2007年04月13日

お題発表 「春」

ちょっとバタバタしているので、
いきなり「お題」を発表させて頂きます!

次のお題は?

いましかやれないお題です。

「春」

です!!

_______________________________________________________

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(イラスト・中川悠京)


<笹公人師範による模範短歌>


耳長き転校生はテラ戦士。春になったらたしかめてくれ


入学式のひかりに満ちた校庭の誰も時空を逃れられない


虚無僧が過ぎてゆくのを待ってます。春の座敷に正座しながら


負傷した西郷どんが昼寝するほの暗き春の保健室なり


青春の傷はときどき疼くからクレアラシルは捨てられずある



__________________________

短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、安心して記入して下さい。)


では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。

【笹流の理想短歌基準】

単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、良い「短歌」です。

あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。

1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか

________________________


投稿数は、1人につき10首までとさせて頂きます。

締め切りは、
4月30日(日) いっぱいまでとさせて頂きます。

__________________________

お知らせです。


4月16日(月)
WEBマガジン「ポプラビーチ」
にて、直木賞作家・朱川湊人氏とのコラボレーション連載
朱川湊人(小説)×笹公人(短歌)
遊星ハグルマ装置
がスタート!
タイトルイラストは、諸星大二郎先生!


セイコー株式会社「時の記念日」企画
セイコーのある風景
投稿いただいたエピソードの中から3名の作品が、
作家(窪田僚・朱川湊人・笹公人)の手によって
ショートストーリー(短編小説・短歌)に生まれ変わります。
たくさんの投稿をお待ちしてます!

天久聖一さんによるお手本の小説
「中年おセンチ物語」も最高です!
(「作家が綴るセイコーのある風景」をクリック)


4月18日(水)
わしズム』(小学館)発売
連載「タイムスリップ31」
今回のテーマは。「昭和の戦隊ヒーロー」


4月21日(土) 18:30〜20:30
朝日カルチャーセンター
穂村弘さんとの公開講座
「現代短歌の作法」

会場にて、
var_20070413172106.jpg

『納豆の大ドンブリ』
めくってびっくり短歌絵本 5
『納豆の大ドンブリ』 穂村弘・編寺門孝之・絵 定価1,470円
(本体1,400円)

を特別販売いたします!

※サイン会の時間も設けます。


4月28日(土)13:00〜15:30
笹公人が参加している
『現代短歌最前線 新響十人』(北瞑社)
刊行記念公開シンポジウム
「短歌は燃えているか」に出演。
場所 家具年金開館(板橋区板橋4-2-3)TEL03-5375-8181
都営三田線新板橋駅すぐ前、JR板橋駅徒歩5分  
会費 千円


朝日カルチャーセンター講座
念力短歌のつくり方
鑑賞と実作 笹  公人 
5/26、 6/9
土 18:30〜20:00

受講者募集中!
ぜひご参加ください!


