ疲れて赤津川沿いの畑の胡瓜もぎ食う<br />
<br />
かぶりつくトマトの汁が十三のあなたの口の端からしたたる<br />
<br />
海を知らぬ少女と二人松風の中で着衣を全て脱ぎ捨つ<br />
<br />
出車に立つ弟橘の像に似て悲しみ湛え俺をみつめる<br />
<br />
満月をてのひらに受け山門の仁王が俺の迷い断ち切る
<br />
みっちゃんのばあちゃん作の弁当に月一はあるイナゴの佃煮<br />
<br />
あの角を曲がればあった駄菓子屋のばあちゃんいつも怒ってみえた
<br />
?川沿いの小さなトンネルドシャブリの次の日の朝通れなくなる
<br />
旅立ちの朝にベンチの背もたれにGood-Byeと書く鉛筆で書く<br />
<br />
地図にない小さな橋を渡るとき欄干に置く私の時間<br />
<br />
中庭の百葉箱の陰に住むトカゲの花子よ元気でいるか<br />
<br />
はちみつの色に染まった屋根の上草笛を吹く少女のいる町
<br />
・駄菓子屋に寄り道しては二人して飲んだチェリオの甘さが恋し
<br />
無防備に出した桃尻蚊に刺されボットン便所でピシパシ叩く<br />
<br />
足の指しかも小指を蚊に刺され午前二時過ぎ 殺意を抱く<br />
<br />
耳元で挑発じみた蚊の羽音ついに勃発 蚊取戦争<br />
<br />
朝露に濡れた葉っぱに隠れてる真っ赤なトマトもいでほおばれ<br />
<br />
ふるさとは風の谷とか言う僕にラピュタが実家と言い切った君<br />
<br />
バス停の錆びた部分に手を触れて「お前も年か?」と言ったふるさと
<br />
場所説明 矢真飛聖さん
<br />
片付けることは一生ないのだろう どんなに小さく畳むとしても<br />
<br />
二十年、開かなかった辞典には実家の匂いを閉じ込めている<br />
<br />
田舎には足りないものが多すぎて要らないものが何もない夏
<br />
水張田が映した空をそらにして飛べないことを知らぬ合鴨<br />
<br />
痩せ細る村を深夜に訪れて励ますビリーズブートキャンプ<br />
<br />
妹のキャミのワンピは玉ねぎの横に干されてシュミーズだった<br />
<br />
パプリカの黄色を口に運ぶとき錬金術と思う肥溜め<br />
<br />
未来から来た少年かあさっての方向ばかり見つめておりぬ<br />
<br />
この尻は見覚えがある上京し女子■生になった恋人<br />
<br />
屋上に畑つくればふるさとに沈む夕日が見えそう みえた<br />
<br />
「ときどきは帰っておいで」同居する母よりセカンドライフの僕へ<br />
<br />
ふるさとに納められるなら税率を上げてもいいと思えない俺
-------------------<br />
母の生家にゆくたび我が名はかき消えて「紺屋のうちの孫娘」となる<br />
<br />
混乱は極まりにけりお向かいはイチゴ農家にあれども「鍵屋」<br />
<br />
七歳の母が怯えたお蚕の鋭き咀嚼の満ちていた部屋<br />
<br />
畦道の夜に光をこぼすためローソン上細谷店はあり<br />
<br />
どんな夢を見たらいいのか枕には「おはよう!スパンク」柄のカバーが<br />
<br />
屋根裏の細い窓から確かめる公民館がまだ一番高い
<br />
射精した瞬間 春のやわらかきザリガニ踏みしその日おもおゆ<br />
<br />
春一番がふきぬける別れのホームにてバーコード髪の教師も走る<br />
<br />
真夜中の鎮守の森の深奥(しんおう)で月光仮面に縛られている<br />
<br />
この村に嫁ぐ女はみな馬鹿と謡うおうなと飯を炊きいつ<br />
<br />
実りいるこがねの稲穂のまんなかに黄金バットのごとき百姓<br />
<br />
豊作を祝う祭りの汁飲めばゆウやけゾらはふっとうシていて<br />
<br />
日焼けしたおまえをおれは愛せない遠きふるさとの雪思(も)う聖夜<br />
<br />
吹雪きいる山の洞窟にほほえみの凍りしおうな 札束まみれの<br />
<br />
雪国の秘湯にちいさくたたずむるみの傘地蔵の笑顔やらしく
<br />
駅前の看板猫に似ていると訊けばどの仔も子や孫いとこ
神棚にロト6が刺さってるくらいの実家で育ったわたし
<br />
對岸の測量技師をにらみつつ祖父は危險な漁法を試す<br />
<br />
有線が嫌な予報をがなりたて蠅取り紙が空から垂れる<br />
<br />
スク水の君が手を振るその昔河童が立つた岩の上から<br />
<br />
三日間限りで村は萬華鏡 土間に小さな靴があふれて<br />
<br />
破れ舟に腰かけて見る白い海 今日は煙たい命のふるさと
<br />
合わねーと家を飛び出し兄は今 父の席にて日本酒を飲む<br />
<br />
大空に弧を描きつつ水飛沫ブールサイドのブレンバスター<br />
<br />
畦道を転ばぬ様に手をつなぐうつむく君と稲穂と僕と<br />
<br />
風に乗り旧家の跡地声がするオカエリナサイ「うん」サヨウナラ
<br />
公団の4Fの窓君探し夏はスーパーボールで狙う<br />
<br />
裏山の笹ほうほうと鳴る夜に窓より放つアトラスカブト<br />
<br />
路地に立ち両側に濃い橙のランプ受ければ少し狂える<br />
<br />
ナショナルの懐中電灯ふたつ揺らし畦駆ける夜の耳奥の声
<br />
護謨延びた母の下穿き折り重ね二階の窓を拭けば熱帯<br />
<br />
君の靴舐めたるシロの舌先を吸う校舎裏 間接奴隷<br />
<br />
正午来て痩せた街より立ち昇る火柱 君と丘で見ている<br />
<br />
緑色のタイツ纏いて川辺より父が河童に帰る遠き野
<br />
落人の里にも喫茶店はありインベーダーが隠れ住みおり<br />
<br />
