
七夕です!
七夕といえば「笹」です!
七夕といえば「短歌」です!
七夕といえば「よろしく哀愁」です。

最後の「よろしく哀愁」だけわからない!
その心は?

「♪会えない時間が愛育てるのさ〜」
(郷ひろみ「よろしく哀愁」より)

しかしモノマネうまいですね〜。

「あいつはクイズ王」(宇宙ヤング)を
郷ひろみさんの新曲だと思ったくらいだから。


実際、七夕と短歌の縁は深くて、
「万葉集」(秋雑歌)には、98首におよぶ七夕和歌が納められてますし、短冊に祈願短歌を書いて飾る行事もあるようです。

次のお題は「笹」とか「天の川」とか?

七夕なんて1日で終わっちゃうだろ。
もっと大きな視野で考えなきゃ。


夏といえば海!
海といえば魚!
というのことで、今度のお題は
「魚介類(海草含む)」
です!!

魚介類(海草含む)の文字が入っているだけでもOKです。
では、師範のお手本からいきます。
______________________
<笹公人師範による模範短歌>
あの夢をあきらめたとき水槽の電気ウナギがはねた気がした
浜辺には力道山の脱ぎ捨てしタイツのようなわかめ盛られて
熱帯の夜の舗道に鯛が降りじゅうと焼ければ猫あつまるか
魚屋のアニキのねじりハチマキのねじれほどける夕べをおもう
波平の毛を抜くカツオ駄菓子屋のジュースのように青い顔して
________________________
短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
記入が無いと優秀作に選ばれても賞品をお送り出来ない場合があります。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、安心して記入して下さい。)
では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。
【笹流の理想短歌基準】
単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、良い「短歌」です。
あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。
1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか
____________________
回転寿司のようにカラフルでバリエーションに富んだ
投稿を期待してます!
☆お知らせ☆
「STOP!STDキャンペーン」
「好きな人に贈る 百人一首」短歌コンテスト
の審査員を務めることになりました。他の審査員は、
天道なおさん(歌人)、海原純子さん(医師)、やくみつるさん(漫画家)です。
テーマ:好きな人に贈りたい気持ちを自由に歌ってください。
STD防止予防の歌も大歓迎です。(未発表の自作短歌に限ります。)
応募資格:高校生、専門学校生、短大生、大学生
応募期間: 2006年7月10日(月)〜10月31日(火)




不謹慎だなぁ・・・。
ヤングのみなさん、間違っても「シモネタンカ」を送ったりしないように!

みなさんの大好きな「シモネタンカ」はコチラ↓にお願いします!
http://www.sasatanka.com/detail.php/12
ということで、
よろしく哀愁☆
BGM:「スシ食いねェ!/シブガキ隊」
<br />
ヒデユキは人魚に会いに行くと言ひ電車で歌舞伎町へとむかふ<br />
<br />
処女といううわさのお嬢様美樹の口が最近イカくさい謎<br />
<br />
言葉数少なくなってキスをして二人は土曜深海魚になる<br />
<br />
「わかめが海で出汁が出ないのなんでだろ?」ジャージの君よ安らかに眠れ<br />
<br />
前回でたかった(TT)
この店の指名ナンバー1というかのワカメちゃんの例のあの技<br />
魚くさい腋臭は古い神様がボクだけにくれた黒いプレゼント
<br />
深海魚鱗拾った老女いてタイタニックの生き残りだと<br />
<br />
数の子と子持ち昆布が相似する?おさかな君が論文トライ<br />
<br />
隣席で貝ばかり喰うヨシオ君今夜あなたのお魚になる!<br />
<br />
共喰いと言ってくれるなおっかさん末広がりで目出度いタコよ<br />
<br />
養殖のハマチ喰えるかてやんでぃそんなヒロシが好むハバネロ<br />
<br />
目の上にヒジキ生やしたおねいさんタラコくちびる今宵ぬらぬら
<br />
城みちるシャチにも乗りて生娘を連れ去りし頃いまいずこかな<br />
<br />
城みちる イルカは彼を連れてきてその後夢の世界へ帰しぬ<br />
<br />
イカ臭きメガネの男あらわれてどっどどどどう又三郎消ゆ<br />
<br />
イカ臭きメガネの男あらわれて村のお婆は祈祷始むる<br />
<br />
イカ臭きメガネの男あらわれて光GENJIがサライを歌ふ<br />
<br />
イカ臭きメガネの男あらわれて終末論を電波発信<br />
<br />
<br />
その他って言われないように頑張りマース。
<br />
溺れると助けに現る海神はヤングな加山雄三に似て<br />
<br />
貝殻のビキニを君が着てみても服が盗まれたとしか思えず
<br />
「離婚しろ」念を集められしリツコ二次会で出たホッケは美味し
<br />
しじみの身喰うか喰わずか言い合っているカップルは手を絡ませて<br />
<br />
海岸に打ち上げられて横たわる人魚の胸は上下している
<br />
< 魚 > という文字は進化を乞うあまり4本足で海を逃げ出す<br />
<br />
<br />
*<佳作>ありがとうございました。(^.^)
<br />
大とろの脂で出来た入浴剤 有名姉妹が開発成功<br />
<br />
<br />
※笹さん誕生日おめでとうございます。僕も同じなんです。
<br />
上半身 魚の人魚は息切って噴水に顔漬けて また、行く<br />
<br />
大円筒ぎゅるぎゅる廻る銀鮪 寿司皿の丸白かった日に
<br />
大円筒千日廻る銀鮪 寿司皿の丸白かった日に
<br />
モロッコ産タコのぶつ切りほお張ればカルーセル麻紀の本名うかぶ<br />
<br />
ちゃぶ台の冷えた秋刀魚の目ん玉が俺の行為を責め立てるのだ
<br />
節分に食べたイワシの脳味噌が海へと誘う梅雨の晴れ間に
<br />
魚卵落とすたび水揺れる底までの切子硝子の表面張力<br />
<br />
関鯖の半身盛らるる夜の青さ大陸棚の静けさを請い<br />
<br />
液晶を燈(つ)けたまま去る人 その後 アロワナ昏り至るを知らず<br />
<br />
最終フェーズ 月の座標を計測す 二匹の魚を繋ぐ場所から
<br />
青のりを歯にくっ付けて蛯原友里(エビちゃん)はにっこり笑っていてもいいとも!<br />
<br />
<br />
*1首目、微妙に改作しました。
アオブタイ国際通りのお寿司屋でだまされて食べるヤマトンチュかな<br />
バス釣りをバサーなんぞと呼びくさる鳥かお前ら鳥かお前ら
(門前=かどさき)<br />
<br />
はびこりぬるヱチゼンクラゲ駆除せむと日本海に墜つるミサイル<br />
<br />
いと厚きトビウヲ色のマニュアルを抱きて明日は飛ぶ宇宙飛行士<br />
<br />
ヒトデもて君がかひなに刺青を刻まむ夏の顎の如き<br />
(顎=あぎと)
<br />
トビエイがゲイラカイトに憧れていても火星人にタコは憧れず<br />
<br />
海上を通過してゆく台風の目を追いかけてヤツメウナギは<br />
<br />
彼女からもらったものが少なくて祭りのあとのくらげ集める<br />
<br />
気付いてる幼女の姿をしていても イルカにだって牙はついてる<br />
<br />
だだっぴろいきみの心が海ならば鯨の重みを持ち上げている<br />
<br />
破壊するナイフ使わず掌でやわらかく煮たあわびをさいて
<br />
二段目の柱の傷は一昨年のウツボが付けた最後の抵抗<br />
<br />
ぶら下がり健康器から見えたのは鮟鱇捌く板前の頬<br />
<br />
海沿いのジリリと歪む国道で烏賊のミイラが手招きしてる<br />
<br />
リリースはされたくないから食いつくのブラックバスねと朱美は苦笑
深海のオキノテヅルモヅルの腕十本に巻かれ眠っていたい
<br />
次々と軍艦に乗りいざ行かん いくら回れば魚雷となるか<br />
<br />
読めなくて書けない上に知らなくて ENDLICHERI☆ENDLICHERI<br />
<br />
おぉ神よ、夢でありますようにって本気で祈る天使の歯海苔<br />
<br />
僕だけの広い食卓、涙目の青い魚とビードロの皿
<br />
身一つで生きると決めたヤドカリが浜辺の道を歩き出す夜<br />
<br />
夢かなう光の国があるという上方見つめ揺れてるコンブ
<br />
ぼくがクロきみがミナミで相性は黒潮にのりとってもトロビアン〜<br />
<br />
金魚には到達できない海原の夢を語って老クロマグロ<br />
<br />
キロ単価10万円のトロに似た君の笑顔にとろけちゃいそう<br />
<br />
暖かい潮の流れに身をまかせカタクチイワシを追いかける夢<br />
<br />
水族館行ったら死ぬって最愛のミナミマグロの嘆く言葉が<br />
<br />
王道は本マグロと言う幻想を捨て去ることから始めてみよう<br />
<br />
純白のマグロ漁船よ朱に染まれ桜吹雪の北町奉行<br />
<br />