よろしく哀愁☆
posted by www.sasatanka.com at 16:46| Comment(86) | TrackBack(1) | 「お題」発表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「春の字は三人の日と書く」つぶやくオヤジにムスコの蹴りが飛ぶ
Posted by 団塊の弟 at 2007年04月13日 23:51
終わるからこんなに綺麗なのかもね失恋話桜を見つつ
Posted by 長田絵理子 at 2007年04月14日 01:53
伊勢物語つながりでもう一首。早い者勝ちと言うことですみません。<br />
<br />
世の中に絶えて花粉のなかりせば 春の心はのどけからまし
Posted by 長田絵理子 at 2007年04月14日 02:18
今春より廃校になりし小学校にオバケの子らの入学式始まる<br />
<br />
ソメイヨシノにメシベなく咲く男子校に春入学す桜の幹蹴る
Posted by 紫塚れを at 2007年04月14日 11:36
すみません。ソメイヨシノにメシベはありました。メシベは退化し機能しないようなのです。短歌の削除よろしくお願いします。
Posted by 紫塚れを at 2007年04月14日 13:38
春の闇をゆっくりと吸いつづけて新人の舞妓さんの紅いくちびる艶やかになる
Posted by 紫塚れを at 2007年04月14日 22:31
瑕のない玉には皆が飽き飽きで桜の下には死体の噂
Posted by 長田絵理子 at 2007年04月15日 15:49
・加茂川の水あざやかに映したる空一面に散る桜花<br />
<br />
・葉桜になるより早く書き終えよ「春めきまして」で始めた手紙<br />
<br />
・はつ潮は物憂きうねり伴いて少女に青き春の訪れ<br />
<br />
・飛び去りしテントウムシの残したる卵を抱いて揺れる雛菊<br />
<br />
・たんぽぽの綿毛飛ばせば落下予測地点にきっと君は待ってる<br />
<br />
・名鉄の赤い車輌に乗って行こう このホームから始まるシーズン<br />
<br />
・キックオフ二時間前より席で待つ吾が傍らを蝶々は過ぐ<br />
<br />
・唐突に『杉と檜のスパゲッティ』思いついてはクシャミ一つする<br />
<br />
・久方の光のどけき公園でクラスメイトはシンナー吸えり<br />
<br />
・父が持ち帰りたる花見団子など茶を啜りつつもくもくと食う<br />
<br />
以上10首です。宜しくお願いします。
Posted by 魚虎 at 2007年04月15日 22:10
1 一瞬で猪木の真似をする人と春一番が残す傷跡<br />
<br />
2 暖房が壊れた冬に手をかざし待つ波動砲。地球に春を<br />
<br />
3 マッチ売る少女がみんな絶望に突き落とされる温かき春<br />
<br />
4 銀盤の少女らが舞う春知らぬ冬将軍のやわらかい場所<br />
<br />
5 だんだんと白くなりゆく生え際を少し光らす春のあけぼの
Posted by 帯一 鐘信 at 2007年04月16日 03:01
一段と驚く顔の目が開く春はびよーんびよーんと来る<br />
<br />
 春色の列車がどれかわからない負け犬探す俺に木漏れ日<br />
<br />
 春という言葉になぜか敏感になってる俺の洞穴住居<br />
<br />
 春だからおかしな人があふれてる理由を俺はなぜか知ってる<br />
<br />
 二人きりされて言葉に詰まってる春待つ部屋に2月のこよみ
Posted by 帯一 鐘信 at 2007年04月16日 06:09
すみません。訂正です。<br />
 二人きり、言葉につまり春を待つ部屋は未だに2月のこよみ
Posted by 帯一 鐘信 at 2007年04月16日 14:52
こんちには。よろしくお願いします。<br />
<br />
となりどォしあなたとあたしさくらんぼ――夢の中で春は始まる<br />
<br />
グラウンド体育教師へコウノトリ育む愛の保健室ベビー<br />
<br />
宇宙人みたいなあなたを愛してる火星と木星の春、みたいにさ<br />
<br />
暮れなずむ光と影の海援隊去るもの追わず来るもの拒まず<br />
<br />
嵐舞うサボテンの針に花びらが突き刺さったまま腐りゆくかな<br />
<br />
お前なんか好きじゃないぜと電話くる四月一日「・・・嘘つき。」<br />
<br />
春を売る少女の股をたくしあげ十二・二十四渋谷で聖夜<br />
<br />
いつまでも待ってるからね渡り鳥鶯谷の駅のホームで<br />
<br />
空を歩む朗々と月ひとりネオンをくぐり銀座の夜へ
Posted by regimantas at 2007年04月16日 20:23
死ぬ身とは未だ識らない子供らが驅け囘る地を春の朧の<br />
<br />
腹を出し巧みに媚びる野良猫とはつかずはなれず歩む春の日<br />
<br />
緑色の硝子のかけらちりばめて銀杏は今日も早起きですね
Posted by 酒井景二郎 at 2007年04月16日 21:09
?凩に肩すぼませて歩けどもキミのよこなら「春」とよびたい<br />
<br />
?春凪がボクにヒトコトいわそうときらりきらりとせなかをつつく<br />
<br />
<br />
<br />
今回もよろしくお願いします。
Posted by 104hero at 2007年04月18日 12:33
負傷してシベリアに帰れぬ白鳥の首あまりにも鵠企なるかな
Posted by 紫塚れを at 2007年04月18日 21:56
あたたかい春の陽浴びてうまれ出づ雪だるまさんの腹の中から<br />
<br />
桜花散りゆく頃の地下室に男の前歯が飛び散りにけり<br />
<br />
春の夜の庭園のしだれ桜にて逆さ吊りなり江戸屋猫八<br />
<br />
ラブホテル「ブルー・ローズ」で三人の青春いっしゅん放たれて死す<br />
<br />
美(は)しき瞳(め)の新入社員を呼ぶときに春日井課長の声甲高し<br />
<br />