前世はゾウガメですと告げられてガラパゴスへと兄旅立てり<br />
<br />
おしりまで濡れたと泣く子が泣きやんで我がくるぶしの蛭を指さす<br />
<br />
ひぐらしを異郷の檻で聞くている虫捕り上手と言われし男<br />
<br />
カステラとおはぎ供えた仏間から「ビールも置け」と誰かの声がす
<br />
庭先を掘ったらポチの骨が出て順序が逆で涙あふれる<br />
<br />
庭先を掘ったらビニール本が出て昭和の香りかぐわしき夏<br />
<br />
縁側に冷やしたスイカばあちゃんがうちわであおぐ初孫の僕
<br />
自転車で海まで走る 県道を潮の匂いがする方へ行く<br />
<br />
僕がからませた釣り糸をじいちゃんは一晩かけて元に戻した<br />
<br />
獲れたての蛸を土産に漁師たち 茹で上がったら鮮烈な赤<br />
<br />
振りかぶり遠くへ投げる 鰈との力比べの幕開けとして<br />
<br />
川釣り<br />
<br />
棹を折りそのまま消えた川の主 まだ誰も見たことのない岩魚
<br />
二時間で家出をやめて押し帰るチャリのライトがオレにぶつくさ<br />
<br />
少年が投げた水きり石疾り黄金の波紋ひく赤城山<br />
<br />
虫愛づる姫にささげし玉虫はひるまの月に還っていった<br />
<br />
リングプル、はりがね、カブトムシ(頭部)、洗濯前の夏のポケット
雨の日の土の匂いが好きだった ふたつ並んだ足跡に虹<br />
日が暮れるまでかくれんぼ 君だけが見つけてくれる場所で待ってた<br />
一番星見つけて名前をつける遊び 星の見えない町で思い出す<br />
私じゃない人と結婚する君よ夕日の色を覚えてますか<br />
削られていく土忘れられていく思い出いつか結婚する君<br />
それは夢で幸せな過去で記憶だった私は大人になってしまった<br />
虫取り網するりと抜けて別々の朝を描いていく二人です
<br />
庭先に新聞を敷き志村けんみたいに食べたばあちゃんのスイカ<br />
<br />
農道の脇に並んだ「ラブホテル反対」の幟(のぼり)は宣伝のごとく<br />
<br />
(ふるさと創生事業)<br />
スクラッチ一億円分削る時も給料は出る(残業手当も)<br />
<br />
鈴生りの柿の枝切り「持ってけ」と云うその顔は脅迫に似て<br />
<br />
北西の風が臭う日牧場を捨てたモー太は元気かと思う<br />
<br />
ふるさとと思えぬ街でふるさとと思わぬうちに土となる人<br />
<br />
唸り声あげて自動販売機は形の揃わぬ卵を守る<br />
<br />
「あま〜い」と書かれた直売所に座るかなり糖度の欠けたおばあちゃん<br />
<br />
ふるさとの厠も今は部屋のなか 離れには一人祖父が住むのみ
<br />
納屋のカギ誘われるように開いており 十字を切ってから声を掛け
<br />
縁側を十二往復転がってトマトの匂い嗅ぐ熱帯夜<br />
<br />
壁文を信ずるならば湯ヶ島は2007年 夏 浮上する<br />
<br />
三十路過ギシ我ノ生マレシ院ハ今「平日休憩三千円」ト<br />
<br />
国道を裂いて這い出た草達がふみころしてくれるものを待つ<br />
<br />
夕立の痛さに姫と踊る夏トトロは今のところいらない<br />
<br />
五の月は骸が精を放つ月アスパラガスに囲まれた土地
これまでに集めた名刺くべた火はとんぼの間を縫ってどこかへ<br />
砂糖なしヨーグルト舐め秋の山ポチかタロウとひさびさに会う<br />
川沿いの診療棟は踏み切りの向こうで明日も壊されぬまま
<br />
故郷捨て黒後家蜘蛛は罠をはる雷雨近づく夏の間に間に<br />
<br />
土砂降りの雨が透かした制服のブラウスの奥にふるさとがある
<br />
水苔の光る飛石そろそろと渡り見上げる河童色の空
出戻ってきました川よ あの人が今いる町にも橋は多いって<br />
汲み取りの便所に落ちるサクマ式ドロップス缶似の離婚届<br />
わが前にトラクターが来て「結局は家継いだんよ」と本田くん降り来<br />
ちちははも耳かきをタッチペンにして にっぽんの夏 DSの夏<br />
まだあったタオルケットで寝ていれば子が霧吹きの虹見せにくる<br />
いなかの子うちの子笑い入り交じりかくもさびしき見守るおとな<br />
ダムなんかじゃんじゃんつくれふるさとは滅ぼしてからおもうものだよ<br />
ゆく秋のもぬけのからのつばめの巣 はやまぼろしの夫(つま)の故郷(さと)かな<br />
ペーハー! と鳴く孔雀宛て酸性雨とおくふるさと金星から降る
<br />
北風は忍術のごとざわめきて演習林にむささびの飛ぶ<br />
<br />
「この村も闇が減つた」と縁側で足の爪など切るぬらりひよん<br />
<br />
早贄の刺さりし有刺鉄線にひかりの駆ける未舗装の夏<br />
<br />
またいつかこんな雪の無人駅でカステラみたいな会話をしよう<br />
<br />
手を振らむと車窓開けば地平へとレールを歩む君が背(せな)見ゆ<br />
<br />
農場は継がぬと叫(おら)ぶ伯父の葉巻寝(いね)つつ見ればサイロのごとし<br />
<br />
海沿ひの見慣れし車窓へととほく波の告げたる "You're a loser"<br />
<br />
虫籠の中の蛙は蒸発をしたように消えまた夏はゆく<br />
<br />
ほんたうのぼくは今でも境内でまあだだよつて叫んでゐるよ
氏神の境内に積む米俵今日は年貢の納め日なれば<br />
母の母その母さえも使いたる黒きダイヤル電話に守宮(ヤモリ)<br />
青年団宿舎の娯楽室の隅もう動かないPCエンジン<br />
拝み屋の女房お狸様の後家公民館のバザーへ急ぐ
<br />
郷愁を「田舎」に感じる人はまぁそこそこ幸せに育ったのだろう<br />