手を繋ぎマグロ漁船で逃避行エロマンガ島まで3海里<br />
<br />
満月がマグロ漁船に飛び乗れと囁きかけてる結婚前夜<br />
<br />
わたくしはマグロ漁法の正道を会得するため修行してます<br />
<br />
デブ猫が魚サカナと騒ぐならマグロ漁船に放り込んじゃえっ<br />
<br />
朝焼けのマグロ漁船の傍らでぐっと飲み干すマックスコーヒー<br />
<br />
スルメイカ10枚まとめて噛み切るわ天が与えた試練と信じて<br />
<br />
最愛のウミウシ二郎が嘆くのでこれから海へと出かけてきます<br />
<br />
あなたにはわからないわと泡飛ばすミナミマグロに似ていたきみは<br />
<br />
ねえあなた面倒だからマグロでいい?トロより脂肪はのっているから<br />
<br />
また何時かマグロな日々が現われてサントワマミーを歌いはじめる<br />
<br />
キスさせて タイよりアジよりマグロよりフグよりタラより キスしたい 今<br />
<br />
冷え冷えの海の底からこんにちは「フォーーー!」おいら陽気な提灯あんこう
<br />
元気か?と一言書き添えたるのみのハガキの裏の魚は原色<br />
<br />
叔父一家干物セットと潮の香をつれて訊ねる時期からが夏<br />
<br />
「楽園を見た」と行方のわからない友のくれたる魚の絵葉書
<br />
飛び出して干からびているメダカにも愛する者がいたはずなのだ<br />
<br />
桜貝きみに上げようおかっぱのカールが風に揺れているから<br />
<br />
メダカにはメダカの夢と意思があり生命を断ちたくなるときもある
<br />
海亀が月の明るい砂浜で歌を詠んではいけないかしら<br />
<br />
青丹よし平城山の辺に住む我にアジの干物が運ぶ潮風<br />
<br />
サーファーが集う渚に流れつく南の島の椰子の実と藻と
刺のある言葉にいたく傷ついて打ち寄せる波じっと見る亀<br />
街頭のテレビジョンでは海亀がうさぎのレースにコメントしている<br />
海亀は塩の匂いに導かれ生まれてすぐに海へと向かう<br />
道理などとっくの昔に引っ込めて無理を通すは上司の海亀<br />
水銀柱ぐんぐん伸びて40度「さすがに俺もばてる」と海亀<br />
海亀は子亀が就寝する前に毎夜朗読「浦島太郎」<br />
海亀が使っているのは真っ黒で丈夫な携帯メイド・イン・ジャパン<br />
富くじに当たって喜ぶ海亀が甲羅干してるワイキキの浜<br />
海亀は一万年を生き続けアダムとイブを目撃している<br />
拝啓お元気ですか?わたくしはひとりで亀と遊んでいます<br />
海亀のレースの予想 誰だろう一番先に卵を産むのは<br />
老人を背中に乗せて海亀は海岸通りをとぼとぼと行く<br />
日溜まりのオープンカフェで海亀のスープを飲んで思い出す過去<br />
海亀に乗って花見の御寮人 韓紅の蹴出しをちらり<br />
抵抗は止めて出て来い海亀よお前の要求全て飲むから<br />
満月のうさぎは亀の生態を遠眼鏡にて観察してる<br />
とおせんぼしないでくれよあの浜に俺を待ってる亀がいるんだ<br />
頬寄せて二人で海を見てたとき亀の斉藤が生まれたらしい<br />
虫愛づる姫君のため海岸で毛虫を探す亀に雪降る<br />
舞妓さんがぽっくり下駄で飛び乗ってバランス取ってる亀の背中で<br />
ひとしずく涙をこぼす海亀は「生きる」ということ考えている<br />
萌葱色の一重が包む人妻の丸いお尻をじっと見る亀<br />
戦争で埋められたままの地雷踏み吹き飛ばされた海亀の首<br />
ヤンクミが斉藤さんちの海亀のアイドルだったもう来ない春<br />
辞書を引き贋海亀を調べたら英語はMock Turtleらしい<br />
凍傷に掛かった指を海亀がなめてくれたが治らなかった<br />
海亀を仰向けにしてコピー機のガラスに乗せて撮った曼荼羅<br />
海亀が見上げる空の一筋の飛行機雲はカリマンタン行き<br />
海亀が歩いたあとの曲線はフラクタルとして説明できる<br />
豆粒と一緒に煮込んだ海亀はこんな味ではなかったはずだ<br />
海亀の最期のうめきわが耳にこだましている スープがうまい<br />
海底の道なき道を歩んでく海亀の目に秘めたる決意<br />
乙女らが羽衣脱いで汀にてたわむれるのを見てる海亀<br />
灯台の光が波を照らすとき宇宙の神秘を憶う海亀<br />
花びらの散り舞う中を海亀は巣立つ子亀を見守っている<br />
組からは足を洗えと言われたがすぐに汚れる海亀の足<br />
切り株につまづき転ぶ兎には届かなかった海亀の愛<br />
海亀に出会った夜のシャンプーの香りをさっき嗅いだ気がする<br />
鍵かけた日記帳には海亀が俺とのことを記録している<br />
若草の妻が欲しがる海亀を何も持たずに捕まえに行く<br />
海亀の嘘だったのね三日月が光る浜辺に落ちて来たって<br />
牛乳をこぼしてしまって泣いているきみの涙を海亀が舐め<br />
レントゲン技師の彼氏が言っていた 海亀だって肺結核に<br />
海亀の斉藤さんは美大出の才媛らしい美人じゃないけど<br />
信号で急停車した目の前を海へと急ぐ海亀家族<br />
雨の日は唐傘さして海亀の背中で白浪五人男<br />
海亀がスカートの中もぐりこみもそもそしてるエッチな海亀<br />
海亀も更年期にはのぼせると医学辞典に載ってるらしい<br />
海亀の秘密を知ったあなたとは生きて行けないミロソヴィッチよ
<br />
底知れぬ海を見続けアオブダイ青ざめたのだ海の色して
チンしてね、と母書き置きしテーブルを床に沈めてメカジキ一尾
<br />
嬉しげに波間に消えるマーメイドわが手に残る小さな鱗
<br />
歌声が人魚のように美しい女はジュゴンそっくりでした<br />
<br />
どちらかといえば叶美香は人魚、恭子は半魚人だと思う<br />
<br />
店長を悪く言いつつ食らうときカレイ目ヒラメは最も旨し<br />
<br />
大量のイクラに奮う若草のワイフがオスの鮭に似ている<br />
<br />
王様の耳がロバでも構わない わたしにはシーマンがいるから
<br />
熱帯水槽PH7の静謐さ シナモントーストの匂いすだけで<br />
<br />
アロワナの鰓を縁取る朱に交じる白点 ママの退院前夜<br />
<br />
水洗の溜まり水 泳ぐ数匹の金魚にサ・ヨ・ウ・ナ・ラと三日後<br />
<br />
縁台に仰臥す翁の腔中で飼われた泥鰌 まれに息継ぐ<br />
<br />
野川には老鮭登る水路あり 青樹脂天幕(ビニールテント)の人までの道程(みち)<br />
<br />
新製品 スルメ饅頭みっつ売れ 烏賊を乾したる種族の祭祀<br />
<br />
飛魚の群れる水面を掠めをる誘導弾や標的(ねらい)フジヤマ<br />
<br />
夏夜汽車 蛸の煮しめを児に喰わす母 願わくば児よ昏らんと<br />
<br />
白床のシーツに沈む細き脚 蟹座の母が飲みし錠剤(スパイス)<br />
<br />
菱形の羽根持ち天使 右斜め横に傾いで西方浄土
<br />
空腹のピラニアたちがいっせいに噛みついている皆既日食<br />
<br />
寝すごしたアンモナイトが飛び起きる神保町の古本のなか<br />
<br />
体内のシーラカンスがあばれだし夜は風呂場へ帰りたくなる<br />
<br />
あの海で何が彼女に起きたのかシーモンキーのように孵化して<br />
<br />
マッサージしてとおねだりするきみの背骨の横にあなごがいます<br />
「いわしって美味しいのにね」人偏に弱という字が見つかりません
<br />
ヤドカリをとほりすがりの少年とつつけばふいに空崩れたり<br />
<br />
絶望に頭垂れたるビルがあり夜の都会にウリクラゲ浮く<br />
<br />
コンビニでヒジキの煮付け買うたるが母の味よりみなみな甘し
<br />
海の家催眠術師雇い入れ皆騙されておでん注文<br />
<br />
「お嬢さん海水浴で健康よ」午後は○○芋洗い老婆<br />
<br />
深海魚捕獲作戦難航しついに松方弘樹呼ばれる<br />
<br />
あの夕日に向かって走れ!と言われ気づけば我は対馬に立ちて<br />
<br />
貝殻を耳に当てれば思い出す三枝の国盗りゲームの音を<br />
<br />
ウミネコやウミヘビなんかの仲間だと海ほたる知らぬ姉からかう<br />
<br />
ヌーディストビーチで輝く井出らっきょ今こそ彼は水を得た魚<br />
<br />
「どのネタも今朝獲れたてのピチピチよ」かんぴょう巻見て妹悩む<br />
<br />
極寒の海に投げ捨てられようと「殺す気か!」で済む上島のように<br />
<br />
日本が沈没したら埼玉で海水浴ができるんだけど<br />
<br />
海岸のない地に住まう友人にこの潮風を伝えたいのに
<br />
右回りしている鮪の群れが一斉に左に回る さぁ君が来た<br />
<br />
いわし雲を消してみせよう 浮き雲も消してしまおう 君も消えなよ<br />
<br />
水圧に押しつぶされた深海魚みたいに部屋で動かずにいる
<br />
妹と布団並べた幼き日いつでも行けた深海御殿<br />
<br />
妹と布団並べた幼き日鮫も人魚も枕抱えて
<br />
<br />
右回りしている鮪が一斉に左に回る いま君が来た
<br />
藤壺に魅せられた夏気が付けば背中にフナ虫模様の焼け跡
<br />