「おじちゃん」と娘(こ)が呼ぶおとこと今年また雛人形が見つめる部屋で<br />
<br />
春昼や桜並木を通り過ぐ離婚届を花びらにして<br />
<br />
一年中白花咲かすこの花を古(いにしえ)の世はサクラと呼びき<br />
<br />
春場所の最前列に見つけたり紅葉(もみじ)みに行きて帰らぬ妻を<br />
<br />
春一番が街を吹き抜け静脈の透けしふとももをさらってゆけり<br />
<br />
  以上の十首です。よろしくお願いいたします。
Posted by かわら at 2007年04月19日 22:33
「春の色、染めにし時を、懐かしむ。<br />
         <br />
         ここに我あり、気付いておくれ」<br />
<br />
「君の色 染めし心も なきにけり、<br />
            心ならずと、話にけりに」<br />
<br />
<br />
「パステルの 匂い誘われ 寄り道を<br />
<br />
           しては心は 君にありきよ」<br />
<br />
「待つのみぞ、待つのみの身は 枯れ果てて<br />
           今ではさみし 葉桜のみぞ」<br />
<br />
<br />
「もういちど、あいたひなあと 想うのに<br />
<br />
        舞うはいつもの ミツバチのみぞ」<br />
<br />
「一夜待ち、もう一夜待ち、眺めしも<br />
          気付けばそれは、散りゆく桜」<br />
<br />
「声かけて、ほしいと願う うぐいすに<br />
<br />
          はかなき想い、届かずにいる」<br />
<br />
「待ち飽いて 恋せし君よ 遠ざかる<br />
            菜の花の色 眺める島に」
Posted by 薄紅 遙歌 at 2007年04月20日 08:32
まなうらに「ゆ」の煙突を浮かべれば去年と同じお花見になる<br />
<br />
ホームにて会食デビューする母は丸い背中に春着こなして<br />
<br />
蒸しあがる新玉ねぎは透きとおり春のとばりの降りるキッチン
Posted by 秋野道子 at 2007年04月20日 08:47
春色の装いをするなにもかも便座シートに春のしみつく<br />
席替えにお百度参りする日々よ 全部春のせい?マエダリコのせい?
Posted by やましろひでゆき at 2007年04月20日 10:06
春の日に廃線となりし車掌の眠りの夢に線路のつづき<br />
<br />
捕獲されたホタルイカの青い灯ざわめく夜ルパンがそっとサファイア盗めり
Posted by 紫塚れを at 2007年04月20日 20:31
男塾 校門前の 桜木の 根元に眠る 業の亡骸<br />
<br />
5回目の 桜を過ぎても 変わらない 君への想いと 楠田枝里子と<br />
<br />
花の席 会場包む 熱気あり 桜の中の ペー・パー探し<br />
<br />
うたた寝で 時間を搾取 する彼の 日めくりはまだ 1月のまま<br />
<br />
この春に 赴任した先の 校庭に 咲き乱れてた 青色の桜
Posted by タイラー&トマソン at 2007年04月21日 12:59
引き継ぎにホントに必要なあれやこれ電車の中でじっくり指南<br />
引っ越しでリセットしようと決めたのに転居届けを出している春
Posted by やましろひでゆき at 2007年04月21日 22:48
艶めかしい嘘を残して去ったんだ 植樹した木と僕との関係
Posted by 周之 at 2007年04月22日 02:49
かつてない春一番で妻が飛び 次は頭を押さえる熟年
Posted by 周之 at 2007年04月22日 03:13
なんだってかまわないけどひとつだけ 三つ葉の9は夢であってよ
Posted by 周之 at 2007年04月22日 03:53
桜降るフロントガラスに描かれるFINE(フィーネ)を二人見守っている<br />
<br />
本年度最後の桜のひとひらを恋と名づけて文庫にはさむ<br />
<br />
おーいお茶買ってひとりの夜桜に二十歳の窓から風が吹きくる<br />
<br />
桜木も桜を愛でて酔いどれる人も見えないグーグルアース<br />
<br />
薄ピンク色の上空眼をこらす桜前線北上途中
Posted by ラブタイタイ at 2007年04月22日 10:32
元気よく弾む音符になれなくて春のよき日に全面休符<br />
<br />
足元でここにいるよと声のするナズナ小さな三角を振り<br />
<br />
水玉のフレアスカートふうわりと春の野原に楕円を描く<br />
<br />
背中から抱きしめられて今わたし羽化をはじめる蛹のように<br />
<br />
一面のシロツメグサにくすぐられ泣き笑いした春のあぜ道<br />
<br />
指切りは絶対じゃないまして春一期一会で行過ぎるもの<br />
<br />
春おぼろ時空の溝で溺れてるわたしの滑車を回して欲しい<br />
<br />
3月の風に揺らめく影ありて後ろの正面あなたを発見<br />
<br />
確率は1/1000000らしい親ゆび姫の棲むチューリップ<br />
<br />
過ぎし春つぼみのままの君を折り僕のポッケにねじ込んだ罪
Posted by 暮夜 宴 at 2007年04月22日 15:42
櫻散り いさぎよささを見せ付ける 毎年毎年秋もせず
Posted by 団塊の弟 at 2007年04月22日 21:35
すいません 誤字がありました<br />
<br />
 「秋もせず」 ではなく 「飽きもせず」 でした
Posted by 団塊の弟 at 2007年04月22日 21:38
・履きなれぬローファー脱いで足湯する君が「こっち」と呼ぶ声 ふるさと<br />
<br />
・独房に運ばれる今日の朝食とポピーの切手が貼られた手紙<br />
<br />
・桃色のミュール弾ませて階段を駆け上がるシンデレラリメーク
Posted by 朝倉ここ at 2007年04月23日 01:09
隱し事だらけの手帳破り捨て春の眞中に墜落しよう<br />