<br />
見たくもないあの頃のままのタジマ屋は醜い私の生誕の場所<br />
<br />
聞こえるの。追い詰めて来るあの娘らの馬鹿にする声いくつになっても<br />
<br />
大昔通った校舎が解体(ばら)されてみんなも一緒に死ねばいいのに。
<br />
夜も更けて始まる里の運動会 天井裏はネズミの天下
<br />
秘密基地第7号ついに崩壊す 故郷のソガ隊員からメール<br />
<br />
駅前の再開発で出てくるは牛替え神事の牛の骨かな<br />
<br />
故郷を石もて追ったボクだからこの書類には判子は押せない<br />
<br />
田舎者だからこそだまされたいの 池袋北口ホテル街うろうろ
なんとか10首詠みたいと思いますが、取り急ぎ。<br />
<br />
1.「むこう岸ついたら田舎へ帰ろうか」強く投げれぬ水切りの石<br />
<br />
2.ひさびさにいっしょのお風呂で青ざめる イトコの裸にまっくろくろすけ<br />
<br />
3.はやく来い一日三本きりのバスもうすぐ涙がこぼれちゃいそう<br />
<br />
4.無人駅ベンチのつぎはぎ座布団を母は言い張る「パッチワーク」と<br />
<br />
5.夕涼みやぶ蚊をつぶし血が滲む思い出したよボクは生きてる
<br />
県道に合宿免許の教習車わらわらと湧きふるさとの夏<br />
<br />
雨の日は蜜柑電車も雨宿り傘の先端そっとあわせる<br />
<br />
砂利道に光の結晶つもりゆき霜降る月夜と母におそわり<br />
<br />
故郷を追われし兄は冥王星の楕円軌道の何処で笑う
<br />
アルバムを開けばそこに牛舎から漂う風よ都会のアパート<br />
<br />
帰りたくない後押しをしてくれる終電はもうとっくに無いと<br />
<br />
地元組の結婚指輪を見渡せは昼ドラっぽいカップリングだ<br />
<br />
ふるさとに続く線路に耳をあて雨と蛙の歌が聞きたい<br />
<br />
岩手県産の野菜を手に取ってシーザーサラダに煮物はもういい<br />
<br />
右足のサンダル沈めた田んぼには戒名の無い墓石の豪邸<br />
<br />
路地裏の基地跡に建つマンションは秘密に出来ないほどの高さで<br />
<br />
麦わらとワンピース似合う美少女の「んだね」に萌えをおぼえた少年<br />
<br />
ご近所の消灯は早く満月に包まれ愛を語る二丁目<br />
<br />
<br />
<br />
以上10首、今月もよろしくお願いします!
<br />
×地元組の結婚指輪を見渡せは(←これです)昼ドラっぽいカップリングだ<br />
<br />
○地元組の結婚指輪を見渡せば昼ドラっぽいカップリングだ
<br />
<br />
電車待ち地味に飾りたロリヰタにメイドカフェとは如何なることか <br />
<br />
暗闇の光の乱舞追いかけてあくがれいずる我が魂(たま)いずこ <br />
<br />
あぜ道を踏み分け歩くその脚のフリルとレースは露に濡れつつ <br />
<br />
ふるさとに久方ぶりに還り来て華奢なミュールは泥にまみれつ <br />
<br />
ふるさとに久方ぶりに還り来て変わった旧友(とも)と変われぬ我(われ)と <br />
<br />
望月に満願成就の刻がくる古き社に響く槌の音 <br />
<br />
通りゃんせ遠く近くのあの声は逢魔刻に消えた妹<br />
<br />
乗り遅れ次の列車は半刻後ベンチの隅に話の花咲く <br />
<br />
空蝉の数を競いたあの夏を猫の土産にふと思い出す<br />
<br />
空に満つ羽虫の群を透かし来る朱色の影に都会を重ねる<br />
<br />
<br />
<br />
以上、よろしくお願いします。
<br />
どこまでも行ける気がした丘の上 入道雲は夏の入り口<br />
<br />
野沢菜がお茶請けになる信州でトマトが甘いことを教わる<br />
<br />
夕飯後みんなで星を見て散歩 犬よりはしゃいでいたあたしたち<br />
<br />
お蚕さん眺めて暮れた一日に絹の眠りが訪れていた<br />
<br />
ばあちゃんに禁止されてたスライムの緑に夏を閉じこめてゆく<br />
<br />
じいちゃんに教えてもらった花の名をこどもたちへと教える番だ<br />
<br />
この町がすべてだった日 きみのことすべてになった町を去った日<br />
<br />
いつの日もどこかでカレーの匂いする団地育ちと胸を張ってく<br />
<br />
住んでいた団地が近く無くなると聞いた 夕陽が遠くにじんだ<br />
<br />
以上10首です。<br />
よろしくお願いします。
--------------------------------------------------------<br />
<br />
帰郷して飼っていた猫に再会 剥製好きの父の新作<br />
<br />
言い伝え守らず 神の山に入り8年ぶりに下山した兄<br />
<br />
夏祭りのあと神社が焼けたのは実は俺だと回顧する兄<br />
<br />
ふるさとの蔵で見つけたカチカチボールで兄は再び腕を骨折<br />
<br />
秘宝館 自前のコレクションで飾る祖父は館長88歳<br />
<br />
封印を剥がして開けた石の蓋 河童のミイラ鬼の骸骨<br />
<br />
横井さんの真似をし続け三十年家賃が只といまだ住む友<br />
<br />
観光の目玉にミステリーサークルを作るか否かを決める集まり<br />
<br />
本場のイギリスに視察旅行に行く村の名士たちの鼻息<br />
<br />
擦り切れたオバQ音頭が連続で聞こえ眠れぬ蒸し暑い夜<br />
<br />
--------------------------------------------------------