カルキ臭漂う夜の校庭に金魚の浴衣のきみをみつけた<br />
<br />
風鈴の金魚は揺れてカルキ臭満ちし熱帯夜を逃れんとする
<br />
*前回投稿の2首目をボツにして、こちらに差し替えます。
<br />
この先に生きものなんぞはいないよと深海の魚 我が影で飛ぶ<br />
<br />
<br />
< 幻の魚イトウ > とわれが呼ぶ弐千円札、祖母の財布に<br />
<br />
弐千円札のすかしの守礼門に浦島太郎とカメ迷い込む<br />
<br />
<br />
<br />
丁寧に指を端から食んでゆく血の色に染まった金魚が愛しい<br />
<br />
餌と愛交換し合う関係のわたしと金魚のやさしいビジネス<br />
<br />
<br />
なめらかな白いおなかを見せて今朝背泳ぎしてたわたしの金魚
<br />
小判鮫のごとくきのうに張り付いてあすへ踏み込む一歩が出せぬ
<br />
アスファルトに浮きし闇夜の水溜まりを黒きカレイをふむごとく踏む<br />
<br />
茹でダコのごとき真っ赤な顔となりわれのおなかに墨吐く社長<br />
<br />
ぜいご取る手間も掛からぬ小アジかな南蛮漬けにされし祖国は
<br />
銛の先に大蛸刺して真っ黒け紀州辰ケ浜もえ15歳<br />
<br />
銛の先に海鼠なかなか突き刺さらず半べそかいたまなみ七五三
<br />
投げ込めばすぐに食い付くピラニアのきみには見せぬ蚊の刺した痕
<br />
ぷっくらとショーツの裾からこぼれ出るサーモンピンクはお尻かももか<br />
<br />
ミニスカの裾からのぞくふとももに虹鱒色の発疹の痕<br />
<br />
ぷっくりとふくれるところ蚊に刺され痒い吸ってよ蛸の吸盤
<br />
太腿の白さが死んだ魚だね 視線泳がせ泳ぎ去るタコ
<br />
出世魚なんて呼ばれた君だけど都会の鍋で煮られています<br />
<br />
打ちあがる花火が空を泳いでもすくわれないね夜店の金魚<br />
<br />
もし君がふえるわかめを増やさずに飲み込んだなら広がる宇宙<br />
<br />
ぷつぷつといくらの赤を噛みしめてあなたのために涙をながす<br />
<br />
先生が眠れる僕に近づいてBGMはジョーズのテーマ
<br />
深海に龍宮城があるように私のベッドに貝殻はある<br />
<br />
マグロしか愛せぬという安藤のDVDのレンタル履歴<br />
<br />
関節を鳴らした音でイッカクが仲間を呼んだ音でないから<br />
<br />
出歯亀がいた時代から時を越え性の形はいびつになった
<br />
君の手が魚のように飛び跳ねて僕の侵入はねつけた夜<br />
<br />
天秤に掛けられ重さ量られて捨てられるのがうお座の定め<br />
<br />
築地から冷凍マグロ逃げ出して尾を取り戻す旅に出かける
<br />
無理にバスとしたり文字数を合わせたりしてしまいまいましたが、すみません、こちらにさせていただければと思います。
<br />
深海に龍宮城があるようベッドの下に貝殻はある
<br />
とんがるぜミジンコだオレとんがれどくわれるけれどオレとんがるぜ<br />
<br />
いつの日か飛行船となるマンボウのなるほどこれはうまいサシミだ<br />
<br />
うつくしい箸のはこびね まっしろな骨さらしたいくらいスキスキ<br />
<br />
ほっぺたに角質たべるお魚をぶらさげにいこ ルミネだとかに
<br />
故郷の祖母がとりたる阿古屋珠 棺の頬に一粒落とす<br />
<br />
だしぬけに君の心の真ん中がつかめた(アコヤ貝になりたい)<br />
<br />
いつだって君はそうだね伊勢海老が後ろに跳ねるあのやり方で<br />
<br />
あぜ道を駆ける藤岡隊長の涙の先のめだかの学校
<br />
あぜ道を駆ける藤岡隊長の涙の先にめだかの学校<br />
<br />
そしてもう一首追加です。すみません。<br />
<br />
新しい名前はクマノミキにする クマノミみたいでかわいいでしょう?
<br />
白魚の指先にそっと頬よせて折れないようにこわばるような<br />
<br />
なりなりてなり余りたる雨降つついてなでくり海素麺でた<br />
<br />
みなぎりて手のひら焼く雨降潮のたまりに帰す日はいつ<br />
<br />
毛がほしいそれがだめならウロコでもでこか頭か頭かでこか<br />
<br />
いわし雲泳ぐ青空身を浮かべざわめく教室ふわり降り立つ
<br />
やはらかく執念き恨み胸に棲み我らはときに吸盤を持つ<br />
<br />
シロナガスクヂラの下の暗がりの容積ほどに憂はしきかな<br />
<br />
軍艦てふおそろしき名に恥ぢぬがに弾丸のごと居並ぶイクラ
<br />
よりそっておぼれるようにあいしあうイワシみたいに弱いぼくらは<br />
<br />
青春を祖母はえくぼに閉じ込めてシーラカンスと呼ばれていたり<br />
<br />
泳ぐだろうザトウクジラは君のため流す涙を海と信じて
<br />
平成に紫式部よみがえり鰯ブームに火をつけている<br />
<br />
平成に黒船ペリーよみがえり軍艦巻きのいくらを奪う<br />
<br />
上司から視野が狭いとけなされて魚眼レンズを移植している<br />
<br />
進化した魚が僕であるならば早く見つけて魚群探知機
<br />
庶務二課のオオサンショウウオ窓際で斜陽に向かいて鉛筆削る<br />
<br />
止まらないマグロのように邁進す彼女は床じゃホオジロサメさ<br />
<br />
獲れたてのシラスが逃げろと跳ねるようスクランブルは毎日祭り<br />
<br />
勇ましい戦艦大和を思わせるデカい穴子を喰わせる出店<br />
<br />
活き鯖を三枚下ろしの出来る女性(ひと)キュッと酢でしめ持ち帰りたい<br />
<br />
焼け付いた赤土蹴って球を追う影の傍ら茹で上がる蟹<br />
<br />
草原を魚のように行くトンボ追って捕まえ捌いてみるか<br />
<br />
人間は魚求めし釣り人よ老いも若きも男も女も<br />
<br />
赤土の上で泳ぐよ水溜り鯛や平目が舞い踊るよう
網走のカニの背中にまれにある般若の面や滝登る鯉<br />
↓<br />
網走のカニの背中にまれにある般若の面や唐獅子牡丹<br />
<br />
鰯雲のうろこのなかへ釣り針のように突っ込んでゆく旅客機<br />
<br />
床の間にくらげが浮いていることを誰に告げればいいんでしょうか<br />
<br />
グリズリーに跳ねあげられた紅鮭の片方の眼に映る夕虹<br />
<br />
ひとしれず海の底へと落とされた大王烏賊のなみだを思う<br />
<br />
消えてゆく尊いもののひとつとして金魚掬いのときのおじさん<br />
<br />
おまけしてごくひかえめな出目金を掬ってくれた手の小麦色<br />
<br />
生えたての羽をたたんで滝壺を見下ろす竜の背の錦色<br />
<br />
未来への問いはゆるゆる吸い込まれシーラカンスの水槽の中
<br />
お姫様だっこできみを抱えたらはしゃぐハトヤのお魚みたい<br />
<br />
逃げたくてジタバタしてるCMの魚の顔は僕に似ている<br />
<br />
人面魚とは言うけれど魚面人とは言わないのダーウィンに聞け<br />
<br />
酒かすに漬けられているぎんだらと同じ香りのよし子先生
<br />
高級な卵だからってチョウザメの腹を割いては縫い合わせてる<br />
<br />
鯛焼きのしっぽの先まで真っ黒な不満を詰めてほら食べなさい
申し訳ありません。<br />
<br />
×高級な卵だからってチョウザメの腹を割いては縫い合わせてる<br />
↓<br />
○高級な卵だからとチョウザメの腹を割いては縫い合わせてる
<br />
短歌(うた)上手くなりますように 鰻丼に熱い牛乳ぶっかけて食う<br />
<br />
あなたから土佐の荒海一本釣りでみそめられたのわたしはカツオ<br />
<br />
こだわりの鰹節ギフトかつおだし あなたのためにせっせといい出汁<br />
<br />
ぽんぽんぽんポン酢しょうゆでいただきます今日も元気にわたしはカツオ<br />
<br />
ゆらゆらと揺れてあたしは街角で利尻コンブをかみしめている<br />
<br />
夜明けまえ松前コンブにいだかれて思い出ダシにひたってしまう
<br />
荒磯や波からあがるその足に絡む玉藻に覗く白い眼<br />
<br />
蒲鉾を5ミリちょっとでスライスしくちびるで食む君の耳朶(みみたぶ)
<br />
「これはもう激愛なのよ」と口走る 牡丹海老のヒゲ歯に挟みつつ<br />
<br />
時期外れの転校生は噂ではスカイフィッシュと同じ目の色<br />
<br />
いちめんに散らばるビーズはどことなくランブルフィッシュの抜け落ちた牙<br />
<br />
南国の果実の色のスカルプチュア 桜貝色の爪を庇って<br />
<br />
父の背に墨で描かれた龍と姫 ふたりの勝負はついただろうか
<br />
前カゴにキメンガニ乗せ星空へ飛び出すカゼッタ岡みたく泣け
<br />
月夜にはマリコの部屋のまな板で素直な鯉が悪魚に変る<br />
<br />
「お寿司屋のオヤジの指に馬糞ウニ」Xファイル次回の予告<br />
<br />
海パンで魚くわえた猫ひろし追いかけているひろしですひろ・・・
月刊淡水魚8月号すでに返本の山で床がみしみし<br />
月刊淡水魚編集長の席ふた月前から誰も座らぬ