<br />
ピューと吹く!ジャガーな氣分 青春のけものみちからまだ出られない<br />
<br />
花筏枝で割る君の背中からばれはじめてる戀のくはだて<br />
<br />
櫻菓子竝ぶデパ地下くぐりぬけ春のふところ淋しくなりぬ<br />
<br />
韻を踏む餘力もなしとたふれこむ春の布團の生ぬるきかな
Posted by 酒井景二郎 at 2007年04月23日 22:34
桜まで天に向かって散るなんて無重力にもほどがあります<br />
<br />
世界には光があふれストロベリーシェイクで君を汚したい春<br />
<br />
もう嘘はやめてください 舌のない四月生まれの鳥が啼いてる<br />
<br />
花びらと目が合ったなら逃げなさい 僕らを襲う春のピラニア<br />
<br />
制服を脱がせないまま春色のルージュに僕がほどかれている
Posted by 松本響 at 2007年04月23日 23:44
君の目に映る世界の眩しさににょきり顔出すつくしん坊主<br />
<br />
新しき帽子の先に散り桜パチリと残す未来の君へ<br />
<br />
うまい酒入ったからと兄の声故郷の桜満開を知る<br />
<br />
春のよに優しい人と言われてた借金だけを残した父は
Posted by 水面走 at 2007年04月24日 00:43
足もとの カラスノエンドウしみじみと 胎にしみこむ肉色の花
Posted by 団塊の弟 at 2007年04月24日 19:06
まだ肩が浮いてる君の新しき制服嗅いでおババ充電<br />
<br />
さくら散る悲しまなくていいんだよゴージャスに咲くきみ八重桜<br />
<br />
新しきヒト仕事モノ囲まれて疲れたら君ここでお休み<br />
<br />
本名を呪いたくなる名前書き画数多けりゃ悪筆バレぬ<br />
<br />
菜種梅雨いつまで寒く降り続く熱き酒肴と胸板恋し<br />
<br />
ほろろんと誰弾くとなく響く弦春の河原にひとりレッスン<br />
<br />
猫サマが夜な夜なデート騒がしく乳飲み子に声似てて起こされ<br />
<br />
ふきのとう筍菜花セリセロリ春の野菜は失恋の味<br />
<br />
ホルモンが身体の中を駆けめぐる良くも悪しくも春爛漫の<br />
<br />
生活に疲れて足を止めるのは花屋の前の可憐なブーケ<br />
<br />
新しき暮らしイキイキさせるため古き紙など潔く捨て
Posted by 蝶ちゃん at 2007年04月25日 11:26
始まりの確かな予感 春先のひなたで恋は発見される<br />
<br />
時間のない桜の海に立ち尽くす君への視線もうごまかせない<br />
<br />
芽吹くその瞬間にただ焦がれつつ雪を静かに静かに融かす<br />
<br />
のぞき穴からたんぽぽが咲き乱れ告白せよと急かされている<br />
<br />
今はまだまどろみにいるようなまま春のうららに笑い合えれば<br />
<br />
爪先で触れ合う恋人手前の距離いつか花咲く春色ペディキュア<br />
<br />
ポケットには春がつまっているのです 初めて指を絡めあった日<br />
<br />
<br />
新しい空の下を歩き出す初め一歩(隣には君)
Posted by はせがわゆづ at 2007年04月25日 18:43
この地球(ほし)の上で不幸は起きていて 見上げた空は春うららなり<br />
<br />
記念写真怒った顔して写ってたセーラー服の似合わぬ彼女<br />
<br />
赤い目を「花粉のせいで」と言い通す目薬も効かぬ春の不運に<br />
<br />
西行の辞世の句のパロです。<br />
夜桜を見る人のことも考えて満月が照らす首吊り死体<br />
<br />
この地球(ほし)の上で不幸は起きていて 見上げた空は春うららなり<br />
<br />
記念写真怒った顔して写ってたセーラー服の似合わぬ彼女<br />
<br />
赤い目を「花粉のせいで」と言い通す目薬も効かぬ春の不運に<br />
<br />
「性欲を信じれるなら幸せよ」春の盛りの猫になりたい
Posted by 長田絵理子 at 2007年04月25日 23:53
すみません、上の投稿はコピーペーストに失敗して同じ歌が2回入っています。<br />
お目汚し申し訳ございません。
Posted by 長田絵理子 at 2007年04月25日 23:55
暖かい春の花冷え 優しさが無ければこの身を震わさぬものを<br />
<br />
春色のコートを出して袖を通すことなくしまう 忘れぬように<br />
<br />
風に乗り桜の花が舞うたびにヘンゼルはまた元の道行く<br />
<br />
質問をされて質問で返した園長先生の春一年目<br />
<br />
春キャベツ新たまねぎを買いに行く毛玉の付いたセーターのまま <br />
<br />
バス停のたびに両目を泳がせる女生徒が一人 また春が来る<br />
<br />
幸せを祝うツバメの巣を落とし乙女のようにはしゃぐ雀よ<br />
<br />
前輪をもがれて二度と動かない車に桜の花びらが落ちる
Posted by あきえもん at 2007年04月26日 07:26
申し訳ありません、訂正お願いします。<br />
<br />
新しい空の下を歩き出す初め一歩(隣には君)<br />
↓<br />
新しい空の下を歩き出す初めの一歩(隣には君)
Posted by はせがわゆづ at 2007年04月26日 08:56
沈丁花香る夜道をフーテンの寅さんになって旅をしてをり<br />
<br />
春キャベツ一枚はがす指先に(罪じゃないよ)と教えてあげる<br />
<br />
ゆですぎた菜の花のような身をひとつ畳にあずける湯上りの女<br />
<br />
ハタ坊の旗の横から新芽出てぐんぐん伸びる春がきました<br />
<br />
春空へ、君へと近づく一歩ずつ モザイクモール観覧車に乗り
Posted by ラブタイタイ at 2007年04月26日 19:04
人間の飛散量増す時季なればくしゃみのごとく大地揺らぎぬ<br />
<br />
