
「テレビ・テレビ番組(アニメを除く)」
です!!
「テレビ」「TV」という文字を入れても入れなくても、どちらでもかまいません。
「テレビ」にまつわる内容の短歌であればOKです。
ただし、今回アニメ番組は不可とさせて頂きます
(またいつか「アニメ」のお題で募集するため)。
では、師範のお手本からいきます。
______________________
<笹公人師範による模範短歌>
風邪の日に見ている教育番組のなるほどくんの「なるほど」過剰
ごろ寝するニートの上で燃えあがる「はたらくおじさん」の熱気球
忘れない「アイドル水泳大会」の丸枠の中で歌える君を
「川口浩探検家」
女族(アマゾネス)の槍の食いこむレンズ見せ川口探検隊は語りき
人食いザメの腹を捌けばあらわれる水曜スペシャルの青い半袖
「世界ビックリ大賞」
マシュマロの巨大な乳の隙間から愛川欽也が這い出づる夢
「風雲たけし城」
さりげなく格差社会を予言してバブルに煙るたけし城なり
_______________________
テレビ番組を詠んだ歌は『念力姫』
にたくさん収録されています。
よかったら参考にしてみてください。
短歌が思い浮かんだら、この記事のコメント欄から投稿して下さい。
※投稿の際にはメールアドレスをお忘れなく。
記入が無いと優秀作に選ばれても賞品をお送り出来ない場合があります。
(メールアドレスはブログページには反映されませんので、安心して記入して下さい。)
では、もう一度基本的なことを確認してみましょう。
【笹流の理想短歌基準】
単なる説明に終わっていたり、当たり前の発想のものは、人を感動させるどころか印象にさえ残りません。
表現に工夫をしましょう。そして、心を込めましょう。
読んだ時に心にジーンとくるようなものが詩であり、良い「短歌」です。
あくまで「笹流」ですが、理想とする短歌の基準は、以下、3つのうちのどれかを満たしているかどうかです。
1・ハッとするような発見があるか
2・説明しがたい凄みがあるか
3・考えさせる深い何かがあるか
____________________
インターネット時代とはいえ、
テレビの影響力はまだまだ大きいです。
そんなTVのチカラを思い知らせる作品や、テレビ批判、
好きなテレビ番組、懐かしのテレビ番組を詠んだ作品なんかも期待してます!
あくまで「テレビ」が主役です。
タレントの名前とかに頼らないように気をつけてください。
そして、今回の賞品は、
テレビが家にきた時のシーンも印象的だった、
大ヒット映画
「ALWAYS 三丁目の夕日」
のDVD(豪華版)\7,140 [税込] 相当
です!!
(賞品協力:株式会社ROBOT)




園児たちの「ミックスジュース」の歌声に誘われて
幼稚園に闖入した時のワイドショーなんかを詠めば?

も〜!師範の意地悪っ!

ということで、よろしく哀愁☆
BGM:「TVの国からキラキラ/松本伊代」
※現在、システムの状態がやや不安定になっており、
表示に時間がかかることがあります。
ご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございません。
現在対応中ですので、今しばらくお待ちいただけばと存じます。
よろしくおねがいいたします。
福々しワイド画面のまいうーをただ1品のおかずと崇め<br />
朝ドラも昼ドラ及び夜ドラも生涯やって来る気配せず<br />
3分で料理をしている君の背を滞りなく刺してく天使
<br />
「ズームイン!!朝!」の後ろで手を振って四年後きみがひきこもる夏<br />
<br />
つゆの濃いうどんを啜る クスリともできぬ「笑点」うっといねん!<br />
<br />
緑山に城がそびえたあの頃は「殿」のあだ名にふさわしき人<br />
<br />
ドアを締めカギを確認テレビつけ布団をかぶりジェイソンを待つ
<br />
どんなにもPTAが邪魔しても土曜の夜は全員集合!<br />
<br />
あこがれの体操服は純白でサスペンダーも輝いていた<br />
<br />
うそつくと頭のうえに金ダライ落ちてくるわよ 神はみてるの <br />
<br />
後半のショートコントでブレイクしピンク・レディーも伝説となる<br />
<br />
はじまりが東村山音頭なら さよならはあかるく踊ってラストヒゲダンス<br />
<br />
「This is a pen!」と叫ぶ男に注意して「なんだバカヤロー」と怒られている<br />
<br />
「ちょっとだけよ〜あんたも好きねぇ〜」唐突に妻が真似した 無視して眠る<br />
<br />
長さんの「おぃーっす!」の声はぎんいろのディスクのなかで生きつづけてる<br />
<br />
「風邪ひくなよ」「宿題終わったか」「風呂入れよ」「歯磨いたか」「また来週」だよねぇ〜
<br />
必ずの意味ではないがよく当たるだけありがたし下駄のなき世は
<br />
手拭いのマフラーなびかせ自転車で群れをなしてる少年ジェット
<br />
ナイターはなぜはじめからやらないで延長だけはするのだろうか<br />
<br />
色を変え震えよじれて明滅するでかい字幕がひたすら怖い<br />
<br />
さださんがアップで映るテレビジョンあまり近くで見ないようにね<br />
<br />
現実に折れる弱さをそのままに僕のテレビはテロを知らない<br />
<br />
候補者の述べる政策とかよりも髪の毛の量ばかり気になる<br />
<br />
実を言うと見たいポロリは別の人 女だらけの水泳大会<br />
<br />
友と飲み生きのびようと誓ったのだトップランナーに出る日まではと<br />
<br />
おニャン子が映るテレビを前にして父は不味そうにビールを干した
<br />
美しく着飾る花に囲まれてボクだけひとりハナとなるとき <br />
<br />
かまいたちより切れ味は鋭いと がむしゃらに振るカマキリ拳法 <br />
<br />
段ボール箱の底から取り出したみかんの青きカビを見つめる <br />
<br />
高校生デビューの少女は教師より大沼ユミと呼ばれていたり <br />
<br />
ストーカー呼ばわりはせず告白が101回を数えるを待つ <br />
<br />
婆ちゃんの部屋に置かれしテレビジョン そろそろ「村の時間」の時間 <br />
<br />
ベストテンの聖子とトシに割り込んだ徹子のように邪魔をしてやる <br />
<br />
新しき知識があふれ柔らかに日向子は語る「めいどでござる」 <br />
<br />
総務部の泉麻人に似た人が我はテレビを見ぬと言い張り <br />
<br />
富士真奈美うつみ宮土里がべらべらとコメントをするいなか、の、じけん <br />
<br />
いいともを見ながら我はうなずいてそうかそうかと呟いている <br />
<br />
おすもうの好きなオオカミ少年が「アクマがいた」と大さわぎする <br />
<br />
忍耐はすべておしんに押し付けて自由気ままに生きている人 <br />
<br />
ヘキサゴン学習塾は看板を遺してゲームセンターと成る <br />
<br />
悲しくて腹立たしくてCMで離婚のようで今日は晴れです <br />
<br />
キョウカラハエイゴデジュギョウヲハジメマス 3年B組金髪先生
<br />
あさま山 非日常の 中で見る 日常をすする 隊員の蒸気<br />
<br />
恨めしく 馬面並ぶ 画面見て 夢を千切りし 懲りない面々<br />
<br />
改めて 歌った気持ちに 笑み漏れた 今年で30 知っとるケのケ<br />
<br />
胸の内 何人たりとも 隠せずに 曝け出すのさ 崖の上では<br />
<br />
ガン飛ばし ドラム叩いた 夜8時 彼女は不良 少女と呼ばれ<br />
<br />
2だ5だと TVに向けた 声空し 赤は25 に飛び込んだ<br />
<br />
Gパンと Gジャン捨てた 若者が 黒いスーツで ベスパに乗って<br />
<br />
抱きしめたい 愛しき人の 部屋の隅 W浅野が 褪せたポスター
<br />
父親と同じ世代の俳優逝く 病室のテレビよ壊れるがいい<br />
<br />
子供らに蝶を渡せば燐粉はすっかり剥げる 侍もまた<br />
<br />
提供をよく見てごらん 犯人は酒に飲まれることはないはず<br />