<br />
叶恭子の下くちびるを見ていたら高級魚のクエ食べたくなりぬ<br />
<br />
ナポレオンフィッシュのようなおばちゃんがうようよといる大阪の街<br />
<br />
はまぐりの口をこじ開け書き込んだ当たりが出たらもう一本と<br />
<br />
こんなにも密着してる人間は海ぶどうより寂しがり屋で
<br />
釣り針をひっかけたまま泳ぐ鮎ピアスみたいにきらきらさせて<br />
<br />
まな板で鯵をさばいていくように慣れた手つきで骨抜きにする
<br />
怒らずに笑う瞳がまぶしくて山椒魚はうつむいている
<br />
おもわれているほど清らかな瞳じゃなくて こぼす黒真珠<br />
<br />
血の赤が最上級だから左胸へ 君に贈られた珊瑚ブローチ<br />
<br />
竜のように横たわる男の顎の下なでて逆鱗ねむらせておく<br />
<br />
ふかひれの粥を掬って問いかけるあなたも人を喰いたかったの<br />
<br />
一億年のちに炎となれる雪 プランクトンは海底に降る<br />
<br />
やどかりの別荘として砂浜に置く食べかけのクリームコロネ<br />
<br />
まだ恋を知らない海女の腰巻の奥にひそんだ磯巾着よ
<br />
トビウオが跳んでくような逃げ水をつかまえにいくバイクと君と<br />
<br />
二人きり魚になって泳ぐ時シーツはマリンブルーに染まる<br />
<br />
海面のクラゲは月に照らされて飛び立ってゆく赤い星へと<br />
<br />
失恋をした夜できた水溜りヨミノアシロが手招きをする<br />
<br />
前世は星だったのと呟いてスペースシャトルに乗り込むヒトデ<br />
<br />
前世は人魚だったと繰り返すジュンコは確かにジュゴンに似てる<br />
<br />
僕たちの未来は壁に閉ざされた 叫び続けるムツゴロウたち<br />
<br />
僕たちの手足は絡めとられてく思春期というイソギンチャクに
<br />
水槽にうつる笑顔がうすれゆくネオンテトラも色をわすれて<br />
<br />
横顔をとおくはなれてのぞきみるそうねあたしはカクレクマノミ<br />
<br />
夕暮れになめらかな肌つるつるとノミもつかないウナギイヌです<br />
<br />
抱きよせたシーラカンスのエラにふれ永久のカタチを感じとってる
<br />
「死にたての舟盛りです」と歯の抜けた女将が笑う場末の旅館
「死にたての舟盛りです」と歯の抜けた女将(おかみ)が笑うひなびた旅館<br />
<br />
(「場末」では意味が通りませんでした)
魚屋をまたがる空が暮れていく赤く照る鮭母さんに言おう
<br />
グレゴール・ザムザは狭いアパートで山椒魚の泣き声を聞く<br />
<br />
縁側のタマの眼鈍く光るとき傍でカツオが寝息を立てる
<br />
店頭に並ぶ魚の大半はグリル火葬の順番待ちなの<br />
<br />
迎え火でアジの干物を引き寄せろ火葬されたら仏教徒だから<br />
<br />
たくさんの魚の死体で膨らんだ僕の体は死んでもあげない
<br />
マーメイドラインのドレス着る君は泡にならずにボクを刺したね
<br />
俯いた夏の少女の黒髪にイトマキヒトデの鮮やかな赤<br />
<br />
紫のマニキュアあどけなく笑う少女に潜むアカウニの棘<br />
<br />
武装した甲殻類の感覚でまとう特攻服はカニ色<br />
<br />
ミノカサゴくらいに髪を逆立てて赤いメッシュで夏にピースを<br />
<br />
8月の少女の微熱うばいとる鉄砲魚のような口づけ<br />
<br />
チェロ弾きのやさしい指にはじかれて平目みたいに保護色となる<br />
<br />
懐かしい匂いがしたね。いにしえのシーラカンスの名残りのような<br />
<br />
抜けなくて捨てられなくて切り落とす太刀魚色の結婚指環<br />
<br />
8月のひかりの中に放たれた挙動不審のカタクチイワシ<br />
<br />
放課後の第5校舎に呼び出され不本意ながらシメ鯖にされ<br />
<br />
いちにちに3ミリほどの悲しみを金魚は尾ひれにまとわりつけて
<br />
ピラニアも食べたがらないわたくしの体はすでに毒を含んで<br />
<br />
鮫たちの宴会芸は人間を飲んで吐き出す金魚のように<br />
<br />
宴会で金魚飲み込むおじさんが腹をたたいて吐き出した海
<br />
養殖のハマチのような目をしてるあなたの部下になりたくなかった<br />
<br />
最近はあまり鰯がとれないと嘆く漁師と看護婦の恋<br />
<br />
マスオさんに言い寄られてる夢を見たヒロシのような朝立ち悲し<br />
<br />
ホタルイカに照らされ空に浮かんでる東京タワーのような青春<br />
<br />
新宿の西口広場に春が来てさよならをしたイルカとの日々<br />
<br />
夏の夜は淀橋浄水場に住むピラニアを追う新宿の鮫<br />
<br />
白魚の指に包まれ喜びが跳ねだしそうな俺の若鮎<br />
<br />
ミジンコの群れを追い掛け北極の海ゆく鯨の恋うる妻と子
<br />
宵闇のカツオの刺身に飛び散りし思い半ばの志士のさ鮮血<br />
<br />
ボクサーのサインが並ぶたこ焼きやに耳の潰れしオヤジがひとり<br />
<br />
ふられ女(め)がえびバーガーを投げつけて歌舞伎役者に見栄斬る夕べ
<br />
宵闇のカツオの刺身に飛び散りし思い半ばの志士の鮮血<br />
<br />
ボクサーのサインがならぶたこ焼き屋に耳の潰れしオヤジがひとり<br />
<br />
ふられ女(め)がえびバーガーを投げつけて歌舞伎役者に見得切る夕べ
<br />
コラーゲンコエンザイムを摂らずともイルカの肌のピチピチを見よ<br />
<br />
生エビを茹でたみたいに丸まって待っているからバックで抱いて
<br />
脚もがれ詰まった紅い身ひきぬかれねぶられる蟹を羨む吾は<br />
<br />
そのときは男も目を閉じる 奢られた河豚の白子をひといきに呑む<br />
<br />
鰻の肝ふたりで吸った夏の夜 奪いあうため補いあった<br />
<br />
口もとは微笑んでたけど赤かった目を忘れないウーパールーパー<br />
<br />
海老天のしっぽも残さぬひとだった 転居先不明の賀状の朱印<br />
<br />
にちようび白いひらめの縁側にあなたと座って海を見ましょう<br />
<br />
<br />
(以下改作です。宜しくお願いいたします)<br />
<br />
血の赤が最上級なら左胸へ 君に贈られた珊瑚ブローチ<br />
<br />
竜のように眠る男の顎のした撫でて封印している逆鱗<br />
<br />
粥の中のふかひれ掬って問いかけるあなたも人を喰いたかったの
<br />
けんかして海に飛び込んだりしない「かにぱん」プールサイドでほぐす
<br />
もう二度と遠くへ行ってほしくないマグロに白身移植手術を<br />
<br />
ほっぺたを無理にふくらませなくてもフグに似ているから落ち着けよ<br />
<br />
片隅で賞味期限が切れていく君が抱いてたたらこキューピー
<br />
初飛行、トロを横目にイクラ越えV字が揺れるイカの上空<br />
<br />
外来魚であること忘れいつの日か湖沼の主になるのだ嫁は
<br />
水槽のクリアブルーのクラゲからただよう夏の小島のにおい<br />
<br />
海草のような瞳のおくそこで語りかけてるリーフィーシードラゴン<br />
<br />
美しく癒されなごみぷわぷわとジェリーフィッシュがただよう空へ
<br />
アンコウのゼラチン質で身をかばうきみには愛も刺さりませんか
<br />
沈黙の珊瑚の森をまもる空だけが知ってるほんとうのこと<br />
<br />
心だけ光っていたいほたるいか愛想笑いはできないけれど<br />
<br />
みんなみんな星になるとききゅうと泣くだから光るよひとでは海で
<br />
わたしたちは珊瑚の卵 真夜中に色とりどりの爪を揺らして
<br />
銀色のイルカが眠るひきだしを開いてみても戻れない夏
ホタルイカを生で飲まされ衛星がわたしの位置を把握している<br />
<br />
天の川の星がすこし食べられてコイもおなかが減ってるらしい<br />
<br />
生ものが苦手なきみが甘えびと間違えて出すエクトプラズム
<br />
泣き笑いつつ最後には受け止めるアマモの和名のごとき口づけ<br />
<br />
貝合わせするように抱き寄せたけどアオヤギみたいにポトリと落ちる<br />
<br />
桜貝つまんで落とす君の手を砕け散るほどかたく最後に<br />
<br />
深海を漂うだけのクラーケンみたく五体をもてあます夏
<br />
エアポート手を振る君は強靱な胸びれ誇るトビウオに似て<br />
<br />
青空に押しつぶされて一匹のシラスと見つめ合っている
<br />
いつまでも泳いでいたいなんちゃって金魚鉢にはゆがんだ顔が
<br />
骨のないさかなのような抜け落ちた髪のあなたが横たわる部屋<br />
<br />
トビウオのごとくはしゃいでいた夏を目の前にして海へ飛び込む<br />
<br />
眠れないシーラカンスがさまようは現実という深海なのか<br />
<br />
あのひとはフィッシュマンズが好きだった ロングシーズンまだ終わらない
<br />
千立方センチの宇宙を所与とせし魚であることさえ知らぬ魚<br />
<br />