----------------------------------------------------<br />
観光の目玉にミステリーサークルを作るか否かを決める集まり<br />
<br />
↓ ↓ ↓<br />
<br />
観光の目玉にミステリーサークルを作るか否かを決める寄り合い<br />
----------------------------------------------------
<br />
ふるさとはいづくにかありやシャングリラ・エデン・天竺 (おしえて海老蔵)<br />
出戻ってきました川よあの人が今いる町も橋が多いって<br />
わが前にトラクターが来て「やっぱなぁ家継いだんよ」と本田くん降り来<br />
ぼたもちを重たく食めばふと出ずる神社の裏に湿るグラビア<br />
ざぶとんの枕ごろりと夏座敷 子がホースもて虹見せにくる<br />
汲み取りの便所に落ちるサクマ式ドロップス缶似の離婚届<br />
ダムなんかじゃんじゃんつくれふるさとは滅ぼしてからおもうものだよ<br />
いなかの子うちの子笑い遠ざかりわがなかぞらをよぎる鳥影<br />
ゆく秋のもぬけのからのつばめの巣 はやまぼろしの夫(つま)の故郷(さと)かな<br />
ペーハー! と鳴く孔雀宛て酸性雨とおくふるさと金星より降る
<br />
暮れなずむ唐黍畑Sちゃんと慰安会とう夢へと急ぐ<br />
<br />
土壷へと怒りの石を投げこめば一呼吸おき黄なる洗礼<br />
<br />
遠泳の伴奏船にただ一人しがみつきたるプールっ子われ<br />
<br />
浜辺には生魚干す匂い満ち口で息せしころ懐かしき
<br />
遠泳の伴走船にただ一人しがみつきたるプールっ子われ
歌なんぞ詠んじゃおれない気にさせるお題の中の母の顔
<br />
魚くさき単線電車の終点に忌まわしくもないふるさとのあり<br />
<br />
ジモティと粘る語感が許せずに席立つ田舎風居酒屋<br />
<br />
故郷に初めてできたマックにて間違い探ししている我なり
<br />
金色に輝く腕を上下させ稲穂を守るC−3PO <br />
<br />
麦わらの帽子の中の思い出を幼なじみの風が飛ばした <br />
<br />
お土産に「月のひよこ」を搭載し帰省シャトルが出発します <br />
<br />
メタリックパールの羽は機械式 蜻蛉が星へ還る時代よ <br />
<br />
無秩序なfireworks 僕たちも年に一度は光になろう <br />
<br />
魔界都市新宿という故郷の魑魅魍魎は双子のママで <br />
<br />
錆びついたジャングルジムの頂上で天下夢見る信長の髭 <br />
<br />
故郷の匂いがします 屋根裏の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」をめくれば <br />
<br />
この味を嫁に教えてあげようと祖母が作った龍の手羽先
×魔界都市新宿という故郷の魑魅魍魎は双子のママで<br />
↓<br />
○魔界都市新宿という故郷の魑魅魍魎も双子のママで
<br />
五番目の駅をおりれば八月のカレンダーってこんな感じだ<br />
<br />
「父」という題で書かれた作文の舞台はきみも知ってる野原<br />
<br />
極端に少ないバスを待ちながら 麦わら帽子が様にならない<br />
<br />
まんなかで二十四時間ぴかぴかと畑を照らし続けるジャスコ<br />
<br />
窓際で半紙がひらひら揺れていて「夏の思い出」裏から読んだ<br />
<br />
雑草も名を呼ばれたい 繁茂する広場で、ラジオ体操のあと
<br />
?漆黒の田んぼを泳ぐ山月や我が忘れし幼心地よ
<br />
?ぱそこんがほしくてほしくてたまらねぇ・・・なににつかえばいいか知らんが・・・<br />
<br />
?PCを買ったじいちゃん練習でテレビの前でピアニカ叩く
<br />
?ゆぎちゃんもけいたい買った!めーるしよ〜!はっ!どこさいってもアンテナたたねぇ・・・
<br />
新<br />
?ぱそこんがほしぐでほしぐでたまらねぇ・・・なににづがえばいいが知らんが・・・
<br />
廃校になってダム湖に沈むんだ カイのシュートにきらめいたリング<br />
<br />
たったいまふみしめている故郷の土の匂いはたまらなくいい<br />
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わが村にインターネットは整備されうわさの伝播もフレッツ光<br />
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おごそかに秘密基地宣言をする 僕たちのセイタカアワダチソウ<br />
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ああ、これがウルトラの星ですかっ と、500年後の僕たちの失望<br />
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台風のちょくげきをうける故郷のニュースをみてる メールしてみる<br />
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だって、こんなっ蝉の声が凄い夏なんてっ 信じらんないしんじらんない<br />
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俺、虹のすみか知ってる って、あの日カイが教えてくれた鉄橋にいま<br />
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でも、この街を抜け出せないでいるのです GoogleEarthにさがす故郷<br />