<br />
提供をよく見てごらん 母さんが皿を洗ってばかりいるから
<br />
世良さんの歌声聴く度この人は早死にするよと予言した祖母<br />
<br />
金妻を見て一行に恋をして今じゃ私は亀梨命
<br />
真夜中のテレビショップに欲望という名の電話口の鼻息<br />
<br />
真夜中のテレビショップに照らされて君もこくりと我もこくりと<br />
<br />
リモコンをラップでくるんだ母の目に昼ドラのキスながく糸引く<br />
<br />
増えすぎたチャンネル達のユニオンが地位の向上計りはじめる<br />
<br />
いつかまた人生相談受け付けた砂の嵐に出会えるかしら
<br />
制服のリボンはそっとほどかれた脱がさないでとうたう夕暮れ<br />
<br />
プロ野球中継ばかり見てたからビールの泡も恋もなくした<br />
<br />
太陽にほえろみたいに走ったらつかまえられる気がした明日<br />
<br />
クリスマス前にかならずやってくる山口智子はいつも29才(にじゅうく)<br />
<br />
ロンバケに憧れていた姉ちゃんの今度の相手はあのピアノマン<br />
<br />
ドロドロのアイスクリームをかき混ぜて昼ドラのなか妻はとけゆく<br />
<br />
さよならの理由(わけ)はいくつも告げられるへぇボタンなど持たない僕に<br />
<br />
リモコンのどこを押してもすなあらしテレビも僕をおきざりにする<br />
<br />
影ばかり色濃く映すそのときも哀しみながらテレビは光る<br />
<br />
リモコンのボタンを押せば浮かびくる僕を知らない僕らの世界
<br />
白影とともに乗り込む凧だからゲイラカイトはイヤだと泣いた <br />
<br />
テレビから誰かの意志がはたらいて泣き出すためのピアノがぽろり <br />
<br />
もうすでに読み終わってる新聞の記事をテレビが伝えています <br />
<br />
突然に圧しかかられて 芸人が嘲笑(わら)うテレビを消す足のゆび <br />
<br />
「入る」っていう字も支えあってるね 課外授業の金八先生
<br />
許されぬ愛とあきらめきれぬから週に一度は夢で会いましょう<br />
<br />
屋根までも飛ぶことできぬシャボン玉ホリデーだけのつかの間の愛<br />
<br />
バス通り裏の八百屋の不揃いの林檎たちから選んだ紅玉
<br />
あの頃は「新人類」と呼ばれたが今じゃ「ブラウン管」のぼくたち<br />
<br />
テレビ2台ならべてまなこ細めればきっと貞子が飛び出て見える<br />
<br />
両親がトイレに起きてこないこと祈りつつ見る「11PM」<br />
<br />
お茶の間の灯りとテレビの音声を消して見ていた「11PM」<br />
<br />
午前二時ぼくはテレビを見ています 咎める人のいぬわが部屋で
<br />
体力も気力ももたず倒れふす 二十四どころか二時間だって
<br />
ぶらり下車映しはしない両親が田舎に住むと言い出さぬよう<br />
<br />
電源を消さないでおくちのみ児のようにいつしか眠りにつこう
<br />
平日の昼にテレビを観る僕をタモリは肯定してくれるんだ<br />
<br />
液晶の美しさの秘密を問われ「プラズマです」と大槻教授<br />
<br />
トンネルのような光に照らされて果たせなかった夕やけニャンニャン
<br />
ママ ドント クライと母の横顔を見れば背後にムー一族が
<br />
熱い湯に入って泣いている人はきっと我より豊かな暮らし <br />
<br />
チャンネルをまたいで同じCMを見たことだけが今日の良き事
<br />
トリビアは日の目を見ずにあの枠で二人大事に育てたかったの<br />
<br />
足指でピアノ弾いてる正臣君 練習こっそり見ててごめんね
もし君がいなくなっても金曜の探偵ナイトスクープは見つける
<br />
ヨーヨーに怒りをこめる美少女のスカート丈がぼくの青春<br />
<br />
あの人の愚痴を聞きつつひそやかに待ち続けてるハンターチャンス<br />
<br />
徳さんの涙のわけを聞けねまま黄色い夏が終わりを告げる<br />
<br />
デジタルを生き抜くために手に入れた神の器の薄型テレビ<br />
<br />
はに丸が掘り起こされてフランスの博物館に飾られている<br />
<br />
白黒のテレビの中で見た夢はきっと今よりカラフルでしょう<br />
<br />
饒舌なノッポさんにはなれなくて風に吹かれるみどりの帽子<br />
<br />
「鳥人間コンテスト」には宇宙への移住プランが隠されている<br />
<br />
「ASAYAN」のような劇的展開が仕組まれている修学旅行
<br />
妻子からチャンネル我が手に取り返すそれがおいらのプロジェクトX<br />
<br />
負け犬がはまるトラベルミステリー愛とか恋とか網棚にのせ<br />
<br />
子どもたち夢中な戦隊モノだけど変身前こそママにはヒーロー
<br />
血の色がより鮮明になるというハイビジョンなど僕は要らない<br />
<br />
俺にだって違う未来があった筈「きょうの料理」の手際さえありゃ<br />
<br />
土筆って食べられるんですねって言うテレビを母と呆れつつ見る<br />
<br />
CGの古代が映るテレビに向け鎗投げつける儀式を開始
<br />
その口で煽りその目で威圧してそれがアンタのファイナルアンサー?<br />
<br />
100人に聞こう「チャンスが僕にある?」「あるー、あるー!」なら告白の決意<br />
<br />
こつこつと正解重ね上り詰め、ぐるぐる回って落ちて見せしめ<br />
<br />
野々村のようにいじってほしいのに草野のごとく仕切っちゃうオレ
<br />
NHKにお守りをさせる 苛立ったあなたのように怒鳴らないから <br />
<br />
平凡で終わりたくない 肉体の奥に隠れしベンジャミン伊東 <br />
<br />
「中日は勝ってるかな」と鼻すすりうつむく父はチャンネル替えた<br />
<br />
奥様は魔女とわざわざ言わずとも妻はたいてい魔女なのでした <br />
<br />
「手を腰に当ててするのがスキップ」と子に従いてタケちゃんマンに
<br />
押さないで少しひねればよかったとチャンネルかえる告白の夜<br />
<br />
ひとり酒すぎてトイレの吾の耳に笑い屋の声遠く聞こえる
<br />
休息が不治の病に効くのなら手を伸ばそうかおもいっきりよく
<br />
梅雨の夜は悲しき雨音聞きながら音を絞って画面を見てる
<br />
ファミレスでドリンクバーを飲むたびに「ゴチになります」子供は叫ぶ<br />
<br />
かあさんはテレビ画面にビニールの袋貼り付けにんにん笑う<br />
<br />
プラズマの意味を問われた店員が「カミナリさま」と答えて雷雨<br />
<br />
今はまだランク外でもこの恋を照らしてくれるスポットライト
<br />
モロッコで取れば女になることをカンピューターにインプットする <br />
<br />
琴線はどのへんですか あなたからはるか彼方に住む主人公 <br />
<br />
声交わすことなく君と見るテレビ マンネリだねと呟いている
<br />
いのちあるものに等しくおとずれる白い砂嵐の時間帯
<br />
トリビアの泉のように見えまいかケータイで観る大河ドラマは<br />
<br />
予言せり「オーラの泉」はガセビアの沼に沈むと細木数子が<br />
<br />
日曜の朝に政治家が集って愛を語り合う素敵な国だ
<br />
セルリアンブルーの風が吹く街で君に告ったあいのりの旅<br />
<br />
カーテンに遊ぶ光と影のよう恋の花咲くパンチDEデート<br />
<br />
メビウスという名のウルトラマンを見るキャベツ3コの重みをよそに<br />
<br />
デミグラスソースがうまくできた日の君はランチの女王気分
<br />
手を振って知人に電話するバカをカメラで抜くな『ズームイン!!朝!』<br />
<br />
ポロリのない水泳大会 そんなのは主役のいない『にこにこぷん』だ<br />