右上手掴むまわしの幹黒きさくらを連れて来し春画売り<br />
<br />
常春の群れ棲む街に数多なる貸し出し中のアダルトビデオ<br />
<br />
良くいえば優しいんやけど春野菜サラダみたいで物足りひんねん<br />
<br />
一年後「現役アイドル」の肩書きでアダルトビデオを出すためのデビュー<br />
<br />
きんいろの薄いスプーンで掬われた心地がしてる 恋なんだろう<br />
<br />
しめやかな春雨だけが涸れ井戸の底にこごった冬をほどける
Posted by カー・イーブン at 2007年04月27日 00:28
先生の後ろから来た春小僧 これから飛び交う声に構える<br />
<br />
春風に乗って来るから火曜日のゴミに丸めたティッシュが増える<br />
<br />
真夜中に戯れ春売る紫のスイートピーは背伸びしている<br />
<br />
学ランのカラーも肩もカチコチの男子の群れが剣山と化す<br />
<br />
頬かすめ木々の緑を吹き抜けた春一番が「元気ですか」と<br />
<br />
図書館の窓からのぞく桜色なびかれ手に取る村上春樹<br />
<br />
肩寄せるラッパ水仙お互いを求め合うかのような口づけ<br />
<br />
春の陽に包まれ引っ張り出してきたコマを片方外した自転車<br />
<br />
たんぽぽが地面を割って育つから私も咲いてみたいの、多分<br />
<br />
携帯の電話帳に増えていく見慣れぬ名前の顔がわからず<br />
<br />
<br />
以上10首でよろしくお願いします。
Posted by ももや ままこ at 2007年04月27日 00:39
また会えたつくしタンポポ菜の花を映す川面に迷子のアザラシ<br />
春の夜にマツモトキヨシを訪れてシャンプーのほか買うものはなし<br />
「中学の同級生に似ている」とまたも云われむ知らないひとに<br />
アカペラで校歌うたえばぬばたまのオタマジャクシに足生えはじむ<br />
入社してすぐの旅行で同室の誰かと見てた「クレヨンしんちゃん」<br />
「花を見に行きます 母より」残されし金魚の餌と携帯電話
Posted by 水野加奈 at 2007年04月27日 07:17
新しい世界に飛んで行きたいと思えば思えど辛くなりけり<br />
<br />
*いちニートの春を詠んだ短歌です。
Posted by ゆかり(『かのこ』改め) at 2007年04月27日 07:59
春がきて出会ってしまった君の目を直視できずになる花粉症<br />
<br />
新しい靴下買ってきた夜に正しい暮らしをしようと思う
Posted by 村本百足 at 2007年04月27日 08:30
忽然と菜花の色のインコ居り種や仕掛けを探すベランダ<br />
<br />
唄う吾の写真一葉春うらら蘇りくるムンクの「叫び」<br />
<br />
蝶々は羽根を閉じます眠るとき 赤ずきんちゃん膝閉じなさい
Posted by 秋野道子 at 2007年04月27日 09:01
曲がり角で食パンくわえた美少女とぶつかることなく春は過ぎ行く<br />
<br />
頬杖の君が降らせるグラニュー糖 春の雪として紅茶と混じる<br />
<br />
飛行船を見上げるためにあおのいた 嵐なんてない春の真昼に<br />
<br />
期待どおりの日々は来ないね 春一番なんかに負けず靴をおろした<br />
<br />
つま先で綿毛をみんな蹴散らせば春の陽の中にほどかれてゆく
Posted by 砺波湊 at 2007年04月27日 18:54
新緑の萌える県営球場にすくと浮きたつ白線の白<br />
<br />
芽吹く青避けて始める草野球ひとりふたりと駆け出してゆく<br />
<br />
新しい歯車になる春が来て時計の鳩は巣にひきこもる<br />
<br />
今夜こそ炬燵をしまうつもりだがさかりのついたネコがうるさい<br />
<br />
やわらかい夜のわたしは今朝きみと摘んだイチゴを甘く噛みつつ<br />
<br />
手のひらに花びらが舞い落ちてきて手つかずのまま春はすぎゆく<br />
<br />
ハマグリのように背中に貼りついた花びらだからそのままにして<br />
<br />
花吹雪舞う公園であの人はくノ一みたく消えてしまった<br />
<br />
春に似た季節のようで春でなく恋だったのだ もう戻れない<br />
<br />
ブラウスのボタンとボタンのすきまからお花畑が見えた ピンクの<br />
<br />
<br />
以上、よろしくお願いします。
Posted by 嶋田電気 at 2007年04月27日 19:25
春の夜の時計屋が言うさあどうぞ好きな時間をお持ちください<br />
<br />
夕暮れがゆっくりと来る春だからたゆたっているブランコの上<br />
<br />
『春の雪』返せないまま色褪せてゆく背表紙をときどき撫でる<br />
<br />
海からの風おさまりし春の午後とびら開けばみずの匂いす<br />
<br />
「降参」のメールに笑みはひろがりて春の勝鬨橋を渡りぬ<br />
<br />
制服の肩にひとひら春をつけ子は地下鉄の一駅を乗る<br />
<br />
長身を時に反らして<春>を弾くヴァイオリニストの美しき指先 *美しき=はしき<br />
<br />
青年の腰で揺れたる鍵束のやわき音聞く春のサロンに
Posted by 瑞紀 at 2007年04月27日 22:35
いままではそんなつもりじゃなかったがワンピースから息吹漂う
Posted by 周之 at 2007年04月28日 01:58
手作り風抹茶フルーツわらび餅パフェなんかより春って何かな
Posted by 周之 at 2007年04月28日 02:16
シンコペイテッド・クロックを弾くうちにドロップの中舞い込んでいく
Posted by 周之 at 2007年04月28日 02:28
吾の中の春なぞとうに無くなりて日溜まりの中ささくれをちぎる<br />
<br />
米を研ぐ水道水の冷たさに気付かぬ朝は春の始まり<br />
<br />
お散歩の列から離れ泣きじゃくる園児がひとり(去年はふたり)
