


法律で禁止されてるし。




「ヱビスビールのキャンペーン広告に笹さんの短歌を載せたいのですが、もし笹さんにビールを詠んだ歌があれば教えてください。」 と言われて、
そこで「ありません」と言ったら、この仕事は、黛まどかさん(俳人)あたりにまわってしまうと思ったから、「あります!」と答えたわけ。
でも、僕が「ビール」を詠んだ作品は、よりによってこの1首だけ。
・尿療法の本立ちならぶ書斎にて出されたビールをじっと見つめる

「雪国もやし」(買うなよ!の歌)のCMどころじゃありませんよ!

「ぜひその短歌をいまここで聞かせてもらえませんか?」
と言われたから、仕方なく小さな声で読み上げると・・・


「・・・・!(絶句)」


「もっと爽やかな歌あります!過去の作品を調べるので、折り返しお電話します」
と言って電話を切って、 大急ぎで「ビール」の短歌を4パターンつくったの。


7月31日〜8月13日まで公開です。
「麦酒を恋いうる詩。」
http://promotion.yahoo.co.jp/sapporobeer_yebisu2/

ぜひご覧ください!

正岡子規、若山牧水、吉野秀雄、俵万智さんに続いて師範!

とにかく「お題」で訓練してると、
どんなテーマであっても即興でつくれるようになるので、
こういう時に役に立つということを覚えておいてください。


今度のお題は
「酒」
です!!
では、師範のお手本からいきます。
______________________
<笹公人師範による模範短歌>
尿療法の本立ちならぶ書斎にて出されたビールをじっと見つめる
生徒らを番号で呼ぶレイコには薔薇とラム酒のミックスジュースを
収録を終えたる川口探検隊が首狩り族と居酒屋に消ゆ
ととととと祝祭の音(ね)が泡を生む麦酒をそそぐ黄金のとき
______________________
短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
記入が無いと優秀作に選ばれても賞品をお送り出来ない場合があります。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、安心して記入して下さい。)
では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。
【笹流の理想短歌基準】
単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、良い「短歌」です。
あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。
1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか
____________________

お酒であればなんでもOKです!
僕は「酒」を詠んだ歌が少ないけど、
若山牧水とか吉井勇とかは、ほとんど酒の歌しか詠んでないんじゃないかと思うくらいに酒の歌がたくさんあるので、参考にしてみても良いかもしれません。
ぜひみなさんの短歌で酔わせてほしい。

ということで、

<br />
百歳のおばあが唄う「てぃんさぐぬ花」とオリオンビールに酔えり<br />
<br />
ビール瓶色した肌の若者のマウス・ツー・マウスをうけるおじさん<br />
<br />
<br />
<br />
*笹師範、前回は優秀作品に選んでくださってありがとうございます。<br />
賞品のリクエストをきいていただいたうえに僕自身もいただけるとは!<br />
連作「憧れの真子鰈」、2首目のメルヘンチックで美しい歌も<br />
3首目の鼻毛の歌も好きです。「ととととと」のビールの歌も、すごくビールが飲みたくなる歌ですね。(^.^)
花火の夜 手酌愉しむ気ままさの背中見ている去年の流行り歌<br />
君は去る いくら注いでも満たされぬ杯だけをここに残して
<br />
酒飲んでドテチンになりなにもない遠いあの日へ帰りたいだけ<br />
<br />
熱帯夜ヤケ酒の顔映し出すグラス眺めて 汗か涙か<br />
<br />
酔っ払い泥酔だけど泥棒じゃないからいいと風呂で飲む酒
<br />
元気ないお前に贈るイノキ酒もしくはジェット浪越酒を
<br />
飲みたくて飲む奴と居て胃潰瘍に酒をすり込み奥歯を鳴らす<br />
<br />
へこませてしまった缶を買い取って下戸の二人は分け合って飲む<br />
<br />
飲み慣れぬモスコミュールを酒焼けの喉で飲み干す初デートです
<br />
「ただいま」と、赤バンダナのグェン氏が333(バーバーバー)に故郷を見た<br />
<br />
なんて言うか、丸いグラスにブランデー注ぐ仕草がつまり艶女(アデージョ)<br />
<br />
土産話 安い焼酎呑みながら語る霧島、焼けた黒肌<br />
<br />
野球拳・王様ゲーム・持ち帰り・ソフトタッチは猥褻ビール<br />
<br />
例により知ったか君がボトル手に川島なお美調で語って<br />
<br />
ブランデーグラスの中の渦潮に飛び込むほどの勇気も無くて<br />
<br />
裏切りとソーダで割ったハイネケン飲み干したのは嘘にするため<br />
<br />
数十年酒をたっぷり染み込ませ生きた結果があの腹ですね<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ベトナムビールの333って美味しいらしいですね。私は下戸なのでよく分かりませんが…
<br />
街の灯を見下ろす夜景隣にはジュリーのように腹出た彼が<br />
<br />
厨房で創作和食仕込んでは帰り家人に酒とうんちく<br />
<br />
酔わせては早く寝かせて抜き取るの我が家の○秘財テクなのよ<br />
<br />
ご先祖が魂こめて作ったさ飲まねばあかん愛国の酒<br />
<br />
コメじゃないけれどいろいろ飲みたいの浮気な私は外国の酒<br />
<br />
利き酒師絶対私なれないわ試飲のお酒もったいなくて
<br />
ゆるゆると回すグラスの側面に滴っているよからぬ思い<br />
<br />
銀色の勘に浮かんだ君の汗みたいな汗をのの字になぞる<br />
<br />
非熱処理されていますとうたってるこの飲み物が非熱処理する
<br />
カップ酒に溺れて死ぬる蟻もいてお盆の墓地は暮れてゆくなり<br />
<br />
「彦麿呂の比喩も敵わぬおいしさ!」とお銚子一本サービスの比喩<br />
<br />
ひとつぶも瑕疵なき泡が毀るればひととき国を愛す蒼穹
飲み過ぎて泪さえも黄金色 君のグラスにしぼり入れよか<br />
※黄金色=こがねいろ
<br />
赤黒く首は匂いて25度甲類一升五臓を漬けよ
<br />
前頭葉縮む音する縮む音する縮む音コヲリトケテク
<br />
キンキンに冷えた麦酒(ばくしゅ)よ汗かきの麒麟がわれを誘惑してる<br />
<br />
実家より強奪してきた缶ビール酒屋の娘をもらってよかった
<br />
生きていることの喜び夕焼けはロゼのワインをこぼした色に
<br />
赤ワイングラスの中に飛び込んだ一匹の蚊をとぢこめて 飲む<br />
<br />
<br />
ぷはぁ〜と咲かす花火の乱れ打ちいたしませんかビアホールにて<br />
<br />
振袖を引き上げついだ日本酒に映る横顔そっとくちつけ<br />
<br />
スピリッツしみてハートがラモス風 タマシーで飲めタマシーで飲む<br />
<br />
負けビール飲み続けたら目の前の大きな卵押しつぶす腹<br />
<br />
婆さんが巣鴨で買ったマムシ酒飲めば口調が三太夫なり<br />
<br />
壮大な浪漫に満ちたバーボンの海に合う船その壜に詰め
<br />
病室でむらさき色のけむり吐きラム酒をすする議長の替え玉<br />
<br />
テキーラを一気に開けたい気分です。アミーゴ達に奪われたんです。<br />
<br />
なみなみと仮面貴族のグラスにはテキーラ味のプロテインみちて<br />
<br />
西郷が好みし焼酎飲み干せばわが心臓に極太毛(もう)現(あ)る
<br />
五歳児が < こどもびいる > を飲むかおが祖父の貌へとかわる新盆 <br />
<br />
「とりあえずビール!」のビールを飲み干してふたりの距離がちぢまった夏<br />
<br />
くだを巻く酔いどれ男が住む国は大蔵省がまだあるらしい<br />
<br />
禁止する脳をビールに破壊され今の私に法律は無し
<br />
カンカラリギネス缶から響くよう函館の女(ひと)は心に留めり<br />
<br />
ウジウジと終った恋にしがみつく君が飲み干すスーパードライ<br />
<br />
大汗のモルツの小瓶ラッパ飲みのどごす音に消えた蝉時雨<br />
<br />
裏長屋将棋の横で誇らしく立つ下町のナポレオンの汗<br />
<br />
風鈴の奏でる鐘とハモるように氷をカランと溶かす山崎<br />
<br />
同窓会学園一のヒロインが手馴れた手つきでホッピー作り
君のいる店舗のほかに二十五店チェーンの酒屋に火を点ける恋<br />
からあげを四口でほぐし照れるマキ世界共通大学デビュー<br />
男女比の調整されぬきみだからカルピスサワーの迷宮に行け<br />
老人の軍をすり抜け重ったるい煙の中の養命酒工場<br />
そろばんの先生秘伝の梅酒には教科書にない文字の但し書<br />
大人とはサイダーすらも甘くないそう信じてたがあれ未完成だ<br />
下宿所の友人からの酌で知る大人用ソーダとは未完成なもの<br />
安物のグラスを包む茶色い手バナナカルーアシェイクの煽り
<br />
アンジェラの声沁むほどに月冴えばγ-GTP(ガンマジーティーピー)を黙殺
<br />
食道を流れる酒が次々と開けてゆきます片恋いのドア<br />
<br />
スパークリングワインの泡が昇り詰めたから沈黙も行き止まりだね<br />
<br />
水嵩を増した一級河川より前篭の缶ビール五月蠅し<br />
<br />
お魚の形のワインボトル抱き 時空を越えたミドリの黒髪
<br />
泡風呂のようなビールに飛び込んだみどりの肌の枝豆ゆれる<br />
<br />
きらきらの夢を見させてくれるまで唾液を注ぐシャンパンタワー<br />
<br />
ほろ酔いでカルアミルクにガムシロを入れ続けてる紳士よ眠れ<br />
<br />
ワンカップ大関のビン並べては明日の恋に叫ぶDOSUKOI<br />
<br />
フローズンマルガリータよ庭園に浮かぶあなたは気高いままで<br />
<br />
生レモンサワー片手に宇宙との交信すれば携帯が鳴る<br />
<br />
日本語は分かりませんと言いながら高笑いするジャックダニエル<br />
<br />
太陽に食べられるため僕たちはジントニックで身を清めてる<br />
<br />
紹興酒飲めば飲むほど強くなる美人教師の鼻はジャッキー<br />
<br />
傷口に酒をふきかけ弁慶は新幹線で岩手を目指す<br />
<br />
正装のワイン男が語りだす「ぶどうの恋はスパークリング」<br />
<br />
真夏日のビアガーデンに植えられた人間たちが色づいている
シュルシュルとマルガリータを滑らせたい 夢見たかつての高校球児
<br />
カクテルの蘊蓄我に披露せしコージいまごろ不夜城暮らし<br />
<br />
杉玉の新酒も嬉し古酒(クースー)も君来るならばカップ酒でも<br />
<br />
絡ませる舌で覚えし苦き酒タバコの味と別れてぞ知る<br />
<br />
父の背でビールねだった幼き日泡が好きだとコンパで悟る<br />
<br />
バブリーな恋もお金も消えてゆく時代が飲んだ幻ビール<br />
<br />
密やかに報復すべし酒に混ぜ課長に渡すワライダケ汁<br />
<br />
酒の友キノコ出す日はOKと妻から送るブロックサイン<br />
<br />
ナイターを夢中で見てるアイツにはちょいと熱燗ヤケドさせたろ<br />
<br />
ぬる燗をオーダーしてたタケシとは今度こっそりさしつさされつ<br />
<br />
時代作家気取りそば屋で飲んで喰いたぐり寄せたる醜女めとらん