<br />
『あいのり』を毎週欠かさず見る君の恋愛術はインチキ臭い<br />
<br />
「ごめん、オレ、明日『いいとも!』出なくっちゃ」見たこともない顔の男が<br />
<br />
『NHKのどぼとけ自慢』があったならあなたがたぶんチャンピオンですね<br />
<br />
「ジャパネットくらい必死にがんばれよ」口やかましい営業部長<br />
<br />
レモン持つアイドルの手がぎこちなく表紙を飾る『ザ・テレビジョン』<br />
<br />
アンテナは今なお錆びぬテレヴィジョン 鈍色の月が電波を放つ<br />
<br />
同点のスクイズみたいに何回もリプレイされる君の口癖<br />
<br />
流暢な茨城弁のおっちゃんにかぶせるように流れるテロップ<br />
<br />
だからさあテレビの音量設定は偶数じゃなきゃイヤなんだって!<br />
<br />
テレビっ子いくつになってもテレビっ子 死の間際までリモコンを手に<br />
<br />
録画予約忘れたことを思い出しサーブミスするピンチサーバー<br />
<br />
画面から貞子が出てくるテレビってヤマダ電機で買えるでしょうか? <br />
<br />
イケメンがテレビに出てると思ったら画面に映ったオイラだったよ<br />
<br />
ブラウン管デビューは古い 今どきは液晶デビューかプラズマデビュー<br />
<br />
とりあえず差別化をするアナウンサー「撃った男と撃たれた男性」<br />
<br />
仮定形ばかりでやたら気に障るお天気キャスターみたいなしゃべり<br />
<br />
雪化粧した町よりも目立ってる厚化粧した女性キャスター
<br />
「1=8」「11=10」 難解な式はテレビの下に貼られた <br />
<br />
初めての流血の日は夏でした テレビ画面に馬場がいました
<br />
わが脳の幾億粒はテレビジョンで生成されたんだよ、ねえ、母さん。<br />
<br />
探偵が急ぐべスパの危うさは明日を確かに指し示していた<br />
<br />
石刻む人のま広き背にぞ舞う埃に込めるや昭和の威厳<br />
<br />
愛と言う名こそ知らしめ週末のキーハンターの歌は流るる<br />
<br />
かかわりのないあっしこそ石くれの夏風とおる街道にまつ
<br />
怪獣の背中のチャック見えたなら二度と戻れぬ日々に黙祷<br />
<br />
眼球に「遠くへ行きたい」映す人ふわりふわりと途中下車する
<br />
謎その他失せる善き夜に声高きSRIの歌ぞ響かむ<br />
<br />
絵具溶くたび筆洗いQの字の浮かぶトラウマ三十路過ぎても
<br />
反応を切り取る目玉抉りとる人工空間人工人間<br />
<br />
写真機瞬くかのごとき赤外線の早撃ち目痛し<br />
<br />
合成の声と拍手で踊り出す芸人地獄の終わらぬ晩餐<br />
<br />
記号やら象徴やらが置き去った「人間らしさ」「嘘くささ」<br />
<br />
片仮名語南蛮渡来映像化原題不明意図不明<br />
<br />
豚猿河童偽法師褒めて叩いて搾って捨てる<br />
<br />
伯爵は埃のかぶった棺から薄くなりゆく寝床に戸惑う<br />
<br />
生臭き犬歯のはみ出た女が画面で笑う「ヴァン・ヘルシング教授は死んだ!」
<br />
十字架も聖餅、蒜、白銀ナイフ無効かくだらぬ数字の前では<br />
<br />
電源が入りっぱなし生乾きコードの茂る丘、砂嵐<br />
<br />
うつされたペンギン様が半世紀前は神話の登場人物
<br />
円形に広がる電波の手綱引く広告地獄や奴隷制度や<br />
<br />
美食家と思えぬ言葉の応酬にうどん口から寄生せり
<br />
眉間には深き皺寄せ非情かつライセンスなき殺人日和
<br />
時代劇好きな子どもがつぶやくよ死して屍拾う者なし<br />
<br />
サマンサが羨ましかった新婚の苦手な家事は全部魔法で<br />
<br />
昨晩のザベテン真似てランキング朝の自習はものまねタイム<br />
<br />
箱の中閉じこめられた芸能人可愛そうだと思う日もある<br />
<br />
友達のノロケ話を聞く時は基本スタンス梨元ですから
<br />
いつからかユーフォーと呼ばむ円盤を、S.H.A.D.O.も知らぬ謎は残りて<br />
<br />
九十九里浜水産缶詰工場株式会社 定休日 晴れ
<br />
七人と三匹いずれ死すべきや閃光放つ抜身動かず<br />
<br />
この家に籠もりてTVのみが友なればコルディッツさえも眩く
<br />
大人とはかくあるべしと党首らがのらりとかわす国会中継<br />
<br />
飛び出してみたら案外おだやかで残念そうな台風中継<br />
<br />
ぶよぶよの巨体に細き老体が裁きを下す相撲中継
<br />
天気予報見るとき必ず気にしてる君住む街の最低気温<br />
<br />
電機屋のビデオカメラに映る我見ればつくづく情けなくなる
<br />
何気なき言葉に切れむ妹背よりモンティ・パイソン並みの足蹴り<br />
<br />
彼のグリーンホーネットには侍従ありロビンほどには可愛がられぬ
<br />
我が家の初代愛犬なぜペロと命名されむかはたと膝打ち(嗚呼、迂闊)
<br />
無機質に笑うアイドル踊ってる四角に囲った世界の中で<br />
<br />
空(くう)を切る袋の中の右の手は 諦めること知るはずもなく<br />
<br />
繰り返し巻き戻しては始めから。画面の中へと吸い込まれゆく<br />
<br />
ああ雨か、いいや違う。砂嵐 テレビは告げる今日の終わりを
<br />
聖子ちゃんカットした子ら集まって語る「ザ・ベストテン」の聖子<br />
<br />
埋蔵金出たらニュースになるはずと言いつつ席を立たない親よ<br />
<br />
ピンチにはきっと助けが来ますよう紫頭巾百枚用意<br />
<br />
店頭で見るだけにして帰る日々猫が乗れない薄型テレビ
<br />
食べまくりシワなしコメント吐きまくるる食いしん坊には万歳なしよ
<br />
正しくは<br />
<br />
食べまくりシワなしコメント吐きまくる食いしん坊には万歳なしよ
<br />
売場にて極彩光にとりまかれ未来を賞味したる気になり<br />
<br />
そこかしこピッチ映してテレヴィジョン万華鏡のごとき祭典
<br />
美しき浅井雪乃の想い出を黒焦げにする愛のエプロン<br />
<br />
九歳の我は雪乃を責め立てる大人の顔がただ怖かった<br />
<br />
チャンネルをがちゃがちゃさせる下品さを叱らぬようにリモコンはあり<br />
<br />
砂あらし深夜に見れば右下に蟻地獄あり魔の2チャンネル
砂あらしに眼を細めればば右下に蟻地獄あり魔の2チャンネル<br />
<br />
(改作です)<br />
富士真奈美うつみ宮土理がべらべらとコメントをするいなか、の、じけん <br />
<br />
<br />
変貌を悟られしこと厭わずにビューティーコロシアムへお行きなさい
<br />
薄き硝子ネイルを立てつ引く音に目つむる沙粧妙子が想い
<br />
チャンネルをあなたの部屋にあわせてもカーテンが波打っているだけ
<br />
音声を絞り見ておる砂嵐 妻の病が癒えんと祈り
<br />
人類の偉大な一歩をみたときに月のうさぎの泣き声がした<br />
<br />
ぼくたちは魔法の箱と信じてた家具調テレビをみがいてた頃<br />
<br />
星屑をかき集めては張りつけてテレビの中のスターになるんだ
<br />
交番にコメットさんは舞い降りて愛ある星への道順を聞く<br />
<br />
裏技をたくさん覚えすぎたから恋のしかたは思いだせない<br />
<br />
こっそりと伊東四朗がかよっては脳内エステしているサロン<br />
<br />
紅白もみかんも君も捨て去ってPRIDEだけが僕を見ている<br />
<br />
真夜中のニュースが君を映しだし今から月へかえると告げる<br />
<br />
大好きなテレビ番組ほうりだし散歩に行こう仲直りして<br />
<br />
ポケットを探ればいつも友情があるから続く俺たちの旅<br />