Posted by あきえもん at 2007年04月28日 06:52
樹齢八〇〇年の桜の木霊に我恋すれば桜の幹に吸われゆくかも
Posted by 紫塚れを at 2007年04月28日 10:36
晴れの日が世界で一番いい日ということではないので諦めて卒業<br />
ふきのとういっぱい踏んだ?まだ時差が面白くて仕方ない彼方より<br />
太っちょのあの子がいつかくるという氷河期をただ気にする春だ<br />
日曜の畳に告げる着たくって眠れないドレスなんてなかった<br />
初春の寿司職人の名札に光る『趣味はパン作り』ごちそうさまです<br />
シュノーケル越しに新入りうぐいすと洗濯物をななめ見る春<br />
王室の庭園長は降る雨に紅茶淹れつつあだ名考える
Posted by かぶともし at 2007年04月28日 11:21
どうみてもポメラニアンが懸命にメガマック頼む店内の和み
Posted by かぶともし at 2007年04月28日 11:43
腹痛を訴えたいがあのひとの今年の春は東京の春<br />
 <br />
卓上がピンクに浸食されていくとてもただしい少女の春だ
Posted by 末松さくや at 2007年04月28日 14:49
赤んぼの泣く声のする花冷えの朝に鞄をタクシーに積む<br />
<br />
高速のバスから見える港にて春の大潮待っている船<br />
<br />
席に着きベルトを締めよジェット機は春の嵐に突っ込んで行く<br />
<br />
宙吊りの心のように春風に吹かれ揺れてる午後のブランコ<br />
<br />
春の朝レジの少女が添える手の温もりとともに渡す釣り銭<br />
<br />
また春が綿雲に乗りやってきて俺の心をかき乱してる<br />
<br />
眼鏡掛けダークスーツのおじさんが並んで頭を下げる早春<br />
<br />
早春の冷たい風に遊んでるヒヨドリ映す午後のカーテン<br />
<br />
花びらの降るなか女がふたり来てインターフォンに告げる福音<br />
<br />
おおいぬのふぐりの花の空のいろ映す川面に春風光る
Posted by 新井蜜 at 2007年04月28日 16:11
割れそうな恋の卵を温めていちから育ててみたい春です<br />
<br />
フルーツのにおいの風が吹き抜ける 春休みには恋が宿題<br />
<br />
上着など持たず出かける 春風は優しく甘い指を持ってる<br />
<br />
蝶々に案内されて公園の特等席にきみと座った<br />
<br />
ここからは裸足になって歩きましょ たんぽぽの国 風のふりして<br />
<br />
「リラの花はもう咲いたかい?」 ムーミンのもとにギターの彼が戻って<br />
<br />
春にだけ通じる暗号みたいだね ピクニックとかハイキングとか<br />
<br />
海へ行く赤い電車はすいていてレンゲ畑を置き去りにする<br />
<br />
あたらしい方に行くのも悪くない 猫のしっぽの方角に花<br />
<br />
ドロップの缶から続けていちご味出てくるような日曜日です
Posted by 小野伊都子 at 2007年04月28日 18:21
すみません。訂正です。<br />
<br />
あたらしい方に行くのも悪くない 猫のしっぽの方角に花<br />
<br />
      ↓<br />
<br />
あたらしい場所に行くのも悪くない 猫のしっぽの方角に花<br />
<br />
です。よろしくお願いします。
Posted by 小野伊都子 at 2007年04月28日 18:24
めぐりくるはるはしずかでちっぽけでロボット兵士の掃除の季節<br />
<br />
ここにいる全員の首がすぽぽぽぽんと飛ぶ空想する春の朝礼<br />
<br />
天井の照明すべてがっちゃんと落ちる空想する春の朝礼<br />
<br />
春風にくすぐったそうに揺れているたんぽぽよ聞け 親父が癌だ<br />
<br />
1チーム1機限りのロボットがヒット 春日部共栄先制<br />
<br />
うららかなこのひだまりはコンビニで買ったグリコのおまけのおまけ<br />
<br />
名残り雪窓辺を白く染め上げて二人のために枯れるサボテン<br />
<br />
「今年の春はたちが悪いです気をつけて」確かに。会いたくてたまんない<br />
<br />
さみだれに誘われるまま消えてゆくさそり シンクに沈む我の手<br />
<br />
雪解けの曲がり角にて錆びきったロボット兵士の腕を拾った
Posted by ヤマダワタル at 2007年04月28日 19:16
以上10首。初投稿です。よろしくお願いいたします。
Posted by ヤマダワタル at 2007年04月28日 19:18
五月などお呼びぢやないと言ひ放ちヤケな精神構造の春<br />
<br />
オロナミンCのハフラウ看板が昭和の春から微笑みつ放し<br />
<br />
※「ホーロー」の字音かなづかひを調べてみたら「ハフラウ」でした。判りにくくて濟みません。以上、10首です。
Posted by 酒井景二郎 at 2007年04月28日 22:22
目印のパンを私が食べたからスナフキンのいない春です<br />
<br />
一年中買える春もあるんだと知らない頃の桜がきれい
Posted by 下北佐古 at 2007年04月28日 22:58
ママたちが着飾る入学式ですが女はワタシ他2名です<br />
<br />
撮影用「入学式」の看板が5つはほしい 行列長し<br />
<br />
「うんちしてきましたかあ」と元気よく聞かれはじまる入園式は<br />
<br />
ライオンバスではありません ようちえんバスです 入園1日目です<br />
<br />
春野菜を煮込んだポトフを食べさせる いじめぬいじめられぬ子に育て<br />
<br />
みつばちの花粉だんごのように君の指紋をつけてくるぶし帰宅<br />
<br />
投げつけた夫婦茶碗のひとひらの桜であなたは小指を切った<br />
<br />
ニョキニョキと嘘が芽を出すわたくしを掘り起こしてきた君の舌から<br />
<br />
啓蟄の大地の音か歯ぎしりは ぐぎりぐぎりと子は育ちゆく<br />