<br />
こっ酷い説教の手に汗流すレモンサワーが青くなってく<br />
<br />
ワイン色した恋人は白なのでどこにいるのかわからぬままで
<br />
ワンカップ注ぐ墓石の義父(ちち)の名に蝶降りて吸う露の初盆
<br />
我が胸に鮮血吐きし謎の美女 なんだワインか良かった 良くない<br />
<br />
罪な彼シェーカー姿が様になる上手に振るのお酒以外も<br />
<br />
やるせなくカルアミルクのグラス撫づ 汗ばむ褐色の肌恋しくて
<br />
梅サワー飲み終ゑたのち青梅を頂戴といふ子が後の妻<br />
<br />
“ウォッカとは咽喉滑り降りる劫火なり”時にレーニン二十五の弁<br />
<br />
食前酒ニッコリ勧めた族長の治める村 実は食人種
<br />
夕餉おき久方ぶりの芝居までカンパリソーダ一人かかげる<br />
<br />
晩酌を禁じられてる父の居てナイターだけは流れています<br />
<br />
定食の締めの梅酒のシャーベット首さえ染める午後のオフィスだ
<br />
平日の夕暮れひとり注ぐ酒汝の事何時に想う
<br />
テキーラの汗ほつほつと濃き眉の女(ひと)哄笑すメヒコ蛾の街
<br />
すみません、改作でお願い致します。
<br />
高麗の焼酎ほどの異国情緒(エキゾチズム) 汚れたる唇(くち)ぬぐう街灯
<br />
踊りつつフランス人が素足にて潰したブドウの汁だワインは<br />
<br />
料理長! フランベのたび照明をすべて消すのはやめてください<br />
<br />
大関のワンカップ買いに横綱が行く日本酒は大関が良し<br />
<br />
さびしきはXYZ飲みながらABCを説きし唇<br />
<br />
ピンドンが入りましたと告げられて「欽ドン」思う 普通の子です
<br />
あの路地の裏に佇むスナックは涙忘れるカクテルを出す<br />
<br />
原っぱで幅を利かせた二人組葡萄嫌いのスコッチ兄弟<br />
<br />
斜向かい造り酒屋の美代ちゃんにゃからきし弱いスコッチ兄弟<br />
<br />
体育と社会科だけは成績5世界史好きなスコッチ兄弟<br />
<br />
好きですと口に出せずに息を飲むまだ寝かせようワインのように
からりんと晴れわたるこの空の下 異形の人が飲むルリカケス
<br />
酒飲んで3・2・イチで甦る北の国から黒板五郎<br />
<br />
暗闇でキューコホーげふっ ストローでビール飲み干すダースベーダー<br />
<br />
パパの声ヘミングウェイの流し目でダイキリ呷り振り向けば 嫁
っていう君と醒めやらぬままポン酒立ち飲む<br />
<br />
時々は帰ってやるか。ななめった赤目の父がくだをまくけど。
<br />
下心隠したけれどブラッディメアリ突きつけ「今日のあたしよ」
<br />
フラミンゴロードで君と乾杯しダンスをしてる夢がみたいの
<br />
テキーラを一気に空けたい気分です。アミーゴ達に奪われたんです。<br />
<br />
晩餐の仮面貴族の大皿にテキーラ漬けのカプセル盛られて
<br />
床下の収納庫から琥珀色した梅酒出し合図を送る<br />
<br />
中国のパンダビールはどことなくコーヒーガムの味がするんだ<br />
<br />
ふつふつと酵母の話す声がして眠れないよと杜氏がこぼす<br />
<br />
酔っていて憶えてないわと一生に一度くらいは言ってみたいの
<br />
(改作)<br />
まぶしきはXYZを前にしてABCを説くる唇
<br />
戸田酒店長女は杜氏に嫁にゆく親を恨んだ名前は夏子<br />
<br />
草いきれと陽射しでビールがうまくなる草野球場スタンド最上段
<br />
テキーラと叫ぶあなたの耳からはサボテンの花こぼれ落ちてる<br />
<br />
特別な存在となる春の日に宇宙の花が泳ぐ盃<br />
<br />
シャンプーと思ってかけた泡盛がわたしの髪を躍らせている<br />
<br />
王冠を集めるためにあけられたビールの瓶は僕とおんなじ<br />
<br />
泣きながら銀座銀座と唱えればビールの泡がルビーに変わる<br />
<br />
「僕たちの季節は終わりジュピター」という名の酒をおごられている
<br />
<br />
泡ばかりのビールはまるで本当の気持ちを見せぬ君の戦法<br />
<br />
飲みなれぬ酒で赤らむ顔つきが青く変わって「GO」と飛び出す
<br />
新歓の陽気な下戸は堕天使の分け前きちんといただいている<br />
<br />
ポケットに1パイント瓶 一滴の夜を抱えて酔いどれが行く<br />
<br />
星空を待てずに野外音楽堂 ビール缶の汗ふつふつと湧く<br />
<br />
父が呑む瓶にはいつも星マーク うやむやのうちアルミに光る
<br />
奢られたマティーニ グラスが浅いから下心まで透けて見えるわ<br />
<br />
憧れのお姉さん飲むマンハッタン あげくチェリーを含むくちびる<br />
<br />
古豪女子バレー部練習終了後素足で仕込むプレミアワイン<br />
<br />
桜島眺めつ焼酎湯で割れば維新の志士の情熱煙る
<br />
(改作)<br />
女杜氏しぼむ自慢のGカップ 「乳正宗」は売れ残りけり
<br />
つっかけで暖簾くぐってもりそばと熱燗一本午後を陣取る<br />
<br />
ラガー派の父の背中はこんもりと小さくなって麒麟の口元
<br />
フクロウの鳴き声がする夜だからスズメが鳴くまで呑もうじゃないか<br />
<br />
プロフィール好きな飲み物「酒」ですとウンチク語るそんな年頃<br />
<br />
ブランデーグラス傾け氷ごと人差し指でジャズを溶かして<br />
<br />
溜息で沈めたチェリー愛おしく緑の海でそっと殺した<br />
<br />
飛び込んだ濁酒の樽その中で忘れてしまえこの世の全て<br />
<br />
夏の陽が当たる城前(じょうまえ)酒店で日焼けてバテた瓶の水浴び
<br />
自販機をゴトリと鳴らした角瓶は自転車のかご制服の下<br />
<br />
バースのいない阪神みながら飲むラガー「クラシック」などと冠つきたり<br />
<br />
セブンスタースーパードライのボタン押し横目でチラ見家族計画<br />
<br />
缶ビールグラスにうつして飲んでるよ君のコースター見ていたいから
<br />
なるほどと頷いている置手紙麒麟ラガーはかくまで苦し<br />
<br />
この禿げと云われて殴りかかりたりゴールデン街午前2時過ぎ<br />
<br />
「吐夢」という名の店なりき夢よりも愚痴をぼそぼそ吐いておりしが<br />
<br />
なにや知らん職安通りを歩きおり辛きラーメン屋探していいたか<br />
<br />
電車まだ走りいたれば飲み足りず高円寺北口に降りいる<br />
<br />
高円寺北口通りの「猫屋敷」短歌詠みなるマスターがいたり<br />
<br />
ボサノヴァをレヴィ=ストロースで包み込みロマンポルノで飲むズブロッカかな<br />
<br />
流される日々転がる石のやうに 20年後も転がれ石よ
<br />
夏休み大人になって冒険はオリオンビールの星の収集<br />
<br />
オリーブを銀色のピン突き抜けてステアする指思い出そうと<br />
<br />
九つの龍の鱗の端を噛む桂花陳酒と長いスリット<br />
<br />
君の肩みつめて思い出すようにシャブリと決める少し冷やして<br />
<br />
フレンチな献血のため舌先でボディは重く選ぶ肉質
<br />
新歓の陽気な下戸は堕天使の分け前きっちりいただいている
<br />
アルコール飲めぬあなたは気づかない発酵してるわたしの気持ち<br />
<br />
お酒など飲みたくないわキッチンで 止めて欲しいの心の震え
はしゃぎ過ぎ千鳥の先は水もまた頭痛の余韻泡盛の味
<br />
爺さんが口角泡を飛ばしては「かのララ物資に目散るアルコールが」
ワインでもいかがですかと首筋にナイフ突き立て そこで目覚める
<br />
水割りの氷の上にペンギンを見たって言うから君に飛んじゃう<br />
<br />
酒飲みの口から生まれて酒好きの肝臓育てて生きております
<br />
ほろ酔いのロゼに染まりしその身体 白いシーツに火照りうつして<br />
<br />
記念日に飲もうと言ってた幼き日 開かずの洋酒 明日嫁ぎます<br />
<br />
ぅんまいねぇ ジョッキがからりと音たてるラムネもころりと笑ってる<br />
<br />
ぼんぼりが飾ってあるから酒蔵の幸せほんのり赤くなる冬<br />
<br />
「泡ちょうだい」ねだる夕時膝の中 苦さに驚く大人の一歩
<br />
浅黒い顔の男が背を丸めカルーアミルクで女を口説く<br />
<br />
粕漬けを食べて失神した君が決死の覚悟で飲んだテキーラ<br />
<br />
金髪のトップレス美女現れてビアガーデンに起こるどよめき<br />
<br />
どうしても裏番組が見たいから女房を酔わせてそうするつもり<br />
<br />
「ピッチャーをお願い」という注文に「キャッチャーはどう?」と飲み屋のオヤジ<br />
<br />
老酒を飲むじいちゃんの横顔にジャッキー・チェンの映画がよぎる<br />
<br />
白木屋のトイレに入り出てこないお得意様の安否確認<br />
<br />
美少年グイグイあおるOLの婚期がまたも遠ざかってく<br />
<br />
としまえんプールを満たす豊潤なヱビスビールに溺れてみたい
<br />
愛じゃないセミが叫ぶのは愛じゃない酎ハイの缶 西日にキラララ<br />
<br />
ほろ酔いの瞳の中に「ア」「イ」がある麒麟の中の「キ」「リ」「ン」みたいに
<br />
ソーセージ三本きりで盛り合わせかと怒る男と飲むビアガーデン<br />
<br />
トラウマになれよと酒豪の爺さんはビールの泡を孫の口へと<br />
<br />
芸の無い春団治ばかり集まって酒だと騒ぐ居酒屋の隅
<br />
あの日から埃被った酒ひとつ今か今かと待ち惚けてる<br />
<br />
黒魔術使いのフミコに注がれたビールは少し紫がかる<br />
<br />
水筒にファンタグレープ 魔法かけエーデルワインの袋に入れる
<br />
としまえんプールを満たす芳醇なヱビスビールに溺れてみたい
<br />
I.W.ハーパーよりもC.W.二コルの水が飲みたい土曜<br />
<br />
BEERBEERBEER喉を過ぎ五臓六腑にEが沁みこむ<br />
<br />
バッカスが目覚めはじめる夕暮れに僕はあなたを忘れてしまう<br />
<br />
幼き日ヱビスビールのヱを見ればアとエの間の発音をする<br />
<br />
ウメッシュと叫ぶいずみの姉さんを継ぐものとして卓球少女<br />
<br />
ピッチャーでビールを頼み選手らがバッタバッタと打ち取られてる
<br />
大臣は古いワインを難民の子供の涙で割ってるらしい<br />
<br />
目を閉じて聞き惚れているシャンパンの泡粒みたいなきみの鼻歌<br />
<br />
酔った末のおろかな喧嘩を照らしてる巨大なワラビのような街灯
<br />
日本酒の名前は久保田しか知らず利き酒してる久保田先輩<br />
<br />
ハーロックみたいな奴が友のため墓標に酒を流しつづける<br />
<br />
焼酎に沈む梅干見つめてはお湯を足してる伊香保の夜に<br />
<br />
火と酒を操りながらキッチンにサラマンダーが住み着いている<br />
<br />
真夏日のサンタクロースは真っ白なひげを維持するビールの泡で<br />
襲名の時期が来ました八代目姓はボジョレー名前はヌーボー<br />
<br />
どっしりと重いワインを飲んでるきみのおなかもフルボディです<br />
パーティーで足を振りあげ踊りだすコニャックダンス連鎖反応<br />
<br />
天国の酒の味にも飽きてきてオラは裸足で帰宅しました<br />
<br />
地ビールを売り出すために親方が昆布のだしを加えています<br />
<br />
はっきりと僕が頼んだ三度目のいちごミルクも彼女の前に