マヒマヒに贋たる色の月ひとつ斎宮の地に夏来るときは
<br />
日常は敵に隠れて海にいるヒラメに似ている舌を噛み切れ<br />
<br />
生命とつながってないことにしてコインロッカーにいくらをおいた<br />
<br />
毒を盛り人の人生ダメにするイソギンチャクにようやくなれた
<br />
田螺煮るほどの貧しさ知らぬとも3分の湯気じっと見ている<br />
<br />
局地的天気予報によるところ烏賊乾し日和は川で洗濯
新宿に逃げろヤドカリ君たちのもういいかいの懺悔室あり<br />
↓<br />
新宿に逃げろヤドカリ君たちはこれでいいのか懺悔室あり
新宿に逃げろヤドカリ君たちはこれでいいのか懺悔室あり<br />
↓<br />
新宿に逃げろヤドカリ君たちが次回から行く懺悔室あり
<br />
焼け付いた赤土蹴って球を追う影の傍ら茹で上がる蟹<br />
↓<br />
煙立つ赤土蹴って球を追う影の傍ら茹で上がる蟹
<br />
帰るたび新たな孫を連れてくる長女と喰らう鮭イクラ丼<br />
<br />
今一度生身の体で勝負したい書置きの横鮭のフレーク
<br />
水のなかの魚が苦しくないように君が思うほど辛くないから<br />
<br />
ザリガニのしっぽを餌にザリガニを釣れば川面(かわも)が激しく揺れる
<br />
ぱくぱくと金魚のような口もとのかたる言葉を理解できない<br />
<br />
今しがた生まれたばかりのあんこうのすすむ先にはミサイルの殻
<br />
深海に龍宮城があるようベッドの下に貝殻はある<br />
↓<br />
深海に龍宮城があるようにベッドの下に光るビー玉
<br />
ありがとうではあまりにも足りなくて 珊瑚になって産卵したい
<br />
ウマヅラが魚の肝ある白皿にファンファーレ鳴ることの無い今日
獲ったどと夜遊びしてるきみを待つ彼女はいつもフグの顔して
<br />
貝殻を拾いあつめてこの青を買い占めるに少し足りない
<br />
水海月、風呂に浮かべるわたくしの私生活だぜ、触るなアンタ。
<br />
姑の土産のうなぎパイ喰らう舅の禿げた額には汗<br />
<br />
臨月の妻の腹からわらわらとししゃもの卵が出る夢を見る<br />
<br />
指先に残る生臭き魚のにおいが消えるまで嗅いでおり
<br />
空間が鱗のように剥がれてく魔法は解けた死が訪れる
<br />
あまりにもかなしくなってやどかりを片っ端からひっこぬいてる<br />
<br />
化石にはならないでしょう 庭土に尾ひれのようなふたばがひらき<br />
<br />
やどかりは潮騒を聴くためだけに貝殻を背負っているらしい<br />
<br />
<br />
※コメット<br />
http://www.petpet.ne.jp/zukan/goldfishinfo.asp?group_id=1&kind_id=2
<br />
清流のひずみで小魚5号車の連結部分にゆらる子のように
<br />
海亀の甲羅を剥いだ赤い身は爆弾でなく素手で素手で
<br />
巻貝をじっと見てたらめまいして満潮の夜に病院に行く
<br />
このさかなてふてふになりたかつたのとこどもうごかず<トビウヲ>の子らに
貝殻を拾いあつめてこの青を買い占めるには少し足りない
<br />
老いぼれのボードの脇をつきまとうイルカと夏で少しうたたね
<br />
愛魚女・・・アイナメ
<br />
いつまでも変わらないままアロワナのように生きてはいけない僕ら<br />
<br />
ひとときのタイムマシンが欲しくなりよっちゃんいかを噛みしめている
<br />
骨を焼く煙目当てに国道を走る 私は鯛が喰いたい
<br />
脳の襞に歳月重ねて黒真珠育っています頭痛がします<br />
<br />
脳の襞に歳月重ねてバロックが育っている様なそんな気がする
脳の襞に歳月重ねてバロック真珠が育っている様なそんな気がする
<br />
名も知らぬ魚並ぶ棚ジェノサイド 闇市のごと市場賑わい
<br />
あの鯉は心臓麻痺じゃないのかと木陰の下に影伸ばす午後<br />
<br />
缶詰のイワシのつゆを飲み込んだ割り箸を嗅ぐ猫が振り向く<br />
<br />
週末の細魚のような雨の日に泣き顔の歯は笑ってたかも<br />
(細魚・・・さより)
<br />
釣り好きがしとめた魚は人魚で愛と言葉を育む日々
<br />
鰻屋の水死体を覗き込む温水洋一(ぬくみずよういち)に似た河童
<br />
金魚へとフナを改良したようにアイドルになる整形少女<br />
<br />
打ち寄せる潮の花って本当はマーメイドたちの恋のため息
お手数ですがよろしくお願いいたします。<br />
<br />
ありがとうなんかじゃ言い足りない分を珊瑚になって産卵したい
<br />
君とした花火のその後肌匂いデビルフィッシュを焦がす屋台で<br />
<br />
還暦を過ぎビキニライン整える貝に隠喩を捧げつ今日も<br />
<br />
水底に達す指先躊躇いてフィッシュコラーゲンより軟らかく<br />
<br />
獰猛な木々に護られ金色の皮膚あり鰓(あぎと)は深々と棲む<br />
<br />
細長い魚 水星の空域を穏やかな凶事降らせつつ跳ぶ
<br />
南米の覆面をした飛魚の背中に乗れば空中都市へ<br />
<br />
ゲロ吐いたクジラから出たピノキオがカツ丼を食い昔を語る
<br />
剥き蟹のパックを買って済ますようにいつもお前は俺を誘う<br />
<br />
横たわる私のヒラメ筋を撫で白魚のようとニヒルにとける<br />
<br />
土色の路地から帰りイワシ雲眺めて食す淡いつみれ汁<br />
<br />
向こう脛掻き毟りつつ頬張った鰻の小骨が心を刺した<br />
<br />
はにかんで鰻の蒲焼噛み締めた彼女の前で小骨も忘れ<br />
<br />
小骨など刺さる余地など無い空気彼女と父と鰻と僕と<br />
<br />
俯いてただ泣き暮れる義父の前平らげられた鰻の重箱
<br />
もう少し忘れるために北海のウニのとげとげ握りしめてる(痛てっ<br />
<br />
気がつけばそばにあなたがいなかった夏の終わりのクラゲのようね
<br />
<br />
胸板の上で女が鯉になる夜を描きつつブルーワーカー<br />
<br />
「俺のために喧嘩するのはもうよせよ」アユとエビちゃん両腕に抱く<br />
<br />
ゴムの鞘脱ぎ捨つ我の太刀魚は君のマンボウを仕留めんとして
<br />
カルパッチョというよりイカと里芋の煮物が合うと思い始める<br />
<br />
大葉巻きアジのフライにどぼどぼと醤油をかけて持ち味は無し
<br />
どこにでもある名前だと思うなよボクのは魚偏のスズキだっ
<br />
真珠貝ひらく鍵などもうなくてあの日の海をセピアに変える<br />
<br />
どうにでもなれよと脱いだやどかりの明日のことなどだれも知らない
<br />
吹流しはためく五月まれびとの卒然と去れば金魚玉曇る<br />
<br />
透明なる七月の日々もの憂くてバケツの底に鯰くねれり<br />
<br />
阿古耶貝ひらいて真珠抉りだす 処女懐胎の異腹(ことはら)めいて<br />
<br />
若鮎の少女みなづき水の香の素足わたれる青き炎(ひ)のうへ<br />
<br />
鱶裂いて家族の深淵凝視(みつ)めゐる真夏父の背赤銅の傷<br />
<br />
岩魚焼く夜の底ひに火をつぐはわれにあらずや涙ながるる<br />
<br />
白鱚の少年海を眩(まぶ)しみて幾何学の書強く抱けり<br />
<br />
塩鮭の涙のあぢに染まれとよ河遡るきよきちからは<br />
<br />
赤エイが尾を垂らす闇ひたひたと過去を充たしめ血のにほひする
<br />
清流に放つ青素やオイカワの婚姻色を犯しゆく黒<br />
<br />
岩魚焼き浸す酒より立つ湯気は木霊を宿し窓より闇へ<br />
<br />
陸に棲む貽貝に指の忘れえぬグルタミン酸ナトリウム沁む
<br />
あんなにも遠くカジキが跳ねている夏は金剛石の一片<br />
<br />
トビウオに油をさして知らんぷり 明日は港も崩れるだろう
(鱧・・・はも)<br />
悪戯な遊戯で捲くる無垢な手に電気流したクラゲMyLove<br />
<br />
丸腰の腐った鯛を捌くとき死人を抱いた血の匂い嗅ぐ<br />
<br />
古代魚が鼻腔の奥で立ち寄ったガソリンを嗅ぎ泳ぐクオリア<br />
<br />
うなだれる夏の日くれば座禅する肩叩く鯒噛みしめて礼<br />
(鯒・・・こち)
<br />
山椒の匂いが嫌い つぶやいた鰻はとうに死んでいるけど<br />
<br />
自分より大きいものに立ち向かう 昨日鯨の夢を見たから<br />
<br />
血管に水を通してグッピーを飼うのが22世紀の夢
<br />
味噌汁に沈むあさりをかき混ぜて浮き輪に乗ったあなたもまわる
CTで輪切りにされた脳内の半透明なクラゲが笑う
<br />
船上で釣れた魚の尾と首に切っ先をあて活き止めて ダンッ<br />
<br />
イカを投げ巻きつけて貼るえんとつが臭いを放つ船ぽんぽんと
<br />
ダツの群れイナバウアーでかわす君 キアヌと見紛い心乱され<br />
<br />
ルンルンで釣りより帰った我が夫アユの香りはゴーストなのね
<br />
裏切ったオンナの穴という穴にクサヤを詰めてマジで火あぶり<br />
<br />
メガマウス級に大口叩いたら赤っ恥かき眼がマウス級<br />
<br />
イモガイにデンキナマズにシビレエイ、カツオノエボシより彼女ビビッ!!