<br />
白無垢を着る禊かな春疾風 忘れなさいと吹く突き刺さる
Posted by てこな at 2007年04月28日 23:05
黄砂の夜まとわりついて眠れないタクラマカンの駱駝の吐息 <br />
<br />
春の野で毒と見まごう草ばかり摘みし乙女に求婚すべきか<br />
<br />
木の芽時静かな私であるために靴ひも強い紫にする
Posted by しらぬいまちこ at 2007年04月29日 19:27
好きな花 伝えておけばよかったな 春を待ってるふりもできるし<br />
<br />
第六感以外のものが集まって今日から春と決めた日 くしゃみ<br />
<br />
真冬から握ってた手をひらいたらオタマジャクシが泳いでました
Posted by イマカコ at 2007年04月29日 19:47
黄砂舞いスギ花粉飛び桜散る 日本三大風物詩かな<br />
<br />
モトカレの消息を知る知りたくはなかったはずの春一番です<br />
<br />
花びらと一緒に散った恋でした 泪でにじむ桃色チーク<br />
<br />
ぽんぽぽぽん たんぽぽぽんぽん しちゃったら 綿毛ふうわり私もふわり<br />
<br />
なんとなく思いつくまま君にキス 桃色に染まる頬にまたキス<br />
<br />
この春の新色リップを武器にして負けるはずない勝負は明日<br />
<br />
この春は新たな気持ちで出発をする予定なの さよなら あなた<br />
<br />
ひらひらと花から花へ舞う蝶々 春ねあなたも蝶々のようね<br />
<br />
選んだのはあなただったわ 春色のフレアスカートもう着れないわ<br />
<br />
お花見に二人で行った お別れをしてたのは誰も気付かなかった
Posted by そうがわさやこ at 2007年04月29日 21:51
ごめんなさい。少し変えさせてください。<br />
<br />
どうみてもポメラニアンが懸命にメガマック頼む店内の和み<br />
↓<br />
どうみてもポメラニアンが懸命にメガマック頼む店内に霞み<br />
<br />
でおねがいいたします。
Posted by かぶともし at 2007年04月29日 22:38
春菜という少女が来ます 花見では軍歌をうたうような顔した<br />
子宮には二度と戻らぬ吾子を抱き春のベンチで目蓋を閉じる
Posted by あきえもん at 2007年04月30日 05:27
いそがしい街角だからあなたには春としてはるとして生きてください<br />
<br />
芽キャベツをかじりながらの休日はライトグリーンのベランダにいる<br />
<br />
ねがわくばうまれかわって花びらをあなたのあなたの窓辺に散らす<br />
<br />
がむしゃらに歩道をいそぐ人々にささやくようによびとめて花<br />
<br />
菜の花にほほをうずめてわたくしは春のはたけの風景である<br />
<br />
ふりそそぐ芝生のうえの陽光をオオイヌフグリとしてあじわう<br />
<br />
うつくしいタケノコをみつけじっくりとかぐや姫へとそだつのを待つ<br />
<br />
チベットのトゥアンポポ族があおぞらにわたげをとばす儀式はじめる<br />
<br />
いっせいに手足のはえたランドセル あかくろピンク きいろのおばさん<br />
<br />
くちびるがしずかにきえるはるのひはかいものぶくろにあふれるレモン<br />
Posted by 富田林薫 at 2007年04月30日 08:11
青々と 葉桜薫る 緑道の 片隅の山 花弁の亡骸<br />
<br />
暖かい 微笑み浮かべ 毒をつく 春の夜風の ようなあなたよ<br />
<br />
ハラハラリ 雨に打たれた 路傍にて シクシク泣いた 桃の花びら<br />
<br />
夏になり 秋冬来ても 暖かに そうですわたしゃ 今田ハルです
Posted by タイラー&トマソン at 2007年04月30日 13:20
たたきからぞうりが消えて 春の子は行ってしまった16時半<br />
<br />
アロマ水・氷・炭酸 透明な殺意にも似た春の夕方<br />
<br />
午睡する貴方の頸に春の日が真綿のようににじり寄ってく<br />
<br />
金色の円盤春の陽のごとく貴方の愛の形見として焼く<br />
<br />
覗くのは右目左目デジカメを通してでしか感じられない春
Posted by 游 ききあ at 2007年04月30日 17:07
春光の街を闊歩し靴鳴らすこの歓びの桜いろなる<br />
<br />
春の扉(と)を押して風吹く日曜日土筆(つくし)摘みけりこのほろ苦き<br />
<br />
陽だまりに春の生まるる一日を無為に過ごせり土龍(モグラ)鳴けるも<br />
<br />
春塵の道を行き交ふ旅人の永遠のゆふべ背(せな)に残れる<br />
<br />
夜の水に散るさくら花金泥の影をば曳きて春惜しむなる<br />
<br />
さくらばなもつとも明るき春眠の死期残すのみ夢の生あれ<br />
<br />
花曇り三日を過ぎて飢ゑつのる無頼の木々に凭(よ)り酒飲まむ<br />
<br />
春雪の飛騨望みおく窓際にランプ玉そつと研(みが)くたそがれ<br />
<br />
歳月はまばゆいばかり蕗味噌の苦みを愛(を)しみ酒を酌むかな<br />
<br />
花街をたもとほる日々燕待つ五月の想ひに澄みわたる空<br />
<br />
春雷に銀碗の光(て)り鈍く浮く箸さへ持てぬだるき熱の身
Posted by 鶴太屋 at 2007年04月30日 17:08
夜桜で短歌詠もうと満月に照らされ君に逢いにゆく春<br />
<br />
ハンガーに掛けられたまま置き去りのフレンチコートが恋模様です<br />
<br />
去年見た枝垂れ桜が咲いているそうです君は帰ってきますか<br />
<br />
遠方の山の緑が萌える朝 寄り添うような陽射しあります<br />
<br />
ブカブカの学生服の中にいる中一に春一番よ吹け<br />
<br />
まだ上手く話せないってはにかんだ笑顔にずっと惚れさせていて<br />
<br />
校長が始業式にて仏仏と談話桃色桃源郷へ<br />