<br />
ソーセージ三本で盛り合わせかと怒る男と飲むビアガーデン
<br />
「鬼ごろし」なんてラベルはついてるが鬼嫁には逆効果のようだ<br />
<br />
冷奴いよよつめたしたらちねの母がバドガールを着ておれば<br />
<br />
どの酒も同じコップで呑む父を本物の酒呑みだと思う<br />
<br />
一滴も呑ませてくれない若草の妻はこの震えが良いらしく<br />
<br />
自家製の表彰台に登りつめ見えざる敵とシャンパンファイト<br />
<br />
アザラシをホッキョクグマが狩ったときウイスキーグラスの氷は爆ぜる<br />
<br />
ソムリエが最高級と認めたる唇をいま独占す俺は<br />
<br />
(訂正です。説くる→説ける)<br />
まぶしきはXYZを前にしてABCを説ける唇
<br />
ナポレオンこぼした辞書に不可能という文字だけがきれいなままで<br />
<br />
芋焼酎を抱えて眠るOLの寝言はいつもハニーフラッシュ<br />
<br />
置物の二十歳未満のたぬきから酒をとりあげ麦茶をわたす<br />
<br />
缶ビールよく振ってからあけましょうきれいな虹の作り手として <br />
<br />
球場に酒天童子が現れてビアショルダーを空にしている<br />
<br />
現場では今日も事件が起きていてとりあえず飲む青島ビール
自家製の表彰台を登りつめ見えざる敵とシャンパンファイト
<br />
カウンターをすべるバーボン砕け散り娼婦の部屋で蒼色(そうしょく)のシェリフ
<br />
とりあへずビール?いやいや新しい舌で味はふ清酒こそよい<br />
<br />
ダイキリの杯眞上から見下ろせばさうか今宵は滿月だつた<br />
<br />
アブサンの香りを思ひ出すために明日は芝生に倒れてみよう<br />
<br />
ニューロンをやさしく融かしゆく酒に頼らず僕は君に觸れたい<br />
<br />
二日醉いだ心の中で腐つてゐる澱を含んだ根は切り捨てろ<br />
<br />
歌舞伎町奧の中國飯店で龍の血よりも濃い酒を飲む<br />
<br />
みんなみんなお疲れ樣の東京に赤玉ポートワインの夕日
<br />
とりあえずなどと言えまい目に入れて痛くないほど愛でるビールに<br />
<br />
<br />
夢抱き花の都へいざ行かん俺とお前と大五郎とで<br />
<br />
我が故郷遠いこの地で語れるは俺とお前と大五郎だけ<br />
<br />
夢破れ共に肩抱き泣けるのは俺とお前と大五郎だけ<br />
<br />
多忙なる日々の流れに虚ろうは俺とお前と大五郎の目<br />
<br />
流れ星とプッシュトークであの頃へ俺とお前と大五郎とで<br />
<br />
橋の上がなる校歌に奮い立つ俺とお前と大五郎の血<br />
<br />
また一歩道は違えど踏み出した俺とお前と大五郎の足<br />
<br />
<br />
ネコ型が22世紀より持って来たのは一升瓶のドラ焼き酒だけ<br />
<br />
生ビールの酸化を防ぐ泡のようダイヤにバッグ君に捧げて
<br />
二日醉ひだ心の中で腐つてゐる澱を含んだ根は切り捨てろ
<br />
大晦日、黒帯という日本酒と異種格闘技リカー伝説<br />
<br />
お祝いのシャンパンボトルにっこりとリカーちゃんってば手刀で開けた<br />
<br />
息かけた真水を酒に変えていくリカーVS大槻教授<br />
(VS<バーサス>・・・〜対〜)
<br />
苦い酒飲みたいゴーヤを絞り入れあなたの指で攪拌させる<br />
<br />
白木屋のトイレでそっと吐き出した君への愛は流されていく
<br />
おばあちゃん 贈ってくれたカルピスで酒を割るほど育っています<br />
<br />
グラスからキューバリバーをあふれさせ優等生の堤防壊す<br />
<br />
カンパリのグラス透かせば叱られて夕日の中を歩く子がいる
<br />
いくつものメールを酒に出したので舌を伸ばしたヤギみたく待つ<br />
<br />
「酔ってない大丈夫だってよったないおちゃけおちゃけぇおったなーって」<br />
<br />
もう一度火がつかないかアルコールグラスの上でセンコウ花火<br />
<br />
王様は就寝前のコーヒーに涙のようなブランデー ぽとっ<br />
<br />
盆祭りダイヤの中に黄金の浮かぶビールを手にし あっ秋
<br />
afrer<br />
男なら「おとといおいで!」とかけられた塩をまぶしてソルティドッグ<br />
↑<br />
befor<br />
男なら「おとといおいで!」とかけられた塩をグラスにソルティドッグ
<br />
フルートのグラスでシュワワとうまれたて気泡の命は僕たちの愛
<br />
炊事場の隅で沈めり青梅に亡き祖母を見つ入梅を知る<br />
<br />
呑めないでいる(出梅を知らぬままいってしまった)まろき琥珀よ<br />
<br />
このたびも修行の如しひるめしは精進料理般若湯付
<br />
改作<br />
「混じりっけなしが一番旨いのだ」泊まり込みのラボ エチル酌み交わす<br />
<br />
ラボは研究室と実験室、どっちを当てるといいのか…
三河屋の青年家に上げてみる遊びをしたい サザエには勝つ
<br />
戸田酒店当主酒よりおつまみや生活雑貨に力入れつつ
<br />
ジンにあるねずの実の森傷ついた一角獣は月の手当てを<br />
<br />
ねずの実を空想すれば透明が透明になるジンの魔力は<br />
<br />
童らにグリムの教えとこしえに刻む人肉ジンで清めて
<br />
今日もまた火星の醉ひを醒ますため夜空を驅ける流星花火<br />
<br />
中華屋の壁に貼られた關帝に失禮のないやうに醉はない<br />
<br />
これはまた何の魔法かいつのまに枕の下にウオトカの壜<br />
<br />
砂漠では醉つてはならぬと教へられせうことなしに獸脂をねぶる
<br />
ゴミ箱にひしゃげた空の缶ビール買い求めた日思い出せない
(美少年:日本酒の名前)<br />
美少年路上で抱え寝ていたら老酒に替え帰る警察<br />
(老酒:らおちゅう)<br />
<br />
徳利をアグネスラムという気持ちわかりはじめた酒レボルーション<br />
<br />
酒の名は男ばかりでつまらないたとえばそうねダイナマイト関西
<br />
空の青海のあおにも染まらずにカルピスサワーの缶がただよう<br />
<br />
飲みかけの温き麦酒の泡消えて午後のしじまに父眠りけり
<br />
居らぬ子の机ウィスキーボンボンが数多散らかるほどの前兆<br />
<br />
ウィスキーボンボンの雫ほど苦きもの無き頃にスカート捲る
<br />
生命を維持するためのカクテルに塩が添えられレクイエム鳴る<br />
<br />
荒れ果てた大地の上で世紀末救世酒飲み光る七星<br />
<br />
部屋中にウォッカの熱をまきちらし雪女にも別れを告げる<br />
<br />
缶ビール三杯飲めば電柱にしがみついてるセミに転職<br />
<br />
銀色のビールの缶を積みあげて大気圏まで届いてしまう
<br />
鯨飲す水杯の夕まぐれ吐きたる想い砂にしみいる<br />
<br />
のぞという癖を母より知らぬまにのぞに注ぎし料理酒あまき
<br />
熱帯夜にテキーラ飲めば牡虎と牝虎となりて未明の咆哮
旧・戸田酒店夕刻つどう男らの角打ちの枡の裏にイラスト<br />
<br />
新・戸田酒店夕刻つどう男らの角打ちの枡の裏にポケモン
<br />
血走りて脱衣麻雀するごとく君のグラスに目薬をさす
<br />
プールだと思っていたら日本酒が注がれていてきみの盃<br />
<br />
水割りをくださいなんて大人ぶる僕の前には白いカルピス<br />
<br />
忘却を必要とする人間が酒という名の装置を選ぶ<br />
<br />
現実を飛び越えるためつくられたロケット型の瓶ビールです<br />
<br />
<一首誤記がありましたので訂正させて頂きます><br />
どっしりと重いワインを飲んでいるきみのおなかもフルボディです
旧・血走りて脱衣麻雀するごとく君のグラスに目薬をさす<br />
<br />
新・血走りて脱衣マージャンするごとく君のグラスにさすサンテ・ド・ウ
<br />
「松の実のお酒だよこれ飲んでみる?」僕にはそれが勇気の薬<br />
<br />
戦争に行くとしたならその前に君の造った猿酒飲みたい<br />
<br />
引っ越して捨てたつもりがなぜかある光トカゲを漬けた焼酎
<br />
水のようにごくごくビールを飲む君ののど仏のうごきを見ておれり <br />
<br />
カラフルなジュースのようなカクテルで酔っちゃったのと言ってみたい夜 <br />
<br />
「はい、ビール」妻の差し出すその手にはその他の雑種がにぎられており
<br />
濁酒(どぶろく)をそそぎし御影の石のうへじつと動かぬ鬼蜻蜒(おにやんま)の眼<br />
<br />
古樽の糀(かうじ)ささやくぬばたまの真夜の酒蔵犬の遠吠え<br />
<br />
シベリアの氷沈めたやうな味同窓会の帰路のスコッチ<br />
<br />
枝豆の殻に飽きたる猫どもがビールの缶で蹴球試合<br />
<br />
葡萄酒を含みて笑ふ君既に少女の岸辺の舫(もやひ)解きたり
<br />
ストライクゾーンを甘くする酒が連れてきたのか水牛の女<br />
<br />
恥ずかしくならないように飲む酒が皆を恥ずかしくさせるスピーチ<br />
<br />
踊りだす麒麟の文字に隠された三つのダイヤが輝くジョッキ
<br />
酉年の女の雨の濡れ髪の色気のような酒の誘惑<br />
<br />
バリバリと青春花火彩ったバイクと酒とギターと俺と<br />
<br />
身代わりにグラスに映る泣きほくろ底へと落とす酒のやさしさ
<br />
ビールばかり飲みいし帰郷太るとう懸念なかりき二十歳の夏か<br />
<br />
厳寒の北の国なるキャバレーで一本のビールを震えつつ飲む
<br />
アルコール分解酵素失くしてもあなたが通うゴールデン街<br />
<br />
鬼殺し飲めばあなたの口元に阿修羅のような微笑がある<br />
<br />
エジプトの王が飲んでた太陽のビールの瓶に砂があふれる<br />
<br />
サングリア作るみたいに果物を食べさせ君をなめらかにする<br />
<br />
記憶とはモスコミュールに潜んでる無数の泡に名をつけること
<br />
「味見だよ。」そういい続け二ヶ月後ウメのしわにも責任を問い<br />
<br />
喉を灼くハスキー犬におよぶにはその他雑種は眉毛を書こう<br />
<br />
糖尿と高血圧の虫を見てグラスのふちの白粉ぬぐう<br />
<br />
調理酒の炎の向こう後ずさるシェフの赤顔拍子木の音<br />
<br />
チンザノといったらありゃま青島(チンタオ)が出てきて上海夜は更けゆく
<br />
喉を灼くハスキー犬におよぶにはその他雑酒は眉毛を書こう
<br />
気がつくとちっとの酒で気絶する隔世遺伝か突然変異か
<br />
封印のラベルと知った虚無僧が呪文唱えて麒麟発動<br />
<br />
修道士ドンペリ二ヨン囁けばワインの中で天使が遊ぶ<br />
<br />
価値なんて水ものでしてTOKYOの麦酒の泡がそっとはじける
<br />
一升瓶かかえ白目で探し出す自分自身というなの現象<br />
<br />
ヒモパンで踊るおなごと六畳でブランデーまわりだす天井ですか<br />
<br />
柿の木で首をくくったじいさんの迎え火をたく酒臭い息 <br />
<br />
その庭でとれた梅をつけました6本ありますまだ飲めません<br />
<br />
たいようのコロナの孤独絶望とよりそいゴールデン街歩く<br />
<br />
路地裏に追いつめられた犯人に焼酎水道で割って差し出す
<br />
「愛してる」なんていきなり言うもんだから一杯やって来たかと思った
<br />
焼酎を墓標にかけているときのおじいさん いっそううつくしい<br />
<br />