<br />
まぶたない魚になってもなお君はぼくの前では眠るのだろう<br />
<br />
二人して答え出せない数式に放課後染まるサーモンピンク<br />
<br />
さよならが正解なのかムニエルを解体してもわかりはしない<br />
<br />
口の中しまっておきたい子らだけど自転車漕いで泳ぎだしてく<br />
<br />
潮の香を肩乗せ帰る江ノ電でフジツボづらも夕陽に染まり<br />
<br />
図書室で魚類図鑑を繰るきみを図鑑もろとも盗み出したい<br />
<br />
はらはらと夜の銀座に繰り出したミノカサゴらが吐くガスのいろ
<br />
ビニールの袋で泳ぐ赤色の尾びれは花火になる夢をみる<br />
<br />
海原を飛ぶウミホタル追いかける浴衣の裾に尾びれがのぞく<br />
<br />
群れ泳ぐイワシのような風が吹き積乱雲がよる夏の午後<br />
<br />
告げられぬ思いはみんなビー玉にたくして金魚鉢にしずめる<br />
<br />
ひからびたシーラカンスを眠らせる海の記憶を抱(いだ)いた砂漠
<br />
「キスがいい」にっこり笑うマミちゃんと同伴前の天ぷらデート
<br />
※泡の海は月にある海です
<br />
見たことはないのだけれどあなたとは魚のように交わってみたい <br />
<br />
丁寧に取り除かれた骨を見ず子は鯛めしを掻き込んでいる
<br />
※泡の海は月にある海です
<br />
みかづきに、つりいとたらし、はりつけて、ぜったいつるぞ、ぎんがてつどう。
<br />
(改作)<br />
俺の太刀魚がお前のマンボウを仕留めんとして鞘を破りぬ
<br />
ゆるゆると「いい娘(こ)」以上になりたくてイソギンチャクと友達になる
<br />
貝殻を拾い集めたあの頃は磯に住むあのヤドカリライバル<br />
<br />
ごめんなさい川からさらって来てしまい どうか一生この水槽に<br />
<br />
松かさの病にかかったクチボソが水槽の奥しずみこんでる<br />
<br />
めだかとか干して味つけちゃったならご飯によく合うやつじゃないかな
<br />
同類と君呼ぶなかれ私なぞ蛸の孤独の真似さへ出来ぬ<br />
<br />
ソネットの似合う夜更けにホタルイカとられ静かに蜃気楼燃ゆ
<br />
このままじゃハリセンボンになってしまう 僕は言葉を飲みこみすぎた
<br />
あの鯉の身を潜めてた滝想う支離滅裂な雨降る家路<br />
<br />
↓船上で釣れた魚の尾と首に切っ先をあて活き止めて ダンッ<br />
船上で釣れた魚の尾と首に切っ先をあて息止めて ダンッ
<br />
破れずにすくってみせてくれたなら赤い浴衣の帯もほどかん <br />
<br />
恋をする二匹の恋をつかまえりゃ生まれた子供は錦鯉かも <br />
<br />
喉にいるキミが僕を誘うともあの夜のことは後悔しない <br />
<br />
ヒラヒラと尾ひれはひれを振っている昼下がりカフェの魚の群れよ <br />
<br />
百円と百五十円の値段差は生まれも育ちも目黒のサンマ <br />
<br />
弱しでも君の体を強くするそんな魚に私はなりたい <br />
<br />
イクラよりハウマッチと言ったなら出世コースにのれてたかもね
<br />
喉にいるキミが僕を刺そうともあの夜のことは後悔しない
<br />
箸おいたあとの秋刀魚の華奢すぎる梯子たどってあなたの喉へ<br />
<br />
虹鱒になれない鱒の涙にも似た小雨ふる7月の朝<br />
<br />
じゃこのなかの小海老をよりわけるように君は私をみつけてくれた<br />
<br />
鯛よりも鯉の輝く卓につき海なき県の花嫁になる
<br />
フカヒレのスープに混ぜた春雨で水増しされた幸せでした<br />
<br />
「砂漠よりアスファルトって熱いのね」 サンダルを履くふたこぶラクダ
<br />
逢いたいの例えばくらげ海水に溶けて無くなる前に逢いたい<br />
<br />
いつもより濃くてまぶしい光刺すくらげに抱かれる夢を見た朝
<br />
お歳暮の新巻鮭を一年後元の住所に戻す優しさ<br />
<br />
猫舌な新巻鮭が玄関の木彫りの熊を見て息を止め<br />
<br />
おしゃべりな新巻鮭の生涯を聞いてるうちに巻き方変る
↓お歳暮の新巻鮭を一年後元の住所に戻す優しさ<br />
お歳暮の新巻鮭を一年後元の住所に返す優しさ
<br />
・「美味」だとか魚類図鑑にコメントを入れる仕事を探す毎日<br />
<br />
・いわし雲飲み込み鯨が行く空に昼間の月がたたずんでいた<br />
<br />
宜しくお願いします。
<br />
シアターにしょっぱい水が浸みてきて隣の魚も泣いてる気配<br />
<br />
魚等の持たぬ瞼を我々は閉ざして潜る 夜に夢へと
<br />
シザーハンズになり果て抱(いだ)きあえぬ夢 ふたりで蟹味噌啜りし夜の
<br />
君去りしウォーターベットに残された銀の鱗とサナダムシの謎<br />
<br />
ハラワタのあの苦きこと 秋刀魚には秋刀魚の無念か わが腹を見る<br />
<br />
溜め込んだ思いを全部ぶちまけて私はイカ墨野郎と言われる
<br />
サンシャインたんこぶだらけのマンボウを前に緩んだ拳固める<br />
<br />
夏休み姪っ子の描く絵日記にプリキュアカラーのお魚泳ぐ<br />
<br />
カリブ沖ブルーマーリン喰らい付くマニー・ラミレスのホームランボール
<br />
結婚のできぬ男が居酒屋でつつく肴はショウシカモンダイ<br />
<br />
ニジマスの婚姻色のタトゥー入れ20回目の見合いにのぞむ<br />
<br />
振られたての女が出刃でさばきたる中島みゆきに肖たウラミマス<br />
<br />
*講評ありがとうございました。<br />
魚を2種類、勝手につくっちゃいました。^^;
<br />
飛魚の尾びれを焼いた火の色は何色でしたかロケット花火の夏に
<br />
あたらしい父にはじめて褒められたホオズリザメの絶滅のあと<br />
<br />
からだじゅうフジツボだらけ かたわらで寝息をたてるこの人はだれ?<br />
<br />
もし生まれ変われるならば海原を知らないままのウミガメがいい<br />
<br />
女らの訛り懐かし海女小屋の前で拾った貝、耳にあて
神さまに試されている毎日はたとえ海月になっても同じ
<br />
<br />
*講評していただいた歌の「六十代の斎藤茂吉」の箇所ですが、<br />
きっちり限定して表現したほうが良かったかと思い推敲しました。
<br />
大気圏燃える胴体高速の筋を刻んだ鰹のように<br />
<br />
幾何学の曲線で飛ぶ妖精と間違うように現れる鮫
<br />
手淫の子目隠しテストででら迷う栗の花の香か魚の臭いか
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悩むよね来世が人魚だとしてもえぐれた胸じゃ映画になるか<br />
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悩むよね来世が人魚だとしてもセレブは丘で海じゃないから<br />
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人魚ってバージョン不足って思うビルゲイツならわかってくれる<br />
<br />
人魚ってバージョン不足って思うなぜかというと次回に話す<br />
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江の島のフナムシたちに励まされ岩場の陰で愛の告白<br />
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アメフラシがてるてる坊主を駆逐して明日の天気はどしゃ降りでしょう<br />
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浪費癖治るのかしら? 来世にてイソギンチャクに生まれ変われば<br />
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「イソメでもクモヒトデでもありません」いつまでたってもゴカイが解けぬ
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露天商のカリスマだったテッちゃんのブルーハワイにカジキが泳ぐ
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外人とさめてしまった夕食とグレーフィッシュがたたずむ食卓<br />
<br />
沈黙をみしらぬ人のふりをしたブルーフィッシュと食べる夕暮れ<br />
<br />
タコ猫の背中をなでるじゃれついて肉球盤がほほに張りつく<br />
<br />
イカギラス ゴジラに敗れて倒れおち これでイカ焼5万人分<br />
<br />
ネッシーの涙でけむる湖のコテージで飲む別れのネッシカフェ<br />
<br />
リュウグウノ初めてのおツカイうろうろとあらあらやっぱりイワシ忘れて
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シェパードの大きく長い桃色の舌は新種のナマコのようだ
<br />
クマノミとイソギンチャクの美しいコラボに絡む野暮なウミシダ<br />
<br />
夜明け前せいっぱいに羽ひろげジュディオングに憧れるエイ<br />
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永ちゃんに憧れているエイがいてエビちゃん目指す海老がいること<br />
<br />
眠れない夜に数える沢蟹の行列ついにハワイ沖まで<br />
<br />
さくらえび色の夕ぐれ言葉では伝えられないいくつかのこと
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会話すらなくむさぼった蟹なべの殻の山でも見てる目つきだ<br />
<br />
水槽に映るあなたの胸のとこ張り付いているヒトデは青い<br />
<br />
*たびたびすみませんが、改作をお願いいたします。<br />
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ありがとうでは言い尽くせない分を珊瑚になって産卵したい
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ウミウシを荷台にぎゅっとつめこんで軽トラが行くもう戻れない<br />
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発端はいつもささいなことなのにテレビの前の爆発海鼠
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美しき故に憎まる世間より母を守りし田螺の精よ<br />
<br />
冬の朝啓示授かり我が母は教祖となりき聖田螺教<br />
<br />
御神体の田螺を烏が食わぬよう案山子となりて母は田に立つ<br />
<br />
我が父が人類史上初めての信徒となりし聖田螺教<br />
<br />
我が母はお田螺様の御心をお歌に詠うおお田螺教<br />
<br />
我が母が田螺の精で身籠りて産まれ出しがこの我なるぞ<br />
<br />
善男と善女に母のご託宣「備えよ飢饉に食うな田螺を」<br />
<br />
託宣を取り次ぎ収む祈祷料お田螺様の安らけくこそ<br />
<br />
医者にさえ分からぬ叔父の病因を「田螺を食ったせいなり」と母<br />
<br />
ぬばたまのこの世の闇に一筋のお田螺様の聖なる光
<br />
コスモスという名の花の咲く星で花の様には出会えなかった魚と人
・味噌汁に青い魚の切り身浮く 単身赴任の叔父の憂鬱<br />
・沢蟹の甲羅に盛ったグラタンは皿まで食えるが量は少ない<br />
・あの子との身分の違いを乗り越えてかにスプーンが似合う男に<br />
・明るくて水面に映る色は白 マンボウ泳ぐ水溜りに月<br />
・タスマニアオオシオマネキに招かれてポケットもらえる穴に下り行く<br />
<br />
宜しくお願いします。
<br />
夕風が魚の匂いで連れて来る海へと還る入道雲を<br />
<br />
セニョリータやマドモアゼルが池のコイみたいに群れるバーゲンセール<br />