<br />
ねぇ今さ、ハニカミ見てた?ねぇ今度あの砂浜へ一緒に行こう<br />
<br />
恋愛のしかたは月9に教わればダイジョウブだと信じたあの日<br />
<br />
懐かしのアニソン百曲歌いきる失恋したての日曜の夜
<br />
裏ワザをたくさん覚えすぎたから恋のしかたは思いだせない
<br />
子殺しの罪犯したる母親の顔も見飽きて次のコーナー
<br />
繰り返し見せつけられるビル崩壊 現実感はとうに擦り切れ
<br />
笑い屋の兼業主婦がまたひとり吸い込まれゆくはつ夏の空<br />
<br />
待ちわびた同窓会であなたから質問される「君の名は」とか<br />
<br />
恋人の成分分析してみてら怨念ばかりで「ふしぎ発見」<br />
<br />
バクさんのかばんの中の札束がこぼれおちたらそれも教育
<br />
なんとなく豊かになれたからなのかテレビが薄くなってゆきます
<br />
真夜中のジャングルジムのてっぺんにひょうたん島へ行くバスは来る<br />
<br />
結末はわかってるけど終われない恋もあるのよコロンボ警部<br />
<br />
はじければあぁ青春か。にいちゃんの立ちションいつも夕陽に向かう<br />
<br />
家政婦も見えてないけどいつだってここにいるからトイレの花子<br />
<br />
じいちゃんは家長の席で大相撲 あたし隣ででっかいあくび<br />
<br />
ぜったいに泣いてあげないジーパンの終わりのときもネロが逝く日も<br />
<br />
最後まで紅白みるゾ!意気込みもマンズワインに消えて十三歳(じゅうさん)
<br />
そののちにたれぞ名づくや忘れゑぬカイザースラウテルンの溜息
<br />
「カイザースラウテルン」と10回くり返し本番に挑む女子アナウンサー<br />
<br />
やけっぱち振る手はトラベルチャンスの見送りの旗みたい もう会えないんだね<br />
<br />
猛妻をあしらい微笑むご主人の眼鏡の歪みはムツゴロウ流<br />
<br />
ナイアガラのごとき寝汗の子の夢でスプーをうたってかくおねえさん<br />
<br />
眈々と二代目放浪画家の座を狙う裸の荒川良々<br />
<br />
出るんならバニーとしてだと欽ちゃんより慎吾に誓う仮装大賞<br />
<br />
ちょうちょ追うような指さきで一日をおしえてくれる夜の手話ニュース<br />
<br />
おとうさんスイッチはいらない おかあさんは押されなくっても動いています<br />
<br />
のど自慢大会に出た罪人がつかまる平和な国に生きてる<br />
<br />
鉄球に砕かれるままの山荘を見ていた父の拳(こぶし)は白く<br />
<br />
街頭の力道山に気絶した日からテレビが流した血の量<br />
<br />
リモコンを捨てよ町に出よう 君が見たくないものあふれていても
<br />
いまの声ぜったいテレビの音じゃない誰かいるわね正直に言え<br />
<br />
「大家族、たいへんだけど、楽しそう……」 一人つぶやく1LDK
<br />
サスペンス・ドラマを愛する祖母いわく 先週は計10名の死者<br />
<br />
テレホンショッキングに兄が出るよりは世界の終わりが先に来そうだ<br />
<br />
真夜中のテレビ通販 吹き替えの声はそっくり家出した姉に
<br />
七光りしそうな子ども探すのも楽しみだった歌合戦よ<br />
<br />
30人足縛り駆け50メートルつい涙する31脚
<br />
内輪ウケばかりのエンタに神様よ水を浴びせて大きな×で<br />
<br />
三歳のヒトと暮らせば六畳がわくわく野生の奇想天外<br />
<br />
カウントダウンTVしかもリピートで流行りの歌を知る敗北感<br />
<br />
昼ドラに集うかつてのアイドルの皺を数えて鏡を見ない<br />
<br />
くずかごにくしゃくしゃのメモ ミリオネアの応募宛先 父の筆跡<br />
<br />
リフト付介護士付のセピアバス保養地めぐって喜寿のあいのり<br />
<br />
この年も訃報舞いこむ部屋のなか饒舌に香る黒い玉ねぎ<br />
<br />
山田くんがにっこり運ぶ座布団の温もり思って今日もはたらく<br />
<br />
占いよりきょうのわんこの尾の振りで運勢決めて出勤しよう<br />
<br />
君と見た景色がアド街ック天国に映りキンキンまで好きになれそう
<br />
「爺ちゃんの見たのと違う」HGいつもニセモノ扱いとなり<br />
<br />
ママ友にまだ見せられぬでも見せたい「シモネタンカ」の採用ビデオ<br />
<br />
「ドキューン」して「バキュンバキュン」な「ピーピー」が「アブナイッ」そんな君が好きです<br />
<br />
昼食を終えてアリスのティーパーティー 司会はラビットではないけれど<br />
<br />
やけに鳴る携帯電話を覗いたらあなたの知らない世界広がる<br />
<br />
黄色から発せられたる一言に氷点を見る日曜の午後
<br />
箸先を滑る小芋にどきまぎと「いとこ同士」の夕餉は揺れる<br />
<br />
ご一緒に朝の連ドラみてた眼をカメラに戻すキャスターの笑み<br />
<br />
夕暮れのテレビの前にかしこまり「相撲が来る」と独りごつ祖父
<br />
おしゃべりもキスもしないで手をつなぎテレビを見てる土曜日の午後<br />
<br />
連ドラを見ている君の来週の恋の行方を君は知らない
<br />
「あるある」でいいと言われた商品が根こそぎ売れる群集心理<br />
<br />
坂道をスキップすればビー玉もポッケで歌う気まぐれ天使<br />
<br />
泣きそうな夜も喧嘩をしたときもテレビはいつも饒舌だった<br />
<br />
ただ一度きみと上った思い出の東京タワー、テレビで見てる
<br />
引き算をタップくんから教えられ重ねてしまう君のスリッパ<br />
<br />
アメダスを見てる場合じゃないんです 彼女の鼻はすでにどしゃ降り<br />
<br />
宇宙から送られている映像にきみのほくろを数えています<br />
<br />
(※誤記が見つかりましたので以下一首お詫びして訂正させて頂きます。)<br />
徳さんの涙のわけを聞けぬまま黄色い夏が終わりを告げる
<br />
弾丸が飛ぶ飛ばないの違いだけテレビの中はいつも戦争<br />
<br />
ムカつくぜ別に頼んだ訳じゃない地上デジタル放送なんて<br />
<br />
言われてた「テレビを見るとバカになる」お言葉通りでしたよ母さん
<br />
水面に 広がる波紋を 見る如く パネルが赤に 染められてゆく<br />
<br />
SHOW MEと 哀願込めて 言われても 「もう遅いのや。」と 決めてイントロ<br />
<br />
土曜夜 漲る男を 奮わせる 魔法の言葉 「ギルガメッシュ」<br />
<br />
茜色に 眩く光る 夕日が丘に 佇む男は 総理と呼ばれ
降りやまぬ風船の奥光る目が僕を見てたよおかあさんもいっしょ<br />
あの日NASAをみんなが見ていたその間個人の伏線張っときました
<br />
<br />
コンビニで スポーツ新聞 買い占めて 見出し比べる 夏の夕ぐれ
<br />
耿耿と燈るテレビの真夜にしてかひこの睡りうつくしく想ふ<br />
<br />
パルテノン神殿の電波キャッチしてわがテレビには神の子踊る<br />
<br />
累卵のこころせつなき昨日(きぞ)の夜のテレビに映るナスカの地上絵<br />
<br />
テレビのもとに眠るをさなきおとうとよ琥珀の色の愛わかちたり<br />
<br />
蜃気楼決して映らぬテレビ捨てわがこころのタクラマカン沙漠<br />
<br />
テレビとふ檻に戻らぬ鸚鵡ゐて真夜緋のシャツを截り刻むなり<br />
<br />
ホワイト・ノイズはわが星宿を支配してチャンネル変へる指を御したり<br />
<br />
リモコンでザッピングしながらオリーブの実を嘗め還る男の世界<br />
<br />
ブラウン管ひずむ深更一瞬をドッペルゲンガー花と消えたり<br />
<br />
こころにゑがく東野英心の俤は愕然と濃しはつちやくよりも<br />