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ふるさとはいづくにかありやシャングリラ・エデン・天竺 (おしえて海老蔵)<br />
都落ちの速度は300km/時 ふたり子を抱き『のぞみ』に揺られ<br />
汲み取りの便所に落ちるサクマ式ドロップス缶似の離婚届<br />
帰還兵を迎うるようにちちははは立ちをリ 錆びしバス停前に<br />
ぼたもちを重たく食めばふと出ずる鎮守の森に湿るグラビア<br />
ざぶとんの枕ごろりと夏座敷 子がホースもて虹見せにくる<br />
ダムなんかじゃんじゃんつくれふるさとは滅ぼしてからおもうものだよ<br />
いなかの子うちの子笑い遠ざかりわがなかぞらを鳥の影過ぐ<br />
ゆく秋のもぬけのからの燕の巣 はやまぼろしの夫(つま)の故郷(さと)かな<br />
ペーハー! と鳴く孔雀宛て酸性雨とおくふるさと金星より降る
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新<br />
?PCを買ったじいちゃん練習にテレビの前でピアニカ叩く<br />
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「練習で」を「練習に」にしました。何回もすみません・・・
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擦り切れたオバQ音頭が連続で聞こえ眠れぬ蒸し暑い夜<br />
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↓ ↓ ↓<br />
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擦り切れたオバQ音頭が繰り返し聞こえ眠れぬ蒸し暑い夜<br />
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リヤカーで黒はんぺんを売りにくるばあばを引いて沈みゆく夕陽<br />
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おじいちゃが最後に見たソラシの風が見えた気がしてハモニカを買う<br />
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田んぼの中ひかるホタルに10歳のわたしは恋をそっと放した<br />
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葬式も後回しですゴールデンウイーク中の茶摘みの時期は<br />
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茶畑が車窓に見えれば口をつく「だら」「だに」「だもんで」「やいやい」「しょんない」<br />
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赤ちゃんの泣き声よりもウシガエルおまえがうるさい里帰り出産<br />
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ふるさとのお茶の新芽の味がした離婚届のみどりのぶぶん<br />
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もういちど私を抱いて 新聞の袋に入れた駄菓子のように<br />
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ふるさとを思えば思うノスタルジーをエクスタシーと言ったO(オー)ちゃん
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田舎から街へと向かう里帰りツインタワーにただいまを言う<br />
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無人駅 錆びた電車の扉開き夕焼けだけが乗り込んでいく<br />
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つり橋がほわんと揺れてセーターの袖をつかんだ(初恋でした)<br />
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西瓜泥棒捜査本部が設置され派出所が活気づく夏の夜<br />
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半鐘をなくした火見櫓から眺めるあかい赤い夕焼け
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部屋中に並べたままのぬいぐるみ たぶんここにはもう戻らない<br />
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おまじないシールを貼ったままだった 今さら効いても困るんだけど
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田の神を招きたる晩に身籠りつ太郎の父兄参観日は 山背<br />
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だるまさんころんだまんま帰れずに地蔵小僧の白き前掛け<br />
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よそゆきのなりして戻る我がやども他所のごとくなり 鯨幕<br />
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知る人も識る家もなし山の上(へ)の墓地に百合の香おきざりにし<br />