酒屋からファミリーマートへ変わっても日暮れの窓は果実酒の色<br />
<br />
雨になるゆめをみていた シャンパンを冷蔵庫深くにねむらせて<br />
<br />
マスターが夜な夜なワイングラスから呼び起こす研磨師の精霊<br />
<br />
おもいきりつめたくされてシャンパンのコルクが冷蔵庫へ飛んでゆく<br />
<br />
シャンパンの瓶もシャンパンそのものも傷ついてしばらくの沈黙<br />
<br />
往年の酒井法子のプロマイドを古代象展示室に隠す<br />
<br />
じわじわと浜昼顔にまきつかれ色をなくしてゆく梅酒缶<br />
<br />
酒瓶にプリントミスがある夜の天球を走りまわる麒麟
<br />
この酒を浦辺粂子と名付けたい 底に残った小さな手品<br />
<br />
坂道を上がる先にて夕陽落ち「いい夢みろよ」手提げの酒が<br />
<br />
プルトップカウントワンで引上げたライオンの酒どこまでも飛べ
<br />
笑笑で割り勘きっちりおつりなしそんなスーパードライな別れ<br />
<br />
「キープして」君が差し出す養命酒ユンケル割りで眠れない夜
<br />
夏芙蓉沈めば凍てる半島酒 岬知りたる慈母の狂濤<br />
<br />
しんしんと吸いたる管(くだ)を酒めぐり胡瓜かじりて冷やすみじか夜
<br />
つまさきで缶チューハイをつつきますミントアイスは冷凍庫かな<br />
<br />
還暦の父がだっこのあかんぼの額の塩をあてにただ飲む
<br />
言い訳は3分前に考えた 甘え上戸で恋に落ちてく<br />
<br />
氷結の宇宙技術にただよって生卵とか投げ合うゲーム
<br />
冥府的冷たさにより一瞬で氷結された僕の純情<br />
<br />
神経を接続された青年の痛みを奪うウォッカとなろう<br />
<br />
原色が絡む世界の入り口でサイケな酒に溺れる金魚<br />
<br />
UFOを盃として酒を飲みかぐや姫からお酌をされる<br />
<br />
犯人は特定できず飲みかけのカシスソーダが海を染めてる
<br />
ブシュととトララララーの着信のビールとだけは饒舌になる<br />
<br />
アルカポネその足音の鼻先に酒がなければアンタッチャブル
<br />
ピルスナーグラスに何度も押し当てて それでも消えないきみの唇<br />
<br />
湖に沈んだ城に眠ってるワインは来年飲み頃になる<br />
<br />
水割りの氷を夜空にぶちまけた女は星座を増やしたかった
<br />
言えなくて胸に秘めたる想いあり解き放つように媚薬を飲み干す<br />
<br />
一杯のグラス差し出すバーテンダー「あちらからです」オヤジ指差す
灼熱の砂漠にぽつり中ジョッキ 陰のサソリに気が付きもせず<br />
財布薄く会社帰りのジョッキ持つ水着の美女は蜃気楼なり<br />
からっぽのグラスをじっと見つめてる「妻には一体なんて言おうか...」
<br />
スプライト一気に飲んでゲップした君が幹事の飲み会通知<br />
<br />
今頃はビールを飲んでオジサンでビール腹かも発泡酒かも<br />
<br />
戯れにワインちょこっと猫にやりいつもと違う寝姿を見る<br />
<br />
バーナード犬に救われ首の酒飲みたし山には行かないけれど<br />
<br />
毒酒など盛られるような財産も美貌も何も無くてつまらぬ<br />
<br />
通販で買いしピューターフラスコにバーボン入れて旅に出ようか
<br />
鳥居描(か)く壁にむかへば輩(ともがら)の色素は鈍くフィラメント射す<br />
<br />
酒気帯びのビル煌々と尾をひきて墓標となりぬ熔解を待つ<br />
<br />
色の無いカプセルふた粒歯で砕き目瞑りてなお酔えぬ千年<br />
<br />
図書館のF‐105架にかつて燃ゆ赤き光に酒たてまつる
<br />
いんちきなヒエログリフの壁紙に猪口と徳利が描かれてあり<br />
<br />
すぐにでも酒に飛び込む身構へで空の低みに光る星々
<br />
乾杯の音頭職人タナカ氏に有給休暇あと十日あり
<br />
カクテルの中の氷をかじったらあの日失くしたビー玉でした<br />
<br />
黄桜を受け止めようと川辺では河童が皿を磨きつづける<br />
<br />
ネジまわしという名の酒を使用してきみの心を分解したい<br />
<br />
ポリデント溶かした水をハイカラな酒だと言った祖母の晩酌
<br />
貯蔵庫で麦は眠りぬ秋風に揺られる夢を見るのであらう<br />
<br />
白鶴はほろ苦きかな 特攻機落ちゆく映画見つつ含めば<br />
<br />
声かけむとすれば咽喉はウォッカを飲み干すごとき熱持ちており<br />
<br />
シャンメリーの売れ残りだらう 自らをオフィスの花と言いし女は<br />
<br />
cocoaです。今度から本名で出すことにしました。<br />
引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。
<br />
夜明けまで飲んでいたなら二日酔いとは違うさと開き直る朝<br />
<br />
薀蓄(うんちく)の澱が溜まりて上澄みを飲むだけでいいロマネ・コンティ<br />
<br />
泡の無きビールのような点滴が我の身体をかけ巡るのだ<br />
<br />
この夏はビールが美味い ゲーム差を肴に今日も祝杯あげる
生理来たなんて言えずに海の家一人でビール からっぽの夏<br />
<br />
おとうとは嘘が下手です ビアホール帰りのYシャツ赤々と紅
<br />
文化祭終え安酒を飲み明かした仲間よわれは踏ん張っている<br />
<br />
合宿で酔いつぶれた日を照らすベガ 私は進む明日をつかみに
<br />
酒臭い煙の先になんちゃって式火縄銃トークの昭和<br />
<br />
千鳥足仲良く歩く道連れのオヤジの横にジョニーウォカー<br />
<br />
発情期甘い言葉に泣きをみた ジャバザハットというママの酒<br />
<br />
コッソリト宇宙酔イスル日本酒ハ極秘二NASAデ造ラレテイル<br />
<br />
ラーメンと餃子で締めた酒のあと朝の枕はチューバッカ臭<br />
<br />
酒残る輝く朝に「ほはひょふ」と息吸うだけのダースベイダー<br />
<br />
酔っぱらい相手に話す居酒屋のハチマキをしたC3PO<br />
<br />
マスターがジェダイのバーで酒飲んで悪酔いしない修行に励む<br />
<br />
山崎の偉大なフォース なにも足さないなにも引かない
<br />
ムヒも無く虫刺されたる濃き肌に薄荷酒ぬれば蜂は舞い降り<br />
<br />
お銚子を逆さまでふる仕草まね母なぐさめん三回忌の日
<br />
アポロンが月桂冠を身につけて叶わぬ恋の行方を想う<br />
<br />
憧れのプリマドンナが白鶴を飲んで飛び立つ前のつま先<br />
<br />
裏刺繍見え隠れする背広には「上善如水」が揺れる<br />
<br />
LPのチックコリアが泣く夜はツーフィンガーでやってしまえよ<br />
<br />
ポケットに眠る硬貨でハイボール頼めばきみがセピアに映る<br />
<br />
古代酒を探し求める旅人が枯渇し触れる赤の一滴<br />
<br />
(笹さまのアドバイスを頂戴し、一首改作させて頂きます。)<br />
火と酒を操りながらキッチンにサラマンダーが棲みついている
<br />
古酒(クースー)の眠り揺らして軍機飛ぶ 葉月十五の青すぎる空<br />
<br />
君といてワイン2本を空けにけり トートロジーの夜暖し<br />
<br />
幸せが目→口→喉→胃と滑り落つ 今宵最初の霜なすジョッキ<br />
<br />
モーツァルト低く流れる酒蔵でもろみまどろむ豊穣の夢<br />
<br />
今日もまた同じ酒場のドア叩く 昨日の記憶取り戻すため<br />
<br />
身を引いて涙肴のひとり酒 みみず芸者ののたうつ夜更け<br />
<br />
あと一杯いやあと一口あと一滴 飲酒外来前夜の別れ
<br />
無礼講酒の席での常套句信じた者に生きる明日無し<br />
<br />
湿り気を帯びた闇夜に降る雨の音とビールの泡のアカペラ<br />
<br />
赤焼けの路地裏遠く目をやれば笑む親方の片手にいいちこ<br />
<br />
恋なんて甘くないよと突き放す君は好んで杏露酒を<br />
<br />
とくとくと手酌のグラスに放たれる30年振りの目覚めの響<br />
<br />
イェーガーマイスターのように複雑な家系図片手に熱弁の君<br />
<br />
また君が僕につまらぬ嘘をつくソルティドッグのような顔して<br />
<br />
稀に見るほどに気高き誇り持つ君のあだ名は新“森伊蔵”
<br />
仮面(ペルソナ)がぽとりと落ちる瞬間を見たくて君とウォッカマティーニ<br />
<br />
裏道のBARにふらりと迷い込む 我の視線は喪黒のごとく<br />
<br />
<br />
幸せになるカクテルの注文をしているうちに朝 Barジュゲム<br />
<br />
「いらっしゃい」それが合図でわんこそばみたく酒出る「およよ」と言うまで<br />
<br />
夏休みフィリピンパブで南国の気分味わう家族あふれて
<br />
満点の星に対峙しウインクをすればグラスにバッカス泳ぐ
<br />
砂浜にオリオンビールの瓶ならべひかる夜空をあつめて眠る<br />
<br />
夕暮れに生まれたばかりの泡たちに誘い出されてビルの屋上<br />
<br />
真夜中はジントニックでダイエットシュガーなんかじゃ甘くならない
<br />
・第三のビールに足りない味わいを敗北感と呼ぶと正しい<br />
<br />
・焦げ臭い酸味に解けた哀愁をギネスの泡はやさしく飲ます<br />
<br />
宜しくお願いします。
<br />
あんなにもちっちゃな妹だったのに山田詠美も酒も知ってる<br />
<br />
天使さえ飲んだワインであのひとの前でも素直になれますように<br />
<br />
溺れてる 水蜜桃を閉じこめた瓶の内側 夏の秘め事
<br />
仏壇に供えてのちの生温きビールを飲めば涙ながるる<br />
<br />
虫かごの弱まってきた蛍火にふりかけてみる祖父の養命酒<br />
<br />
「濁酒(どぶろく)は大人のミルク」と言いながらぐいぐい呷る赤ら顔して<br />
<br />
水割りの水がほろりと酔っていて俺は酔えずにグラス重ねる<br />
<br />
ヨーコが作りしカクテルをふと見ゆればウロコが浮いて<br />
<br />
ヨーコが作りしカクテルを口につければ薄らぐ意識<br />
<br />
カクテルを飲むヨーコの口元濡れて含みしチェリーも僕も濡れ<br />
<br />
甦るトリスのラベルに刻まれた瞳もいまや琥珀色<br />
<br />
魑魅魍魎溶けたる酒飲み干しぬ時、午前二時の鐘は鳴り
<br />
夕暮れて行く当てもなく背伸びしてふたりで飲んだソルティードッグ<br />
<br />
もしかしてカシスソーダに浮かんでるかもしれないよ土星のわっか<br />
<br />
苛立ちを隠しきれない17の夜に溺れたダイキリの海<br />
<br />
背伸びして飲んだジンフィズ両切りのピースくゆらせ生意気な夏<br />
<br />
17の恋に恋していた夏の夕陽のようなカンパリソーダ<br />
<br />
切り出せぬままのさよなら寡黙なるジントニックの氷がとけて<br />
<br />
少年のままのくるぶしむきだしに夏の陽射しとカンパリソーダ<br />
<br />
桃色のドンペリコールきらきらと今宵アキラを買い占めてやる<br />
<br />
桃色のドンペリコールまがいものでもいい愛が欲しいと思う<br />
<br />
しなやかに小指を立てて傾けるドライマティーニおかまのケーコ<br />
<br />
テキーラの度数で愛を奏でてと叶姉妹のとんだ我侭<br />
<br />
満月を浮かべたようなジンライム飲んだら叶う恋もあるから
<br />