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※セニョリータは魚の名前です<br />
<br />
1首改作をお願いいたします。<br />
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はねまわる心のなまずゴメンネとつぶやくだけで電話は切れる
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飲食(おんじき)の四季はめぐれど蜆汁一椀にじつとあたたまつてゐる<br />
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ほろにがき秋刀魚の腸(わた)を友として秋いつまでのゆふぐれなるか<br />
<br />
鬼笠子(おにかさご)胃の腑よぎりて食卓の脚断(き)りをるは窈たる愉しみ<br />
<br />
ちりめんざこがつぶらなまなこで見つめゐる虚空のブルー昼月泛(う)かんで<br />
<br />
酒盃に光 たたみいわしの魂の海の青ごと噛みくだしたる<br />
<br />
春の夜かぜ菜の花ばたけをすぎるとき漁り火に泡立つ白魚の白
---<br />
×ふるるんと月の光を食べながら日に日にミルクめいてく牡蠣は<br />
↓<br />
月を呑みミルクめく牡蠣 ふれられてふるふる惑う夜の乳の房<br />
<br />
×とんがるぜミジンコだオレとんがれどくわれるけれどオレとんがるぜ<br />
↓<br />
相似形為す少年とミジンコは捕食者みれば頭とがらせ<br />
<br />
×いつの日か飛行船となるマンボウのなるほどこれはうまいサシミだ<br />
↓<br />
館山に打ち上げられたマンボウを空に放れば ゆらりたゆたう<br />
<br />
×うつくしい箸のはこびね まっしろな骨さらしたいくらいスキスキ<br />
↓<br />
小指立てくるくる指紋ほどいてく あなたにあげるまっしろな骨
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×二人して答え出せない数式に放課後染まるサーモンピンク<br />
↓<br />
二人して答え出せない数式の放課後くるむサーモンピンク<br />
<br />
×さよならが正解なのかムニエルを解体してもわかりはしない<br />
↓<br />
さよならが正解なのかムニエルを解体してもわかりはしまい<br />
<br />
×はらはらと夜の銀座に繰り出したミノカサゴらが吐くガスのいろ<br />
↓<br />
はらはらと夜の銀座を躍りゆくミノカサゴらが吐くガスのいろ
<br />
アロワナが真一文字に泥色のそら裁ち切ってこぼれる真珠<br />
<br />
明け近く眠るおさな子小魚の群れゆくようにきららと笑う
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吐く砂をもっていなくて閉ざされる養殖されたアサリの口は<br />
<br />
交差点にスパンコールが散らばってアスファルトは人魚の髪の色<br />
<br />
まるめまるめデビルフィッシュを始末する大阪人は神の使いだ
<br />
大型のスズキに墨を塗りながらランナウェイを歌う釣り人<br />
<br />
骨だけで泳ぐ魚が施したプチ整形は七十五回<br />
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海なんて知らなかったら水槽も居心地良いと思えたハゼだ
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立ち尽くし途方に暮れたその男、鯵の開きのような顔立ち<br />
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シグナルを見落としたから迂回してはぐれた まるであさりの剥き身<br />
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我一人四畳半の海手酌酒ブラリと照らす鮟鱇電気<br />
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真夜中に蒼く揺らいだ水面から月に沈んだ魚座の星よ
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初鰹買って帰るとメールすりゃ青葉の芽散り何も無い部屋<br />
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「ぼくちゃんねめざしいっぴきたべからそのぶんあたまよくなった」のか <br />
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バカデカイ応接室のテーブルで大口開けたピラニアが待つ<br />
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魚って同じ顔して退屈とムーミン谷のニョロニョロが言う<br />
<br />
水面に映った空を泳ぐからもう魚にはすることがない
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「おさかなのかんさつ」と書くメモはがれマキせんせいのスカートに落ちる<br />
<br />
飛び上がるほど愛しくてリビドーを喉元で知るさかなくんです<br />
<br />
優しさの餌をたらふく喰い尽くしタカトビウオは羽根を広げる<br />
<br />
ウラシマノワスレガタミとダイバーがひそかに呼んでいる熱帯魚<br />
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オトヒメノナグサミモノと海女たちが守り神とす蒼いウツボよ<br />
<br />
パチモンのニモのシャツには水田を泳ぐ「二毛(にもう)」の尾びれ輝く<br />
<br />
高音で素揚げをしたら塩だけで乙に食いたいタツノオトシゴ<br />
<br />
幸せに生きようなんて一ミリも思っちゃいないミジンコブルース
<br />
高温で素揚げをしたら塩だけで乙に食いたいタツノオトシゴ
<br />
コーヒーにフィッシャーマンズフレンドを混ぜて飲んでもキスはしません<br />
<br />
にし貝で縁取られてる花壇から雨が降るたび海が香るの
<サーガ・・・(歴史)物語>
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自炊して魚の高価(たか)さ思い知り 密かに焦がれる「魚民」の文字<br />
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結論の出ない会議で資料には一筆書きのサカナが増える<br />
<br />
一筆でサカナをするりと書くように恋の告白するひともいる
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降りたる水の中でなお、力を得たる球児達魚(うお)の如く光を目指し<br />
竜宮の舞姫のごとく踊りくる甲子園のスタンドの波<br />
つっこみを飲み込みし吾、後悔す。アオブダイのような彼女の服<br />
海でなく氷上で泳ぐニモ達の背後にネズミの高笑い<br />
(アイスショーを見て)
黒鯛でキュッと一杯したいけど指輪を買った結婚記念日<br />
マンボウよ溺れているんだ助けろよ軽蔑するなじーっと見るな<br />
バフンウニみんなは彼をそう呼ぶけどまっすぐな彼が私は好きなの
<br />
海近き赤錆色の民宿の主(あるじ)がタラバと言い張る生物<br />
<br />
雨の中雷魚を狙う釣り人の麦藁帽には見覚えがある<br />
<br />
鰻屋の水死体を取り囲むキュウリ食みたる四人の河童
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ギャル服の派手な魚のプリントはあれは絶対チョー!チョー!ウオだ<br />
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夕暮れのトウキョウ散歩する我に火照ったトウメイクラゲ<br />
纏わる
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蛾の舞へる光もとめて暴動の街をゆくめり 翻車魚(まんばう)の睡り<br />
<br />
古書市に『ドクトルマンボウ航海記』めくり傷繰れば黄金(きん)の栞<br />
<br />
蛸つかみ朝の港に佇ちゐれば漁夫あかときの墨濃き宇宙<br />
<br />
帆立貝咽喉(のど)踰ゆるとき地震(なゐ)奔る 満帆の風に「ヴィーナスの誕生」
<br />
酒盃に光 たたみいわしの魂の海の青ごと噛みくだしゐる<br />
<br />
蛸つかみ明石の港に佇ちゐれば漁夫あかときの墨濃き宇宙
<br />
ただひとつあなたがのこしていったのはバスタブで飼うナミダクロハギ
<br />
はらわたをむしり取られてエビちゃんはプリプリ怒り真っ赤になった<br />
<br />
みなしごのキスは佐竹に買い取られ名を改めて佐竹接吻<br />
<br />
「靖子さん、あなた妊娠しているの?」お皿の上でししゃもうなずく
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さかなクンもらったガムで口直し 見たくなかった肉得た魚
<br />
銀河産デスラー色のイカ波動砲焼き仕立て(シェフのおすすめ)
<br />
赤巻き貝 青巻き貝に黄巻き貝 隣の人もしていた間違い<br />
<br />
いわしぐも外科の待合い室に来てメダカとメガネ従えて去る<br />
<br />
雨の日はハリセンボンになる上司 ヒラメの部下は書類の底へ<br />
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眩しくて捨ててしまった絵はがきをネオンテトラの光にかざす<br />
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どうしても顔が思い出せぬ人 長い背中はタチウオの銀<br />
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差し入れのソーダ・アイスの右角に歯を立てたときイルカが鳴いた<br />
<br />
ゆっくりと波打ち際のサンダルが赤い魚に変わる夕暮れ
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ウォーターベッドの上でうら若き快楽魚のうろこを剥がす
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友釣りの鮎換えるとき跳ねぬ尾の針外すたび月の朱は増し<br />
<br />
赤エイが砕く地蔵とともにある産毛冷たけれども盆会<br />
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百匹の海月閉じ込む木の箱を背負う水族館ぞ悲しき<br />
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常節で裂きたる傷の膿みに似てわれ覆いたる君のお喋り
<br />
ボイジャーに積み込まれている魚の絵ごみ箱に捨てた落書きに似て
<br />
抱き合へぬハリセンボンがさざなみにやまあらしのジレンマ思ふ<br />
<br />
スクランブル交差点には金銀に鱗ひからせ魚群のありぬ
<br />
火火魚火火子持ちししゃもが炭となり明日もきっと僕は無力だ<br />
<br />
本日はサバのメンテナンスのため海から水が消えたりします<br />
<br />
谷啓のまばたきよりも果てしなく口をぱくぱくぱくぱく金魚<br />
<br />
骨となれ 僕らの海を守るため高笑いする黄金フィッシュ
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鯛平目舞稽古には目もくれぬ海を見上げつ旧(ふ)るる結髪<br />
<br />
海黒く蛸・烏賊・蟹みな死にはてて誰待つやらむ宮の姫君<br />
<br />
<br />
月光を受けとめられぬさみしさを誰にも告げず沈む海月(くらげ)は<br />
<br />
持ち主の消えた浜辺の革靴のまわり散らばる桃色の鱗<br />