<br />
たましひの一膳飯屋の片隅にマイケル富岡 縹(はなだ)の昭和
<br />
欽ちゃんに懇願されて点数を加えるような恋がはじまる<br />
<br />
モノクロの時代に紛れ彷徨(さまよ)える油まみれの黒い鳥たち<br />
<br />
<br />
(改作です、お願いします)<br />
用を足すつかのまのゴール傷ふかしミス悔やまれど祖国は負けか
<br />
行かずともここが一番特等席さスポーツも旅も思いのままに <br />
<br />
土曜日の夜は特別サービスでGメン'75を見てもよし<br />
<br />
8時だよ!あの声が響く土曜日の特別な夜は戻ってこない <br />
<br />
はらさんに5千点をかけるように自信をもって答えを待つわ <br />
<br />
出ていたら500万円もらえたね出ていないからもらえないけど <br />
<br />
チャンネルの意味がないほど同じ顔ばかりみている今日も朝から <br />
<br />
お天気のお姉さんに見送られ今日も夫は笑顔で出勤 <br />
<br />
占いを見ないと一日始まらず12位だったらあと5分寝る <br />
<br />
5年後はただの箱となるキミを自分の姿にかさねてながむ <br />
<br />
気が付けば砂の嵐を放送中 果てしなく続くノイズにのまれり <br />
<br />
砂嵐そんな番組やっていた草木も眠る丑三つ時は <br />
<br />
貞子さんダイエットしなくても大丈夫大型画面でお待ちしてます <br />
<br />
フリフリのドレスを着ていたアイドルがフリフリのエプロンつけて昼ドラの主婦<br />
<br />
豆粒のような観客席さがす私の内緒の野球観戦
<br />
月を見て狼男に変身しそのまま君を奪って逃げよう<br />
<br />
ゲバゲバと言って笑って許しあう 私もあなたもヤングであった
<br />
<br />
(ひとつ修正します)<br />
気が付けば砂の嵐を放送中 果てなく続くノイズにのまれり
<br />
大好きな振りをするのは簡単よ 食わず嫌いをよく見てるから <br />
<br />
およびでないおよびでないと逃げられる植木等はとても幸せ <br />
<br />
アナログはあと五年だと告げられて我のことかと胸を押さえる
<br />
双子タッグに翻弄されしレフリーを絶賛しているドリフの面々<br />
<br />
コップからあわわとサイダー溢れさすタイガーマスク引退のテロップ<br />
<br />
「『11pm』に行って来る。」 「ハア?」 林屋パー子の脳が欲しい<br />
<br />
国会の会期延長を頑なに拒む総理の頬の日の丸
国会の会期延長を頑なに拒む総理の頬に日の丸
<br />
禁断の赤い実たべた少年はイルカに乗ってどこへ行ったの<br />
<br />
ラッシーと同じ瞳(め)をしたポチが鳴く赤い月夜にひとりぼっちで<br />
<br />
赤・青・黄グラサンかけた白黒のテレビでハッピー七人家族<br />
<br />
モノクロのアルバムの中いつだってみんなの歌がきこえるよ ほら
<br />
「いいとも」をしてる奴らのすみっこで徒手空拳の関根勤は
<br />
投げ上げた赤い林檎はぼくたちの心臓めがけ落ちてくるんだ
<br />
背を向けた君の背中に大声で叫んでいました「ファイナルアンサー?」
<br />
飛行場新幹線ホームどこででもアイドル歌うザ・ベストテンだ!<br />
<br />
なんでだよこんなとき壊れるってワールドカップとテレビが燃えた
<br />
玉手箱開ける太郎へ「いつみても波瀾万丈」の効果音<br />
<br />
大切なシーンの前で途切れてる失敗録画みたいな二人
<br />
寡黙なる父の落とした海老フライ「お前は誰だ」「地デジですけど」 <br />
<br />
兄ちゃんは鼻から牛乳したたらせ地デジ見つめてふるえておりぬ <br />
<br />
姉ちゃんはメール打つ手を止めぬまま醒めた目をして地デジを見おり<br />
<br />
ケータイで激写しまくる妹よ地デジはちょっとムックに似たり <br />
<br />
キムタクを真似てコケてる弟よガラモンに似たかわいい地デジ <br />
<br />
母は背にサインをねだるヨン様に似ても似つかぬ地デジだけれど <br />
<br />
ユニゾンで響く双子の悲鳴かなピグモンに似た地デジあらわれ <br />
<br />
ばーちゃんの飛んだ入れ歯が描く虹その真ん中に立つ地デジかな <br />
<br />
なにごともなかったように夕げ食むじーちゃん連れて消えゆく地デジ
<br />
衛星を介して蛍再生のドキュメンタリーはより鮮やかに
<br />
廃屋にころがるテレビが映しだす停電の夜のメトロポリスを<br />
<br />
テレビから飛び散る砂が降り積もる一人の部屋の午前四時には
<br />
無人駅ホームでテレビのリモコンに語りかけてる人妻がいる<br />
<br />
ぱちぱちと音たてながら頭からブラウン管に吸い込まれてく<br />
<br />
リモコンを失くするほどの困惑を予感し君が切り出すコトバ
<br />
帰ってみると息子もいない荷物もない 奥様は本気(マジ)だったのです
<br />
小堺よサイコロ掲げて降臨し救いたまえよ初のデートを<br />
<br />
南から来た花嫁の行李(こうり)にはタガログ語版おしんのビデオ<br />
<br />
崩された積木の家の表札はのぞみ かすかにわらべ歌が聴こえる<br />
<br />
おやすみを誰ともかわせなかった眼に大塚アナのほくろ眩しく<br />
<br />
世界中すべての鉄道乗りおえて次クールからは銀河の車窓
<br />
真夜中に点けっぱなしのテレビから海よりもなお青い光が<br />
<br />
暇なときはテレビの前で爪を剪る僕の破片が画面をはじく<br />
<br />
爺さんの形見の錆びた柱時計動き出したら信じてやるさ
<br />
若さとは痛々しいということをこんなテレビで確認する俺<br />
<br />
その苦労いつか役者の仕事にも役立つときがくるといいよね<br />
<br />
ふり回すその腕だけが好きだから本当の君は知らなくていい<br />
<br />
吹き上がる蒸気の彼方立ち上がる美少女の影に見入る黄昏<br />
<br />
お宝は心の中にあると知るだからしっかり自分を護れ<br />
<br />
宇宙から僕らの街にやってきたてれび戦士とがっちり握手<br />
<br />
土地訛りひとつふたつをお土産に子どもらはまた都市へと戻る
<br />
崩された積木の家の表札はのぞみ わらべ歌かすかに響く
<br />
うっすらと積もる埃を見ぬようにテレビの裏に光を当てぬ
<br />
うっすらと積もる埃を見ぬようにテレビの裏に光は当てぬ
<br />
ブラウン管めがけて放ったファブリーズ 「ヤラセじゃないか」舌打ちしつつ
<br />
音楽の神様がいま降り立ちて魂還るテレビのなかで<br />
<br />
子宝の多きはすべて定めですドジでノロマな亀のあなたは
別れてもいいともーなどとふざけてる笑顔の君のその目がマジだ<br />
チューリップハットのゴールデンフィンガーよ乾いた夜を救う魔法は?
<br />
<br />
デュシャンも今やただのトリビア トイレからお湯が吹き出す時代となりて<br />
<br />
「いいとも」のレギュラー陣のはしっこに徒手空拳の関根勤が<br />
<br />
全国の不登校児に響きたる「ごきげんよう」のかなしきしらべ<br />
<br />
24時間テレビに集う本当の愛の重さをはかる まよなか<br />
<br />
「つまらない恋だったね」とつぶやいてフラットテレビを見つめるふたり
<br />
紅葉踏む草履の足袋が白きゆえ目張り艶めけ隠密剣士
<br />
老公と呼ばるる人の目に棲んだくノ一の肌稼ぎし数字
リモコンに立ちはだかって彦星に会おう今夜なら油断している<br />
アンテナを握ればぱちっとと細胞に戻れるかなあ屋根裏で寝る
<br />
ケネディの葬送その日墨絵めき母注ぎたるプラッシーの黄
<br />
昼ドラにしようかそれともサスペンス?すがって脱ごうかナイフにしようか?