よかったと思うことにしてあげるあなたの手酌ぬすみ見をして<br />
<br />
焼酎にしずむ梅干し底にある涙の味とそっくりだった<br />
<br />
真夏日の満員御礼冷蔵庫隅でいいから入れとくれ ビール<br />
<br />
肝臓を病める友より送られし千寿の久保田かおりたしかむ
<br />
まさこさまってつぶやいてみる ブラッディーマリーのふちにささったレモン<br />
<br />
封印を解かれて泡はあふれだす そのまま海へ出ようと言った<br />
<br />
上目遣いでこぼれる泡を舐めている きみはとかげのようにさみしい <br />
<br />
苦くって飲み込めなくてそれだけをグラスの底に残したままで
<br />
手ばなした君との夜があふれだすグラッパの香を部屋に満たして<br />
<br />
ため息をオンザロックにして飲めば終わった恋がとけだしてゆく<br />
<br />
麦秋の風にまぎれるバーボンの香りのような哀しみを抱く<br />
<br />
美しい夢見せるためオーロラのまぶたにこぼす一滴のロゼ<br />
<br />
泡沫(うたかた)の恋が溶けこむシャンパンの海に沈めた人魚の涙<br />
<br />
公園のベンチで飲んだハイネケン五月の風につつまれていた<br />
<br />
さよならが君のグラスをとびだせばマティーニよりもドライな夜更け<br />
<br />
冬の日の思いでつまるアルバムがマルガリータに雪を降らせる<br />
<br />
嫁さんになれなかったね缶チューハイ二本飲み干す一人寝の夜
<br />
冬の日の思いでつまるアルバムがマルガリータに雪を降らせる<br />
↓<br />
冬の日の思い出つまるアルバムがマルガリータに雪を降らせる
<br />
喫煙の謹慎期間が長引けばやけ酒するだろう加護亜依は<br />
<br />
「アリクイに主人は殺されました」というスパムメールが今宵の肴<br />
<br />
しみじみと歳を重ねて乳首から梅酒を出せる女になった<br />
<br />
ずぶ濡れのラガービールを飲んでいる運転せぬ人みな後ろ向き<br />
<br />
たいせつに育てたい子に吟醸と名づけることを役所が拒む<br />
<br />
その土地の時を溶かして日本酒は無色透明なるを厭わず<br />
<br />
意味がないなんて泣くなよ日本酒の金粉みたいなムードメーカー<br />
<br />
春の夜に酒精は満ちてくすぐれり握力よわき花びらゆ散らん<br />
<br />
深海に沈むワインを数えつつやすらかにやすらかに眠れよ<br />
<br />
(ありがとうございます。改作しました)<br />
豆腐ようになる冷奴 たらちねの母がバドガールを着ておれば
<br />
「下に下に」小さき大名行列は一合枡の陰より現る<br />
<br />
鬢白き老人過ぎし艱難を濁酒の杯にじっと見てゐる<br />
<br />
流れ来しラム酒の壜の手紙には「おかわり」とのみ大書してあり<br />
<br />
酔い果ててレム睡眠の渕で聞く遠い雨音 夜は優しい<br />
<br />
磯釣りの磯に置きたる「泡波」は寄せて泡立つの波に攫わる<br />
<br />
デトックスの夜に四種の酒浴びてパラドックスに酩酊せよ
<br />
磯釣りの磯に置きたる「泡波」は寄せて泡立つ波に攫わる
<br />
検尿のコップを持って来た医者の息子と夏のバーベキュービール<br />
<br />
真夜中にロック飲み干す君と僕 タイタニックを沈めぬように <br />
<br />
ちびちびと酒飲む親父3分で終わる料理の番組に吼え
<br />
ユニットバスでぐびなま。あおり欠勤TEL 今朝のあたしは小原庄助<br />
<br />
二級酒の徳用パックについてきた小鉢に限って割れないんです<br />
<br />
介抱し会計しタクシー押しこんで男を掬えぬザルの聖女よ<br />
<br />
ほんとうの親孝行なら瓢箪にヘルシアを汲め養老の滝<br />
<br />
つぼ八の由来の薀蓄もはじめてのように聞いてる きみと来たから <br />
<br />
鬼娘ラムが差しだすカクテルの名は雷門の電氣ブランぞ<br />
<br />
八月のサッポロでその意味を知る 一番星の拓(ひら)きたる空<br />
<br />
貴腐ワイン巡るマダムらの血管は永いランチのあいだに朽ちる<br />
<br />
廃業の酒蔵のなか樽たちはおのれの匂いを封じられずに<br />
<br />
跡取りを待たぬ杜氏が遺したる半被(はっぴ)ばさばさ斜陽に舞って<br />
<br />
吐きだして楽になれないこともある 歪んだニッカのおじさんの髭<br />
<br />
泥酔はひとりで泥の船へ乗り沈みきるまで漕ぐようなもの<br />
<br />
酒瓶でとぐろ巻くハブの隻眼に口説かれている漢方薬局<br />
<br />
ドンペリのグラスタワーに倒れこむように吾を抱け 飛沫 破片 <br />
<br />
角(つの)に星を留まらせトナカイは染まりゆく銀河高原ビールの青に
<br />
蛇口から酒が溢れてああなんて幸せだろう一人暮らしは<br />
<br />
お花見を口実にする酔客に桜の花の色は濃くなり<br />
<br />
ワイン色の血潮を舌で絡めとるあなたのテイスティングは長く<br />
<br />
酒というベールまとえば何もかも要らぬ気がして服を脱ぎだす<br />
<br />
濡れているジョッキそのまま凍らせてビールにひらり冬が降り立つ<br />
<br />
まだ酒も入らぬうちに上気した頬をテカらせヲタを説く君
<br />
やけ酒につきあわされて3軒目。これが女の義理人情<br />
<br />
朝帰り置いてきたのは昨夜の記憶 化粧と若さ羞恥心<br />
<br />
大丈夫?心配なフリしてみせる夜はこれからもっと呑ませる
<br />
大丈夫酔ってないよと千鳥足支えるフリして酒臭いキス<br />
<br />
あなただけ…酔った瞳で見つめればもう逃げられないメデューサの女
<br />
黒魔術使いのフミコが口にする酒は専らブラッディマリー<br />
<br />
空の下地球に優しい親父達ノーネクタイで酒盛りの晩<br />
<br />
厳つくて強面である男子でも甘い時間はカルーアミルク<br />
<br />
「飲み明かそう」確かに僕ら誘われた…今や人妻森高千里<br />
<br />
シャワー浴び爪を立てても酔わされた斑模様の肌は脱げない<br />
<br />
港町ひっそり佇む潮焼けた看板 そこは『スナックあけみ』<br />
<br />
18時『スナックあけみ』に灯が点り陽に背を向けて夜が始まる<br />
<br />
ベルで呼ぶ『スナックあけみ』に併設のラーメン屋でも店主はあけみ<br />
<br />
独り呑むお酒に肩を叩かれた週末 明日(あす)からまた頑張れる
<br />
いたいけな兎の消えた密室でくちびる舐めて飲むレッドアイ<br />
<br />
サードアイ腕時計など書き足されワインボトルと終電をゆく
<br />
屋上で愛を叫んでジンの瓶破片やさしく天の河になる<br />
<br />
このビルで名前叫んでジン飲んであいつとの愛捨ててしまえよ<br />
<br />
あと一口カンパリ残し彼を待つ笑いたいなら笑え・・・うそだよ<br />
<br />
改作<br />
ある者は未来またある者は過去 ラガーは映す黄金の時代(とき)
失恋でウォッカ七百五十本割って壊して夜空に撒いて<br />
<br />
生理来たなんて言えずに海の家一人でラガー からっぽの夏
<br />
生き甲斐を失いし我 道連れだ!離島でオリオンビール買占め<br />
<br />
雑種だかビールか分からぬオレだからこんな女房と結婚したのね<br />
<br />
不運とはワインを開けるそのたびにコルクが当たることを言います
<br />
afrer<br />
雑酒でもビールと思うオレだからこんな女房と結婚したのね<br />
↑<br />
befor<br />
雑種だかビールか分からぬオレだからこんな女房と結婚したのね
<br />
*表記を修正しました。
<br />
水を吐くマーライオンの真似をして君の口から輝く麦酒<br />
<br />
六割が水で出来てる僕たちの残り四割麦酒で埋める<br />
<br />
復活の呪文唱えて辿り着く赤提灯に麦酒喝采<br />
<br />
じっくりと麦酒で煮込み豚肉が柔らかくなるノミニケーション
<br />
ちょび髭の喜劇役者の名の酒を嘗めてオヤジのタップ練習<br />
<br />
球児らが煽る暑さと缶ビール 坊主と汗と気合疎まし
A<br />
<br />
禿頭にそそがれゆくは神の酒大杯から滝のごとくに
除霊を祈る教祖少女A<br />
<br />
表記を変更しました。お願いします。
<br />
一杯のビールを大事に飲みながら尿酸値のこと語り合おうよ<br />
<br />
リキュールが紅茶に変わるバーの棚 道路交通法改正で
<br />
酒呑みの顔と言われてモナリザの笑みで応える大人になった<br />
<br />
若き日の父現れてランニングシャツとビールで我を迎える<br />
<br />
病巣を忘れるように酒を飲む男に妻は二人居ました<br />
<br />
「パステル」のホールケーキを買ってみる 酒池肉林の理想のかたち<br />
<br />
知らぬ間に酒を注ぎ足す善良な赤毛オンナのうっとうしさよ<br />
<br />
あっさりと食前酒だけ飲み干してメインディッシュはどこで食べよう
<br />
満面の笑みで酒飲む夕方の「社っチョウさん」の財布は薄い<br />
<br />
祝福に到る涙が入らないように笑って飲む酒も笑う<br />
<br />
赤鼻の酒の達人ちびちびと 飲むと思うな飲まれりゃ負けよ<br />
<br />
首根っこ掴んだままで一本を取られた酒の逆襲開始<br />
<br />
靴型のビールジョッキを飲み干せずカポンと俺を蹴るシンデレラ
訂正<br />
ぐにゃぐにゃとスプーンを曲げる念力を披露している酒場の娘
ぐにゃぐにゃにスプーンを曲げる念力を披露している酒場の娘
<br />
居酒屋のめがね娘に今夜だけご酒人様と呼ばれていたい<br />
<br />
ビール飲み取り皿まわし心臓のBPMが加速している
<br />
ほろ酔いの恋人たちを詰め込んでシェイクしている大観覧車<br />
赤鼻の酒の達人ちびちびと 飲むと思うな思えば負けよ
<br />
ビール開け怪談話し始めればキリンが逃げていく足音が<br />
<br />
漱石と書かれたボトル耳にあて名も無き酒が語り始める<br />
<br />
素晴らしき酒の効能 ブスな女(スケ)見れば見るほどかわいく見える<br />
素晴らしき酒の効能 空き地にて野良犬集め朝まで討論<br />
素晴らしき酒の効能 憧れのグラビアギャルの水着が透ける<br />
素晴らしき酒の効能 地球儀が平らになってみんなタメグチ
<br />
父の棚で「響」は眠る 天使への供物をそっと吐き出しながら<br />
<br />
恋をしてみたい季節の土曜日にコロナビールと交わすくちづけ
<br />
三番は王様をサァぶちなさい ビールは王をまるはだかにする<br />
<br />
肉体をボトルに替えてアル中で逝ってしまったマムシの辰よ
<br />
休刊日そんな日くらいは休肝日駄洒落で禁酒をすすめておれり <br />
<br />
父の酒ナイショで飲んで気が付けば半分あけてて麦茶を足した <br />
<br />
宝酒ちびちび飲んでいたけれどいつの間にやら麦茶になりおり <br />
<br />
あの女優したたるような赤ワイン血管の中にも流れておれり <br />
<br />
女優K輸血をするならフルボトル若さのエキスボジョレーヌーボー <br />
<br />
吾の心突き刺すようなマドラーでグラスの梅干し砕いておれり
<br />
末っ子のお盆の唇(くち)が語り出ず(いず)酒蔵の奥に埋められしものを
<br />
東京の四角い空のすみっこでブルーハワイが色あせてゆく<br />
<br />
恋なんてカルアミルクに落ちてゆく蟻だ波さえ許されなくて<br />