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コンクリート育ち勝手に埋められし郷愁回路誰かはずして<br />
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ひとときの田舎ごつこをたのしみてけふもどこかの山里が死ぬ
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T&Cボンバーがまだ置いてあるレコード店に出口など無い<br />
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人力車がやがて来るだろう 一日に二本しかないバスを待つ午後<br />
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新妻は赤子のたまに乳を出す 街への列車に乗り込む前に<br />
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おんぶして家へと急ぐあぜ道に小さな頭の巨人が映る<br />
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内孫が般若心経諳んじる故郷はすでに他人の住処
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新妻は赤子のために乳を出す 街への列車に乗り込む前に
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盆正月避けたい道だが避けられず帰るに帰れぬ我がふるさとよ <br />
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なくなったふるさとの名をいただきて28年今日でさよなら <br />
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2キロ先にタバコを買いに歩いてる (ああ雨降ってきた ったくもう)<br />
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コンビニが自転車で行けるとこにある 僕と君との環境問題 <br />
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朝刊が来るか否かで田舎度がわかります これ試験にでます <br />
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姪産まれ3日知らない人々に「おめでとう」と言われるような土地 <br />
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帰省するたびに土産を持参する君が皆の節約妨害 <br />
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こんなにも食べれる雑草知っている彼の故郷は詮索しない<br />
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長靴をはいて砂利道の穴にはまらないでね いってらっしゃい
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錦など飾れぬ僕がせめて飼う金魚バケツの中でひと跳ね<br />
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アスファルト濡らす真夏のスコールの埃臭さに浮かぶふるさと<br />
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父さんの肩車から見た空の触れられそうな積乱雲よ<br />
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朝顔の観察日記すいか割り向日葵とせいくらべした夏<br />
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くちづけは氷イチゴの味でした祭囃子がふいに途切れて<br />
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だんべぇと国定忠治からっ風お国訛りはないつもりでも
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夫婦ゲンカいつ見てたのかしら 娘を叱ったら一言「田舎に帰る」<br />
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「俺の田舎は星がめちゃめちゃキレイだぜ」 東京だってネオンがキレイよ
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片足の鳥居の上に立つ男高天原を覗き見るのか<br />
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泥の濃い田んぼは顏がよく映るなんて不樣な俺なんだらう<br />
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新しい僕になりたい田舍家の樋の詰りを掻き出すやうに
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夕日蹴り初めてできた逆上がり馴染みないチャイムは淡淡と<br />
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蝉の凧風はなくとも高くゆく糸曳く祖父より受け取る秘密
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捨てるがに上京せしと語りける父の卒塔婆がからからと鳴る<br />