<br />
チビノリダー⇒電車男⇒猪八戒 カロリーメイト喰む人の名は<br />
<br />
0−400m(ゼロヨン)で22秒を我に課し君ぞしばらくおまちください
<br />
スイッチを幾度切りても君の微笑映しつづける傷心の夢<br />
<br />
たち悪き病の如く増殖す子供部屋とかかくしの中とか<br />
<br />
「しばらくお待ちください」の文字ありてハルマゲドンの預言者立てり
<br />
てなもんや三度笠とも夕暮れを照らしカラーTVは綺麗<br />
<br />
三色のNHKがシール貼るお家(うち)の児で無い児等(ら)に無垢来い
<br />
先細るやと集金はガッツ込めNHKへようこそと笑め<br />
<br />
ひき籠もる寝間におきたる携帯(テレフォン)で書翰(メイル)宛て無く見るTV(テレビ)だけ
<br />
よよよいと伝七をまね指合わす君を愛した理由のすべて<br />
<br />
南米の神より賜う託宣を青き人知る拈華微笑ぞ
<br />
表情も声も機械でぼやかしてこれからきみに告白します<br />
<br />
あなたとは会いたいときに会いたくてオンデマンドを申し込んでる<br />
<br />
この恋が絡まぬようにケーブルをたぐりよせてるおニューの軍手<br />
<br />
解説者きどりのきみが叫んでる誰もきかない多重音声
<br />
黒色の長靴下を穿けぬ朝 人間もどきになるのが嫌で
<br />
標本のごとき二人を見比べるだん吉エバのおまけコーナー
<br />
いつの日か吾(あ)の漫画にもこのオッズついてくるものと信じているぞ<br />
<br />
入念に塩と重曹を間違えるリハーサルを繰り返す女<br />
<br />
痛ましい殺人事件の紹介が終われば瞬時に楽しいサッカー<br />
<br />
6月15日投稿分の改作です<br />
今日もまたテレビタレントを嗤いあうふたりの魂は餓鬼らの晩餐
<br />
連日の 蹴球の宴 冷ややかに 語学勉めし 教育テレビ<br />
<br />
やがて来る バブルの狂気 告げるように タカノリ囃す 一気一気と<br />
<br />
淀の菊 いざ咲かさんと 飛んできた 画面右より 深い衝撃<br />
<br />
あの馬の 動き始めから 画面より 血流荒らす 深い衝撃<br />
<br />
きし麺と 小倉トーストが 生み出して 茶の間に届ける 人の世の業
<br />
宙空を行く電磁波の不思議なる摂理に従いみのもんた飛ぶ
<br />
厚紙に貼る事件持つ人のいるウィークエンダー明日は日曜
<br />
母と見ん夏や球児の獰猛に檸檬かき氷噛むしゃりしゃりと
<br />
身体に宿る物の怪探りつつ遠き異国の物の怪を知り<br />
<br />
テレビなど俺は嫌いと云う父の青きシャツ見む彼の眼差し
<br />
選ばれしアナウンサーもNGを出しては僕にお詫びしている<br />
<br />
あじさいをボンボンにして踊りだすスクールメイツに憧れたまま<br />
<br />
朝礼で倒れるきみを抱くようなドミノを見たらテレビを揺らせ
<br />
やくわりを終えたテレビが電柱にもたれてあおぐ空 青すぎて<br />
<br />
ねぇ母さん。仮面ライダーより強くなったら僕も兄ちゃんになる?<br />
<br />
「ごんぎつね」読むだびいつも思い出すジュリーが好きなばあちゃんの名を
<br />
あどけなき姿に面影は無くとも松田聖子は顔を隠さず
<br />
死ぬまでのことがつぶさに書いてある番組表を千円で買う
ランドセルに腰かけ平和を話し合う忍たまのような景色の中で<br />
風水で建てた豪邸ピーコが斬り数子に叱られ美輪に住まれる<br />
イケメンの私の彼はテレビっ子CM中だけ愛を育む<br />
キンチョウの夏はうちには来ないってオートロックに鋭い陽射し
<br />
コバルトの海をいろどる珊瑚礁つかむこの手にふれる曲面<br />
<br />
夕暮れの街頭テレビが華やかに時のスターを気取っていたよ<br />
<br />
「真夜中を24時間走りきる力を我に杉田かおるよ」 と猿<br />
<br />
「真夜中にごきげんようと囁かれ侮れないよ小堺は」 と猿<br />
<br />
「真夜中でテレビ戦士の活動が鈍った時がチャンスさ」 と猿<br />
<br />
「真夜中は深夜番組ない時に置き去りにしてきたのね」 と猿<br />
<br />
「真夜中の恐れを知らぬ子供たち深夜番組にぎやかし」 と猿
<br />
電源はオフにしましょうこの恋の最終回がはじまらぬよう<br />
<br />
色あせた名曲アルバムひらいたらあふれだします君のピアノが<br />
<br />
かんたんにチャンネルかえていくように君との恋ははじめられない
<br />
色あせた名曲アルバム開いたらあふれだしますママンのピアノ
<br />
改作してみました!
<br />
重ならむ布団のあいだ押入れで動かぬ夢の化石恐竜<br />
<br />
朽ち社棲む唐獅子に似た犬が風に撫でられ尾を早く振る
<br />
朽ち社棲む唐獅子に似た犬が風に撫でられ尾をはやく振る
<br />
目の前にあればついつい見てしまうテレビドラマと君の身体と
<br />
※すいません、漢字でした
<br />
漂白をしてもすぐさま汚されるソープオペラの忌まわしき血よ<br />
<br />
<br />
改作です。すみませんお願いします。<br />
<br />
「入る」っていう字も支えあってると囁く個人授業の金八
<br />
叩いたら直るんだってじいちゃんが液晶TVを台無しにする<br />
<br />
白黒のTVに映る赤影が人生初のヒーローだった
<br />
なんとなく渡る世間は鬼ばかり呟く肩と肩がぶつかり<br />
<br />
悩みなどどうでもいいと思わせるタヒチの空を見る4畳半<br />
<br />
新緑にあふれる旅行歳時記を見ながら食べる冷凍の餅<br />
<br />
薄型のテレビの上じゃ眠れない猫の会議が始まる0時
<br />
「動物の奇想天外具合など」横たわる君を見下ろしながら<br />
<br />
配線を悩む電器屋見守って手持ち無沙汰な電波少年
<br />
夕方はドラマを観て過ごしています 再放送のようです毎日<br />
<br />
再放送ドラマの女優の眉くらい存在感のある人でした<br />
<br />
ぬばピーの黒ウッフンがダダダれば我のパオーンはワ〜オてゐたり<br />
<br />
テレビより遅れて響く遠花火 ふたりの距離を告げるみたいに<br />
<br />
(改作:巨体を巨漢にしてみました)<br />
ぶよぶよの巨漢に細き老体が裁きを下す相撲中継
<br />
フライングクロスチョップがほとばしるテレビの中は四次元世界<br />
<br />
美人だがいち視聴者であるはずの彼女を取り込んでいる液晶<br />
<br />
「あなたにはいつも綺麗に見られたい」恋するきみは薄型となる
<br />
モノクロのテレビの中でつややかに黒光りするくちびる厚し
<br />
行く先はダーツの飛ぶ先 その先に白塗りアフロのブルーな蛾次郎<br />
<br />
自身ありでも謙虚さを装って鑑定依頼を 私達の愛<br />
<br />
笑い屋を5万人ほどおさえたと 熱血AD裏返る声
<br />
*先ほど間違って打ってしまったので、訂正させていただきます。<br />
すみませんが、よろしくお願いいたします。
<br />
むらさきのクレヨンばかり使ってたあの子がテレビに 死体の役で<br />
<br />
着信音 ジャック・バウアーと同じでも我がオフィスは間延びしたまま<br />
<br />
目を見張る テレビ戦士が5年後にセーラー戦士の敵に転じて<br />
<br />
’40年 新シリーズの水戸黄門 香取慎吾の笑い声響く<br />
<br />
最寄り駅に防護服の群れあざやかで「次のニュース」がSFになる<br />
<br />
ずいぶんと下手な操縦する人ね つぶやいていた9・11
<br />
テレビから飛び出すきみの笑顔には三年前のあの日あの場所<br />
<br />
*<br />
<br />
・8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝とてもさみしい <br />
<br />
の改作になります。<br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝太陽が白い <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝校門は遠い <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝牛乳が黄色い <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝クラスが白い <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝の白い教室 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝新聞がない <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝とつぜんの雹 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 月曜の朝村八分です <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて ともだちの輪かすむ月曜 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 村八分の英訳をする月曜 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 給食が一食たりない月曜日 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 登校拒否の意味を知る月曜 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて 灰色グマに抱かれて月曜 <br />
<br />
8時だョ!全員集合みそこねて ブラックマンデー再現の朝
<br />
昼下がりサイコロで出た恋バナに聞き入る母に少女かいま見<br />
<br />
夕涼み再放送のドラマ見て話題に追いつくハブられた子が<br />
<br />
ことごとくヤラセにみえるあいのりで真実キラリ☆ウェンツの涙<br />
<br />
シモネタに激しく笑う愛娘目をそらす父子離れ誓う<br />
<br />
名の通りいろいろあればいいのにな・・・・・・どれも同じに見えるバラエティ
<br />
夏の夜開け放たれた窓からの歓声を聞く あぁ逆転か <br />
<br />
酒焼けの声はかすれて懐メロの高音悲しあの人は今
<br />
僕の手が電源を入れ君の手がチャンネル変える次の恋へと<br />
<br />
アメダスは見せてくれないあの人の腕にからまり吹く黒南風(くろはえ)を
<br />
アメダスは見せてくれないあの人の脇をすりぬけ吹く黒南風(くろはえ)を
<br />
彼は今日、傘を忘れて行ったのよ テレビの中に爆弾が降る<br />
<br />
遠い国遠い場所での戦争を十五インチの画面から消す<br />
<br />
あの街に行けば全てが始まると信じた東京ラブストーリー<br />
<br />
老人と酔っぱらいしか起きてない夜明け前なら聖書の時間<br />
<br />
無くさないように首から下げた鍵 平気、ひとりでできるもん ほら<br />
<br />
わたしでもきみでもなくて物憂げな三時のあなたは何処のどなたで<br />
<br />
テレビから世界の車窓を覗き込むスイッチ一つで消せる景色を<br />
<br />
題名の無い音楽会の題名をつければ世界が滅ぶ日曜<br />
<br />
燃やしたくないもの燃やす火葬場の隅で勝手に燃える昼メロ<br />
<br />
青空が見える三帖一間にて灯るテレビに爆弾が降る
<br />
墓のごときテレビに視入るわが舌に真冬の果実つるりと甘し<br />
<br />
廃品の山巓にして破れゐるテレビの泪 ことごとく寧(やす)し<br />
<br />
テレビの映すバベルの塔にまたひとりまたひとり消え横なぐりの雨<br />
<br />
サヴァンナに水浴む象の牙凉し「野生の王国」に紫金(しこん)の夕映え<br />
<br />
カシミールの少女の髪の黒ささへ哀しみの礎(いしずゑ) 「新世界紀行」<br />
<br />
熱帯雨林にテレビのアンテナ聳えつつ交感してゐる夜のどうぶつ<br />
<br />
あざらしに一瞬友の貌(かほ)髣髴し画面に満つる氷塊の青
<br />
6月18日投稿分の改作2作です。よろしくお願いします。<br />