<br />
母の手の匂いをのこすたまご酒モモ缶よりもあまい遠い日
8月6日投稿ぶんの改作<br />
病室でラム酒をすする替え玉よ むらさき色のけむりはいかが。<br />
<br />
8月8日投稿ぶんの改作<br />
晩餐の仮面貴族の大皿にテキーラ漬けの幼虫蠢く<br />
<br />
8月10日投稿ぶんの改作<br />
バーボンが砕け散る音響く昼娼婦の部屋に蒼色(ソウショク)のシェリフ<br />
<br />
冷蔵庫で冷やして食えばウんまいヨ ブランデーケーキ 粛清生首
<br />
母の手の匂いをのこすたまご酒モモ缶よりもあまい遠い日<br />
↓<br />
母の手のにおいを残すたまご酒モモ缶よりももっと甘くて
<br />
「われかつてアルカディアにありき」とふ 甲板にそそぐラム酒の香に酔(ゑ)ひ<br />
<br />
ギムレットの記憶かたみに一盞(いつさん)の訣れすらなし『長いお別れ』閉づ<br />
<br />
祝祭の果てなる朝に飲むレッド・アイ 卵の黄身のまなこ落として<br />
<br />
黒く濃きギネスの泡の噴きいづる わが心臓を診(み)し医者いづこへ<br />
<br />
真夜中にのぼる陽もありくちづけしテキーラ・サンライズのふちの北極<br />
<br />
アラスカを飲むバー過ぎたる半世紀あのオーロラに棲めるちちはは<br />
<br />
ダイキリをのみほして友の記憶断つ 矢作俊彦に『THE WRONG GOODBYE』<br />
<br />
酒旗はためく水辺の村にのむ白酒(バイチュウ) 酔ひ痴れてまた泥のごとくゐる<br />
<br />
大吟醸そそぐ酒杯に銀のひびき わが内耳と鳴り交ふ春雷<br />
<br />
白樺の林に憩へり麦酒(ビール)飲み惑星の数かぞへなほしてゐる<br />
<br />
夏百日果てたるわれにシンガポール・スリングのささやき聞かせゐる愛<br />
<br />
秋くさの花にじみあふ酒杯の晩夏 女主人(めあるじ)の襷(たすき)凛凛しく<br />
<br />
沈痛にしてソルティ・ドッグ飲むゆふべ身に沁むごとき荒塩のほてり<br />
<br />
李白恋ほし 銀壺(ぎんこ)の酒にあふるるは未来永劫酒呑みのあかし<br />
<br />
玲瓏たる吟醸酒の杯てのひらに遊ばせてゐる地球の薄暮<br />
<br />
マイヨールの裸婦像つねにこころに秘め或る日のワイン・グラスに見惚る<br />
<br />
革命崩るるあやふさ湛へモスコミュールかつて訪れし街モスクワ<br />
<br />
神谷バーに電気ブランを飲むこころ暗黒の胃袋ほの照らす秋<br />
<br />
血まみれマリー夜のみだらな鳥のごとぼくは愛せり檻のなかにて
<br />
思いきりプロレスしたくなるらしい 男はいつも酒に飲まれる
<br />
恐山ごろごろしてる酒瓶の星のマークに亡き人の名が<br />
<br />
旅先に向かう列車で騒いでる学生になるガード下の酒<br />
<br />
溺れてるお前助けに養老の滝に飛び込む 夏の終わりに
<br />
新橋のガード下にも王子様は来るのよ白い麒麟に乗って<br />
<br />
大甕の老酒(ラオチュウ)ででんと出されたり 吾のイメージのオーダーカクテル<br />
<br />
空ジョッキ八つ転がしまどろんでヤマタノオロチと酌み交そうか<br />
<br />
酒気帯びの検問みたいにあばかれる私の吐息が含有する恋<br />
<br />
始発まで鯨のように呑むひとの隣で泣きたい スナメリのように<br />
<br />
校舎つつむ空気が全てだったころ 同窓会の金木犀酒<br />
<br />
バーボンの瓶へくちづけ 舌 喉 胃 肝に咲かせる4本の薔薇<br />
<br />
交差点に陽炎は立ち 萎れゆく供花へカップ酒が寄りそう<br />
<br />
なまごろしがいちばん嫌い マティーニのオリーブの芯つらぬくピック<br />
<br />
黄金の麦酒より白銀の米酒より赤銅の肌の汗に飢(かつ)えて<br />
<br />
ロックグラス傾がせて聞く 手のひらのなかで氷河がこわれゆく音<br />
<br />
花の無い果実と書かれた無花果(いちじく)酒を寡婦と呼ばれる吾が購う
<br />
飲みながら乳をやれたら母も子もほんのり赤く幸せなのに<br />
<br />
コップから升に流れる1/fのゆらぎは明鏡止水
<br />
真白き二人を見ながら飲む酒はそれぞれの胸にそれぞれの味
<br />
雰囲気で酔っているのかこの人に酔っているのかわからずもよい<br />
<br />
忘れ得じ我遭難すアルプスの救いの犬の樽酒の美味<br />
<br />
愛猫の死に漱石が涙酒 いわく「我輩は下戸である……」<br />
<br />
ヘミングウェイ、エコ団体に抗議さる 「コロナビールにライム入れるな!」
<br />
角ばった一輪挿しは深緑くるり回せば鏡月の文字<br />
<br />
甘酒をお猪口に注ぐ御飯事ちびちびと飲む父の真似事<br />
<br />
粉々の一升瓶から零れ出すポン酒の香りさえも楽しむ<br />
<br />
週末はKAT-TUNと一緒にオールなのピンドン入れるくらいの募金で
(今後はなるべくまとめての投稿を心かげます。。。)<br />
<br />
始発まで鯨の如く呑むひとの傍で泣きたし吾はスナメリ
<br />
原油高で係留されたままの船、漁師は陸(おか)で焼酎に酔う<br />
<br />
居酒屋の主人が墨を日本酒ですって毎日書くお品書き<br />
<br />
キープしたボトルをのこし消え去った男とママのその後の話<br />
<br />
上滑りする言の葉を弄ぶ終わらなき夜の下戸の寂しさ<br />
<br />
スマイルを配り終えたらコンビニでチューハイ二缶だけ買いに行く
<br />
酔ったときだけは素直に「淋しい」と言えるあなたが僕は淋しい<br />
<br />
恋しいと呟く合間に酒を飲む 呟きすぎて今日も酔えない<br />
<br />
青空は目が覚めている 悲しみで酔っぱらったりしないのだろう<br />
<br />
ぼくたちの悲しみは今夜酒になりこの世を少し酔わせてしまう<br />
<br />
楽園のようなこの世をすり抜けるために少しの麻痺がいるのだ<br />
<br />
酒などで逃げきれるものがあるのなら明日はきっと今日に勝てない
<br />
半分を残して誰も飲まざりきワインの瓶は棚に転がる<br />
<br />
撫でてゆく夜風を肌に感じたね同じ場所だね遂に乾杯<br />
<br />
公然の場所で会うよりほかはなしこの健全な愛に祝杯<br />
<br />
美酒(うまさけ)を酌み交わしたる同胞と思う二人の乱れて悲し<br />
<br />
酔いしのちわれにかえれば浮き上がるグラスの縁の紅を拭き取る<br />
<br />
偽善者となりて酔えない席におり添えてもたれる人ぞ恋しき
<br />
はじけとぶコーラの泡のはかなさはCuba libre(キューバリバー)をうらやむように<br />
<br />
ブラッディーマリー飲みつつ「ニッポンはやっぱ革命必要だよね」<br />
<br />
ステアせずシェイクでウォッカマティーニを ロシアにいつかおしやれな赤を<br />
<br />
ー鳥肌実にー<br />
大時局講演会ののち買いしワンカップ大関の小ささ
<br />
段平のとっくり酒が空となり真っ白な灰詰め込んでいる<br />
<br />
背を丸め末期の酒を酌み交わしティラノザウルス氷に眠る
<br />
キッスオブファイヤー罠と知りながらどしゃ降りみたいな恋に堕ちてく<br />
<br />
ソルトスノー纏うグラスに注がれてマルガリータは悲恋の予感
<br />
甘酸っぱい青春素足で踏んずけた少女は熟して女になります<br />
<br />
それなりに時間かけぬとなし得ないこともあるって酒に教わる
*ルビ:杯=さかずき
訂正お願いいたします<br />
<br />
【 のみほした毒酒うましやわたくしの口にはりつくユダの杯 】
<br />
CAが機内飲酒の微酔いにさりげなくいう初操縦と<br />
<br />
子のためと自由研究貝あつめアサリにしとけその酒蒸しの<br />
<br />
古代から百薬の長 酒なれば垂らしてみようこの水虫に<br />
<br />
「お酒です」そう書いてある読めないの?読めなかったら飲まなかったよ
<br />
ギルビーのウォッカに棲むドラゴンの火で灼いちゃおう そんな思い出
<br />
社長らが集う銀座のサウナにて最高峰の酒の味知る<br />
<br />
マラソンの小出監督 酒を手にペース配分実証させる<br />
<br />
お茶を手にやり手の彼の饒舌な舌が演じる夕べの酒場<br />
<br />
ゴミ捨てのレミーマルタン その中にいるゴキブリをちょっとうらやむ
<br />
陽光をあつめるミントジュレップにケンタッキーの歓声を聞く<br />
<br />
ビール買う指と指とが触れあって泡立ってゆく僕たちの恋<br />
<br />
なまぬるくなったビールがはきだした最後の泡と君のため息<br />
<br />
学校の屋上で見た太陽をCoronaにとかし飲む夏の朝<br />
<br />
口紅の残るグラスとからっぽのボトルと君がころがった部屋<br />
<br />
ボサノバのリズムで揺れる風の中シャワーのようにピンガをあびて<br />
<br />
ジンフィズの波にさらわれ消えてゆく制服のままキスした記憶<br />
<br />
おそろいのワイングラスの片割れに合鍵いれる もう帰らない
<br />
足元のバケツに君を映さないためか、何しろ新郎は呑む<br />
<br />
人混みに揺れるうなじがラ・トマトのように透けてた精霊の夜<br />
<br />
死にたくないと叫ぶボギーにブルジラのホットビールをそっと差しだす
<br />
ミサイルのごとき形の壜の中茘枝を含む酒は眠れり<br />
<br />
この酒は多分惡魔の贈りもの黒いラベルに銀の封蝋<br />
<br />
もしかしてエッチ・メガネになるのかな雙眼鏡を酒で洗へば<br />
<br />
仙人でなき父なれば定年後酒増えたるが我は氣がかり<br />
<br />
飲みつけぬ澁いワインを飲むバーで隣に座る時間泥棒<br />
<br />
朝燒けの速度に負けず僕たちはまだ燒酎を吸い込みやまず<br />
<br />
濁り酒噛むやうにして飲み乍ら夜あわてだす蜘蛛を見てゐる<br />
<br />
居酒屋の壁に谷川俊太郎 さうか!僕らは生きてていいんだ<br />
<br />
珍しい客が來たから珍しい酒を開けよう鱗粉入りの
<br />
グラスからホーセス・ネックを持ち上げて第4コーナー回ったところ<br />
<br />
返杯の儀式がいいね 飲み干したグラスの縁をきゅきゅっと拭いて
<br />
姑が漬けるマムシ酒いま以上元気になって何がしたいの
<br />
レッドアイの赤みがとれて酔わせようとしたのがばれるほど効く目薬<br />
<br />
乙姫と呑んで帰れば枯草のごとく眠れる若草の妻<br />
<br />
(訂正です。金粉→金箔)<br />
意味がないなんて泣くなよ日本酒の金箔みたいなムードメーカー<br />
<br />
(訂正です。吟醸→大吟醸)<br />
たいせつに育てたい子に大吟醸と名づけることを役所が拒む<br />
<br />
(改作です)<br />
バドワイザー泡立たざりきたらちねの母がバドガールを着ておれば<br />
<br />
虫よけは不必要なりたらちねの母がバドガールを着ておれば<br />
<br />
甲子園に魔物あらわれずたらちねの母がバドガールを着ておれば<br />
<br />
入道雲うなだれておりたらちねの母がバドガールを着ておれば<br />
<br />
流星群不完全燃焼たらちねの母がバドガールを着ておれば
<br />
「< 涙忘れるカクテル > なんてない」と言う麻薬(ヤク)に溺れたことあるマスター<br />
<br />
< 涙ふくハンカチ > 広げ酔客のコインをつぎつぎマスターは消す<br />
<br />