<br />
たんぽぽも小鳥も風も青空もデート日和で手をつなごうよ<br />
<br />
四月からも夜は来ちゃうし一人だし君いっちゃうし冬時々春<br />
<br />
ハルウララ二人消えてもハルウフフさくらさくらと時は流れる<br />
<br />
<br />
<br />
以上で10首です。よろしくお願いします。
Posted by 歌乱亭カラス at 2007年04月30日 18:57
我が膝で愛犬腰を使いおりオレとオマエは散らない桜<br />
<br />
どうすれば花見に誘われられるだろう立ち止まり見上げる花見<br />
<br />
壷毒から這い出すように冬眠から目覚めし春の変質者たち<br />
<br />
木蓮の蕾のようなふくらみは睡蓮の花のころまでつづく
Posted by そう蛸 at 2007年04月30日 19:40
春雷をふりきるようにオレンジのレインハットで駆け上る坂<br />
<br />
思春期のぬるい水面を泳ぎだす足を生やしたオタマジャクシが<br />
<br />
窓際の制服にうつる陽の光 4月9日君をみつける<br />
<br />
簡単にはなした右手 春風のぬくもりをまだ探し続ける<br />
<br />
思い出はもらったボタンとしまいこみ一番バスのタラップを踏む<br />
<br />
君が住む街を探せば春霞こくなっていく午後の屋上<br />
<br />
泣きながら切った電話を思いつつ噛みしめている桜餅の葉<br />
<br />
毛根がざわついている体から春が蠢きはいだしていく<br />
<br />
改札を迷うことなくすり抜ける働きアリの列にくわわる<br />
<br />
できたてのイチゴジャムからでる湯気のように消え去る初めての恋
Posted by かんな(旧 佐田やよい) at 2007年04月30日 20:21
とりかへしつかぬめざめをなげくとて柔肌ぬらす春の雪かな<br />
<br />
生煮えの春菊食みて君からのさいごの手紙ひらかんとす<br />
<br />
床下の老いたる蛇が絡みあふ春画愛好家(マニア)の寄合座敷<br />
<br />
ボッティチェリを模写(うつ)す学生 恋人に捧ぐ花探しあぐむ 今日も<br />
<br />
きつとあの店からなんだね君の声のうしろで鳴つてゐるヴィヴァルディ
Posted by 穂ノ木芽央 at 2007年04月30日 22:34
「春用の切手いちまい。」窓口で言えたらこんな手紙も出せる<br />
<br />
おにぎりをもってゆくからレタス柄アルミホイルは笑いとばして<br />
 <br />
キイテクレテウレシカッタヨ春風にぺんぺん草のうなずく速さ<br />
<br />
貝殻はすみれの香り せっけんの箱からひとつあの子がくれた<br />
<br />
マロニーのことを話そう夜の雨ぴしゃぴしゃ踏んで近づいたなら
Posted by おとくにすぎな at 2007年04月30日 23:01
空青く花咲き乱れ鳥が鳴き僕らは静かに狂ってゆくよ
Posted by 長田絵理子 at 2007年04月30日 23:48
三角がやわらかくなって膨らんで丸になったら春なんだって<br />
<br />
ほうぼうに散らばっていった仲間からふいに電話のある四月末<br />
<br />
見上げれば青に溶けゆくさくら色くしゃみをひとつ桜がひらり<br />
<br />
自転車で夕暮れの坂駆け上るまだ沈むなよ桜見るまで<br />
<br />
勝手だねいつのまにやら咲いていていつのまにやら散ってるなんて<br />
<br />
あの頃も今も未来も変わらない桜は桜僕らは僕ら<br />
<br />
花びらの舞う木の下に佇みて女が一人誰を待つらん<br />
<br />
蝶々の羽ばたきが運ぶやわらかな君の匂いが 僕を狂わす<br />
<br />
自転車を押して上りし坂道の桜に映る君は笑顔で
Posted by にんじん at 2007年04月30日 23:51
なんとなく右の肩だけ重いんだ首塚前の花見の日から<br />
窓ぎわのケシゴム香る参観日チョークを折ってばかりの教師<br />
愛なんて考えなくてもかまわない小動物になりたい夜明け<br />
明日のこと想えば出ずるさびしさを分け合う春の回転木馬と
Posted by 水野加奈 at 2007年04月30日 23:58
逆立ちで歩き続けて自販機の闇をのぞけば落ちていた春<br />
<br />
すこしだけピンクを足して姉さんが春限定の呪文をさけぶ<br />
<br />
泣き方を忘れた朝に飛び込んだ樹海の春はむしょくとうめい<br />
<br />
ジャイロ独楽まわしていたらビールマンスピンのきみと交差する春<br />
<br />
花びらにつまづいたならとりあえず春のファンタのくびれを掴め<br />
<br />
右斜め四十五度の方角にシャア専用の春が煌めく<br />
<br />
スプリングコートの中に隠された七つの星をたしかめる夜
Posted by 松本響 at 2007年04月30日 23:59
眠いんだ だって動物いいじゃない冬眠ボケとかしちゃっても<br />
<br />
この風は強すぎるから眼に沁みる いつもの散歩が夜になる<br />
<br />
早く来い春はいいから そう言って毛布を一枚もう一枚<br />
<br />
誰にでも挨拶できる今日だから 君にも挨拶チューリップ君!<br />
<br />
スキップは苦手なんです だから皆スキップしないで春だからって
Posted by しほ at 2007年05月24日 19:09
春が来る アノ人に 「此処にいる」と伝えたい
Posted by 白原泰丞 at 2009年09月14日 13:48
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Excerpt: 今日、生まれてはじめて『朝日カルチャーセンター』の公開講座なるものを受けてきまし
Weblog: ぐっしー和尚の徒然@草
Tracked: 2007-04-22 00:24
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