憂鬱な表情をした漫画家の答えを待っている博打打達<br />
<br />
重曹と塩を間違えしエプロンを剥げば愛液湿らす銃創
暗くって…リモコン押した。「なにテレビ?」背中におもい君の温もり<br />
青白く光るテレビが諭してる 無粋な夜から帰った我を
<br />
美しき女は飽きる 例えればものまね王座の本人登場
<br />
ラ・テ欄に「美少女」とあり更かす夜の長さに負けて中3の秋<br />
<br />
ばあちゃんも白黒だった頃がある 私は貝になりたくなかった<br />
<br />
つまらないね君の言葉は好きだけど原作つきのドラマみたいで<br />
<br />
誰も僕を分かってくれないミュートしたテレビに映るキャスターのばか<br />
<br />
白黒の魔女だったのに奥様はまばたきひとつでカラーになった
<br />
ヤンキーにからまれ思うこんな時白馬の少女が来てくれたなら<br />
<br />
努力家で涙もろくて正義感強い人程早く逝く運命(さだめ)<br />
<br />
スタンドで見守る遺影の数こそが何より確かな勝者の証(あかし)<br />
<br />
「悔しいです!」泣きじゃくってたミツオの画(え)ドイツのピッチに今蘇り<br />
<br />
試合後のロッカールームでセンセイに殴って欲しいジーコジャパンを<br />
<br />
ノーサイド告げる笛の音(ね)響く時親父とオレの仲もノーサイド
<br />
*「蓮ドラ」を「ヒロイン」に、二つ目の「に」を「へ」に改作してみました。<br />
<br />
テレビから煙も出さず茄子紺は炭色となりやがて琥珀だ
訂正してお詫びに変えさせてください。
<br />
客人に子供時代を語らせる徹子の部屋のたくさんの窓<br />
<br />
匿名の夜にひそみて太陽にほえざる者は殉職をせず<br />
<br />
いわし雲みたいにいつか消えていく「なんじゃこりゃあ」と吠えることなく
<br />
並び立つ突飛な犬の数々が僕を見つめる画面のむこう<br />
<br />
美食家を映すテレビの裏側をゴキブリの巣にしてはならない<br />
<br />
ウオトカをあおりつつ見る流氷の上の白熊水面見つめる<br />
<br />
アイドルは次々代わるそれなのに僕のテレビは変わらぬままだ<br />
<br />
シベリアの氷の中にあるテレビ 電気がなけりゃただの箱だろ
重曹と塩を間違えしエプロンを剥げば愛液あふれし銃創
<br />
耳もとで「おはようございます」なんて久しぶりだわ 歯ブラシあげる<br />
<br />
この星で起きるすべてのトラブルはCCDに救われている<br />
<br />
月面に着陸したら「どっきり」と書かれた旗を立てる船長
<br />
当たらぬと陰口言えばテレビから這い出る占い師に注意せよ
<br />
さくら散る初めひとひらテレビには吉野の山なみ花に盲ひて<br />
<br />
ゴールネットに刺さる歓喜を捉へたるスローモーション春風の蹴球<br />
<br />
一つ家の反撥家族を繋ぎとめ東京タワーより零(ふ)る「友愛」<br />
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テレビには深海死後のヴィジョンの如マリンスノーの饗宴果てなく
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パソコンや電話を装備する夢が四千円で家電リサイクル<br />
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カーテンから覗くガラスの向こう側 徳光さんは泣いてはいない<br />
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これがあの議事堂 隅にテロップがついてないからもう帰ろうか
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優しさはいつわりになる液晶の画面が映す林檎のように
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熱冷めぬ妻よ零るる我が汗を受けて目蓋をひととき濡らせ<br />
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テレビ照る部屋にいる君さむざむとビデオで何を映したのかい<br />
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神宿る場に何物か訪れんブラウン管とも奔る雑音(ノイズ)と<br />
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白血球減る深夜なり顔照らす光は唯一テレビのみから
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点滴の落ちる音ふと途切れたるただ画面のみの歓声聞こえ<br />
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テレビ消すとき訪れる虚無ほどの静けさ震わせ雨蛙啼く
6月15日投稿分<br />
「うちじゃあもっと、派手にやってもらわないと」純情派の情熱は届かず<br />
6月24日投稿分<br />
しろたえの腹巻をした青年を真白くしていく テレビの光
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助手席におらぬ妻よりメイルきて胸の振動気恥ずかしい日
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甲子園出場校の紹介に映せぬ生徒や壁の穴など<br />
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父さんがバイオリン弾く食卓は落ち着かないとローラの日記
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望むのは貴方が笑ってくれること M−1それはMATSUMOTOー1番
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アラこの子昨日床屋に行つたのね祖母が呟く正午のニュース
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特大のブーメラン投げ飛ばしても天使の輪には届かぬ距離さ
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食卓に移民の歌が聴こえたら今日のおかずはキングコングニー
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(改作)<br />
匿名のカーテン閉ざし太陽にほえざる者は殉職をせず
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静電気に寄る埃ほどの吾だろう 深夜のスイッチ切れないままで<br />
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誘蛾灯に散る燐粉かトゥナイト2荒木師匠のラメのシャドウよ<br />
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願書すら取り寄せられない身ながらもしらじらと見る平成女学園<br />
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遠距離の彼の電話の背後にて語る古館をアリバイとする<br />
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読まれない「ご覧のスポンサー」みたい 君のいちばんになれなかったよ<br />
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巨人戦延長のため結末がとぎれた録画みたいな失恋<br />
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老技師の軍手で基盤をはずされてブラウン管は眠れる やっと<br />
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ハンダ付けの指を拒んでプラズマは電子制御の闇に砕ける<br />
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上海の工場勤めの姑娘(クーニャン)のくすくす笑いも詰めた液晶<br />
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*以前の投稿の改作です。宜しくお願いいたします。<br />
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証人が喚問台でおもむろにかぶるウルトラクイズの帽子<br />
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南から来た花嫁のトランクにタガログ語版おしんのビデオ<br />
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ああ小堺サイコロかかげ降臨せよ話はずまぬ初のデートに
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白黒のプロレスの夢オルテガの額に垂れる血だけが赤い
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アルトゥール・アントゥネス・コインブラ、後世捧げむ想いの行方
単に散文としても、ジーコよ、私は忘れません。<br />
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夜と朝の間際サンボリックマスターは、苦笑い、でもタンバリン打ち<br />
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アルトゥール・アントゥネス・コインブラ、後世捧げむ想いの行方
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テレビにはこびとが住んでいるのだと言い張るきみもこびとになった<br />
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テロップが流れています「宇宙からひまわりの種接近中」と<br />
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テレビにも外部装置をとりつけて(しんじの耳とかをりの眼鏡)<br />
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アイキャッチされるがままの僕の目はテレビの嘘を覚えています
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冷えピタを額に乗せてこっそりと布団の隙から見てた昼ドラ<br />
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ガチャピンもムックも知らぬ十三の従兄弟は知らぬジェネレーションギャップ
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アップダウンクイズの答出来すぎて夜空に浮かぶ天才少年
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デキている事を即座に言い当てる三十路の姉のテレビ鑑賞 <br />
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日本一の儚き夢を追い求め ボキは負けぬと声が轟く<br />
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インスタントラーメン研究家となりて夢破れたりミスター梅介
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三原色に世界は還元されていく 海も夕陽も小麦畑も<br />
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ゴキブリの惨殺死体 リビングに響く聖母たちのララバイ<br />
(一字あけです)<br />
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ベランダの白いおさらに星屑がしずかに溜まるスカパーな夜
再改作でございます。<br />