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帰郷せし祖父は静かに眠りいむ札幌市営里塚霊園<br />
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雨音のごとき葉擦れがゆるやかに午睡の岸に押し寄せて来ぬ<br />
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いつのまにか小さくなりし祖母の手に握り鋏はまろく光れり<br />
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紫雲英田(げんげだ)に花冠を編みしことわたくしの手は忘れざるなり<br />
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未来世の故郷を探す旅ならむ土に根を張るものになりたし
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我が家にはカラーテレビが10台と嘘吐いたからもう帰れない<br />
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サツキんちみたいな暮らしをしていたよ 私にトトロは見えなかったけど<br />
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蛍見たいなら家に来なよ あぜ道に蛍が飛ぶは県庁所在地
帰省した夜の宴ののち母は「背中に湿布を貼って」と照れる
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何もないところだけれど信号はひとつあるんだ嫁にこないか<br />
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大漁旗強くはためき女らはひねもすのたり海を見ており<br />
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乱雑に敷きつめられた海草が歩道を占拠している秋よ<br />
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老女らは初めてできたコンビニに行列をなしただ笑うだけ<br />
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午後五時のサイレンが鳴り子どもらの消えた空き地で星を見ている<br />
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僕たちのあの日の秘密基地になら戻ってみたい気が少しする<br />
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子どもらの祭囃子はまだ遠くマッチで建てた矢倉を燃やす<br />
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リアス式海岸的なしがらみに溺れたままでまだ生きている<br />
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あの日君が背中を向けたその街はまだ磯笛が響いています<br />
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名も知らぬ草に埋もれた嶋田家の墓に報告すべきことあり
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裏山の蜩シャワーを浴びに行くこんな失恋どってことない
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・いつの日か故郷へ戻るのかいイヴィツァ? 帰れる家があるのならばね<br />
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これで10首です。最後の2首だけギリギリになってしまった上、何か履き違えてるような気もしますが(苦笑)宜しくお願いします。
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となり町の「えびす屋」に売ってなかったらこの世のどこにもないのと同じ<br />
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回覧板くれたユミコのシュミーズのスイカの染みをおぼえてた夏<br />
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よろしくお願いいたします。
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境内で鬼さんこちらと呼ぶ声が孤独の不安募らせ泣いた<br />
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座敷屋の隅のばあちゃんは微動だにせずとも僕らのアイドルでした<br />
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閉鎖的田舎から出て行きたいの あたしは少女Aになるんだ<br />
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羽化を待ち親のつもりで見守るが空っぽだった揚羽の蛹<br />
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お兄ちゃん!あたしのコロッケ食べたでしょ! ダムの底から懐かしき声<br />