「アメリカのポルノ女優のような名のカクテルそれじゃあマスター作って」<br />
<br />
「今までにフラれた数だけタダにしてやる」と笑ってシェーカーを振る<br />
<br />
< 道化師の涙 > という名のカクテルを飲み干し一生おどけていたい<br />
<br />
マスターが青いタオルで汗をふき見事に歌う < 早実校歌 > <br />
<br />
「ねえマスター、ねえマスター……」と酔いつぶれ椅子の硬さが心地好くなる<br />
<br />
これまでに抜いたコルクでお勝手の床を防寒仕様に変える<br />
<br />
2006-08-22 23:04:38 投稿の改作です。<br />
<br />
7層にフロートされたリキュールで何度も死んで蘇る僕
<br />
スキップをしたくなるほど良い事があった日だから鏡開きを<br />
<br />
ダウン取る飲みの勝負は必殺のレゲエパンチで一戦交わす<br />
<br />
飲みの席毎度誘われ烏龍茶吾はお抱え<下戸>運転手<br />
<br />
蜩の声を肴にキュッとやる夏に別れを告げる一杯<br />
<br />
シュワシュワと乾いた喉を挑発す乾杯を待つジョッキの泡よ
<br />
同じ年生まれたはずの赤ワイン色も匂いも私負けてる?
<br />
解禁の時刻は5時を厳守してシンクの前でプルタブあげる<br />
<br />
カロリーを50%カットして2倍呑めると思わせている
<br />
飲みすぎて足の浮腫んだシンデレラ ガラスの靴で迎酒する<br />
<br />
酔いどれてネクタイ頭に巻いていた親父はクールビズで休業<br />
<br />
挑むわけではなくひたすら飲みたくてギネスの空き瓶うずたかく積む<br />
<br />
しだれてる桜のように君の肩もたれて飲まれ散ってしまえよ
<br />
うらやんでばっかりいるね(まあこれでも)自棄酒差し出す(今夜だけ恋人)<br />
<br />
幸せに酔う方法もあるらしいルームナンバーをワインに混ぜて<br />
<br />
キャミソール一枚だけの風呂あがりテレビ電話で君と乾杯<br />
<br />
気まぐれに酒瓶たおす部屋の中あなたと重なるドミノは止まらず<br />
<br />
脳内に注がれているアルコールたとえばそれは麻薬のように<br />
<br />
指先がびっくりするほど冷たくて猫なで声で熱燗ねだる
大勢で飲んではしゃいでいるときも見守ってくれる君がいました <br />
<br />
カプレーゼと白ワインのお店にも行ってみたいけどとりあえず中生<br />
<br />
「シンデレラの靴」という名のウォッカあり誰かプレゼントしてくれと思う
<br />
揺れているワイングラスが転がってテーブルクロス占いは凶<br />
<br />
無礼講 またの名を裏査定にて酔って部長の頭をぴしゃり
<br />
酒豪とか呼ばれてるけど飲まないで諦められるよな恋はしてない<br />
<br />
アブサンの苦味に毒を感じつつ壊したいもの体内にあり<br />
<br />
この世にて最初に酒を飲んだのは死にたがってた人かもしれない
<br />
ぐいぐいとグレープフルーツ搾る手にあわせ絞っていました声を<br />
<br />
どうにでもなれと毒突き飲んでいるどうにもしてはもらえず毒突く
<br />
ご主人のシャツにカシスをこぼしたの私その他も紅くしたけど<br />
<br />
アル中で逝ったオヤジの赤ら顔夕日に染まる墓石に浮かぶ<br />
<br />
花見酒檜の枡に大吟醸花びら浮かべ言う事はなし
<br />
ご主人のシャツにカシスをこぼしたの私その他も紅くしたけど<br />
<br />
アル中で逝ったオヤジの赤ら顔夕日に染まる墓石に浮かぶ<br />
<br />
花見酒檜の枡に大吟醸花びら浮かべ言う事はなし
<br />
雪見酒露天風呂からざばとゆく遠投の型ピンクニップル<br />
<br />
おでんやであおるおやじの空カップ「今夜の月はすげえぞうおい」
沸点を越えた疲れに流し込むビールの泡よ消えてなくなれ<br />
あの海で溺れたときと同じよにゴクリと飲み干しジョッキお代り<br />
ふくらみを湛えたグラスに注がれた光まぶしく魅せるマドンナ<br />
レッドアイを地獄酒と呼ぶマスターの手首に白き包帯まぶしく<br />
五杯目の焼酎開けて乗り移る 悪魔の口は今開きたる
<br />
ピーチツリーフィズと唱えてこの胸にしゅわりとよぎる80年代
<br />
よく冷えた金色をした液体が二人のなかに沁みてゆくとき
<br />
あやまちをおかしましょうか大丈夫ぜんぶワインのせいにしちゃうの
夕焼けの色の地ビール「吾妻橋」君に抱かれてみたい夜です
<br />
シャンパンで酔ったふりしてしなだれるきみをシャボンの泡で包もう
<br />
虹色のキメラを造る要領でバーテンが振る銀の台形<br />
<br />
舶来の新たな酒が注がれる日本語という我の盃
<br />
泡盛を一杯飲(や)れば三味(シャミ)の音でーじちゅらさなウチナーのジミヘン
<br />
三河屋の小僧が土間で立ちつくす障子の陰の白きくるぶし<br />
<br />
りりと鳴く処暑の風吹き玻璃徳利(はりとくり)とくとく注ぎて酔ひきれぬ宵<br />
<br />
うまさうにしあはせさうに兼八のグラスつつむ手大きかりけり
<br />
酒に濡れ見たこともない天気図が散らばっているBarカウンター<br />
<br />
美味そうなすったもんだのりんご酒 製造元が「アダムとイブ」の<br />
<br />
君の目を酔っているから気づかないふりして飲んだ酒よ酒よ酒よ<br />
<br />
飲みすぎの背中さすれば「好きでした」全て吐き出す酒場の恋よ<br />
<br />
とりあえずビール頼んだ帰り道「私はジョッキじゃないんだから」<br />
<br />
古里を離れお水の花道の酒の薫りに蛍を想う<br />
<br />
酒盛りのさなかに牛の声遠く都の源氏名を想う夜<br />
<br />
爺さんが冷蔵庫にて冷やしてる好きな婆の入れ歯と焼酎<br />
<br />
母さんは親父をビール飲むときに手懐けている ポチのジャーキー
<br />
空回りばかりしている眼差しはカルーアミルクに笑われちゃった<br />
<br />
だっていつも最後までいけないんだものビール飲み過ぎないで嫌いよ<br />
<br />
恋人はアサヒカクテルパートナー田中でいいのか悩むの止そう<br />
<br />
菊水が知らないうちに水になり知らないうちに失った恋
<br />
裏道のナインハーフを見せるバーは口の氷でバーボン飲ます<br />
<br />
鳴り響く祭太鼓の音に乗せ樽酒喰らい景色も踊る
<br />
ジッパー下ろしウィスキー噴くカサブランカ・ダンディ課長にセクハラ訴状<br />
<br />
乙女二十歳(はたち)恥ぢらいながらサワーへとそそぐ青林檎を片手で潰す<br />
<br />
杏露酒みみたぶのうらへすりこんで昂ぶる吾に楊貴妃の香<br />
<br />
コロナビール飲みほす原始太陽であったおんなの末裔として<br />
<br />
12月のビアガーデンにて泡雪をジョッキへ満たし待つのあなたを<br />
<br />
チェイサーはただの水なんだ去るものを追えば想いは薄まるだけだ<br />
<br />
首筋のリンパの腺にロゼワイン流れる彼女は彼のこいびと<br />
<br />
馴染み客の秘密がしずかに埋ずもれた老バーテンの白髪の櫛目<br />
<br />
ジンの瓶吹けば霧笛がボウと鳴る波止場でマドロスの口髭は湿る<br />
<br />
たぷたぷの金色(こんじき)の腑をさすりあい笑おう恵比寿っ腹と名づけて
<br />
酔えばすぐ居酒屋の壁を殴っては「好きだ」と叫ぶ君が愛しい意
<br />
とっくりを着た君をふと後ろから抱きしめてみる 酔ってなんかない<br />
<br />
ウイスキーボンボンひとつでよみがえるあの人の名だけ思い出せない
<br />
土に背をつければ視界は星だ星 マンモス肉と猿酒を持て<br />
<br />
へべれけに一歩手前がほどよくて酵母が香る唇よ 来い<br />
<br />
あこがれのマンガのあの肉千鳥足みやげの寿司折り瓢箪の酒<br />
<br />
3センチきっかりの泡注ぎ足す手際に惚れた結婚しよう<br />
<br />
花の中 ブルーシートが私よりたくさん呑んで濃くしていく青<br />
<br />
たんぽぽのお酒で酔えば時も酔う 歪むグラスはブラッドベリ忌<br />
<br />
これを呑む勇者はおらぬか劇研の部室に眠る妖しの酒を<br />
<br />
太腿にぽたり落ちればその熱をわずかに攫うワインの精よ<br />
<br />
しゅわしゅわと期待が缶からはじけ出し日比谷野音の空は濃くなる
<br />
しゅわしゅわと期待が缶からはじけ出し日比谷野音の空を濃くする
<br />
しゅわしゅわと缶から期待がはじけ出し日比谷野音の空を濃くする
<br />
宴席の隅で寝ている部長さん片一方の耳がダンボだ<br />
<br />
プレミアムビールと月刊誌があれば気分は小金持ちな週末
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ピーチツリーフィズと唱えて脳裏にはしゅわりと80年代の泡
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姑のビール漬けにはたくさんの愛と嫉妬が混ざり合ってる<br />
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料理酒を舐めては眉をひそめつつ夫が作るあさりの酒蒸し<br />
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ゼロゼロと喉の鳴る日は母さんが日本酒湿布をしてくれました<br />
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卵酒飲んで芯から温かくなればあなたの笑顔近づく
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酔えばすぐ居酒屋の壁を殴っては「好きだ」と叫ぶ君が愛しい
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太腿にぽたり落ちれば肌の熱わずかに攫うワインの精よ
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ひと息に飲んだスクリュードライバー地図も持たない僕らの船出<br />
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真夜中にひとりぼっちで飲むジンは冥王星のさみしい雫
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ビール清らに爆発す 黄金(きん)の日差し物影皆かき消す時に<br />
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放課後の校舎のような冷たさの酒を飲めば昭和は遠く<br />
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大いなる手がこぼしたロゼを啜る為、夜間貴族集う夕暮れ<br />
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太陽とサザンを一緒につめこんだビールの名前はすなわち夏
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...字足らず。
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朝もやに包まれ乍ら獨人言「こんなに薄い酒ぢや醉へない」<br />
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大人なんてさういいもんぢやないつてこと酒の色とかみれぁ判るだらう<br />