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ベランダの白いおさらに星くずが満ちてくるから 夜はスカパー<br />
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決定!
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崩れてく積み木は今もリビングで蹴られ踏まれて木の温もりが<br />
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精神を集中させて邪念という気でスイッチを入れてみせます
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フィクションとノンフィクションの境目をかきわけながらメイクを落とす<br />
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(さてここでクエスションです)ひとし君いったい何がしたいのですか?<br />
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【一首改作です】<br />
真夜中のカラーバーから暗号を読みとっているリヒャルトゾルゲ
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当たらない数字が落ちた挽回に改名してた天気予報士<br />
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よそごとと見れば自分の住む町で今すぐ帰るみんな無事なの?
欲まみれギラリ微笑んでた君を見なくなったよ天才てれびくん<br />
トーストを拾う背中を通り越しリレー中継君の町まで<br />
「ムックみたい」愛しあの子の指先はハンバーグ作る調理実習<br />
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(前回送りました、<br />
ランドセルに腰かけ平和を話し合う忍たまのような景色の中で<br />
は、忍たまがおもいっきりアニメでした。うっかりしてました。ごめんなさい、引き取ります)
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夕空の地上波デジタル放送がきみの笑顔もモザイクにする<br />
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土曜日のこどもニュースよゆっくりとツキノワグマの夢を伝えて<br />
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あやふやなキミの笑顔はとけてゆくモノクロームの深夜映画に<br />
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あの時の右目のしたの泣きぼくろ白黒テレビのようにおぼろげ<br />
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おはようの声聞きたくてチャンネルをくるくるかえる何処まで帰る
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サヨナラはあっけないほど突然でモノクロームに焼け付く笑顔<br />
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アーカイブ星ってほんとにあるのかな大切なものそこにあるかな
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美人気象予報士を呼ぶアナの笑顔マナー講座の試験に出ます
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ぎこちない動きで今日も生きているサンダーバードみたいな僕ら<br />
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ダメ出しをするならえりを立てましょう 深夜のDのたしなみとして<br />
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深夜ではあらゆることが許されて砂嵐さんをブッキングする
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主題歌がいつの頃だか忘れてる再放送を見ゆる夕暮れ<br />
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空蝉のようなニュースを見ゆるとき泥人形と躍るワルツを<br />
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少年Aと呼ばれた歳を追い越した氷河期融解前夜の私
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爽やかな海の男は怪しげな「仮面舞踏会」とは言えなくて
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ワニバレエひっそり真似してみたならば意外とできた朝の「あいのて」<br />
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脳味噌がとろけてみんななくなってそれでもいくよ「いないいないばあ」<br />
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NHK語学講座の例文のように攻めたら新鮮だろうか?
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夏の日のはち切れそうな胸元のシャツのボタンが語るおもいで<br />
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砂浜で泣くのはいやだ笑っちゃおっドン・ガバチョからはげまされてる
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亡くなった娘の道連れ願いたる母も呑まれしその濁流に<br />
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今日もまた静かな山村変貌すリンチによりツインピークスと
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友だちの友だちがみな友だちとするならばもう笑ってられない
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↓「すなあらし」を漢字にしてみました。<br />
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リモコンのどこを押しても砂嵐テレビも僕をおきざりにする
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液晶を泳ぐイルカのきょうだいを親指のうごきでねむらせる
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なるほどザワールド見てたあの頃は世界は近くどこへも行けた<br />
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キミワラエ 東京タワーの電波より指令が下り口角上がる<br />
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タイタンの磁気嵐のため埼玉のうちのテレビは太って写る<br />
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テレビ見た?ケーキ屋ケンちゃん出ていたよ 沙悟浄(さごじょう)だった人と一緒に<br />
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親は寝たテレビに挿したイヤホンに大人の音楽イレブンPM<br />
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知らぬ間にテレビに写る人たちが地底人へと置き換わる夏
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液晶を泳ぐジュゴンのきょうだいへ親指がおやすみを送った
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遺伝子に海の記憶がある今日はテレビの青に包まれ眠る<br />
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罰としてひとりで過ごすクリスマス リンゴンリンゴンテレビが歌う<br />
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久方にふたりで過ごす週末のふたりを映す無言のテレビ<br />
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背中にはあなたの鼓動リノリウムの床が映すよテレビの嘘を<br />
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唐突にキスをくださいCMの1分間の君をください<br />
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日曜日君が家族と見るテレビ そうねあなたはお父さんだね<br />
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梅雨晴れの水曜である会社など休んでビール・昼ドラ・昼寝<br />
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海底に沈んだテレビその中で眠り続ける未来のわたし<br />
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イギリスで長い手紙を書きおればBBCが映す夕焼け<br />
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女にも戦いがあるW杯見ている君の携帯を見る<br />
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パブで飲む黒ビールより苦かった二人でみたねワールドカップ<br />
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私へのシグナルがきっと隠れてる今日のテレビのどこかに誰かに<br />
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人魚姫がテレビの前に寝そべってバブルはじけるニュースみている<br />
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画面から白球が来たキスをして戻そう夏の甲子園へと<br />
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テロップが地震を告げる震源はわたしの心あなたが揺れる<br />
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風呂・テレビ・飯・風呂・テレビ・飯の日々あのおじさんはしあわせらしい
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アウトかな…です。
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2秒後の彼の返事はかき消され殺人犯のニュース速報<br />
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姉三十路ドラマの恋に憧れるつまり他人がつくった恋に<br />
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この事例相続人は誰なのか世界は死んで遺産を残した
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大きくて複雑でまた面倒なものなど全てテレビでみたい<br />
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2時間も長電話してテレビ消し耳の熱さにドラマ感じる