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あのひとの燈籠だけが流れない いいから早くお逝きなさいよ<br />
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「白菜を盗んだ者は退学」の布令が出ました 鍋がしたいです<br />
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ただひとつ心残りは解けなかった公園トイレの数式落書き<br />
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「起きてるかい」クール便にて届きたるおふくろの味温かい手紙<br />
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見慣れない番号からの留守電は縁切りをした幼馴染みの
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6.貼られずに集めただけのシールとか告げずに終わった恋つめた箱<br />
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7.いらないねスタバやオープンカフェなんておばあちゃんちの縁側が好き<br />
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8.孫たちが「あー!」とか「うー!」とか叫んでて祖父が困惑“こえだめ”の前<br />
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9.この駅に帰ればいつも前は海だから走っていけばいいんだ<br />
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10.いろいろな当たりを引いた駄菓子屋で引きそこなったあの子の気持ち<br />
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以上10首、よろしくお願いいたします。
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街じゅうに広い額があふれだす 知事の似顔がひかる宮崎<br />
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ふるさとをふるさとに住み思うこと 知事が教えてくれる宮崎<br />
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マンゴーと地鶏が県の特産であることを知る新知事になり<br />
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県庁が観光地へと変化して生まれてはじめて県庁へ行く<br />
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エビちゃんの実家をさがす休日に味わっているストーカー気分<br />
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台風の晩に小便するためにカッパ着込んで厠へ向かう
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怪事件発生すれば鉄砲をぱんぱん鳴らす駐在の青<br />
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三日月が揺らいでいます 百人のカールおじさん消える湖 <br />
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短ランとボンタン纏い古井戸にキャベツ太郎を投げる八月<br />
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影踏みの鬼が涙を流すときゴッドファーザー響く畦道
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森のくまさん歌いつつ待っているこの山道にJAFが来るまで<br />
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じいちゃんの背中の傷のところだけそうっと洗うボスキャラの孫は<br />
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すみません。前回分の訂正をお願いします。<br />
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ひぐらしを異郷の檻で聞いている虫捕り上手と呼ばれし男<br />
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よろしくお願いします。
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殿さまのパレード見る日はみな休み城はなくとも百万石の華<br />
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今はなきかつては在りし学舎(まなびや)の東京行きは高速バスのみ筑波シティ
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つまらないこんな田舎の故郷でも離れて分かる自分の弱さ<br />
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辛いとき俺の心の片隅で地元のツレが支えてくれた