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赤黒く染まった空は何かしら飲めと強要してゐるやうで<br />
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酒飲んで放つ餘計な一言が窗にくつついてゐる 雨だよ
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酒壺を抱えたはちみつ色のくま 着衣は上だけああ露出狂<br />
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ジッパー下げウィスキー噴くカサブランカ・ダンディ課長に<br />
セクハラ訴状<br />
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乙女二十歳サワーへそそぐ青林檎恥ぢらいながら片手で潰す<br />
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酔客の秘密がしずかに埋ずもれた老バーテンの白髪の櫛目<br />
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ジンの瓶吹けば霧笛はボゥと鳴きマドロスさんの胸毛を濡らす
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chianti(キャンティ)とふメールアドレス持つ女(ひと)に流るる赤きワインの血潮<br />
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ワイナリーの畑(はた)に朝陽が差し込まば美貌の果実まぶしかりけり<br />
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上野発ボックス席でカップ酒かぽんと開けつ笑顔の父が<br />
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少年の夏を溶かしてゐるゆゑに黄金(きん)に光らむたんぽぽの酒
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六人で鏡を抜きしあのときのおれとあいつとおまえの理想
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潮の香のウィスキー唇(くち)をしめらせて遠い古代の海を視てゐる<br />
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峡(かひ)の夜われら焚き火に燗をつけ岩魚酒酌む ひとのさびしさ<br />
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青きランプの影すぐり酒微光して武蔵野のバーにたをやめ眠る<br />
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帽子の陰のジン・フィズあはき恋終り放蕩の鳥また空を翔んでゐる<br />
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野分いたる微熱の頬をなぶられてギネスをあふる黒き悦楽<br />
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焼酎引つ提げ月見草を嗅いでゐる信濃の市(いち)に風宴ひらく<br />
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やきとん屋でホッピーそそぐグラスにはひとの手だけの指紋のこれる<br />
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月曜の何ぞいまさら降る雪を溶かして飲めるブルー・マンデー<br />
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冬籠りホット・ウィスキー飲むわれを眺めてひとこゑ鳴けり黒猫<br />
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カスピ海たまゆらウォッカの波が打ちチョウザメの蝶酔(ゑ)ひて紫<br />
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橙黄にスクリュー・ドライバー燈るバーひとのまなうら静かに熱(あつ)し
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買い込んだビールを下げてひとり乗るエレベーターに「おいてけ〜」の声<br />
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もの足りぬ飲み会帰りのコンビニで我はビールを君はからあげ<br />
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たんぽぽのお酒を買ひに行きしまま帰らぬ兄は方向音痴<br />
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宴会は酔ったもん勝ち お酌して「ありがとニャー」とか言い出す上司<br />
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無礼講 無礼千万 体重を当てるゲームで抱っこは禁止<br />
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榊原部長に呼ばれ正座してビール注がれて聞く犬自慢<br />
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二次会へ急ぐ我らが乗るためのエレベーターに抱き合うふたり<br />
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二次会終え そろりと開く戸のそばで子猫がじっと我を見ており
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大地震起きても無事でいてくれよビール工場巨大なタンク
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しかもいくつか改作があって、ご迷惑をおかけしてしまうかたちになるので、もう一度全部の作品を一つにまとめさせていただきます。投稿欄を無駄に使う形になりますが、ご容赦ください。<br />
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頭骨でビールの瓶は砕けるとはじめて知つた団欒である<br />
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改作<br />
「旧」<br />
貯蔵庫で麦は眠りぬ秋風に揺られる夢を見るのであらう<br />
↓<br />
「新」<br />
樫樽に麦は眠りぬ秋風に揺られる夢を見るのであらう<br />
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白鶴はほろ苦きかな 特攻機落ちゆく映画見つつ含めば<br />
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改作<br />
「旧」<br />
声かけむとすれば咽喉はウォッカを飲み干すごとき熱持ちており<br />
↓<br />
「新」<br />
声かけむとすれば咽喉(のみど)はウォッカを飲みたるごとき熱放ちおり<br />
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シャンメリーの売れ残りだらう 自らをオフィスの花と言いし女は<br />
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改作<br />
「旧」<br />
潰されるためにもがれた葡萄の実 胎児のごとく貨車に積まれて<br />
↓<br />
「新」 <br />
潰されるために葡萄の実はもがれ胎児のように貨車に積まれて<br />
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まさこさまってつぶやいてみる ブラッディーマリーのふちにささったレモン<br />
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改作<br />
「旧」<br />
封印を解かれて泡はあふれだす そのまま海へ出ようと言った <br />
↓<br />
「新」<br />
封印を解かれて泡はあふれだす このまま海へ出ようと言った<br />
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上目遣いでこぼれる泡を舐めている きみはとかげのようにさみしい <br />
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苦くって飲み込めなくてそれだけをグラスの底に残したままで<br />
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「旧」<br />
四畳半に一升瓶の散らばりてB-29のごとき鼾す<br />
↓<br />
「新」<br />
一升瓶で散らかる部屋に爆撃機みたいな父の鼾は響く<br />
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はじけとぶコーラの泡のはかなさはCuba libre(キューバリバー)をうらやむように<br />
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ブラッディーマリー飲みつつ「ニッポンはやっぱ革命必要だよね」<br />
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ステアせずシェイクでウォッカマティーニを ロシアにいつかおしやれな赤を<br />
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ー鳥肌実にー<br />
大時局講演会ののち買いしワンカップ大関の小ささ<br />
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以下、投稿作です。<br />
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賭けてもいい 今夜どこかでのこぎりを持った女がぐびなま。を飲む<br />
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蜘蛛の巣がはられた世界の中心へ密造酒垂らし続けるぼくら <br />
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ワインボトルの底をなぞれば隆起した肩甲骨のようなつめたさ<br />
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くちびるに触れるボトルの先端はやわらかい針 破瓜したマリア<br />
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したあとの女のようにからっぽのボトル鉄橋から投げ落とす<br />
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※お手数をおかけして申し訳ありません。改作はしないと決めていたのですが、どうしても気になってしまって、つい直してしまいました。よろしくご指導のほどお願いいたします。