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坂のうへ白き陽ざしにあふられて蜃気楼魚の虹色の尾
<br />
終着の駅に鯊天(はぜてん)蕎麦くらひ訛りの濃(しる)き街角終る<br />
<br />
ハリセンボン全身全霊の刺(とげ)起(た)ててわれと恋敵のあひだ一千メートル<br />
<br />
波寄せる河豚のかばねの鰭震ふ 蒼き曇天ひたすら尽きず<br />
<br />
神は愛したまへり馬糞海胆の磯沖つ白浪あまねき夕光(ゆふかげ)<br />
<br />
人生の涯の一日(ひとひ)のはなむけに枯葉いろの鰈の瞳を
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美しく魚を食べる横顔が憎らしくなる いつだってそう<br />
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密やかに北の国から来た貝を具がたくさんの味噌汁に入れ
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想い出のイカ墨パスタで号泣しマスカラの闇は渋谷に溶け出す
<br />
常節で裂きたる傷の膿みに似てわれ覆いたるわれの日常
<br />
訪れる篤気づかぬ視線あまた畳鰯は壁いっぱいに<br />
<br />
しじみ吸う息の細さに立ち昇るサプリメントや優雅(ゴージャス)な朝<br />
<br />
古井戸に棲む山椒魚あおぎ見む貞子が淡き腰巻の色
<br />
ジジジジと女がラジオでしゃべってたクジラ解体現場めざして
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美しきものはみな貝より生まる(僕は帝王切開だった)<br />
<br />
(改作)<br />
間違えて鯉が昇っていくほどの大雨ならばむしろ笑えた
<br />
虹の橋桁をシーラカンスの尾びれがゆらゆらと揺らしています虹の震源地
<br />
晴やかな日やくびくくり彼が呉れし有肢魚類の化石ひと欠け<br />
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病棟の灯は消されたり月映すシーモンキーの細き脊椎<br />
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蚊やり火に焼かれ羽音は水槽に好き嫌いある君の鼻先<br />
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やや生えし肢の裏踏む約束の地でユルユルと境を跨ぐ
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ふにゃふにゃと喋るアナタと素潜りで沈んでいったお盆の熱海<br />
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味噌汁のワカメをつまみ神妙に呟く「男の匂いがする」<br />
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<br />
よろしくお願いいたします。
<br />
恋をするメダカの男子数名をジャニーズJr.にくわえてみたい<br />
<br />
非常用持ち出し袋のカニ缶の賞味期限が近いよと父
<br />
海底のサンゴのダートを疾泳す最新式のメバル・インプレッサ<br />
<br />
コンクリの湿った空間さようなら琵琶湖にかえるTOTOバスは <br />
<br />
ほんとうさ元気になるっていう噂 のんでごらんよウミウシ牛乳<br />
<br />
くちもとは魅力に満ちて誘ってる落ちてしまうさアジア恋のワナ<br />
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真っ白な馬券吹雪がそらを舞う ああ、だまされてイサキ脩五郎
<br />
海の底で青く繁れわかめたち俺の叫びを養分にして
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月のない夜に歩けば深海の魚の尾鰭が頬をかすめて<br />
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オスどうし愛をこめあう青い池の軟体生物をエロイカという<br />
<br />
炙りスルメ丸まりゆけば晩年のいかりや長介の演技をおもう<br />
<br />
お見合いで趣味を聞かれて披露する一子相伝のどぜうすくいを<br />
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あまくとけるけどなまぐさい季節です私の春は牡丹海老色<br />
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鮑とか烏賊の単位よりあのひとの癖の数え方おしえてほしい<br />
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河豚刺しの絵皿に透けるしたごころ 襖の向こうの緋の絹布団<br />
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八本の腕と脚とをからませた ふたりでひとつの真蛸のように<br />
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焼きタラバへ檸檬を絞る指先でうそつき男の目潰しをする<br />
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噛み切れないつながったままのイカソーメン 削除できない最後のメール<br />
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ラッコの貝みたいに壁へうちつける頭 砕きたい殻は硬くて<br />
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雲丹の棘を踏んだ踵にのこってる穴のようだね愛された日々<br />
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君といた夏のフジツボを右膝のお皿で今も育てています <br />
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☆改作です。お手数ですが宜しくお願いします。<br />
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一億年かけて炎になれる雪 プランクトンは海底に降る
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焼きタラバへ檸檬しぼった指先でうそつき男の目潰しをする
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嬰児とリカに見立てむ沖筏 稚貝に埋もれ仁丹真珠
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雨の日は窓に貼り付くミズクラゲ そうか海中都市に来ていた<br />
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くるぶしの青い魚が死んだならおそらく君はもう子供じゃない<br />
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夏まぢかプール掃除の君と僕はなんで魚じゃないんだろうね
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飛び魚の足跡たどりパラレルな世界のきみとやり直す恋<br />
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修善寺の高原を飛ぶトンボ達よ俺の生まれは田螺住む里<br />
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温泉の湯気の向こうの富士が嶺が見えない夜の鱧の柳川<br />
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寿司桶にイクラが三粒こぼれてた母とふたりの梅雨の日の昼
メデューサと死んだ魚の目の僕に囲まれている良い香りのキミ<br />
シオマネキ招き招かれ海中へ僕の葬式誰か泣くかな
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芳一の心経のごとくぎっしりと湯呑みに並ぶ魚の名前
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水槽で悠々泳ぐ熱帯魚 海があること知らないんだね<br />
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世の中で部屋の金魚と私だけ息をしているみたいに孤独
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海よりも青いカイルはほんとうの海を知らずに微笑むばかり<br />
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死ぬことはきもちいいこと 切られても蛸は体をひくひくさせる<br />
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かあさんが白いさかなになったのをドアのかげからじっと見ていた<br />
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やわらかい肉に触れたい 蟹缶に銀の刃をふかく沈める<br />
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テポドンがずらりと並ぶ砲塔に築地のまぐろおじさんがいた<br />
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夜の海の裁きの炎としてホタルイカは密漁船に群がる<br />
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いくらごはんをほおばりながら言わなくていいことばかりこぼれてしまう<br />
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緩慢にひからびる刑 死に体のくらげに波が何度もあたる<br />
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朝の電車はゆらゆら揺れるスイミーの黒い金魚として泳ぎたい<br />
<br />
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いっぴきになっちゃったからいつもよりちょっとおっきなランブルフィッシュ<br />
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目的のない旅にでる トビウオは飛ぶこと以外考えてない<br />
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人工のひかりがそそぐ水面にエンゼルフィッシュは浮いていました
<br />
この鉢が俺の海よと若大将思わすメダカ凛と構えて<br />
<br />
波の上漂うワカメ不意に見て裸の江頭咄嗟に探す<br />
<br />
デトロイトロックシティがこだまする竜宮の城カサゴのステージ<br />
<br />
岩陰の光るヒトデを手に入れて数十秒間無敵の私<br />
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最終回真っ向勝負と打者に向けバフンウニ握り球種を告げる
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ピラニアに指近づけてゆらゆらのタイムリミット月曜0時
<br />
耳そうじお願いしたらぬめぬめと耳を濡らしてそれはマンボウ<br />
<br />
FREEDOM物足りないと思いつつ川に向かってうなぎを投げる